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発明の名称 コンバインの脱穀装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−242669
公開日 平成8年(1996)9月24日
出願番号 特願平7−55398
出願日 平成7年(1995)3月15日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 近藤 博幸 / 永崎 正章 / 吉野 彰 / 土井 久
要約 目的


構成
フィードチェーン9の始端部を上下揺動自在に構成して、フィードチェーン9を構成する突起付きチェーン19の始端側部分が、側面視でフィードチェーンカバー24から露出する上昇位置と、フィードチェーンカバー24内に隠れる下降位置とに切換え自在に構成してある。
特許請求の範囲
【請求項1】 フィードチェーン(9)の始端部を上下揺動自在に構成して、前記フィードチェーン(9)における突起付きチェーン(19)の始端側部分が、側面視でフィードチェーンカバー(24)から露出する上昇位置と、前記フィードチェーンカバー(24)内に隠れる下降位置とに切換え自在に構成してあるコンバインの脱穀装置。
【請求項2】 刈取部(2)が駆動停止したことを検出する検出センサー(S1)を設け、前記フィードチェーン(9)の始端部を上下揺動駆動するアクチュエータ(M)を設け、前記刈取部(2)の駆動停止を前記検出センサー(S1)が検出すると、その検出結果に基づいて、前記フィードチェーン(9)の始端部が前記下降位置に位置するように、前記アクチュエータ(M)を制御する制御手段を設けてある請求項1記載のコンバインの脱穀装置。
【請求項3】 前記突起付きチェーン(19)の始端側部分に対する穀稈案内用のフィードチェーンガイド(10)を、前記突起付きチェーン(19)の始端側部分に沿う作用位置と、上方に退避した非作用位置とにわたって後ろ支点(P)周りに揺動切換え自在に構成し、前記フィードチェーンガイド(10)の非作用位置側への揺動に伴って、前記フィードチェーン(9)の始端部が下降揺動して前記下降位置に位置し、前記フィードチェーンガイド(10)の作用位置側への揺動に伴って、前記フィードチェーン(9)の始端部が上昇揺動して前記上昇位置に位置するように、前記フィードチェーンガイド(10)と前記フィードチェーン(9)の始端部とを連係させてある請求項1記載のコンバインの脱穀装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンバインの脱穀装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のコンバインにおける脱穀装置では、フィードチェーンにおける突起付きチェーンの始端側部分が露出していた〔例えば特開平6‐141657号公報〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】圃場のコーナー部(枕地)の穀稈をコンバインで刈取ることは困難なことから、コーナー部の穀稈については作業者が手で刈り取り、脱穀装置のみを駆動させながら前記突起付きチェーンの始端部に供給して脱穀(枕扱ぎ)している。
【0004】ところが上記従来の構成では突起付きチェーンの始端側部分が露出していたために、この露出部分に作業者が一度に多量の刈取穀稈を供給してしまって、フィードチェーンの搬送経路中で刈取穀稈を詰まらせることがあった。
【0005】本発明の目的は、手刈りした刈取穀稈を突起付きチェーンの始端部に供給して脱穀する枕扱ぎの際に、フィードチェーンの搬送経路中で刈取穀稈が詰まるのを防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の特徴構成は、フィードチェーンの始端部を上下揺動自在に構成して、前記フィードチェーンにおける突起付きチェーンの始端側部分が、側面視でフィードチェーンカバーから露出する上昇位置と、前記フィードチェーンカバー内に隠れる下降位置とに切換え自在に構成してあることにある。
【0007】請求項2の特徴構成は、刈取部が駆動停止したことを検出する検出センサーを設け、前記フィードチェーンの始端部を上下揺動駆動するアクチュエータを設け、前記刈取部の駆動停止を前記検出センサーが検出すると、その検出結果に基づいて、前記フィードチェーンの始端部が前記下降位置に位置するように、前記アクチュエータを制御する制御手段を設けてあることにある。
【0008】請求項3の特徴構成は、前記突起付きチェーンの始端側部分に対する穀稈案内用のフィードチェーンガイドを、前記突起付きチェーンの始端側部分に沿う作用位置と、上方に退避した非作用位置とにわたって後ろ支点周りに揺動切換え自在に構成し、前記フィードチェーンガイドの非作用位置側への揺動に伴って、前記フィードチェーンの始端部が下降揺動して前記下降位置に位置し、前記フィードチェーンガイドの作用位置側への揺動に伴って、前記フィードチェーンの始端部が上昇揺動して前記上昇位置に位置するように、前記フィードチェーンガイドと前記フィードチェーンの始端部とを連係させてあることにある。
【0009】
【作用】請求項1の構成によれば、圃場のコーナー部の穀稈を刈取脱穀する枕扱ぎを行う場合には、フィードチェーンの始端部を下降揺動させて前記下降位置に位置させることにより、フィードチェーンの始端部を側面視でフィードチェーンカバー内に引退させ、脱穀装置のみを駆動させながら、刈取穀稈を作業者が前記突起付きチェーンの始端側部分に後続する部分に供給して脱穀することができる。
【0010】この場合、フィードチェーンカバーを刈取穀稈の載置台として利用でき、作業者が抱えた刈取穀稈が多量であっても、その刈取穀稈を前記フィードチェーンカバーに一旦載置し、突起付きチェーンの搬送能力に合った量づつ突起付きチェーンに供給することができる。その結果、フィードチェーンで刈取穀稈を円滑に搬送することができて、例えば一度に多量の刈取穀稈を突起付きチェーンの始端側部分に供給したときのようなフィードチェーンの搬送経路中での刈取穀稈の詰まりを防止できる。
【0011】また、前記コーナー部以外の穀稈を刈取脱穀する場合には、フィードチェーンの始端部を上昇揺動させて前記上昇位置に位置させ、フィードチェーンの始端部を側面視でフィードチェーンカバーから露出させることで、コンバインを走行させながら刈取脱穀することができる。
【0012】請求項2の構成によれば、枕扱ぎに当たっては刈取部が駆動停止されるから、枕扱ぎ時にはこの駆動停止に基づく上記のような制御によって、フィードチェーンの始端部が前記下降位置に位置して、側面視でフィードチェーンカバー内に隠れた状態になる。この状態で脱穀装置のみを駆動させながら、手刈りの刈取穀稈を作業者が突起付きチェーンの始端側部分に後続する部分に供給して脱穀することができる。
【0013】請求項3の構成によれば、枕扱ぎに当たっては、上記のように刈取部が駆動停止されるとともに、フィードチェーンガイドが必ず前記非作用位置側に揺動操作されるから、枕扱ぎ時にはフィードチェーンガイドの前記非作用位置側への揺動操作に伴って、フィードチェーンの始端部が下降揺動して前記下降位置に位置し、側面視でフィードチェーンカバー内に隠れた状態になる。この状態で脱穀装置のみを駆動させながら、手刈りの刈取穀稈を作業者が突起付きチェーンの始端側部分に後続する部分に供給して脱穀することができる。フィードチェーンガイドが作用位置側に揺動すると、それに伴って、フィードチェーンの始端部が上昇揺動して前記上昇位置に位置し、側面視でフィードチェーンカバーから露出する。この露出状態で、コンバインを走行させながら刈取脱穀することができる。
【0014】つまり、請求項2又は3の構成では、請求項1の構成による作用に加え、フィードチェーンの始端部を下降揺動操作する手間を省くことができるという作用を奏することができる。
【0015】
【発明の効果】従って、請求項1の構成によれば、圃場のコーナー部の刈取穀稈を枕扱ぎする場合、フィードチェーンの搬送経路中での刈取穀稈の詰まりを防止できるから、円滑な枕扱ぎ作業を行うことができて、作業性を向上させることができた。
【0016】また、請求項2及び3の構成によれば、上記請求項1の発明と同様の効果を奏するのに加え、フィードチェーンの始端部を下降操作したり上昇操作したりする手間を省くことができて、操作性取扱性を向上させることができた。
【0017】
【実施例】図1に示すように、クローラ式走行装置1を備えた走行車体の前部に、刈取部2を油圧シリンダ3による支軸4周りでの揺動で昇降操作自在に設け、刈取部2に植立穀稈引起こし装置5、刈刃6、刈取穀稈を脱穀装置7に送る搬送装置8を設け、刈取部2からの穀稈を後方に挟持搬送しながら脱穀装置7内に供給するフィードチェーン9を設け、脱穀装置7で脱穀選別された1番物(穀粒)を回収する袋詰め用ホッパー11を脱穀装置7の横側に配置し、ホッパー11の前に搭乗運転部12を配置して、自脱型コンバインを構成してある。
【0018】前記フィードチェーン9の周りの構造について説明すると、図2(イ),(ロ)に示すように、突起付きチェーン19をスプロケット13a,13bに駆動回動自在に巻回してフィードチェーン9を構成し、他方、多数のレール部材15aをピン15bで腰折れ自在に連結して挾持レール15を構成し、挾持レール15に連結した多数のロッド16をレール支持部材17に上下摺動自在に取付け、ロッド16夫々に下降付勢用バネ18を付設し、前記突起付きチェーン19に対して挾持レール15を遠近方向に移動自在にかつ接近方向に付勢した状態で配置し、突起付きチェーン19と挾持レール15で刈取穀稈を挾持搬送するように構成してある。
【0019】前記挟持レール15の前方には、突起付きチェーンの始端側部分に使用する穀稈案内用のフィードチェーンガイド10を、突起付きチェーン19の始端側部分に沿う作用位置と、上方に退避した非作用位置とにわたって後ろ支点P周りに揺動切換え自在に設けてある。このフィードチェーンガイド10は、レール支持部材17の前端部から上下揺動自在に前方に延出したチェーンガイド支持部材20に、2本のロッド16を介して取付け、突起付きチェーン19とフィードチェーンガイド10とで刈取穀稈を挾持搬送するように構成してある。
【0020】そして、チェーンガイド支持部材20がレール支持部材17に対して僅かに上方に揺動して傾斜した傾斜姿勢を境にして、この傾斜姿勢よりもチェーンガイド支持部材20が上方側に傾斜するとチェーンガイド支持部材20を上方に引き付勢し、前記傾斜姿勢よりも下方側に傾斜すると、下方に引き付勢するスプリング21を、チェーンガイド支持部材20とレール支持部材17との間に設けてある。チェーンガイド支持部材20の枢支連結部側の端部と、レール支持部材17との間には、スプリング21による下方への引き付勢力が加わった状態のチェーンガイド支持部材20を、レール支持部材17とほぼ沿った姿勢に保持するためのストッパー22を設けてある。
【0021】前記突起付きチェーン19は、搬送穀稈係止用突起14aを有する多数のリンクプレート14を二列に並べ、隣接するリンクプレート14同士を相対揺動自在にピン連結して構成してある。
【0022】そして、前記フィードチェーン9の始端部を上下揺動自在に構成して、突起付きチェーン19の始端側部分が、側面視でフィードチェーンカバー24から露出する上昇位置と、フィードチェーンカバー24内に隠れて先端のレール部材15aの前方に数個のリンクプレート14だけが露出する下降位置とに切換え自在に構成し、刈取部2が駆動停止するに伴って、フィードチェーン9の始端部が下降揺動して前記下降位置に位置するように、フィードチェーン9の始端部と刈取部2とを連係してある。
【0023】詳述すると、複数のスプロケット13a,13b等を支持する前後向きの搬送フレーム23を、前側搬送フレーム23aと後側搬送フレーム23bとに、先端のレール部材15aの近傍で分割し、分割端部同士を横軸芯回りに揺動自在に枢支連結し、前側搬送フレーム23aを駆動揺動させる電動モータM(アクチュエータの一例)を設け、刈取クラッチ用の入切操作レバー25のクラッチ入切り操作をそれぞれ検出する第1ポテンショメータS1(検出センサーの一例)と、前側搬送フレーム23aが所定量揺動したことを検出する第2ポテンショメータS2とを設け、操作レバー25が切り操作されたことを第1ポテンショメータS1が検出すると、その検出結果に基づいて、前側搬送フレーム23aが下降揺動するように電動モータMを制御し、前側搬送フレーム23aが所定量揺動したことを第2ポテンショメータS2が検出すると、その検出結果に基づいて、前側搬送フレーム23aの下降揺動が停止するように、電動モータMの駆動を停止制御する制御装置(制御手段の一例)を設けてある。なお、前記制御装置は、操作レバー25が入り操作されたことを第1ポテンショメータS1が検出すると、その検出結果に基づいて、前側搬送フレーム23aが上昇揺動するように電動モータMを制御し、前側搬送フレーム23aが所定量揺動したことを第2ポテンショメータS2が検出すると、その検出結果に基づいて、前側搬送フレーム23aの上昇揺動が停止するように、電動モータMの駆動を停止制御可能に構成してある。
【0024】上記構成による刈取脱穀作業について説明する。
〔1〕圃場のコーナー部の穀稈の刈取脱穀、即ち枕扱ぎを行う場合(図2(ロ)参照)
枕扱ぎに当たっては前記操作レバー25がクラッチ切り側に操作されるから、この操作に基づく制御装置の上記のような制御によって、フィードチェーン9の始端部が前記下降位置に位置し、フィードチェーン9の始端部が側面視でフィードチェーンカバー24内に隠れた状態になる。この状態で脱穀装置7のみを駆動させながら、手刈りの刈取穀稈を作業者が突起付きチェーン19の始端側部分に後続する部分に供給して脱穀することができる。
【0025】この場合、フィードチェーンカバー24を刈取穀稈の載置台として利用でき、作業者が抱えた刈取穀稈が多量であっても、その刈取穀稈を前記フィードチェーンカバー24に一旦載置し、突起付きチェーン19の搬送能力に合った量づつ突起付きチェーン19に供給することができる。その結果、フィードチェーン9で刈取穀稈を円滑に搬送することができて、例えば一度に多量の刈取穀稈を突起付きチェーン19の始端側部分に供給したときのようなフィードチェーン9の搬送経路中での刈取穀稈の詰まりを防止できる。
【0026】〔2〕コーナー部以外の穀稈を刈取脱穀する場合(図2(イ)参照)
このような刈取脱穀に当たっては前記操作レバー25がクラッチ入り側に操作されるから、この操作に基づく制御装置の上記のような制御によって、フィードチェーン9の始端部が前記上昇位置に位置して、フィードチェーン9の始端部が側面視でフィードチェーンカバー24から露出した状態になる。この状態でコンバインを走行させながら刈取脱穀することができる。
【0027】〔別実施例〕前記刈取部2の回転が停止したことを検出する回転センサーを設け、この回転センサーによって前記刈取部2の駆動停止を検出するよう構成してもよい。
【0028】上記第1の実施例においては、操作レバー25のクラッチ切り側あるいは入り側への操作を検出し、この検出結果に基づいて、前記フィードチェーン9の始端部を上下に揺動制御したが、枕扱ぎに当たっては、フィードチェーンガイド10を必ず前記非作用位置側に揺動させることから、前記操作レバー25に代えて、前記フィードチェーンガイド10の前記非作用位置・作用位置側への位置変更をセンサー(図示せず)で検出して、このセンサーの検出結果に基づいて前記電動モータMを前記制御装置で駆動制御するよう構成してもよい。つまり、フィードチェーンガイド10が前記非作用位置に位置したことをセンサーが検出すると、この検出結果に基づいて、フィードチェーン9の始端部が下降揺動して前記下降位置に位置し、作用位置に位置したことをセンサーが検出すると、この検出結果に基づいて、フィードチェーン9の始端部が上昇揺動して前記上昇位置に位置するように、前記制御装置で前記電動モータMを駆動制御するのである。
【0029】図3に示すように、前記電動モータMを設けることなく、前記前側搬送フレーム23aの先端側に、前側搬送フレーム23aを揺動操作する操作レバー27を、フィードチェーンカバー24から左右外方側に突出する状態に設け、前記上昇位置と下降位置とで前側搬送フレーム23aを姿勢保持する姿勢保持手段(図示せず)を設けて、手動操作により前側搬送フレーム23aを上下揺動させるよう構成してもよい。
【0030】また、図4に示すように、フィードチェーンガイド10の前記非作用位置側への揺動に伴って、フィードチェーン9の始端部が下降揺動して前記下降位置に位置し、フィードチェーンガイド10の前記作用位置側への揺動に伴って、フィードチェーン9の始端部が上昇揺動して前記上昇位置に位置するように、フィードチェーンガイド10とフィードチェーン9の前記前側搬送フレーム23aとを、ワイヤーWを介して連係してもよい。
【0031】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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