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発明の名称 田植機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−252011
公開日 平成8年(1996)10月1日
出願番号 特願平7−56847
出願日 平成7年(1995)3月16日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 久保下 竹男
要約 目的
分割型苗植付装置において、格納姿勢に切り換える際に分割苗植付装置部に属する伝動系を分離する為のクラッチ機構に対する操作具を、苗載せ台やその下方の苗植付機構への駆動機構に対するメインテナンス作業を容易に行えるようにする位置に配置する。

構成
走行機体のベベルケースと各分割苗植付装置部に属する伝動系との連結状態を解除自在なクラッチ機構を設けるとともに、このクラッチ機構とこのクラッチ機構に対する操作具59をワイヤ60で連係している。この操作具59を苗載せ台13の機体後方側に設けてある。
特許請求の範囲
【請求項1】 走行機体(3)の後端に取り付けた苗植付装置(A)を、少なくとも分割苗載せ台部(13L),(13R)とその分割苗載せ台部(13L),(13R)から苗を取り出す苗植付機構とを備えた、左右の分割苗植付装置部(AL),(AR)で構成するとともに、前記左右の分割苗植付装置部(AL),(AR)を、前記分割苗載せ台部(13L),(13R)が機体左右方向に沿う作業姿勢と、前記分割苗載せ台部(13L),(13R)が機体前後方向に沿う格納姿勢とに切換可能に構成してある田植機であって、夫々の分割苗植付装置部(AL),(AR)に属する苗植付機構に動力を供給する原動部側の伝動系を、左分割苗植付装置部(AL)に属する左伝動系と、右分割苗植付装置部(AR)に属する右伝動系とに連結解除自在な連結解除機構(34)を設け、この連結解除機構(34)を解除操作する解除操作具(59)を、苗載せ台(13)の機体後方側に配置し、前記解除操作具(59)と前記連結解除機構(34)とを連係機構(60)を介して連係してある田植機。
【請求項2】 走行機体(3)の後端に取り付けた苗植付装置(A)を、少なくとも分割苗載せ台部(13L),(13R)とその分割苗載せ台部(13L),(13R)から苗を取り出す苗植付機構とを備えた、左右の分割苗植付装置部(AL),(AR)で構成するとともに、前記左右の分割苗植付装置部(AL),(AR)を、前記分割苗載せ台部(13L),(13R)が機体左右方向に沿う作業姿勢と、前記分割苗載せ台部(13L),(13R)が機体前後方向に沿う格納姿勢とに切換可能に構成してある田植機であって、夫々の分割苗植付装置部(AL),(AR)に属する苗植付機構に動力を供給する原動部側の伝動系を、左分割苗植付装置部(AL)に属する左伝動系と、右分割苗植付装置部(AR)に属する右伝動系とに連結解除自在な連結解除機構(34)を設け、この連結解除機構(34)を解除操作する解除操作具(59)を、苗載せ台(13)の機体前方で操縦部の後方位置に配置された第1解除操作具(59A)と苗載せ台(13)の機体後方に配置された第2解除操作具(59B)とで構成し、前記第1、第2解除操作具(59A),(59B)と前記連結解除機構(34)とを夫々第1、第2連係機構(60A),(60B)を介して連係してある田植機。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走行機体の後端に取り付けた苗植付装置を、少なくとも分割苗載せ台部とその分割苗載せ台部から苗を取り出す苗植付機構とを備えた、左右の分割苗植付装置部で構成するとともに、前記左右の分割苗植付装置部を、前記分割苗載せ台部が機体左右方向に沿う作業姿勢と、前記分割苗載せ台部が機体前後方向に沿う格納姿勢とに切換可能に構成してある田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】上記田植機においては、分割苗載せ台部を機体前後方向に沿う格納姿勢においては、作業姿勢の場合に比べて機体全体の横幅を小さくできる有利な構成を有する。このような構成を有する田植機においては、作業姿勢においては両分割苗載せ台部に動力を供給する場合においては、左分割苗植付装置部に属する左伝動系と、右分割苗植付装置部に属する右伝動系とを連結し、格納姿勢への姿勢変更時においては連結状態を解除する連結解除機構を設け、この連結解除機構に対して連結状態を解除する解除用の操作具を設ける必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここに、このような解除操作具を設けるについては、作業を行い易くする観点よりいずれの位置に設置するかは重要な問題であり、作業性を考慮して設置位置を選定する必要がある。
【0004】本発明の目的は、苗載のせ台及びその下方の苗植付機構の駆動系に対するメインテナンス作業等を容易に行える位置に設置するようにする点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による特徴構成は、夫々の分割苗植付装置部に属する苗植付機構に動力を供給する原動部側の伝動系を、左分割苗植付装置部に属する左伝動系と、右分割苗植付装置部に属する右伝動系とに、連結解除自在な連結解除機構を設け、この連結解除機構を解除操作する解除操作具を、苗載せ台の機体後方側に配置し、前記解除操作具と前記連結解除機構とを連係機構を介して連係してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0006】
【作用】つまり、分割苗植付装置部の作業姿勢を格納姿勢に切り換える場合に、作業者は走行機体の後方で苗載せ台の機体後方側に周り込んでそこに配置された解除操作具によって、伝動系の連係を断つことができるのであるが、その解除操作具の設置位置が苗載せ台の機体後方側であるので、苗載せ台の後方からその苗載せ台やその下方の苗植付機構の駆動系に対するメインテナンス作業等を行う場合にも、その場所より余り移動せずに解除操作具の操作を行うことができ、左右分割苗植付装置部の属する個々の伝動系における伝動状態を任意に解除して、メインテナンスの作業形態に応じた伝動系の入り切りを行うことができる。
【0007】
【発明の効果】従って、苗載せ台等のメインテナンス作業を考慮した場合においては、苗載せ台の機体後方側に解除操作具を設けたことによって、使用上都合のよい構成とすることができたものである。
【0008】〔その他の目的・構成・作用・効果〕請求項2における発明の目的は、請求項1における発明の目的に加えて、更に作業形態に応じた使い方が行える解除操作具の配置構造を行える点にあり、この為に採られた構成は、走行機体の後端に取り付けた苗植付装置を、少なくとも分割苗載せ台部とその分割苗載せ台部から苗を取り出す苗植付機構とを備えた、左右の分割苗植付装置部で構成するとともに、前記左右の分割苗植付装置部を、前記分割苗載せ台部が機体左右方向に沿う作業姿勢と、前記分割苗載せ台部が機体前後方向に沿う格納姿勢とに切換可能に構成してある田植機であって、夫々の分割苗植付装置部に属する苗植付機構に動力を供給する原動部側の伝動系を、左分割苗植付装置部に属する左伝動系と、右分割苗植付装置部に属する右伝動系とに連結解除自在な連結解除機構を設け、この連結解除機構を解除操作する解除操作具を、苗載せ台の機体前方で操縦部の後方位置に配置された第1解除操作具と苗載せ台の機体後方に配置された第2解除操作具とで構成し、前記第1、第2解除操作具と前記連結解除機構とを夫々第1、第2連係機構を介して連係してある点にあり、その作用効果は次の通りである。つまり、操縦部の後方位置にも解除操作具を配置することによって、運転座席から余り離れずに第2解除操作具を操作でき、例えば、第1解除操作具のみしかない場合に、運転座席を降りて苗載せ台の後方までわざわざ回り込むといったような、手間のかかる操作形態を採る必要がない。よって、左右の分割苗植付装置部の姿勢を作業姿勢より格納姿勢に変更する場合のような作業者が特に運転座席より離れる必要のない場合においては、第2解除操作具で操作することができ、苗載せ台等のメインテナンス作業を行っている途中において操作する必要が生じた場合においては、第1解除操作具を操作することができ、夫々の作業形態に応じて二つの解除操作具を使い分けできる良さがある。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1に示すように、ステアリング操作される駆動型の前車輪1、及び、駆動型の後車輪2を備えた走行機体3の前部にエンジン4を搭載すると共に、この走行機体3の後部にエンジン4からの動力が伝えられる静油圧式無段変速装置(HST)5、及び、変速ケース6を配置し、又、走行機体3の中央部に運転座席7を配置し、走行機体3の後端部に対し油圧シリンダ8で駆動昇降するリンク機構9を介して苗植付装置Aを連結して乗用型の田植機を構成する。
【0010】前記運転座席7の右側部に苗植付装置Aの昇降制御と植付クラッチの入り切り操作とを行う昇降レバー10を備え、又、運転座席7の左側部には前記無段変速装置5を操作する変速レバー11を備えている。
【0011】苗植付装置Aはマット状苗Wを載置し、かつ、その上端側が走行機体3の前方側に傾斜する姿勢の苗載せ台13、変速ケース6より前記伝動軸12を介して動力が伝えられる左右一対の伝動ケース14,14、この伝動ケース14からチェーンケース15を介して伝えられる動力で回転するロータリケース16、このロータリケース16に一対ずつ備えられた植付アーム17、複数の整地フロート18夫々を備えて8条植え用に構成されると共に、ホッパー、繰出し機構、作溝器等を有した施肥装置19を備え、作業時には苗載せ台13に載置されたマット状苗Wの下端から苗を植付アーム17が1株ずつ切出して圃場面に植え付けると同時に、植付けた苗の近傍の圃場面に施肥装置19で肥料を供給する。尚、ロータリケース16、植付アーム17、及び、これらを駆動する系で苗植付機構が構成されている。
【0012】図7及び図8に示すように、この田植機では苗植付装置Aの左右方向での中央位置で4条ずつに2分割自在に構成してあり、夫々の分割苗植付装置部AL,ARを、その分割苗植付装置部AL,ARを構成するフレーム部材20に対して縦向き姿勢の第1軸芯X1周りで回動自在に支持し、更に、前記リンク機構9の後端に備えた主フレーム21に対して、このフレーム部材20を縦向き姿勢の第2軸芯X2周りで回動自在に支持してあり、又、図12に示すように、苗植付装置9を作業姿勢に設定した状態において、鉛直方向を基準に前記第1軸芯X1、第2軸芯X2夫々の上端側を走行機体3の前方側に向かう方向に傾斜させてある。
【0013】図7に示すように、リンク機構9は上部に配置されるトップリンク9Tと下部に配置されるロアーリンク9Lとで成り、夫々の後端を支持する縦フレーム9Aの下端部に連結するローリングボス22に対して前後向き姿勢のローリング軸芯Y周りでローリング自在に連結プレート23を支持し、この連結プレート23に対して上部プレート21Aと下部パイプ21Bとで成る前記主フレーム21を固設すると共に、この主フレーム21の左右両端部に前記第2軸芯X2と同軸芯に配置した第2軸24に回動自在に外嵌するボス部材20Aに対して丸パイプ状の前記フレーム部材20を固設して該フレーム部材20を第2軸芯X2周りで回動自在に支持し、又、夫々のフレーム部材20,20の外端部に前記第1軸芯X1と同軸芯に配置した第1軸25に対してチャンネル状のブラケット26を介して角パイプ状の支持フレーム27を該第1軸芯X1周りで回動自在に支持し、この支持フレーム27に対して前記左右の伝動ケース14、及び、前記チェーンケース15を固設し、更に、分割苗植付装置部AL,AR夫々の一対のチェーンケース15,15の上面に対して前記苗載せ台13を支持する左右の摺動レール28,28を設けてある。
【0014】図7に示すように、左側の伝動ケース14の動力で回転駆動される螺軸29を、該伝動ケース14と、この側の支持フレーム27の端部の軸受部材30との間に亘って備えてあり、この螺軸29の螺旋溝に係入するコマ(図示せず)の移動力を左側の分割苗載せ台部13Lに伝える移動部材31を備えて、苗載せ台13の横送り機構Bを構成してある。一方、苗載せ台13は左右の分割苗載せ台部13L,13R夫々が連結解除具Dで連結されることで、この横送り機構Bからの駆動力で摺動レール28、28上を一体的に横方向に往復移動する。連結解除具Dは、図5及び図6に示すように、軸芯Z周りで前後揺動可能な連結解除レバー48と、このレバー48を軸支するブラケット51と、左分割苗載せ台部13Lに属するチャンネル状の第1係合片49と、右分割苗載せ台部13Rに属するチャンネル状の第2係合片50とからなり、レバー48の握り部48Aを苗載せ面の背面側に向けて移動させて第1、第2係合片49,50に係合させることによって、両分割苗載せ台部13L,13Rを一体連結でき、レバー48を反対側に揺動させることによって、両分割苗載せ台部13L,13Rを分離可能である。
【0015】第1、第2係合片49,50は、夫々、連結解除具Dを構成する部材としての取り付け台49A,50Aに固着されており、これら取り付け台49A,50Aを介して苗載せ台13の背面で左右方向に亘って形成してある補強フレーム46に取り付けてある。このような構成によって、横送り機構Bの左分割苗載せ台部13Lに対する連結部位から横送り駆動力が作用する作用線上に連結解除具Dが位置し、円滑な横送り駆動が可能である。連結解除レバー48の握り部48Aは、作業姿勢においても、苗載せ面より機体後方側に突出しており、苗載せ台13の後方側より操作可能になっている。
【0016】前記連結解除具Dとともに、図4に示すように、左右の分割苗載せ台部13L,13Rを連結するものとして、バックル式の連結具53が苗載せ台13を支持する枠フレーム52の接続部位に設けてある。この枠フレーム52は、前記ブラケット26より第1軸芯X1と同軸芯で上向きに延長した縦フレーム52Aとこの縦フレーム52Aの上端に連結固定された横向きフレーム52Bとで構成され、この横向きフレーム52B同士の連結部位に連結具53を設けてある。前記した横送り機構Bがこの縦向きフレーム52Aよりも更に横側方に位置するとともに、縦向きフレーム52Aとの間には、図4に示すように、苗植付装置Aをローリング軸芯Y周りで駆動する際に作動するローリング駆動用のバネ54と苗植付装置Aの姿勢変更時に作動するところの後記するチェーン39とを配置してあるだけであるので、この空間内に占める機器の数が少なくなり、苗植付装置Aの姿勢を作業姿勢より格納姿勢に切り換える場合に、干渉する機器が少なく円滑に行える良さがある。
【0017】前記ローリングボス22に対して、前記伝動軸12からの動力が伝えられる軸体(図示せず)を前記ローリング軸芯Yと同軸芯に遊転支承してあり、図3(イ),(ロ)に示すように、この軸体の動力をベベルケース32、ベベルケース32に備えた一対の出力軸33,33、クラッチ機構34、中間軸35夫々を介して左右分割苗植付装置部AL,ARの伝動系を構成する伝動ケース14,14に伝えるべく構成してある。このクラッチ機構34を、原動部側の伝動系から各分割苗植付装置部AL,ARに属する左右伝動系との連結解除機構と称する。
【0018】クラッチ機構34は左右の中間軸35,35の端部に連結ピンを介して第1クラッチ体34A,34Aを一体連結するとともに、ベベルケース32より延出された左右出力軸33,33に第2クラッチ体34B,34Bをスプライン外嵌してある。この第2クラッチ体34B,34Bは左右出力軸32A,32Aに対してその軸芯方向にスライド移動自在であり、付勢機構34Cとしてのコイルスプリングにより第1クラッチ体34A,34Aに向けて付勢されている。両クラッチ体34A,34Bの相対向する側面に互いに嵌係合かつ離脱自在な係合爪部34a,34bが設けてあり、係合状態で動力伝達状態にかつ離脱状態で動力を伝達しない状態に切り換える。
【0019】左右の第2クラッチ体34B,34Bを駆動操作する左右のベルクランク57とこのベルクランク57を揺動駆動するスライド式駆動部材58を設け、図2及び図3に示すように、スライド式駆動部材58と解除操作具59とをワイヤ60で連係し、解除操作具59の揺動操作によって、第2クラッチ体34Bをクラッチ切り方向に移動操作するようにしてある。前記解除操作具59は、苗載せ台13を挟んでその前方側で運転座席7の後方に配置された第1解除操作具59Aと、苗載せ台13の後方でチェーンケース15に対してブラケット55を立設してそのブラケット55に揺動自在に軸支された第2解除操作具59Bとでなり、両操作具59A,59Bを夫々第1、第2連係機構としてのワイヤ60A,60Bでスライド駆動部材58に連係してある。
【0020】このクラッチ機構34は入り操作で両クラッチ体34A,34Bとは特定の回転位相でのみ嵌合し、図3(ロ)に示す如く、切り操作では第1クラッチ体34Aと第1クラッチ体34Bとの離間によって、中間軸35とベベルケース32の出力軸33とが完全に分離するよう構成されている。尚、ベベルケース32は走行機体側からの動力を2つの出力軸33,33に分岐して出力するようベベルギヤ(図示せず)を有した伝動系を内装し、中間軸35はフレーム部材20の系に対して横向き姿勢を維持するよう支承されると共にユニバーサルジョイントを備えて構成されている。
【0021】図9乃至図11に示すように、第2軸24を主フレーム21に対して回転不能に設け、第1軸25をフレーム部材20に回転不能に設けてある。第2軸24の上部位置に第2軸芯X2と同軸芯に主スプロケット36を固設すると共に、この第2軸24の上端位置に第2軸芯X2周りで回動自在にプレート状の回動部材37を備えている。又、第1軸25に対して回動自在に前記ブラケット26を支持すると共に、このブラケット26と一体回転し、かつ、前記主スプロケット36の歯数の1/2の歯数の従動スプロケット38を第1軸芯X1と同軸芯に配置した縦向きフレーム52Aに固着し、主スプロケット36と従動スプロケット38とに亘って前記したチェーン39を巻回してある。
【0022】左右の回動部材37,37夫々を左右のフレーム部材20,20より高レベルに配置すると共に、このフレーム部材20,20の回動力に連動して回動するよう吊り下げ姿勢のロッド40,40を介して連結固定し、又、左右の回動部材37,37を互いに逆方向に回転させるよう、夫々の間に交差姿勢で一対のワイヤ44,44を張設してある。又、左側の第2軸芯X2と同軸芯に配置したセクタギヤ41をフレーム部材20の側に固設し、このセクタギヤ41に咬合するピニオンギヤ42を主フレーム21の側に備えると共に、このピニオンギヤ42を駆動する電動モータ43を備えている。
【0023】前記ロッド40は中間部にターンバックル40Aが介装されると共に、一方の端部が回動部材37に溶接固定され、他方の端部がフレーム部材20に固設された支持部材45を介してネジ式に連結され、又、ロッド40は傾斜姿勢で直線的に回動部材37とフレーム部材20との間を結ぶことによって、回動部材37に対してフレーム部材20を吊り下げる形態として強度を向上させている。又、前記ワイヤ44の中間部にはネジ式に長さを調節する長さ調節部44Aを備えている。
【0024】このような構成から、苗植付装置Aを格納する場合には、地面から離間するレベルまで苗植付装置Aを上昇させた状態で、先ず横送り機構Bの駆動力によって苗載せ台13を左側の端部位置に送って停止し、次に、連結解除具Dの連結を解除して右側の分割苗載せ台部13Rを人為的に右側の移動端まで移動させて該分割苗載せ台部13Rの摺動レール28上での移動をロック手段(図示せず)で阻止する(この状態で図14の姿勢に達し、左右の分割苗載せ台部13R,13L夫々の間隔は約30センチメートルに達する)。
【0025】次に、前記クラッチ機構33を人為的に分離し、所定の操作で電動モータ43を駆動することで、セクタギヤ41を回転させ、このセクタギヤ41の回転によって左フレーム部材20が回転する。この左フレーム部材20の回転によって、ロッド40で連結された左回動部材37が回転し、左回動部材37の回動がワイヤ44を介して右回動部材37に伝達されてその右回動部材37が回転し、この回転によって右フレーム部材20が逆転する。つまり、左右の回動部材37,37、一対のワイヤ44,44からの力によって夫々のフレーム部材20,20が連動して第2軸芯X2,X2周りで、その外端側が後方側に向かう側に回動すると共に、この回動と同時に第1軸芯X1,X1周りでブラケット26,26に支持された系が主スプロケット36、従動スプロケット38、チェーン39からの力によってフレーム部材20,20の回動速度の2倍の速度でフレーム部材20,20の回動方向と逆方向、即ち、その左右外端部が走行機体3の前方に向かう側に回動する。
【0026】尚、この格納姿勢への回動時には図15に示す如く、左右の分割苗載せ台部13L,13Rの内端上部の角部13E,13Eが接近するものの、平面視で分割苗載せ台部13L,13Rが互いに離間する位置で回動するので、夫々の角部13E,13Eの接触を回避した回動が可能となっており、又、クラッチ機構33の分離と中間軸35の伸縮とでこの回動が許容される。
【0027】そして、分割苗植付装置部AL,ARが格納姿勢に達すると電動モータ43の駆動を停止して(制御動作は詳述せず)格納が完了する。この状態では図16に示す如く、左右夫々の分割苗載せ台部13L,13Rが摺動レール28,28上で走行機体3の側に近接する位置で、その上端縁同士が近接状態で平行する姿勢に達するので苗植付装置A全体の重量を走行機体3の側に寄せて田植機全体の重量バランスを向上させると共に、苗植付装置Aの横方向への寸法を縮小するものとなる。
【0028】更に、この格納姿勢では前述のように傾斜姿勢の第1軸芯X1周りでの回動によって分割苗載せ台部13L,13Rが図17に示す如く、起立姿勢に向かう姿勢に切換えられて苗植付装置Aの横方向の寸法を更に縮小し、又、前述のように傾斜姿勢の第2軸芯X2周りでのフレーム部材20の回動によって図18に示す如く、分割苗植付装置部AL,ARの走行機体3の後方側を上方に持ち上げる結果、平面視において前後方向での寸法の縮小を可能にし、しかも、田植機全体の重心を更に前方に移動させて重量バランスを向上させると同時に、走行時に格納姿勢の苗植付装置Aの後端を地面に接触させないものになっている。
【0029】そして、この格納姿勢の苗植付装置Aを作業姿勢に復元する際には電動モータ43を逆回転させることで分割苗植付装置部AL,ARが前述と逆方向に回動する結果、前述とは逆の動作によって格納姿勢の苗植付装置Aが作業姿勢に向かう姿勢変更が行われ、この姿勢変更で苗植付装置Aが図13に示す姿勢に達すると電動モータ43の駆動を停止し(制御動作は詳述せず)、クラッチ機構33を連結し、右側の分割苗載せ台部13Rを左側の分割苗載せ台部13Lの側に寄せて夫々13L,13Rを連結解除具Dで連結することで作業可能な状態に達する。
【0030】〔別実施例〕
■ 本発明は上記実施例以外に、第1,第2解除操作具59A,59Bとしては揺動操作型のレバーを設けたが、フットぺダル式、或いは、押しボタン操作式等の各種の操作具を使用することが可能である。
■ 第1,第2連係機構60A,60Bとしては、ワイヤ以外に連係ロッドとを単独でかつ併用してもよい。
■ 原動部伝動系から各分割苗植付装置部AL,ARに属する伝動系への動力伝達を断つ連結解除機構34としては、係合爪式ではなく摩擦多板式等を利用できる。
■ 分割苗植付装置部AL,ARを作業姿勢より格納姿勢に切り換える構成としては、電動モータ43を使用して切り換える構成を示したが、人為的に分割苗植付装置部AL,ARを作動させるようにしてもよい。このように分割苗植付装置部AL等を人為的に駆動する場合においては、苗載せ台13の機体後方側まで出向いて分割苗植付装置部AL等の一部を掴んで回動させることになるので、操作具59が苗載せ台13の機体後方側に配置されることは、クラッチ機構34の解除操作と分割苗植付装置部AL等の回動操作とを連続的に行うことができて便利である。
【0031】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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