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発明の名称 コンバインの選別部
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−252023
公開日 平成8年(1996)10月1日
出願番号 特願平7−57385
出願日 平成7年(1995)3月16日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 川本 佳伸 / 松下 肇 / 河野 嘉之 / 仲谷 正美 / 大西 進 / 永田 哲治 / 中村 芳忠 / 冨賀 潔 / 安藤 勝
要約 目的
刈取り脱穀作業全般として3番ロスを減少するの有効な、コンバインの選別部を提供する。

構成
揺動選別装置12の終端部に臨んで形成された排塵口17を開閉する駆動式の遮蔽部材34を設けてあるコンバインの選別部であって、処理物量を検出するセンサS2を設け、この処理物量検出センサS2の検出情報に基づいて、処理物量が減少するに連れて前記遮蔽部材34を遮蔽側に駆動制御する制御手段23を設けてある。
特許請求の範囲
【請求項1】 揺動選別装置(12)の終端部に臨んで形成された排塵口(17)を開閉する駆動式の遮蔽部材(34)を設けてあるコンバインの選別部であって、処理物量を検出するセンサ(S2)を設け、この処理物量検出センサ(S2)の検出情報に基づいて、処理物量が減少するに連れて前記遮蔽部材(34)を遮蔽側に駆動制御する制御手段(23)を設けてあることを特徴とするコンバインの選別部。
【請求項2】 処理物量が減少するに連れて唐箕(13)からの選別風量を減少させるよう、前記処理物量検出センサ(S2)と選別風調節機構(26)とを連係してあることを特徴とする請求項1記載のコンバインの選別部。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、揺動選別装置の終端部に臨んで形成された排塵口を遮蔽可能な駆動式の遮蔽部材を設けてあるコンバインの選別部の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のコンバインにおいては、特開平4‐84825号公報に示されるように、一行程の刈取作業が終了して次行程の刈取作業に移行する際の機体回行中にあるか否かを検出し、機体が回行中にあることを検出部が検出すると、その検出情報に基づいて前記排塵口が閉じるように遮蔽部材を駆動制御する制御手段を設けたものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成によれば、枕地での機体回行中に排塵口を遮蔽板で閉じるから、刈取りの中断によって少量になっている脱穀装置選別部内の処理物に選別風が強く作用しても、処理物が排塵口から排出されにくくなり、この処理物に含まれる穀粒の飛散、いわゆる3番ロスを減少することができる利点がある。
【0004】しかし上記従来構成では、機体の回行中に限って遮蔽部材を閉じ制御していたため、例えば植立穀稈の疎らな箇所を刈取り脱穀したり、圃場の条件によって低速で走行して刈取り脱穀を行うときのように、刈取作業中に選別部内での処理物が少なくなったような状態で選別風が強く作用していた場合は、処理物が排塵口から排出されるのを防止できず、3番ロスを生じさせるおそれがあり、刈取り脱穀作業全般として3番ロスを減少するには必ずしも十分とはいえないものであった。
【0005】本発明はこのような点に着目してなされたものであって、刈取り脱穀作業全般として3番ロスを減少するの有効な、コンバインの選別部を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる発明は、揺動選別装置の終端部に臨んで形成された排塵口を開閉する駆動式の遮蔽部材を設けてあるコンバインの選別部であって、処理物量を検出するセンサを設け、この処理物量検出センサの検出情報に基づいて、処理物量が減少するに連れて前記遮蔽部材を遮蔽側に駆動制御する制御手段を設けてあることを特徴とする。
【0007】請求項2にかかる発明の特徴構成は、請求項1にかかる発明において、処理物量が減少するに連れて選別風を減少させるよう、前記センサと前記選別風調節機構とを連係してあることを特徴とする。
【0008】
【作用】請求項1の構成によれば、処理物量が少量のときほど遮蔽部材を遮蔽制御して排塵口を閉じるので、植立穀稈の疎らな箇所の刈取り脱穀や低速走行しながらの刈取り脱穀によって選別部での処理物量が少なくなっても、また、枕地での機体開口のために刈取りが中断されて処理物量が少なくなっても、排塵口が閉じ制御されて処理物が不当に排出されるのが抑制される。
【0009】請求項2の構成によれば、処理物量が少量のときほど遮蔽部材を遮蔽制御して排塵口を閉じるので、植立穀稈の疎らな箇所の刈取り脱穀や低速走行しながらの刈取り脱穀によって選別部での処理物量が少なくなっても、また、枕地での機体開口のために刈取りが中断されて処理物量が少なくなっても、排塵口が閉じ制御されて処理物が不当に排出されるのが抑制される。かつ、処理物量が少なくなると選別風量を減少させるから、少量になっている処理物に強い選別風が作用するようなことがなくなり、遮蔽部材による排出抑制作用と選別風量減少による排出抑制作用とが共に発揮されて、処理物が更に飛散されにくくなる。
【0010】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によると、処理物量が少なくなれば排塵口の閉じ制御を行って処理物の機外への排出を抑制するので、刈取り脱穀作業中の収穫条件によって処理物が少なくなった場合も、機体回航のために処理物が少なくなった場合も、処理物の機外への排出を抑制して、刈取り脱穀作業全般での3番ロスを効果的に減少することができるようになった。
【0011】請求項2に記載の発明によると、処理物が少なくなると選別風量も減少制御するので、処理物が飛散されにくくなり、上記請求項1に記載の発明の効果を一層効果的なものにすることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1に自脱型コンバインを示している。このコンバインは、左右一対のクローラ走行装置1を備えた機体フレーム2上に脱穀装置3を搭載するとともに、刈取り穀稈搬送装置4を備える刈取前処理部5を、機体前部に昇降自在に連結し、刈取前処理部5の右横側に搭乗運転部6を設けて構成してある。
【0013】図2に示すように前記脱穀装置3は、刈取前処理部5で刈り取られた穀稈を、フィードチェーンFCで後方に搬送される途中で扱処理するように、上部に前後軸心周りに回転駆動される扱胴8を軸支した扱室9を設けるとともに、扱胴8の下方に張設された受網10から漏下してくる処理物を選別処理する選別部11を配設した構造となっている。
【0014】前記選別部11は、漏下処理物を後方に揺動移送しながら篩い選別してワラ屑類を装置後端の排塵口17から機外に排出する揺動選別装置12、この揺動選別装置12に後方に向かう選別風を供給する唐箕13、選別漏下される穀粒を回収してタンク(図示せず)に貯溜するスクリュー搬送式一番物回収部14、二番物を回収して揺動選別装置12の移送方向上手側に還元させるスクリュー搬送式二番物回収部15、揺動選別装置12の上方から塵埃を吸引して機外に排出する排塵ファン18、等で構成してある。
【0015】前記揺動選別装置12は、扱室9から漏下した処理物を開度調節自在なチャフシーブ19で受け止めて揺動移送しながら粗選別を行う粗選別部20、この粗選別部20から漏下した選別処理物を揺動移送しながら穀粒と二番物とに選別する精選別部21を揺動選別ケース16に設けて構成してある。図6に示すように、前記チャフシーブ19は夫々横軸芯周りで揺動調節自在な複数のチャフ板19aを並列配備して成り、各チャフ板19aはワイヤを介して電動モータM1により一体的に揺動作動して、処理物の漏下開度を変更調節できるよう構成してある。また、前記チャフシーブ19の終端部後方で処理物の移送方向下手側に延びるワラ屑移送用のストローラック22を、唐箕13の選別風を下方から受けながら作動するように配設して、排ワラ屑を前記排塵口17から機体外方に排出させるよう構成してある。
【0016】図2および図6に示すように、前記チャフシーブ19の上方には、チャフシーブ19の上部における処理物の層厚さを処理物量のデータとして検出する処理物量検出センサS2を設け、この検出情報に基づいて、処理物量が多いときは、チャフシーブ19の開度が広くなるように電動モータMを制御し、処理物量が少ないときは、チャフシーブ19の開度が狭くなるように電動モータM1をそれぞれ制御する制御装置23を設けてある。
【0017】前記唐箕13は、図2〜図4に示すように、唐箕ファン24を唐箕ケース25に内装し、唐箕13からの選別風量を調節するためのベルト式無断変速装置26(選別風調節機構の一例)を設けて構成してあり、前記処理物量検出センサS2の検出情報に基づいて、処理物量が多いときは選別風量が多くなり、処理物量が少ないときは選別風量が少なくなるようにベルト式無断変速装置26を駆動する制御を、前記制御装置23で実行可能に構成してある。
【0018】前記ベルト式無断変速装置26は、原動部からの動力を受けて駆動回転する第1プーリ27と、ベルトVを介して第1プーリ27から回転力を受けて唐箕ファン11と一体回転する第2プーリ28と、第1、第2プーリ27,28間のテンションプーリ29とから成り、前記第2プーリ28を割りプーリで構成してある。前記第2プーリ28に対しては、第2プーリ28を構成する一対のプーリ部材28a,28b同士を軸芯方向に近接離間させてベルトVの巻掛径を変更させるためのカム機構30を設けてあり、このカム機構30を構成するに、一方のプーリ部材28aの回転中心部と、電動モータM2を介して第2プーリ28の軸芯周りに揺動するカムレバー31の基端部との間に、カムレバー31の揺動に伴って前記一方のプーリ部材28aを他方のプーリ部材28bに近接離間させるカム面を形成してある。カムレバー31と電動モータM2との連結部は、カムレバー31の遊端部側の切欠き部にナット32を、カムレバー31の長手方向にスライド自在に嵌合し、電動モータM2により駆動回転する送りネジ33の先端部に螺合して構成してある。上記構成においては、カムレバー31が機体前方側に揺動するに伴って唐箕風が少なくなり、機体後方側に揺動するに伴って唐箕風が多くなるように、各構成部材の位置関係を設定してある。
【0019】前記排塵口17に対しては、機体の作業動作に基づいて遮蔽駆動制御される駆動式の遮蔽部材34を設けてある。以下に、この遮蔽部材34の制御系について説明する。
【0020】図3および図5に示すように、前記遮蔽部材34は、排塵口17の左右両端部にわたる横長の遮蔽板35を設け、この遮蔽板35の下端部に複数の棒材36を、各棒材36がストローラック22の各ラック板22a間に位置するように、左右に所定のピッチで下向きに延出して成るもので、遮蔽板35の左右両端部を揺動選別ケース16の側壁に横軸芯周りに揺動自在に取付けて、排塵口17が全開状態のほぼ水平姿勢と、全閉状態の立ち姿勢とにわたって揺動自在に構成し、遮蔽板35の上端部を排塵口17が全開状態になる方向にスプリング37で引き付勢してある。なお前記全閉状態であっても選別風を完全に遮断するものではなく、上記のように遮蔽板35の下端部に複数の棒材36を延出した構成にして、一部の選別風を遮蔽部材34における各棒材35間の隙間から逃がすようにしてある。
【0021】そして、前記ベルト式無断変速装置26で遮蔽部材34を遮蔽駆動可能に、遮蔽板35をベルト式無断変速装置26にケーブルWを介して連係し、刈取穀稈の有無を検出する株元センサS1を、刈取前処理部14における刈取り穀稈搬送装置4に設けて、機体が刈取作業中にあるか、又は一行程の刈取作業が終了して次行程の刈取作業に移行する際の回行中にあるかを穀稈の有無により検出可能に構成し、機体が回行中にあることを前記株元センサS1が検出すると、その検出情報に基づいて排塵口17が遮蔽され、かつ、選別風量が減少するように遮蔽部材34とベルト式無断変速装置26とを駆動し、機体が刈取作業中にあることを株元センサS1が検出すると、その検出情報及び前記処理物量層厚さ検出センサS2の検出情報に基づいて、処理物量が少量のときほど排塵口17がより小さくなり、かつ、選別風量が、より少なくなるよう遮蔽部材34とベルト式無断変速装置26とを駆動する制御を、前記制御装置23で実行可能に構成してある。
【0022】前記遮蔽板35とベルト式無断変速装置21との連係構造について説明すると、第2プーリ28の前側で上支点周りに揺動自在に揺動選別ケース16に取り付けた第1リンク部材38の下端部に、第2リンク部材39の一端部を枢支連結して、他端側をベルト式無断変速装置26におけるカムレバー31に交差させ、前記他端側に形成した長孔39aを、カムレバー31の側壁に突設した横向きピン31aに係入し、前記第1リンク部材38と一体揺動する第3リンク部材40の下端部に前記ケーブルWの一端部を、ストローク吸収用のスプリング41を介して接続するとともに、ケーブルWの他端部を遮蔽板35の下端部に接続してある。前記長孔39aと横向きピン31aとの組み合わせで融通機構42を構成しており、このように、遮蔽板35とカムレバー31との間に融通機構42を設けて、選別風量が所定量まで減少する状態にカムレバー31が揺動した時点から更に選別風量が減少するに連れて遮蔽部材34が遮蔽方向に作動されてゆくよう構成してある。
【0023】上記構成によれば、機体が回行中にあることを株元センサS1が検出すると、遮蔽部材34が排塵口17を遮蔽するから、少量になっている機体回行中の処理物に選別風が強く作用したり、機体回行のための機体の急激な向き変化等に伴って生じる慣性力が処理物に作用したりしても、処理物が排塵口17から多量に排出されるのを防止できる。
【0024】また、機体が刈取作業中にあることを株元センサS1が検出すると、処理物量検出に基づいて選別風量が制御されるとともに、遮蔽部材34が遮蔽制御され、処理物量が少量のときほど選別風量が少なくなるとともに、排塵口17がより小さくなるから、例えば圃場の植立穀稈の疎らな箇所を刈取り脱穀したり、低速で走行して刈取り脱穀するときのように、刈取作業中に揺動選別ケース16内の少量で密度の薄い処理物に選別風が強く作用して排塵口17から排出されるようなことがなくなる。
【0025】〔別実施例〕処理物量検出センサS2としては、上記実施例のように揺動選別装置12上にある実際の処理物の厚さを検出する他に、フィードチェーンFCで挟持搬送される穀稈の層厚さを検出して、これを処理物量とみなす形態で実施することも可能である。
【0026】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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