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発明の名称 田植機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−242632
公開日 平成8年(1996)9月24日
出願番号 特願平7−47484
出願日 平成7年(1995)3月7日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 南川 泰秀 / 山下 眞 / 北井 浩昭
要約 目的
苗植付装置を分割して格納姿勢への切換えを円滑に行わせる田植機を構成する。

構成
油圧シリンダ8を上部にピストンロッド8Bを配した縦姿勢に配置し、このシリンダ8で上限まで上昇させた状態で苗植付装置を、その左右方向の中間位置で分割し、分割物の縦向きの軸芯周りで回動で横方向の外端部が走行機体の前方側に向かう格納姿勢へ切換え自在に構成し、又、油圧シリンダ8が伸長状態でピストンロッド8Bの作動部に接当してサスペンションバネ119が機能する状態で油圧シリンダ8の収縮方向への作動を阻止するロック部材125の装着を自在に構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】 苗載せ台(13)に載置された苗(W)を植付機構で切り出して圃場に植付ける作動を行う苗植付装置(A)を走行機体(3)の後端に油圧シリンダ(8)の作動によって昇降自在に連結してある田植機であって、前記油圧シリンダ(8)を、上下方向に向かう伸長作動で苗植付装置(A)を上昇させるよう上部にピストンロッド(8B)を配した縦姿勢に配置すると共に、苗植付装置(A)を所定高さまで上昇させた状態において、前記苗植付装置(A)を、その左右方向の中間位置で分割した分割物(AL),(AR)の縦向きの軸芯周りで回動で、横方向の外端部が走行機体(3)の前方側に向かう格納姿勢へ切換え自在に構成し、更に、油圧シリンダ(8)が伸長状態で、ピストンロッド(8B)の作動部に接当して収縮方向への作動を阻止するロック部材(125)の装着を可能に構成してある田植機。
【請求項2】 前記油圧シリンダ(8)に対する前記ロック部材(125)の装着を感知するセンサ(131)を備えると共に、このセンサ(131)でロック部材(125)の装着を検出した際にのみ、前記苗植付装置(A)の格納姿勢への切換え操作を許容する格納許容手段(134)を備えている請求項1記載の田植機。
【請求項3】 前記油圧シリンダ(8)のピストンロッド(8B)と前記苗植付装置(A)を支持する系との間にサスペンションバネ(119)を備えると共に、前記ロック部材(125)の装着位置を、ピストンロッド(8B)の収縮作動が不能で、かつ、サスペンションバネ(119)に苗植付装置(A)の重量が作用する位置に設定してある請求項1記載の田植機。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、苗載せ台に載置された苗を植付機構で切り出して圃場に植付ける作動を行う苗植付装置を走行機体の後端に油圧シリンダの作動によって昇降自在に連結してある田植機に関し、詳しくは、苗植付装置の横方向への寸法を小さくする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のように苗植付装置の横方向への寸法を小さくするよう構成された田植機として、本出願人が先に出願した特願平6‐214449号に示されるものが提案され、この従来例では図34(イ),(ロ),(ハ),(ニ)に示すように、苗植付装置Aを左右の中央部で2つの分割物AL,ARに分割自在に構成すると共に、この分割物AL,ARの縦軸芯周りでのアクチュエータを用いた回動によって該分割物AL,ARの横方向の外端を走行機体3の前方方向に向け、更に、分割物AL,AR夫々の分割苗載せ台13L,13Rの上端縁同士が平行姿勢で近接するまで夫々の分割物13L,13Rを互いに接近させて横方向の寸法を小さくする格納姿勢に切換え自在に構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来例では、苗植付装置が地面から離間するレベルまで上昇させてから苗植付装置を格納姿勢に切換える操作を行うものである。しかし、苗植付装置の上昇は人為的に行うものであるので、苗植付装置を充分な高さまで上昇させずに格納操作を行う場合もあり、このような場合には、整地フロートが地面の突出部に接触するなどの原因により円滑な格納操作を行い難い面がある。特に従来例のようにアクチュエータの駆動で格納を行うものでは、過負荷によってアクチュエータ、あるいは、作動系を傷めることも考えられる。又、苗植付装置を上昇させて走行する場合には走行機体の振動で苗植付装置を大きく振動させることもあり、この点も改善の余地がある。
【0004】本発明の目的は、苗植付装置を格納姿勢に円滑に切換えうる田植機を合理的に構成し、又、走行時の振動で苗植付装置を大きく振動させることのない田植機を合理的に構成する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴(請求項1)は冒頭に記したように、苗載せ台の苗を植付機構で圃場に植付ける苗植付装置を走行機体の後端に油圧シリンダの作動によって昇降自在に連結してある田植機において、前記油圧シリンダを、上下方向に向かう伸長作動で苗植付装置を上昇させるよう上部にピストンロッドを配した縦姿勢に配置すると共に、苗植付装置を所定高さまで上昇させた状態において、前記苗植付装置を、その左右方向の中間位置で分割した分割物の縦向きの軸芯周りで回動で、横方向の外端部が走行機体の前方側に向かう格納姿勢へ切換え自在に構成し、更に、油圧シリンダが伸長状態で、ピストンロッドの作動部に接当して収縮方向への作動を阻止するロック部材の装着を可能に構成してある点にある。更に、発明の特徴として、前記油圧シリンダに対する前記ロック部材の装着を感知するセンサを備えると共に、このセンサでロック部材の装着を検出した際にのみ、前記苗植付装置の格納姿勢への切換え操作を許容する格納許容手段を備えている点(請求項2)にあり、又、前記油圧シリンダのピストンロッドと前記苗植付装置を支持する系との間にサスペンションバネを備えると共に、前記ロック部材の装着位置を、ピストンロッドの収縮作動が不能で、かつ、サスペンションバネに苗植付装置の重量が作用する位置に設定してある点(請求項3)にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0006】
【作用】上記特徴(請求項1)によると、油圧シリンダの伸長作動によってロック部材を装着できる高さまで苗植付装置を上昇させた後、該苗植付装置の格納操作を行うことで、油圧シリンダからの作動油のリークに伴う苗植付装置の下降を阻止すると同時に、地面と苗植付装置との距離を充分にとり、苗植付装置の下部と地面との接触を回避できるものとなり、しかも、この構成では油圧シリンダが縦姿勢で上部にピストンロッドを配しているので、走行機体の後端位置からピストンロッドの作動部までの距離が近く、走行機体の側から容易にロック部材を装着できるものとなる。
【0007】又、請求項2によると、ロック部材が装着さたれことをセンサが検出した際にのみ格納許容手段が格納作動を許すので、苗植付装置が充分な高さにあり、しかも、ロック部材が機能する状態での格納作動を可能にする。
【0008】又、請求項3によると、ロック部材が装着されることで、ピストンロッドの収縮側への作動を阻止すると同時に、走行時における走行機体からの振動をサスペンションが吸収して苗植付装置を振動を抑制するものとなる。
【0009】
【発明の効果】従って、簡便な操作によるロック部材の装着で、苗植付装置の横方向への寸法を小さくする格納姿勢への切換え操作を円滑に行わせる田植機が合理的に構成され(請求項1)、又、この格納姿勢への操作を行う際には作業者の誤操作を回避しうる田植機が構成され(請求項2)、又、走行時の振動で苗植付装置を大きく振動させることのない田植機が構成された(請求項3)のである。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1に示すように、ステアリング操作される駆動型の前車輪1、及び、駆動型の後車輪2を備えた走行機体3の前部にエンジン4を搭載すると共に、この走行機体3の前部にエンジン4からの動力が伝えられる静油圧式の無段変速装置5、及び、変速ケース6を配置し、又、走行機体3の中央部に運転座席7を配置し、走行機体3の後端部に対し油圧シリンダ8で駆動昇降するリンク機構9を介して苗植付装置Aを連結して乗用型の田植機を構成する。
【0011】前記運転座席7の右側部に苗植付装置Aの昇降制御と植付クラッチ(図示せず)の入り切り操作とを行う昇降レバー10を備え、又、運転座席7の左側部には前記無段変速装置5を操作する変速レバー11を備えている。尚、前記植付クラッチは、前記変速ケース6に内蔵され、この変速ケース6から苗植付装置Aに対して動力を伝える伝動軸12が決まった回転位相にある場合にのみ切り操作を許容して苗植付装置Aの植付アーム(後述する)が圃場との接触を回避した姿勢で動力を遮断するよう構成されている。
【0012】苗植付装置Aはマット状苗Wを載置し、かつ、その上端側が走行機体3の前方側に傾斜する姿勢の苗載せ台13、前記伝動軸12からの動力が伝えられる左右一対の伝動ケース14,14、この伝動ケース14からチェーンケース15を介して伝えられる動力で回転するロータリケース16、このロータリケース16に一対ずつ備えられた植付アーム17、複数の整地フロート18夫々を備えて8条植用に構成されると共に、ホッパー19に貯留された粒状の肥料を繰出し機構20で送り出しチューブ21を介して作溝器22に送る構造の施肥装置を備え、作業時には苗載せ台13に載置されたマット状苗Wの下端から苗を植付アーム17が1株ずつ切出して圃場面に植え付けると同時に、植付けた苗の近傍の圃場面下に施肥装置で肥料を供給する。尚、ロータリケース16、植付アーム17、及び、これらを駆動する系で植付機構が構成されている。
【0013】図2及び図3に示すように、屈伸リンク23を介して前記整地フロート18の前部を支持すると共に、チェーンケース15の下面に横向き姿勢の軸芯周りで回動自在に備えた植付け深さ調節軸24に連結したアーム25の揺動端に整地フロート18の中間部を揺動自在に連結支持してあり、植付け深さ調節軸24に連結した揺動レバー26と中間操作軸27Aとを介して連結する植付け深さ調節レバー27をレバーガイド28の所定位置に係止固定することで整地フロート18、即ち、圃場面Sと植付アーム17の植付爪の作動軌跡Tとの相対的な位置関係を変更して植付け深さを調節できるよう構成してある。
【0014】又、苗載せ台13を左右方向の往復移動自在に支持する摺動レール29を、苗載せ台13の載置面に沿う上下方向に位置変更できるよう、該摺動レール29に連結された軸部材30をチェーンケース15にスライド自在に支持してあり、また、チェーンケース15の上面に横向き姿勢で軸芯周りに回動揺動自在に支持した苗取り量調節軸31に形成したアーム部材32の揺動端を摺動レール29の下面の係合部材33に係合させ、該苗取り量調節軸31に連結した揺動レバー34と中間操作軸35Aを介して連結する苗取り量調節レバー35をレバーガイド36の所定位置に係止固定することで、摺動レール29のレベルを設定して、苗載せ台13に載置したマット状苗Wと、植付アーム17の植付爪の作動軌跡Tとの相対的な位置関係を変更して苗取り量を調節できるよう構成してある。
【0015】更に、植付け深さ調節軸24、苗取り量調節軸31夫々は後述するように苗植付装置Aを2分割して格納姿勢に切換える姿勢変更を許すよう、同軸芯に配置された左右の2部材で構成され、夫々の植付け深さ調節軸24,24、及び、苗取り量調節軸31,31の対向する位置には特定の回動姿勢でのみ係脱自在な嵌合型の連結機構37,38を備え、又、整地フロート18は左右方向での中央位置に配置した単一のセンタフロート18Cと左右のサイドフロート18S,18Sとで成ている。
【0016】図8及び図17に示すように、リンク機構9はトップリンク9Tと左右一対のロアーリンク9L,9L夫々の後端を縦リンク9Vで連結して成り、この縦リンク9Vに対して着脱自在な中間フレーム41を介して前記苗植付装置Aが連結され(着脱の構造は詳述せず)、図5及び図6に示すように、この中間フレーム41の下端のローリングボス42に対して前後向き姿勢のローリング軸芯Y周りでローリング自在に苗植付装置Aが連結支持され、又、中間フレーム41に対して、電動モータ43で回転駆動される横向き姿勢のネジ軸44を備え、このネジ軸44に螺合する移動部材45を案内するガイド杆46を備え、この移動部材45と苗載せ台13の左右位置の配置された支柱状フレーム47,47との間に亘って、延長部材48が内端に連結された引っ張り型のローリングバネ49を介装し、又、中間フレーム41の上面に固設された左右一対の係合ロッドと50,50と、苗載せ台13の反苗載せ面側の左右位置に配置されたブラケット51,51との間に延長ロッド52が内端に連結された引っ張り型の戻しバネ53を介装してある。この左右の戻しバネ53,53の延長ロッド52,52うち右側のものには上方に突出する形状の操作軸54を溶接固定してあり、この延長ロッド52の内端は係合ロッド52から人為的に取り外せるよう係合されている。
【0017】図7乃至図10に示すように、この田植機では苗植付装置Aの左右方向での中央位置で4条ずつに2分割自在に構成してある。つまり、前記ローリングボス42に対してローリング自在に連結したプレート55に対して連結する上部プレート56Aと下部フレーム56Bとで主フレーム56を構成し、この主フレーム56から前方に向けて左右一対の規制アーム57,57を延設し、この規制アーム57,57を苗植付装置Aを上昇させた場合に左右のロアーリンク9L,9Lの下面に接当させて苗植付装置Aのローリング作動を規制するよう構成してある。又、この主フレーム56の両端位置に縦向き姿勢の第1軸芯X1と同軸芯に第1軸58を回転不能に配置し、この第1軸58に回動自在に支持された筒状部材59に円筒状のフレーム部材60を固定し、このフレーム部材60の揺動端に縦向き姿勢の第2軸芯X2と同軸芯で、かつ、このフレーム部材60に対して回動自在となるよう筒軸61に内嵌状態に第2軸62を配置し(図7を参照)、この第2軸62周りで回動自在に左右のチャンネル状のブラケット63を支持し、更に、このブラケット63に対して角パイプ状の支持フレーム64を連結して苗植付装置Aの左右の分割物AL,ARを支持している。
【0018】図7に示すように、苗植付装置Aを作業姿勢に設定した状態で、鉛直方向を基準に前記第1軸芯X1、第2軸芯X2夫々の上端側を走行機体3の前方側に向かう方向に傾斜させてあり、又、第2軸芯と同軸芯で、かつ、ブラケット63と一体回転するよう前記支柱状フレーム47を連結固定し、この左右の支柱状フレーム47,47の上端部を、苗載せ台13の反苗載せ面の側に横長姿勢に配置される左右のサポートフレーム65,65に連結している。又、ブラケット63に対して前記伝動ケース14を連結し、支持フレーム64に対して前記チェーンケース15の基端部を連結してあり、チェーンケース15の上面に前記苗載せ台13を左右方向の移動自在に支持するよう前記摺動レール29を配置してある。
【0019】図8、図9、図14(イ),(ロ)、図17に示すように、前記伝動軸12からの動力が中間軸12Aを介して伝えられるベベルケース66を前記ローリング軸芯Yより右側に変位した位置に配置してあり、このベベルケース66には左右方向に動力を分岐して取出す出力軸67,67を備え、前記左右の伝動ケース14,14の入力軸68,68とユニバーサルジョイントを介して連結する中間軸69,69が苗植付装置Aの内側方向に延設され、この中間軸69と出力軸67との間に咬合型のクラッチ機構を備えている。このクラッチ機構は出力軸67に対してスライド移動自在にスプライン嵌合するシフト部材70と、中間軸69の端部に固設された咬合部材71と、シフト部材70を咬合部材71の方向に付勢するバネ72とで構成され、シフト部材70に形成された咬合爪70Aと咬合部材71に形成された咬合爪71Aとが特定の回転位相でのみ咬合するよう構成されている。又、左右のシフト部材70,70を同時に内方に操作して左右のクラッチ機構を同時に切り操作するよう夫々のシフト部材70,70に接当操作自在なシフタ73,73を同時操作するリンク部材74を備えると共に、このクラッチ機構の切り操作を行うクラッチ解除レバー75を前記中間フレーム41の上端位置に備え、このクラッチ解除レバー75とリンク部材74とをワイヤ76を介して連係している。
【0020】又、左側の伝動ケース14の動力で回転駆動される螺軸81の螺旋溝に係入するコマ(図示せず)の移動力を左側の分割苗載せ台13Lの反苗載せ面側に連結して伝える移動部材82を備えて苗載せ台13の横送り機構を構成してある。尚、支持フレーム64の外端部には摺動レール29の外端部を保護するよう摺動レール29の外端を周り込む形状の保護フレーム83が連結固定されている。尚、苗載せ台13は左右の分割苗載せ台13L,13R夫々が後記する連結機構で連結されることで、この横送り機構からの動力で摺動レール29,29上を一体的に横方向に往復移動する。
【0021】図10乃至図12に示すように、第1軸58の上部位置に第1軸芯X1と同軸芯に主スプロケット84を固設すると共に、この第1軸58の上端位置に第1軸芯X1周りで回動自在にプレート状の回動部材85を備え、又、第2軸62に対して回動自在に支持された前記ブラケット63、及び、支柱状フレーム47と一体回転し、かつ、前記主スプロケット84の歯数の1/2の歯数の従動スプロケット86を第2軸芯X2と同軸芯に配置し、更に、主スプロケット84と従動スプロケット86とに亘ってチェーン87を巻回してあり、更に、図13に示すように、このチェーン87の外周を、巻回内面側にスリット80Aを形成した可撓性のチューブ80で覆ってある。
【0022】左右の回動部材85,85夫々を左右のフレーム部材60,60より高レベルに配置すると共に、このフレーム部材60,60の回動に連動して回動するよう、吊り下げ姿勢のロッド88,88の一端を回動部材85,85に溶接固定し、又、このロッド88,88の他端をフレーム部材60,60にネジ式に連結固定し、又、左右の回動部材85,85を互いに逆方向に回転させるよう、夫々の間に交差姿勢で一対のワイヤ89,89を張設してある。尚、ロッド88は中間部にターンバックル88Aが介装され、ワイヤ89の中間部にはネジ式に長さを調節する長さ調節部89Aが介装されている。
【0023】図15乃至図17に示すように、前記左右の支持フレーム64,64夫々の前面位置に丸パイプ状の係合部材90,90を横長姿勢に連結固定し、主フレーム56の下部フレーム56Bに横向き姿勢で揺動自在に支持した軸体91の左右位置に対して後方に突出する形態にロック部材92,92を連結固定してある。このロック部材92の上面側には係合部材90に下方から係合する凹状の係合部92Aを形成してあり、ロック部材92をロック方向に向けて揺動させるバネ93を備えている。又、このロック部材92を同時に解除方向に操作するロック解除レバーを94を前記中間フレーム41の上端位置に備え、このロック解除レバー94とロック部材92とがワイヤ95を介して連係されている。又、この係合部材90に連結したプレート状の中間部材96に前記中間軸69を遊転支承することで、係合部材90と中間軸69との相対位置関係が大きく変化しないよう構成してある。
【0024】図3及び図5に示すように、苗植付装置Aが作業姿勢にある際に、この作業姿勢を維持するため、苗載せ台13の反苗載せ面の上部位置に第1連結機構R1を形成し、前記サポートフレーム65,65の連結位置に第2連結機構R2を形成し、左右の摺動レール29,29の下面同士の間に第3連結機構R3を形成し、苗載せ台13の下部の分割面同士の間に第4連結機構R4を備え、図8に示すように、分割面を挟む位置のチェーンケース15,15の後端同士の間に連結杆Bを備えている。更に、格納操作は後述するが、図9に示すように、苗植付装置Aが格納姿勢に設定された際に、この格納姿勢を維持するため、前記規制アーム57,57と保護フレーム83,83との間に第5連結機構R5を備えている。
【0025】図20及び図21に示すように、第1連結機構R1は苗載せ台13の反苗載せ面の側に配置されたガイドレール97を被うカバー98の外面の一方の側の係合片99を他方の側のアーム100の操作で引き寄せて係合状態に保持するバックル型に構成され、図22に示すように、第2連結機構R2は筒状の位置決め部材101で夫々のサポートフレーム65,65の軸芯を一致させた状態で、一方の側の係合片99を他方の側のアーム100の操作で引き寄せて係合状態に保持するバックル型に構成され、図23及び図24に示すように、第3連結機構R3は一方の摺動レール29の側の位置決めピン102を、他方の摺動レール29の側の係合体103の係合孔に係入させた状態で、一方の側の係合片99を他方の側のアーム100の操作で引き寄せて係合状態に保持するバックル型に構成され、図25及び図26に示すように、第4連結機構R4は一方の分割苗載せ台の分割面に対して横向き軸104周りで揺動自在に支持され、レバー105で操作される揺動片106と、この揺動片106の閉じ操作時に揺動片106に係合する保持片107と、揺動片106に係合して夫々の分割苗載せ台の分離方向への移動を阻止するよう他方の分割苗載せ台の分割面に形成された係合片108とで構成されている。
【0026】図8に示すように、連結杆Bは一方のチェーンケース15の後端から後方に延出する姿勢に連結固定した支持プレート111の縦ロッド112に係合するU字状の係止片を連結杆本体の一方の端部に備えると共に、他方のチェーンケース15の後端に後方に延出する姿勢に連結固定した連結プレート114の切欠き部(図示せず)に係入して、レバー115の操作で連結プレート114を挟圧する挟圧片116を他方の端部に備えている。図9に示すように、第5連結機構R5は保護フレーム83の側の係合片99を規制アーム57の側のアーム100の操作で引き寄せて係合状態に保持するバックル型に構成されたものが左右に備えられている。
【0027】図18及び図19に示すように、前記油圧シリンダ8は、シリンダ部8Aを走行機体3の変速ケース6の後面のフレーム117に対して横向き姿勢の軸体118を介して揺動自在に支持し、その上部位置のピストンロッド8Bを上下方向に伸縮させる縦姿勢に配置されると共に、ピストンロッド8Bの先端に接触するサスペンションバネ119をピストンロッド8Bに外嵌する状態で、かつ、ストッパリング123に接当する状態に配置し、このサスペンションバネ119からの力を受けるようピストンロッド8Bに対して軸芯方向に変位自在に備えた作動部材121をトップリンク9Tから横方向に突設した作動軸122に連結してある。又、ピストンロッド8Bの先端部にサスペンションバネ119を被う保護チューブ124を備えている。
【0028】又、この昇降駆動系ではリンク機構9が最も上昇した位置に達するまで油圧シリンダ9を伸長操作し、シリンダ部9Aの上端縁とストッパリング123との間に装着可能なロック部材125で苗植付装置の下降作動を規制しうるよう構成され、このロック部材125を装着した場合には、ピストンロッド8Bの収縮作動が不能で、かつ、サスペンションバネ119に対して苗植付装置Aの重量が作用することからサスペンションバネ119による緩衝機能を損なわずリンク機構9の下降作動を不能にする。尚、ロック部材125はピストンロッド8Bを抱き込むよう断面形状U字状に成型されると共に把手125Aを備えている。
【0029】このような構成から、苗植付装置Aを格納する場合には、油圧シリンダ9の伸長作動でリンク機構9が最も上昇する位置まで作動させて苗植付装置Aを地面から離間させて走行機体3の側から作業者がロック部材125を装着する。このように苗植付装置Aを最大限上昇させる理由は格納操作時に苗植付装置Aの下面の整地フロート18等が地面に接触して格納操作を妨げる現象を回避する目的からであり、ロック部材125の装着が不能である場合には苗植付装置Aが格納作動を行うために高さまで苗植付装置Aが上昇していないので、再度苗植付装置Aの上昇操作を行って確実にロック部材125を装着する。
【0030】次に、図27に示す如く横送り機構の駆動力で苗載せ台13を左側の端部位置に送って停止し、苗取り量調節レバー35を最多位置に設定保持し、植付け深さ調節レバー27を最浅位置に設定保持し、右側の戻しバネ53の延長ロッド52の操作軸54を人為的に操作して、該延長ロッド52の内端を係合ロッド50から分離する。この後、第1連結機構R1を分離操作し、第2連結機構R2を分離操作し、クラッチ解除レバー75を解除位置に操作して、その操作位置を保持し(保持構造は詳述せず)、ロック解除レバー94を解除位置に操作して、その操作位置を保持し(保持構造は詳述せず)、第3連結機構R3を分離操作し、連結杆Bを取外し、センタフロート18Cの左側に備えた作溝器22をセンタフロート18Cから取外す(着脱構造は詳述せず)。
【0031】又、苗取り量調節レバー35を最多位置に設定保持すると、摺動レール29は最も下方の位置に設定されることになり、次に行う苗取り量調節軸31の連結機構38の部位での分離で苗取り量調節レバー31を備えない側の苗取り量調節軸31が分割苗載せ台13Rの重量によって回動するものの、この苗取り量調節系では苗取り量調節レバー35を最多位置に設定すると摺動レール29と摺動レール29の支持系とが極めて接近する位置に達するよう構成され、苗取り量調節軸31の連結機構38の部位で分離されても苗取り量調節軸38が殆ど回動することなく摺動レール29が支持系に接当する結果、再度苗取り量調節軸31を連結する際には特別の操作を行わずに夫々の軸31,31の回動姿勢を一致させるものとなっている。又、植付け深さ調節レバー27を最浅位置に設定保持すると、整地フロート18は最も下方に変位した位置に設定されることになり、次に行う植付け深さ調節軸24の連結機構37の部位での分離によって植付け深さ調節レバー27を備えない側の植付け深さ調節軸24が整地フロート18の重量で下方に回動するものの、この植付け深さ調節系では図4(イ),(ロ)に示すように、植付け深さ調節レバー27を備えない側の植付け深さ調節軸24にストッパー126を固設し、この軸24が最浅位置に対応した姿勢に回動した際には、このストッパー126がチェーンケース15の下面に極めて接近する位置に達するよう構成され、植付け深さ調節軸24の連結機構38の部位で分離されても植付け深さ調節軸24が殆ど回動することなく図4(ロ)に示す如く、ストッパー126がチェーンケース15の下面に接当する結果、再度植付け深さ調節軸24を連結する際には特別の操作を行わずに夫々の軸24,24の回動姿勢を一致させるものとなっている。
【0032】又、右側の戻しバネ53の延長ロッド52の操作軸54を人為的に操作して係合ロッド50から分離する操作は、後に行う右側の分割苗載せ台13Rの人為的な移動操作を容易にするためであり、クラッチ解除レバー75を解除位置に操作すると図14(ロ)に示すように、シフト部材70と咬合部材71が完全に分離して、後に行う分割物AL,ARの回動操作を妨げることがなく、ロック解除レバー75を解除位置に操作すると図16(ロ)に示す如く、係合部材90からロック部材92が分離して後に行う分割物AL,ARの回動操作を可能にする。
【0033】又、センタフロート18Cが右側の分割物ARに支持され、施肥装置のホッパー19は夫々の分割物AL,ARに4条分ずつ備えられるので左側の分割物ALの側からセンタフロート18Cの左側の作溝器22に肥料を供給する系を分離すること、即ち、センタフロート18Cの左側の作溝器22をセンタフロート18Cから分離することで格納操作を可能にしている。
【0034】次に、図28に示すように、右側の分割苗載せ台13Rを人為的に右側の移動端まで移動させて該分割苗載せ台13Rの摺動レール29上での移動をロック手段(図示せず)で阻止する(この状態で左右の分割苗載せ台13R,13L夫々の間隔は約30センチメートルに達する)。この後、人為操作で一方の分割物の分割苗載せ台の外端を走行機体3の前方側に向ける方向に回動操作することで、左右の回動部材85,85、一対のワイヤ89,89からの力によって第1軸芯X1,X1周りで左右のフレーム部材60,60の揺動端部が走行機体3の後方に向けて揺動することで、該揺動端部が走行機体3の左右方向での中央側に向けて移動し、これと同時に第2軸芯X2,X2周りでブラケット63,63に支持された系が主スプロケット84、従動スプロケット86、チェーン87からの力によってフレーム部材60,60の回動速度の2倍の速度でフレーム部材60,60の回動方向と逆方向、即ち、その左右外端部が走行機体3の前方に向かう側に回動する結果、フレーム部材60,60が主フレーム56に対して90度回動し、フレーム部材60,60に対して分割物AL,ARが180度回動する。
【0035】又、この格納姿勢への回動時には図29に示す如く、左右の分割苗載せ台13L,13Rの内端上部の角部13E,13Eが接近するものの、平面視で分割苗載せ台13L,13Rが互いに離間する位置で回動するので、夫々の角部13E,13Eの接触を回避した回動が可能となっており、回動の終了によって図30に示す如く、格納姿勢に達する。この格納姿勢に達すると前述のように取り外した連結杆Bを図9及び図31に示す如く、左側の分割物ALに形成したピン127に対して、その端部の係止片を係合させ、右側の分割物ARに形成した連結プレートの切欠き部(図示せず)に挟圧片116を係入して該挟圧片116を挟圧方向に操作し、左右の第5連結機構R5を連結操作することで左右の分割物AL,ARの離間方向への回動が阻止され格納操作が完了する。
【0036】この格納姿勢では左右夫々の分割苗載せ台13L,13Rが摺動レール29,29上で走行機体3の側に近接する位置で、その上端縁同士が近接状態で平行する姿勢に達するので苗植付装置A全体の重量を走行機体3の側に寄せて田植機全体の重量バランスを向上させると共に、苗植付装置Aの横方向への寸法を縮小するものとなり、更に、この格納姿勢では傾斜姿勢の第1軸芯X1周りでフレーム部材60,60が回動することで図32に示す如く、走行機体3を基準として左右の分割物AL,ARの後方側が上方に持ち上げる結果、平面視で苗植付装置Aの見かけ上の前後方向の寸法を縮小すると同時に、苗植付装置Aの重心を走行機体側に寄せ、又、走行時に機体の前部が持ち上がっても苗植付装置Aの後端側を地面に接触させ難くするものであり、又、第2軸芯X2周りでの分割物AL,ARの回動によって分割苗載せ台13L,13Rが図31に示す如く、起立姿勢に向かう姿勢(整地フロート18の前端が持ち上げられる姿勢)に切換えられる結果、苗植付装置Aの横方向の寸法を更に縮小するものとなっている。
【0037】そして、この格納姿勢の苗植付装置Aを作業姿勢に復元する際には、ロック解除レバー94をロック位置に復元操作し、左右の第5連結機構R5を分離操作し、連結杆Bを取外し、左右の分割物AL,ARを復元方向に回動操作すると、左右の係合部材90と左右のロック部材92,92とが同時に係合状態に達し、バネ93の付勢力で自動的にロック状態に達するものとなる。更に、連結杆Bを分割面を挟んだ位置のチェーンケース15,15後端に備えた支持プレート111と連結プレート114との間に配置し、第3連結機構R3を連結操作し、分離状態の作溝器22をセンタフロート18Cに取付け、クラッチ解除レバー75を入り位置に復元操作し、シフト部材70の咬合爪70Aと咬合部材71の咬合爪71Aとが適切な姿勢で咬合することを確認し、適正な咬合が行われていない場合には適正となるよう操作を行って咬合させ、更に、右側の分割苗載せ台13Rを左側の分割苗載せ台13Lの側まで移動させた後、第4連結機構R4を連結操作し、第2連結機構R2を連結操作し、第1連結機構R1を連結操作し、分離状態の右側の戻しバネ53の延長ロッド52を係合ロッド50に係合させる操作を行うことで苗植付装置Aを作業姿勢に復元し、ロック部材125を油圧シリンダ8から取外すことで作業可能な状態に達する。
【0038】〔別実施例〕本発明は上記実施例以外に、例えば、図33に示すように、油圧シリンダ8に対してロック部材125を装着したことを検出するよう接触型等のセンサ131を備え、又、ロック解除レバー94のロック解除位置への操作を阻止するストッパー132を出退操作する(ストッパー132は同図において紙面に対して直交する方向に出退操作される)電磁ソレノイド等の駆動機構133を備え、センサ131でロック部材125に装着が検知された場合にみ駆動機構133の作動でストッパー132を解除位置に操作するよう制御装置134の制御動作を設定することが可能であり、又、同図に示すように苗植付装置の格納作動を行う電動モータ等のアクチュエータ135を備え、センサ131でロック部材125に装着が検知された場合にみアクチュエータ135の駆動を許容するよう制御装置134の動作を設定することも可能である。尚、この別実施例で制御装置134で格納許容手段が構成されている。
【0039】又、本発明は苗植付装置を分割して分割された苗載せ台の外端部を走行機体の前方側に向ける格納姿勢に切り換わるものであれば、格納のための構造は前記実施例と異なるものであって良く、更に、10条植以上の苗植付装置に適用することも可能である。
【0040】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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