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発明の名称 田植機の薬剤散布装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−252059
公開日 平成8年(1996)10月1日
出願番号 特願平8−8060
出願日 平成1年(1989)1月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 中村 正一 / 中尾 康也 / 高尾 裕 / 富田 幸蔵 / 早瀬 和幸 / 門出 剛
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 薬剤を貯留するホッパ(13)と、前記ホッパ(13)から薬剤を繰出す繰出し機構(14)と、繰出された薬剤を回転によって飛散させる回転体(33)と、前記回転体(33)によって飛散された薬剤を拡散させて圃場面に落下案内する横長のガイド部材(15)とを備えると共に、前記繰出し機構(14)によって繰出された薬剤を、前記回転体(33)における異なる複数の部分に案内する複数の案内路(S)を備えてある田植機の薬剤散布装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植付条に対応した複数の植付機構を備えるとともに、各植付機構の駆動系に、一部の植付機構のみ駆動する状態と全条植付け状態とに操作切換え自在なクラッチ機構を備えた苗植付装置を設け、苗植付装置の後部に薬剤散布装置を配設して、前記薬剤散布装置は、薬剤貯留用ホッパの供給口下方に、薬剤通過用透孔を周方向に沿って多数形成した回転円板型の繰出部材を設け、かつ、その下方に、落下案内経路を介して落下した薬剤を、縦軸芯周りの回転によって略全植付け幅に亘り拡散放出させる回転羽根を備えて構成してある田植機の薬剤散布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来における上記薬剤散布装置としては、本出願人が先に出願(実願昭63‐179358号)した構造のものがある。つまり、前記ホッパの供給口及び落下案内口を夫々単一のものに形成するとともに、前記繰出し部材の駆動回動量を手動回動式ネジ送り機構により変更調節することによって薬剤の散布量を変更させるよう構成してあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来構造では、薬剤の散布量を手動によるネジ回動量で繰出し部材の回動量を変化させる構造であるので、例えば前記クラッチ機構の操作により全条植付け状態と部分条植付け状態とに切換える毎に上記調節回動操作を行わねばならず、作業が煩わしいものとなる欠点があり、又、この回動調節を失念すると不適当な散布量となる弊害が生じる欠点もあった。しかも、調節精度も低く改善の余地があった。本発明の目的は合理的な構造改良により上記不具合点を解消する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(イ)第1発明に係る薬剤散布装置においては、クラッチ機構を前記条植付け状態に設定しておくと、全落下案内口が開放され薬剤は全ての落下案内経路を介して落下拡散される。そしてクラッチ機構を部分条植付状態に切換えるとそれに伴ってシャッタ機構により一部の落下案内経路を閉じるので、薬剤は残余の一部の落下案内経路からのみ落下することになり散布量を植付け条に対応した量に精度よく変更できる。
【0005】(ロ)第2発明に係る薬剤散布装置においては、上記作用(イ)に加えて、各落下案内経路を落下した薬剤に対する回転羽根による跳ね飛ばし方向が夫々異なり、全落下案内経路を開放した状態つまり全条植付け時には広い範囲に亘って均一に拡散放出することができ、一部の落下案内経路を閉じた状態つまり部分条植付け時には、植付け領域へのみ薬剤の拡散を行うよう自動的に選択され落下供給させることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】図8に本発明に係る乗用型田植機を示している。この田植機は、乗用型走行機体1の後部に昇降駆動されるリンク機構2を介して苗植付装置3を連結するとともに、苗植付装置3の後部に施肥装置4を取付け、さらにその後方に薬剤散布装置5を配設して構成してある。
【0007】前記苗植付装置3は、図5及び図6に示すように、植付け苗を載置する後下り傾斜姿勢の苗載せ台6を、フレーム兼用の植付伝動ケース7に一定ストロークで往復横移動自在に取付けるとともに、植付け伝動ケース7から後方に向けて一体延設した3個のチェーンケース8の後部両側に夫々植付機構9を設け、6条植付け型式に構成してある。前記植付け機構9は、前記チェーンケース8の後部に、その中央の横軸芯X1周りで回動駆動される回転ケース10の両端に植付け爪11を装着し、回転ケース10の回転に伴い植付爪11が楕円軌跡を描きながら苗を切り出して圃場に植付けるよう構成してある。そして、前記植付伝動ケース7内および、各チェーンケース8内には、前記植付機構9に対する動力を各別に断続するクラッチ機構Cを内装してあり、各クラッチ機構Cの入切操作は苗載せ台6の前面側に配設した各条クラッチレバー12の人為操作により行うよう構成し、一部の植付機構9のみ駆動する部分条植付け状態と前記植付機構9を駆動する全条植付け状態とに切換え可能に設けてある。
【0008】前記薬剤散布装置5は、中央上部に粉粒状の薬剤を貯留するホッパ13を備え、そのホッパ13の下方に所定量の薬剤を繰出す繰出し機構14を設けるとともに、繰出された薬剤を略全条植付け幅に拡散させるために横方向に長く延設し下方を開放した略箱形形状のガイド部材15を備えて構成され、前記チェーンケース8の後部から固設延出した支持フレーム16を介して支持固定してある。尚、ガイド部材15は図9に示すように、旋回時の最外側軌跡よりも内側にその側端が位置するように設けてある。
【0009】薬剤散布装置4について詳述すると、図1に示すように、前記ホッパ13の下方に、薬剤通過用透孔17を径方向に位置ずれして3列に夫々周方向に沿って多数形成した回転円板型の繰出し部材18を設け、各列の透孔回転軌跡夫々に対応する上方位置に3個の薬剤供給口19を形成するとともに、底板20のこの薬剤供給口19に対して回転方向に位置ずれした部位に落下孔21を形成して、上記供給口19、透孔17、落下孔21により複数の落下案内経路Sを構成してある。そして、前記繰出し部材18の縦向き駆動軸23と前記植付機構9とを連動連結してある。
【0010】詳述すると、左右端のチェーンケース8により駆動させる植付機構9の回転ケース10の側部に、両端に亘って架設固定したブラケット24の途中部位であって、回転中心から偏芯した位置と、ガイド部材15の前部下方から延設したブラケット25に枢支した天秤アーム26の一端とを押引ロッド27を介して枢支連結し、天秤アーム26の一端と、前記ブラケット25に枢支した揺動アーム28の途中部位とをリンク21を介して枢支連結してある。そして、前記揺動アーム28の揺動端と、前記駆動軸23に取付けた一方向クラッチ30とをワイヤ31で連動連結し、回転ケース10の回転に伴って繰出し部材18を前記透孔17のピッチ相当分間欠回動させ薬剤を繰出すよう構成してある。このように連動系を2系統備えることで、各状クラッチレバー12の操作により部分状植えを行っても、繰出し機能が維持できるよう考慮してある。
【0011】前記落下案内経路Sを介して落下した薬剤は、電動モータ32により縦軸芯周りで高速回転駆動される回転円板33の上面に立設した回転羽根34により跳ね飛ばしてガイド部材15の内壁に沿って案内し、略全植付幅に亘り拡散放出させるよう構成してある。
【0012】図2及び図4に示すように、前記繰り出し部材18の下面側には、半径方向に沿って、底板20との間に入り込んだ薬剤を掻り取るスクレーパ35を形成してあり、前記落下孔21の上部にはスクレーパ35により掻き取られた薬剤を落下孔21に案内する径方向に沿う溝36を形成してある。
【0013】そして、前記各状クラッチレバー12の切操作に連動して、前記複数の落下案内経路Sを確実に閉じるシャッタ機構37を設けてある。詳述すると、ホッパ13に形成した3個の前記供給口19の下方に、水平方向にスライド自在なシャッタ部材38を各別に配備し、夫々、スプリング39により落下口開放側に開付勢するとともに、各シャッタ部材38と前記各状クラッチレバー12とを各別にワイヤ40を介して連動連結してある。そして、各状クラッチレバー12のいずれかを切操作すると、それに連動して対応するシャッタ部材38が落下案内経路Sを閉じ散布量を減少させるよう構成してある。
【0014】このように構成することによって、全条植付け状態と部分条植付け状態との切換えに際して、各条クラッチレバー12を入切操作することのみによって薬剤散布量を植付け条に適合した量に自動的に変更することができ、煩わしい作業が不要となる。
【0015】〔発明の実施の別形態〕図10及び図11に示すように、前記底板20に、前記繰出し部材18に形成した3列の透孔17列の夫々に対応する位置であって、かつ、繰出し部材18の周方向に沿って相互に位置ずれ位置に、3個の落下孔21a,21b,21cを形成してある。しかも、各落下孔21a,21b,21cは夫々、平面視で前記回転羽根34の回転軸芯Yに対して右側方前方位置、右横側方位置及び右側方後方位置に形成してあり、側方前方位置の落下孔21aから落下した薬剤は、右側後方に向けて主に跳ね飛ばされ、横側方位置の落下孔21bから落下した薬剤は中央後方に向けて主に跳ね飛ばされ、そして側方後方の落下孔21cから落下した薬剤は左側後方に向けて主に飛散する。
【0016】このように、前記各供給口19、透孔17及び前記各落下孔21a,21b,21cによって、複数の落下案内経路Sを構成してもよい。このように構成すると、植付け条数に応じて適合量の薬剤を散布することができるとともに、薬剤の拡散領域を、全条植付状態においては全植付け幅に亘って形成し、かつ、部分条植付け状態においては、植付け条に対応する領域のみに設定することが可能となる。
【0017】
【発明の効果】
(a)したがって、本第1発明によれば、前記クラッチ機構を切換え操作することのみにより、植付け条数に適合した薬剤散布量に自動調節することができ、作業の煩わしさを回避できるとともに、常に過不足のない薬剤量の散布を行えるものとなった。
(b)本第2発明によれば、上記(a)に記載の効果に加えて、植付け条に対応する薬剤拡散領域を常に適切な状態にすることが可能となって、非植付条の上方に無駄な薬剤散布を行う等の弊害を防止できる。
【0018】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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