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発明の名称 レシプロ式法面刈取装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−242655
公開日 平成8年(1996)9月24日
出願番号 特願平7−48769
出願日 平成7年(1995)3月8日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 黒見 晃志
要約 目的
中腹部が膨出する状態に湾曲した斜面や、中腹部に切り株などの障害物が存在する斜面などに対して草刈り処理を行う場合においても、刈り高さを一様に刈り揃えられるようにする。

構成
上下一対の押さえ板16,17により挾持された上下一対の刃体18,19同士の相対的な横往復移動によるはさみ切断により、斜面上の草を刈り取るように片持ち支持されるとともに、その延出端側ほど上下方向における曲げ剛性が弱くなるように形成してあるレシプロ式法面刈取装置。
特許請求の範囲
【請求項1】 上下一対の押さえ板(16),(17)により挾持された上下一対の刃体(18),(19)同士の相対的な横往復移動によるはさみ切断により、斜面上の草を刈り取るように片持ち支持されるとともに、その延出端側ほど上下方向における曲げ剛性が弱くなるように形成してあるレシプロ式法面刈取装置。
【請求項2】 前記押さえ板(16),(17)の一方に、延出端側ほど上下幅が狭くなる補強用のリブ(16a),(17a)を形成してある請求項1記載のレシプロ式法面刈取装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上下一対の押さえ板により挾持された上下一対の刃体同士の相対的な横往復移動によるはさみ切断により、斜面上の草を刈り取るように片持ち支持されたレシプロ式法面刈取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のようなレシプロ式法面刈取装置は、その刈り幅方向の剛性が全長にわたり一様となるように構成され、上下方向への撓りが抑制された直線上に沿う姿勢を維持するようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、畦などにおける走行路面の一側端に連なる斜面としては、その中腹部が膨出する状態に湾曲したものや、その中腹部に切り株などの障害物が存在するものが多いことから、上記従来技術のような直線上に沿う姿勢を維持する刈取装置で草刈り処理を行うようにすると、刈取装置の延出端側ほど刈り高さが高くなる不都合が生じるようになっていた。
【0004】本発明の目的は、中腹部が膨出する状態に湾曲した斜面や、中腹部に切り株などの障害物が存在する斜面などに対して草刈り処理を行う場合においても、刈り高さを一様に刈り揃えられるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本第1発明では、上下一対の押さえ板により挾持された上下一対の刃体同士の相対的な横往復移動によるはさみ切断により、斜面上の草を刈り取るように片持ち支持されるとともに、その延出端側ほど上下方向における曲げ剛性が弱くなるように形成した。
【0006】本第2発明では、上記第1発明において、前記押さえ板の一方に、延出端側ほど上下幅が狭くなる補強用のリブを形成した。
【0007】
【作用】本第1発明によると、刈取装置を、その延出端側ほど上下方向における曲げ剛性が弱くなるように形成していることから、中腹部が膨出する状態に湾曲した斜面上の草を刈り取る場合には、その斜面の形状に沿う状態に刈取装置が上下方向に撓るようになるので、その斜面上に生えた草の刈り高さを一様に刈り揃えることができるようになる。また、中腹部に切り株などの障害物が存在する斜面上の草を刈り取る場合においても、その障害物を避ける状態に刈取装置が上下方向に撓るようになるので、その斜面上に生えた草の刈り高さを一様に刈り揃えることができるようになる。しかも、刈取装置の延出端側ほど上下方向における曲げ剛性を弱くしていることから、刈取装置を直線上に沿う姿勢に維持するもののように支持部に応力が集中する不都合がないので、その支持部付近で刈取装置が折れ曲がる虞を抑制できる。
【0008】本第2発明によると、押さえ板の一方に、延出端側ほど上下幅が狭くなる補強用のリブを形成するといった簡単な改良によって、刈取装置の上下方向における曲げ剛性をその延出端側ほど弱くすることができるので、構造の簡素化を図ることができる。
【0009】
【発明の効果】従って、本第1発明によれば、中腹部が膨出する状態に湾曲した斜面や、中腹部に切り株などの障害物が存在する斜面などに対して草刈り処理を行う場合においても、刈り高さを一様に刈り揃えられるようになった。また、刈取装置としての耐久性の向上を図れるようになった。
【0010】本第2発明によれば、構造の簡素化を図りながらも、中腹部が膨出する状態に湾曲した斜面や、中腹部に切り株などの障害物が存在する斜面などに対して草刈り処理を行う場合における刈り高さを一様に刈り揃えられるようになった。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0012】図1には、本発明に係わるレシプロ式の法面刈取装置3を装備した草刈機の全体構成が示されている。この草刈機は、歩行操縦型の走行機体1、走行路面上の草を刈り取るように走行機体1の前方に備えられた平面刈取装置2、および、走行路面の一側端に連なる斜面上の草を刈り取るように走行機体1の横側に片持ち支持される状態に備えられた法面刈取装置3、によって構成されている。
【0013】走行機体1は、操縦ハンドル4を一体的に備えるように機体前下部から機体上部後方に向けて延出する状態に屈曲形成された鋼管材からなる機体フレーム5、機体フレーム5に支持連結されたエンジン6、エンジン6の左側部に連結されたミッションケース7、ミッションケース7の左側部から下方に向けて延設された伝動ケース8、および、伝動ケース8の延出端に軸支された一つの走行車輪9、などによって一輪式に構成されている。機体フレーム5の前部右側には、平面刈取装置2を支持する第一支持杆10が機体前方に向けて延設されている。第一支持杆10の延出端には、走行車輪9と前後方向に並ぶ補助車輪11が軸支されている。機体フレーム5の前部左側には、法面刈取装置3を前後方向視における角度調節自在に支持する第二支持杆12が機体前方に向けて延設されている。つまり、操縦ハンドル4と平面刈取装置2および法面刈取装置3との間に、エンジン6やミッションケース7などを介在させることによって、操縦時に作業者が平面刈取装置2あるいは法面刈取装置3に誤って接触する虞を回避している。
【0014】図1に示すように、平面刈取装置2は、第一支持杆10の中間部に支持固定された第一油圧モータ13、この第一油圧モータ13の作動により縦軸芯周りに回転駆動される回転刃14、回転刃14の上部を覆うモーアハウジング15、などによって衝撃切断を行うロータリ式に構成されいる。一方、法面刈取装置3は、図2〜図4にも示すように、上下一対の押さえ板16,17、上下一対の押さえ板16,17により挾持された上下一対の刃体18,19、および、上下一対の刃体18,19同士を相対的に一定ストロークで横往復移動させる第二油圧モータ20、などによってはさみ切断を行うレシプロ式に構成されており、法面刈取装置3としての小型化および軽量化が図られている。また、法面刈取装置3は、第二支持杆12の先端部に枢支された支持ボックス21に、刈り幅方向において位置調節自在となるように支持されている。
【0015】以下、法面刈取装置3の構成について詳述する。
【0016】図1〜図4に示すように、上下一対の刃体18,19の夫々は、その刈り幅方向に複数の平面視山型の刃部18a,19aが所定間隔を隔てて並ぶ状態に形成された平鋼材によって構成されている。上下一対の刃体18,19の夫々には、ボルト挿通用の複数の長孔18b,19bが、その刈り幅方向に刃部18a,19aの間隔よりも大きく設定された所定間隔を隔てて並ぶように穿設されている。一方、上下一対の押さえ板16,17の夫々には、ボルト挿通用の複数の慣通孔が、刈り幅方向に刃体18,19の長孔18b,19bと同じ間隔に設定された所定間隔を隔てて並ぶように穿設されている。刃体18,19の長孔18b,19bとボルト22との間にはスペーサ23が介装されている。つまり、ボルト22を、押さえ板16,17の慣通孔と刃体18,19の長孔18b,19bに挿通した後、ナット24に螺合して締め付けることによって、上下一対の刃体18,19同士の相対的な横往復移動を許容しながら、上下一対の押さえ板16,17により刃体18,19の浮き上がりを阻止できるようになっている。また、上下一対の刃体18,19と第二油圧モータ20との間には、第二油圧モータ20からの回転動力を上下一対の刃体18,19同士の相対的な横往復移動力に変換するカム機構25が介装されている。カム機構25は、第二油圧モータ20の出力ギア20aに噛合する入力ギア26、入力ギア26と一体回転自在に連結された伝動軸27、伝動軸27と一体回転自在に連結された第一偏芯カム28と第二偏芯カム29、第一偏芯カム28を相対回転自在に外嵌するとともに上側の刃体18の一端に枢支連結された第一リンク30、および、第二偏芯カム29を相対回転自在に外嵌するとともに上側の刃体19の一端に枢支連結された第二リンク31などによって構成され、カムケース32に内装されるようになっている。第一偏芯カム28と第二偏芯カム29は、互いの位相が180°異なるように伝動軸27に連結されている。以上の構成によって、法面刈取装置3は、上下一対の刃体18,19同士の相対的な横往復移動によるはさみ切断が行えるようになっている。
【0017】図1〜図3に示すように、第一油圧モータ13の上部には、右側の操縦ハンドル4に備えられた第一スイッチS1の操作に基づいて作動する第一電動モータ33が配備されている。法面刈取装置3を支持する支持ボックス21には、第一伝動モータ33の出力軸33aに一体回動自在に連結されたピニオン34と噛合するセクタギア35がボルト連結されている。そして、第一電動モータ33の作動によりピニオン34を正逆転駆動させることによって、法面刈取装置3を、前後方向視で、言い換えると、第二支持杆12の軸芯周りに角度調節できるようになっている。つまり、支持ボックス21、第一電動モータ33、ピニオン34、および、セクタギア35によって、前後方向視における法面刈取装置3の角度調節を行う角度調節機構Aが構成されている。また、図2および図5に示すように、法面刈取装置3における下側の押さえ板17には、その刈り幅方向の全域にわたるとともに、その刈り幅方向の延出端側ほど上下幅が狭くなるように、その後端から下方に向けて延設された補強用のリブ17aが形成されている。つまり、法面刈取装置3は、その刈り幅方向の根元側ほど上下方向における曲げ剛性が強くなるように、言い換えると、その刈り幅方向の延出端側ほど上下方向における曲げ剛性が弱くなるように構成されており、上下方向に撓りやすくなっている。さらに、図5および図6に示すように、下側の押さえ板17におけるボルト挿通用の慣通孔が穿設された箇所の下面には、夫々、下側の刃体19の前端を下方から支持する状態に湾曲した接地橇体19Aがボルト22によって共締め連結されている。従って、角度調節機構Aの作動により、法面刈取装置3の姿勢を、下側の押さえ板17の下面に備えられた夫々の接地橇体19Aが走行路面、あるいは、走行路面の一側端に連なる斜面に接地する状態に変更することによって、法面刈取装置3を、走行路面に沿った水平姿勢、あるいは、走行路面の一側端に連なる斜面の状況に応じた種々の傾斜姿勢に(例えば、斜面が直線状に傾斜する場合には、その直線傾斜に沿った直線傾斜姿勢に、また、斜面の中腹部が膨出する状態に湾曲して傾斜する場合には、その湾曲傾斜に沿った湾曲傾斜姿勢に、さらに、斜面の中腹部に切り株などの障害物が存在する場合には、その障害物を避ける状態に湾曲する湾曲傾斜姿勢に)容易かつ迅速に変更できるようになっている。これによって、走行路面や直線状に傾斜する斜面に対して草刈り処理を行う場合においては当然のことながら、中腹部が膨出する状態に湾曲した斜面や、中腹部に切り株などの障害物が存在する斜面などに対して草刈り処理を行う場合においても、刈り高さを一様に刈り揃えられるようになっている。
【0018】一方、支持ボックス21には、左側の操縦ハンドル4に備えられた第二スイッチS2の操作に基づいて作動する第二電動モータ36が装備されている。法面刈取装置3における上側の押さえ板16には、第二電動モータ36の出力軸36aに一体回動自在に連結されたピニオン37と噛合するラック38が形成されている。そして、第二電動モータ36の作動によりピニオン37を正逆転駆動させることによって、支持ボックス21による法面刈取装置3の支持位置を刈り幅方向に位置調節できるようになっている。つまり、第二電動モータ36、ピニオン37、および、ラック38によって、法面刈取装置3を刈り幅方向において位置調節する位置調節機構Bが構成されており、この位置調節機構Bの作動によって、法面刈取装置3の有効刈り幅hを、走行路面の一側端に連なる斜面の長さや、法面刈取装置3の直前に立木などの障害物が存在するなどの状況に応じて容易かつ迅速に変更できるようになっている。
【0019】〔別実施例〕以下、本発明の別実施例を列記する。
■ 図7に示すように、法面刈取装置3における上側の押さえ板16に、その刈り幅方向の全域にわたるとともに、その刈り幅方向の延出端側ほど上下幅が狭くなるように、その後端から下方に向けて延設された補強用のリブ16aを形成するようにしてもよい。この場合、同図に示すように、下側の押さえ板17に、第二電動モータ36のピニオン37と噛合するラック38を形成するようにしてもよく、また、図8に示すように、補強用のリブ16aに、第二電動モータ36のピニオン37と噛合するラック38を形成するようにしてもよい。さらに、図示は省略するが、法面刈取装置3の下側の押さえ板17に補強用のリブ17aを形成した場合には、この補強用のリブ17aに、第二電動モータ36のピニオン37と噛合するラック38を形成するようにしてもよい。
■ 法面刈取装置3における上下一対の押さえ板16,17のうちの一方あるいは双方を、その厚みが刈り幅方向における延出端側ほど薄くなるように形成することによって、法面刈取装置3の上下方向における曲げ剛性が、その延出端側ほど弱くなるように構成してもよい。
■ 法面刈取装置3としては、人力によって刈り幅方向に位置調節可能となるものであってもよく、また、刈り幅方向に位置調節不能なものであってもよい。
【0020】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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