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発明の名称 田植機の苗植付装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−242634
公開日 平成8年(1996)9月24日
出願番号 特願平7−46721
出願日 平成7年(1995)3月7日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 山下 眞
要約 目的
分割して格納姿勢への切換えが可能で、苗載せ台の縦送り機構を無理なく駆動できる苗植付装置を構成する。

構成
苗植付装置を、その分割物の姿勢変更で横方向の外端部が走行機体の前方側に向かう格納姿勢へ切換え自在に構成し、分割された苗載せ台13L,13R夫々に縦送り軸50と一方向クラッチ51とを備え、一方向クラッチ51の配設位置を苗載せ台13の分割面に臨設する縦送り機構Bより外方側に設定し、この一方向クラッチ51を挟む位置に配置される縦送り機構Bの一方からの動力を他方の縦送り機構Bに伝える迂回経路Eを形成する。
特許請求の範囲
【請求項1】 苗載せ台(13)が左右の移動端に達する毎に、苗載せ台(13)に載置された複数条の苗(W)夫々を同時に下方に送るよう複数の苗載置面夫々に縦送り機構(B)を備えると共に、苗載せ台(13)が左右の移動端部に達する毎に動力が伝えられる一方向クラッチ(51)を苗載せ台(13)の横方向に沿う姿勢の縦送り軸(50)に備え、又、この縦送り軸(50)の回動力を夫々の縦送り機構(B)に伝えるための複数のクラッチ(52)を備えることで、このクラッチ(52)の入り切り操作によって苗載せ台(13)に隣接載置された少なくとも2条の苗(W)の下方への送りと、送りの停止とを切換え自在に構成した田植機の苗植付装置であって、前記苗植付装置(A)を左右方向の中間位置で分割し、分割物(AL),(AR)の姿勢変更によって、その横方向の外端部が走行機体(3)の前方側に向かう格納姿勢へ切換え自在に構成し、又、分割された苗載せ台(13L),(13R)夫々に前記縦送り軸(50)と一方向クラッチ(51)とを備え、この一方向クラッチ(51)の配設位置を苗載せ台(13)の分割面に臨設する苗載置部より外方側に設定し、この一方向クラッチ(51)を挟む位置に配置される縦送り機構(B)の一方からの動力を他方の縦送り機構(B)に伝える迂回経路(E)を形成してある田植機の苗植付装置。
【請求項2】 前記迂回経路(E)を、前記一方の縦送り機構(B)を構成する回動軸(64)と同期駆動される無端ベルト(65)と、無端ベルト(65)で同期駆動される中間軸(62)と、該中間軸(62)からの動力で同期駆動され、かつ、前記他方の縦送り機構(B)の回動軸(64)に同期駆動力を伝える無端ベルト(65)とで構成してある請求項1記載の田植機の苗植付装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、苗載せ台が左右の移動端に達する毎に、苗載せ台に載置された複数条の苗夫々を同時に下方に送るよう複数の苗載置面夫々に縦送り機構を備えると共に、苗載せ台が左右の移動端部に達する毎に動力が伝えられる一方向クラッチを苗載せ台の横方向に沿う姿勢の縦送り軸に備え、又、この縦送り軸の回動力を夫々の縦送り機構に伝えるための複数のクラッチを備えることで、このクラッチの入り切り操作によって苗載せ台に隣接載置された少なくとも2条の苗の下方への送りと、送りの停止とを切換え自在に構成した田植機の苗植付装置に関し、詳しくは、苗植付装置の横方向の寸法を小さくする格納姿勢に切換え得る苗植付装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のように縦送り機構を備えた苗植付装置として特開平1‐269416号公報に示されるものが存在し、又、格納自在に構成された苗植付装置として実開平4‐113523号公報に示されるものが存在し、この後者の従来例では苗載せ台の両端部の折り畳み操作で苗載せ台の横方向への寸法を小さくできるものとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】8条植用以上の乗用型田植機では苗植付装置の横方向への寸法が大きいため、路上走行時に障害物との接触を回避する目的、あるいは、トラックに田植機を積載して運搬する際に荷台の横幅内に収める目的から、後者の従来例のようなものも考えれられていた。しかし、この従来例の構成では苗載せ台の両側部だけを折り畳む構成であるので、例えば、10条植以上の多条植用の苗植付装置を格納する際には横方向への寸法をあまり小さくできず改善の余地があった。
【0004】この不都合を解消する目的から苗植付装置を左右方向での中間位置で分割し、この分割物の横方向を前後方向に向かう姿勢に切換えることで苗植付装置の横方向への寸法を小さくする格納姿勢への切換え自在に構成することも考えられる。しかし、苗植付装置を分割するものでは苗載せ台、縦送り軸も分割されるものとなり、しかも、苗載せ台の分割面に露出する部位の縦送り軸にはスペースの面から一方向クラッチ、あるいは、クラッチを備えにくいことから、これらを適切に配置する面で改善の余地がある。
【0005】尚、従来からの苗載せ台は、隣接する苗の載置面夫々の間に縦長姿勢の壁状部を形成することで隣接する苗載置面を互いに独立させると共に、夫々の間の間隙の部位に対して一方向クラッチ、あるいは、クラッチを配置するための空間を確保している。又、従来からの苗植付装置は複数の植付条のうち2条の植付条に対する動力の伝達系にクラッチ機構を備え、更に、このクラッチ機構の操作と連係して縦送り軸のクラッチを操作する操作系を備えており、クラッチの操作時には必ず互いに隣接する2条(複数条)の縦送り機構への動力の断続を行うよう構成されている。
【0006】本発明の目的は、横方向への寸法を小さくする格納姿勢への切換えが可能で、しかも、苗載せ台の縦送り機構を無理なく駆動できる苗植付装置を合理的に構成する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴(請求項1)は冒頭に記したように、縦送り機構、一方向クラッチ、クラッチを備え、このクラッチの入り切り操作によって苗載せ台に隣接載置された少なくとも2条の苗の下方への送りと、停止とを切換え自在に構成した田植機の苗植付装置において、前記苗植付装置を左右方向の中間位置で分割し、分割物の姿勢変更によって、その横方向の外端部が走行機体の前方側に向かう格納姿勢へ切換え自在に構成し、又、分割された苗載せ台夫々に前記縦送り軸と一方向クラッチとを備え、この一方向クラッチの配設位置を苗載せ台の分割面に臨設する苗載置部より外方側に設定し、この一方向クラッチを挟む位置に配置される縦送り機構の一方からの動力を他方の縦送り機構に伝える迂回経路を形成してある点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0008】
【作用】上記特徴(請求項1)によると、分割物の姿勢変更で、分割物の横方向の外端部が走行機体の前方側に向かう格納姿勢に切換えることで苗植付装置の横方向への寸法を小さくすることが可能となり、又、夫々の分割物に縦送り軸を備え、この縦送り軸に一方向クラッチを備えるので、苗植付装置を作業姿勢に設定した場合には左右夫々の縦送り軸を連結しなくとも、夫々を独立に駆動して苗載せ台に載置した苗を同時に下方に送りうるものとなり、しかも、苗載せ台の分割面を避けた位置に一方向クラッチを配置する目的から同時に駆動されるべき縦送り機構を挟む位置の縦送り軸に一方向クラッチが配置されても迂回経路を介して一方の縦送り機構から他方の縦送り機構に動力が伝えられるので、迂回経路で連係される夫々の縦送り機構を同時に駆動できるものとなる。
【0009】請求項2によると、ベルトと中間軸とを備えた比較的簡単な構造で一方向クラッチを挟む位置の縦送り機構夫々をスリップを発生させることなく、同期駆動して夫々の縦送り機構を等しい送り量だけ作動させうるものとなる。
【0010】
【発明の効果】従って、横方向への寸法を小さくする格納姿勢への切換えが可能で、しかも、苗載せ台の縦送り機構を無理なく駆動し、クラッチ操作で所望の条の縦送り作動の停止も可能な苗植付装置が合理的に構成されたのである(請求項1)。又、迂回経路を同期動力が伝えられるよう構成することで苗の縦送りタイミングも縦送り量も最適なものに維持できるという効果も奏する(請求項2)。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1に示すように、ステアリング操作される駆動型の前車輪1、及び、駆動型の後車輪2を備えた走行機体3の前部にエンジン4を搭載すると共に、この走行機体3の前部にエンジン4からの動力が伝えられる静油圧式の無段変速装置5、及び、変速ケース6を配置し、又、走行機体3の中央部に運転座席7を配置し、走行機体3の後端部に対し油圧シリンダ8で駆動昇降するリンク機構9を介して苗植付装置Aを連結して乗用型の田植機を構成する。
【0012】前記運転座席7の右側部に苗植付装置Aの昇降制御と植付クラッチ(図示せず)の入り切り操作とを行う昇降レバー10を備え、又、運転座席7の左側部には前記無段変速装置5を操作する変速レバー11を備えている。尚、前記植付クラッチは、前記変速ケース6に内蔵され、この変速ケース6から苗植付装置Aに対して動力を伝える伝動軸12が決まった回転位相にある場合にのみ切り操作を許容して苗植付装置Aの植付アーム(後述する)が圃場との接触を回避した姿勢で停止するよう構成されている。
【0013】苗植付装置Aはマット状苗Wを載置し、かつ、その上端側が走行機体3の前方側に傾斜する姿勢の苗載せ台13、前記伝動軸12からの動力が伝えられる左右一対の伝動ケース14,14、この伝動ケース14からチェーンケース15を介して伝えられる動力で回転するロータリケース16、このロータリケース16に一対ずつ備えられた植付アーム17、複数の整地フロート18夫々を備えて8条植え用に構成されると共に、ホッパー、繰出し機構、作溝器等を有した施肥装置19を備え、作業時には苗載せ台13に載置されたマット状苗Wの下端から苗を植付アーム17が1株ずつ切出して圃場面に植え付けると同時に、植付けた苗の近傍の圃場面下に施肥装置19で肥料を供給する。尚、ロータリケース16、植付アーム17、及び、これらを駆動する系で植付機構が構成されている。
【0014】図7、図8及び図11に示すように、この田植機では苗植付装置Aの左右方向での中央位置で4条ずつに2分割自在に構成してあり、夫々の分割物AL,ARを、その分割物AL,ARを構成するフレーム部材20に対して縦向き姿勢の第1軸芯X1周りで回動自在に支持し、更に、前記リンク機構9の後端に備えた主フレーム21に対して、このフレーム部材20を縦向き姿勢の第2軸芯X2周りで回動自在に支持してあり、又、図12に示すように、苗植付装置Aを作業姿勢に設定した状態において、鉛直方向を基準に前記第1軸芯X1、第2軸芯X2夫々の上端側を走行機体3の前方側に向かう方向に傾斜させてある。
【0015】リンク機構9は上部に配置されるトップリンク9Tと下部に配置されるロアーリンク9Lとで成り、夫々の後端を支持する縦フレーム9Aの下端部に連結するローリングボス22に対して前後向き姿勢のローリング軸芯Y周りでローリング自在に連結プレート23を支持し、この連結プレート23に対して上部プレート21Aと下部パイプ21Bとで成る前記主フレーム21を固設すると共に、この主フレーム21の左右両端部に前記第2軸芯X2と同軸芯に配置した第2軸24に回動自在に外嵌するボス部材20Aに対して丸パイプ状の前記フレーム部材20を固設して該フレーム部材20を第2軸芯X2周りで回動自在に支持し、又、夫々のフレーム部材20,20の外端部に前記第1軸芯X1と同軸芯に配置した第1軸25に対してチャンネル状のブラケット26を介して角パイプ状の支持フレーム27を該第1軸芯X1周りで回動自在に支持し、この支持フレーム27に対して前記左右の伝動ケース14、及び、前記チェーンケース15を固設し、更に、分割物AL,AR夫々の一対のチェーンケース15,15の上面に対して前記苗載せ台13を支持する左右の摺動レール28,28を設けてある。
【0016】左側の伝動ケース14の動力で回転駆動される螺軸29を、該伝動ケース14と、この側の支持フレーム27の端部の軸受部材30との間に亘って備えてあり、この螺軸29の螺旋溝に係入するコマ(図示せず)の移動力を左側の分割苗載せ台13Lに伝える移動部材31を備えて、苗載せ台13の横送り機構を構成してある。尚、苗載せ台13は左右の分割苗載せ台13L,13R夫々が連結部材D(図13、図14を参照)で連結されることで、この横送り機構からの動力で摺動レール28、28上を一体的に横方向に往復移動する。
【0017】前記ローリングボス22の右側部に対して、前記伝動軸12からの動力が伝えられる軸体(図示せず)を配置してあり、この軸体の動力をベベルケース32、ベベルケース32に備えた一対の出力軸33,33、クラッチ部材34、中間軸35夫々を介して左右の伝動ケース14,14に伝える伝動系を形成してある。又、クラッチ部材34は中間軸35の端部の嵌合部材に係脱自在に構成され、内方への移動によって図8に示すように、出力軸33と中間軸35とを分離するよう構成されている。
【0018】このクラッチ部材34は入り操作で出力軸33と中間軸35とが特定の回転位相にある場合にのみ嵌合するよう構成され、又、ベベルケース32は走行機体側からの動力を2つの出力軸33,33に分岐して出力するようベベルギヤ(図示せず)を有した伝動系を内装し、中間軸35はフレーム部材20の系に対して横向き姿勢を維持するよう支承されると共にユニバーサルジョイントを備えて構成されている。
【0019】図9乃至図11に示すように、第2軸24を主フレーム21に対して回転不能に設け、第1軸25をフレーム部材20に回転不能に設けてある。第2軸24の上部位置に第2軸芯X2と同軸芯に主スプロケット36を固設すると共に、この第2軸24の上端位置に第2軸芯X2周りで回動自在にプレート状の回動部材37を備えている。又、第1軸25に対して回動自在に前記ブラケット26を支持すると共に、このブラケット26と一体回転し、かつ、前記主スプロケット36の歯数の1/2の歯数の従動スプロケット38を第1軸芯X1と同軸芯に配置し、主スプロケット36と従動スプロケット38とに亘ってチェーン39を巻回してある。
【0020】左右の回動部材37,37夫々を左右のフレーム部材20,20より高レベルに配置すると共に、このフレーム部材20,20の回動に連動して回動するよう吊り下げ姿勢のロッド40,40を介して連結固定し、又、左右の回動部材37,37を互いに逆方向に回転させるよう、夫々の間に交差姿勢で一対のワイヤ41,41を張設してある。又、左側の第2軸芯X2と同軸芯に配置したセクタギヤ42をフレーム部材20の側に固設し、このセクタギヤ42に咬合するピニオンギヤ43を主フレーム21の側に備えると共に、このピニオンギヤ43を駆動する電動モータ44を備えている。
【0021】前記ロッド40は中間部にターンバックル40Aが介装されると共に、一方の端部が回動部材37に溶接固定され、他方の端部がフレーム部材20に固設された支持部材45を介してネジ式に連結され、前記ワイヤ41の中間部にはネジ式に長さを調節する長さ調節部41Aを備えている。
【0022】図2乃至図6に示すように、苗載せ台13には作業時に前記横送り機構によって該苗載せ台13が左右の移動端に達する毎に苗載せ台13に載置された複数の苗W夫々を下方に送るよう複数の苗載置面夫々に縦送り機構Bを備えている。この縦送り機構Bは1条の苗載置面に対して苗Wの下面に食い込む多数の突起46A…を有した無端ゴムベルト46を左右一対備えると共に、このゴムベルト46が巻回する上部の輪体47及び下部の輪体48を備え、又、夫々の分割苗載せ台13L,13Rには上部の輪体47を遊転支承する支軸49、及び、下部の輪体48を遊転支承し、かつ、下部の輪体48を駆動する縦送り軸50を備えている。この縦送り軸50は、分割苗載せ台13L,13R夫々に1本ずつ備えられ、夫々の縦送り軸50には1つの一方向クラッチ51と2つのクラッチ52を備え、一方向クラッチ51には苗載せ台13が左右の移動端に達する毎に伝動ケース14に備えた常時回転型の回転軸53と一体回転する回転部材54に接触して揺動操作される揺動片55を備えている。このクラッチ52は図3に示すように、断面形状6角の縦送り軸50と一体回転し、かつ、シフトアーム56の操作によって軸芯方向に操作自在なシフト部材52Aに複数の咬合爪52Bを形成して成り、このシフト部材52Aの咬合爪52Bを隣接する縦送り機構Bの下部の輪体48の咬合爪48Aに咬合させるバネ57を備えている。
【0023】クラッチ52は前記チェーンケース15夫々の内部に備えた各条クラッチ(図示せず)と連係して操作されるよう苗載せ台13の反苗載せ台面に備えた各条クラッチレバー58とシフトアーム56とをワイヤ59を介して連係しており、各条クラッチの切り操作で2条分の植付作動が停止した際に、この植付条と対応する2条の縦送り機構B,Bの作動を停止させる機能を有している。又、回転部材54は回転軸53に対して軸芯方向に苗載せ台13の横移動ストローク(約30センチメートル)の間隔で一対形成され、又、夫々の縦送り軸50の外端部には該縦送り軸50のオーバーランを抑制するブレーキ60を備えている。
【0024】図2に示すように、左側の分割苗載せ台13Lは外端面を基準に内方の1条の縦送り機構Bを挟んだ位置の縦送り軸50に一方向クラッチ51を備えている。又、この分割苗載せ台13Lの外端位置の縦送り軸50に第1のクラッチ52を備え、分割面から外端側の2条分の縦送り機構Bの外方に隣接する位置(分割苗載せ台の左右方向の中央位置)に第2のクラッチ52を備えている。又、第2のクラッチ52からの動力で内側の2条分の縦送り機構B,Bを同時に駆動するよう夫々の縦送り機構B,Bの下部の輪体48,48同士を筒状軸61で連結し、更に、第1のクラッチ52で駆動される外端位置の1条の縦送り機構Bからの動力を前記一方向クラッチ51を迂回した経路を介して内側の(分割面の側)の1条の縦送り機構Bに伝える迂回経路Eを形成してある。
【0025】又、右側の分割苗載せ台13Rの縦送りの伝動系の配置も左側の分割苗載せ台13Lのものと類似したものであり、右側の分割苗載せ台13Rでは分割面を基準に外方の1条の縦送り機構Bを挟んだ位置の縦送り軸50に一方向クラッチ51を配置してある。又、分割面から外端側の2条分の縦送り機構Bの外方に隣接する位置(分割苗載せ台の左右方向の中央位置)に第3のクラッチ52を備え、分割苗載せ台13Rの外端位置の縦送り軸50に第4のクラッチ52を備えている。又、第4のクラッチ52からの動力で内端側の2条分の縦送り機構B,Bを同時に駆動するよう夫々の縦送り機構B,Bの下部の輪体48,48同士を筒状軸61で連結し、第3のクラッチ52からの動力が伝えられる外側の1条の縦送り機構Bからの動力を前記一方向クラッチ51を迂回して内端側(分割面の側)の1条の縦送り機構Bに伝える迂回経路Eを形成してある。
【0026】夫々の迂回経路Eは等しい構造が採用され、左側の分割苗載せ台13Lの迂回経路を例に挙げると詳細は図3に示すように、一方向クラッチ51の両側に配置される夫々の縦送り機構B,Bのゴムベルト46が巻回する空間内同士に亘って縦送り軸50と平行姿勢の中間軸62を遊転支承し、この中間軸62の両端位置にギヤ状部材63,63を備え、又、夫々の縦送り機構B,Bの下側の輪体48,48と一体回転する回動軸64,64にギヤ状部材63,63を設け、夫々に対して無端ベルトとしてのタイミングベルト65を巻回して迂回経路Eが形成されている。
【0027】このように縦送り機構Bが構成されることから作業時には苗載せ台13が左右の移動端に達する毎に回転部材54に対して、夫々の縦送り軸50の揺動片55が接触して揺動操作されると共に、この動力が一方向クラッチ51を介して縦送り軸50に伝えられ該縦送り軸50が回動操作されることで、この回動力がクラッチ52、及び、迂回経路Eを介して縦送り機構50に伝えられ夫々の縦送り機構Bで全ての状の苗Wを同時に下方に送れるものとなる。そして各条クラッチを切り操作した場合には、その切り操作に対応した条のクラッチ52も同時に切り操作され、縦送り機構Bの縦送り作動を2条毎に停止できる。
【0028】このような構成から、苗植付装置Aを格納する場合には、地面から離間するレベルまで苗植付装置Aを上昇させた状態で、図13に示す如く、先ず横送り機構の駆動力によって苗載せ台13を左側の端部位置に送って停止し、次に、連結部材Dの連結を解除して右側の分割苗載せ台13Rを人為的に右側の移動端まで移動させて該分割苗載せ台13Rの摺動レール28上での移動をロック手段(図示せず)で阻止する(この状態で図14の姿勢に達し、左右の分割苗載せ台13R,13L夫々の間隔は約30センチメートルに達する)。
【0029】次に、前記クラッチ部材34を人為的に分離し、所定の操作で電動モータ44を駆動することで、左右の回動部材37,37、一対のワイヤ41,41からの力によって夫々のフレーム部材20,20が連動して第2軸芯X2,X2周りで、その外端側が後方側に向かう側に回動すると共に、この回動と同時に第1軸芯X1,X1周りでブラケット26,26に支持された系が主スプロケット36、従動スプロケット38、チェーン39からの力によってフレーム部材20,20の回動速度の2倍の速度でフレーム部材20,20の回動方向と逆方向、即ち、その左右外端部が走行機体3の前方に向かう側に回動する。
【0030】尚、この格納姿勢への回動時には図15に示す如く、左右の分割苗載せ台13L,13Rの内端上部の角部13E,13Eが接近するものの、平面視で分割苗載せ台13L,13Rが互いに離間する位置で回動するので、夫々の角部13E,13Eの接触を回避した回動が可能となっており、又、クラッチ部材34の分離によってこの回動が許容される。
【0031】そして、分割物AL,ARが格納姿勢に達すると電動モータ44の駆動を停止して(制御動作は詳述せず)格納が完了する。この状態では図16に示す如く、左右夫々の分割苗載せ台13L,13Rが摺動レール28,28上で走行機体3の側に近接する位置で、その上端縁同士が近接状態で平行する姿勢に達するので苗植付装置A全体の重量を走行機体3の側に寄せて田植機全体の重量バランスを向上させると共に、苗植付装置Aの横方向への寸法を縮小するものとなる。
【0032】更に、この格納姿勢では前述のように傾斜姿勢の第1軸芯X1周りでの回動によって分割苗載せ台13L,13Rが図17に示す如く、起立姿勢に向かう姿勢に切換えられて苗植付装置Aの横方向の寸法を更に縮小し、又、前述のように傾斜姿勢の第2軸芯X2周りでのフレーム部材20の回動によって図18に示す如く、分割物AL,ARの走行機体3の後方側を上方に持ち上げる結果、平面視において前後方向での寸法の縮小を可能にし、しかも、田植機全体の重心を更に前方に移動させて重量バランスを向上させると同時に、走行時に格納姿勢の苗植付装置Aの後端を地面に接触させないものになっている。
【0033】そして、この格納姿勢の苗植付装置Aを作業姿勢に復元する際には電動モータ44を逆回転させることで分割物AL,ARが前述と逆方向に回動する結果、前述とは逆の動作によって格納姿勢の苗植付装置Aが作業姿勢に向かう姿勢変更が行われ、この姿勢変更で苗植付装置Aが図14に示す姿勢に達すると電動モータ44の駆動を停止し(制御動作は詳述せず)、クラッチ部材34を連結し、右側の分割苗載せ台13Rを左側の分割苗載せ台13Lの側に寄せて夫々13L,13Rを連結部材Dで連結することで作業可能な状態に達する。
【0034】〔別実施例〕本発明は上記実施例以外に、例えば、迂回経路を前記実施例のタイミングベルトの代えて無端チェーンを用いることが可能であり、経路全体をギヤと軸との組合せで構成することも可能である。
【0035】又、本発明は苗植付装置を分割して分割された苗載せ台の外端部を走行機体の前方側に向ける格納姿勢に切り換わるものであれば、格納のための構造は前記実施例と異なるものであって良く、更に、10条植以上の苗植付装置に適用することも可能である。
【0036】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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