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発明の名称 田植機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−242623
公開日 平成8年(1996)9月24日
出願番号 特願平7−47485
出願日 平成7年(1995)3月7日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 中尾 康也 / 山本 進 / 久保下 竹男
要約 目的
機体の後車輪に干渉すること無く分割した苗植付装置の昇降を可能にする田植機を構成する。

構成
苗植付装置の分割物の縦向き軸芯周りでの回動で横方向の外端部が走行機体の前方側に向かう格納姿勢へ切換え自在に構成し、分割物の縦向き軸芯周りでの回動姿勢を検出する検出手段Sを備え、平面視で分割物が走行機体の後車輪と干渉しない姿勢にあることを検出手段Sの検出結果に基づいて判別した際にのみ該苗植付装置の昇降を許容する制御手段74を備える。
特許請求の範囲
【請求項1】 苗載せ台(13)に載置された苗(W)を植付機構で切り出して圃場に植付ける作動を行う苗植付装置(A)を走行機体(3)の後端に昇降自在に連結してある田植機であって、前記苗植付装置(A)を、左右方向の中間位置で分割し、その分割物(AL),(AR)の縦向き軸芯周りでの回動で横方向の外端部が走行機体(3)の前方側に向かう格納姿勢へ切換え自在に構成すると共に、分割物(AL),(AR)の縦向き軸芯周りでの回動姿勢を検出する検出手段(S)を備え、平面視において分割物(AL),(AR)が走行機体(3)の後車輪(2)と干渉しない姿勢にあることを検出手段(S)の検出結果に基づいて判別した際にのみ該苗植付装置(A)の昇降を許容する制御手段(74)を備えている田植機。
【請求項2】 前記制御手段(74)を、平面視において分割物(AL),(AR)が走行機体(3)の後車輪(2)と干渉する姿勢にあることを検出手段(S)の検出結果に基づいて判別して苗植付装置(A)の下降を阻止する制御動作を行った後、平面視において分割物(AL),(AR)が走行機体(3)の後車輪(2)と干渉しない姿勢に切換えられたことを検出手段(S)の検出結果に基づいて判別した際には該苗植付装置(A)の下降を許容する制御動作に切換え自在に設定してある請求項1記載の田植機。
【請求項3】 苗載せ台(13)に載置された苗(W)を植付機構で切り出して圃場に植付ける作動を行う苗植付装置(A)を走行機体(3)の後端に昇降自在に連結してある田植機であって、前記苗植付装置(A)を、左右方向の中間位置で分割し、その分割物(AL),(AR)の縦向き軸芯周りでの回動で横方向の外端部が走行機体(3)の前方側に向かう格納姿勢へ切換え自在に構成すると共に、分割物(AL),(AR)を前記縦向き軸芯周りで回動させるアクチュエータ(77)、及び、分割物(AL),(AR)の縦向き軸芯周りでの回動姿勢を検出する検出手段(S)夫々を備え、苗植付装置(A)の下降を行う制御時に、平面視において分割物(AL),(AR)が走行機体(3)の後車輪(2)と干渉する姿勢にあることを検出手段(S)の検出結果に基づいて判別した際には前記アクチュエータ(77)を駆動して分割物(AL),(AR)が走行機体(3)の後車輪(2)と干渉しない姿勢に切換えた後、苗植付装置(A)の下降を行う制御手段(74)を備えている田植機。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、苗載せ台に載置された苗を植付機構で切り出して圃場に植付ける作動を行う苗植付装置を走行機体の後端に昇降自在に連結してある田植機に関し、詳しくは、苗植付装置の横方向への寸法を小さくする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のように苗植付装置の横方向への寸法を小さくするよう構成された田植機として、本出願人が先に出願した特願平6‐214449号に示されるものが提案され、この従来例では図23(イ),(ロ),(ハ),(ニ)に示すように、走行機体の後端に昇降自在に支持された苗植付装置Aを左右の中央部で2つに分割物AL,ARに分割自在に構成すると共に、苗植付装置Aの分割物AL,ARの縦軸芯周りでの姿勢変更で、分割物AL,ARの横方向の外端を走行機体3の前方方向に向け、更に、分割物AL,AR夫々の分割苗載せ台13L,13Rの上端縁同士が平行姿勢で近接するまで夫々の分割物13L,13Rを互いに接近させて、横方向の寸法が小さくなる格納姿勢に切換え自在に構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来例は苗植付装置を所定の高さまで上昇させた状態で苗植付装置を格納姿勢に切換えるものである。又、このように苗植付装置を分割できるものでは、分割することによって、苗植付装置が作業姿勢にある場合には露出しない部位の露出が可能となって点検保守を容易にする面もある。しかし、このように格納姿勢に切換えるものでは格納姿勢で苗植付装置の横方向への寸法は小さくなるもののの、前後方向への寸法が大きくなるため平面視で分割物が走行機体の後車輪と重複して、苗植付装置の下降を行えなえず、苗植付装置を地面近くまで下降させた状態での点検保守を行えない面もある。
【0004】そこで、苗植付装置と走行機体の前後方向への距離を充分大きくして格納姿勢でも分割物が走行機体の後車輪と接触しないよう構成することも考えられるが、この構成では田植機全体の前後方向への寸法が大きくなり過ぎ、作業時における田植機の旋回性能を低下させる等、却って扱い難いものとなる。
【0005】本発明の目的は、田植機の性能を低下させること無く苗植付装置の分割による点検保守を容易に行える田植機を合理的に構成する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴(請求項1)は冒頭に記したように、苗載せ台の苗を植付機構で圃場に植付ける苗植付装置を走行機体の後端に昇降自在に連結してある田植機でにおいて前記苗植付装置を、左右方向の中間位置で分割し、その分割物の縦向き軸芯周りでの回動で横方向の外端部が走行機体の前方側に向かう格納姿勢へ切換え自在に構成すると共に、分割物の縦向き軸芯周りでの回動姿勢を検出する検出手段を備え、平面視において分割物が走行機体の後車輪と干渉しない姿勢にあることを検出手段の検出結果に基づいて判別した際にのみ該苗植付装置の昇降を許容する制御手段を備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0007】又、本発明の第2の特徴(請求項3)は冒頭に記したように、苗載せ台の苗を植付機構で圃場に植付ける苗植付装置を走行機体の後端に昇降自在に連結してある田植機において、前記苗植付装置を、左右方向の中間位置で分割し、その分割物の縦向き軸芯周りでの回動で横方向の外端部が走行機体の前方側に向かう格納姿勢へ切換え自在に構成すると共に、分割物を前記縦向き軸芯周りで回動させるアクチュエータ、及び、分割物の縦向き軸芯周りでの回動姿勢を検出する検出手段夫々を備え、苗植付装置の下降を行う制御時に、平面視において分割物が走行機体の後車輪と干渉する姿勢にあることを検出手段の検出結果に基づいて判別した際には前記アクチュエータを駆動して分割物が走行機体の後車輪と干渉しない姿勢に切換えた後、苗植付装置の下降を行う制御手段を備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0008】
【作用】上記第1の特徴(請求項1)によると、平面視において分割物が走行機体の後車輪と干渉しない姿勢にある場合に、苗植付装置の昇降が許容されるので、例えば、所定の高さで格納姿勢に切換えた苗植付装置を下降させる場合には、分割物を復元方向に操作して、後車輪と干渉しない姿勢に設定することで検出手段からの検出結果に基づいて制御手段が苗植付装置の下降を許容するものとなる。つまり、苗植付装置の昇降時には分割物が走行車輪と接触するかどうかを作業者が判断しなくとも、制御手段が判断するので、作業者は昇降が許容される分割物の姿勢を適当に決めるだけで、作業に適した所望の高さで分割物の点検保守作業を行えるものとなる。
【0009】又、請求項2によると、格納操作が許容される所定の高さ以上に苗植付装置がある場合に、誤って苗植付装置を下降させる操作を行い制御手段によって下降が阻止された際、あるいは、格納姿勢にある苗植付装置を復元方向に不十分に操作し平面視で後車輪と干渉する姿勢にある場合に、誤って苗植付装置を下降させる操作を行い制御手段によって下降が阻止された際には、分割物を後車輪と干渉しない姿勢に操作することで苗植付装置の下降が許容される。
【0010】上記第2の特徴(請求項3)によると、格納操作が許容される所定の高さ以上に苗植付装置がある場合で、かつ、分割物が平面視で後車輪と干渉する姿勢にある場合に、誤って苗植付装置を下降させる操作を行い制御手段によって下降が阻止された際、あるいは、格納姿勢にある苗植付装置を復元方向に不十分に操作し平面視で後車輪と干渉する姿勢にある場合に、誤って苗植付装置を下降させる操作を行った際には、アクチュエータの駆動によって分割物が後車輪と干渉しない姿勢に切換えられた後、苗植付装置の下降が許容されるものとなる。つまり、分割物と後車輪とが干渉する姿勢で苗植付装置を下降させる操作を誤って行っても自動的に分割物と後車輪とが干渉しない姿勢に切換えて所望の高さでの点検保守作業を可能にする。
【0011】
【発明の効果】従って、走行機体と苗植付装置との前後方向の距離を大きくしないものでありながら、作業者が後車輪と分割物との相対姿勢に注意を払わなくとも、所望の高さでの分割物の点検保守を可能にし(請求項1)、又、後車輪と分割物とが干渉する姿勢にある場合に下降が阻止された後には、分割物の姿勢変更で下降阻止状態を自動的に解除して所望の高さでの点検保守を可能にし(請求項2)、後車輪と分割物とが干渉する姿勢にある場合に下降操作を行った場合には、自動的に干渉を回避して所望の高さでの分割物の点検保守を可能にする(請求項3)田植機が合理的に構成されたのである。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1に示すように、ステアリング操作される駆動型の前車輪1、及び、駆動型の後車輪2を備えた走行機体3の前部にエンジン4を搭載すると共に、この走行機体3の前部にエンジン4からの動力が伝えられる静油圧式の無段変速装置5、及び、変速ケース6を配置し、又、走行機体3の中央部に運転座席7を配置し、走行機体3の後端部に対し油圧シリンダ8で駆動昇降するリンク機構9を介して苗植付装置Aを連結して乗用型の田植機を構成する。
【0013】前記運転座席7の右側部に苗植付装置Aの昇降制御と植付クラッチ(図示せず)の入り切り操作とを行う昇降レバー10を備え、又、運転座席7の左側部には前記無段変速装置5を操作する変速レバー11を備えている。尚、前記植付クラッチは、前記変速ケース6に内蔵され、この変速ケース6から苗植付装置Aに対して動力を伝える伝動軸12が決まった回転位相にある場合にのみ切り操作を許容して苗植付装置Aの植付アーム(後述する)が圃場との接触を回避した姿勢で動力を遮断するよう構成されている。
【0014】苗植付装置Aはマット状苗Wを載置し、かつ、その上端側が走行機体3の前方側に傾斜する姿勢の苗載せ台13、前記伝動軸12からの動力が伝えられる左右一対の伝動ケース14,14、この伝動ケース14からチェーンケース15を介して伝えられる動力で回転するロータリケース16、このロータリケース16に一対ずつ備えられた植付アーム17、複数の整地フロート18夫々を備えて8条植用に構成されると共に、施肥装置Bを備え、作業時には苗載せ台13に載置されたマット状苗Wの下端から苗を植付アーム17が1株ずつ切出して圃場面に植え付けると同時に、植付けた苗の近傍の圃場面下に施肥装置Bで肥料を供給する。尚、ロータリケース16、植付アーム17、及び、これらを駆動する系で植付機構が構成されている。
【0015】図5に示すように、リンク機構9はトップリンク9Tと左右一対のロアーリンク9L,9L夫々の後端を縦リンク9Vで連結して成り、この縦リンク9Vに対して中間フレーム19を介して前記苗植付装置Aが着脱自在に連結され(着脱の構造は詳述せず)、この中間フレーム19の下端のローリングボス20に対して前後姿勢のローリング軸芯Y周りでローリング自在に苗植付装置Aが連結支持され、又、図4に示すように、中間フレーム19に対して、電動モータ21で回転駆動される横向き姿勢のネジ軸(図示せず)で横方向に往復移動する移動部材22を備え、この移動部材22と苗載せ台13の左右位置の配置された支柱状フレーム23,23との間に亘って、延長部材24Aが内端に連結された引っ張り型のローリングバネ24を介装し、又、中間フレーム19の上面に固設された左右一対の係合ロッド25,25と、苗載せ台13の反苗載せ面側の左右位置に配置されたブラケット26,26との間に延長ロッド27Aが内端に連結された引っ張り型の戻しバネ27を介装してある。又、右側の延長ロッド27Aには上方に突出する形状の操作軸27Bを溶接固定してあり、この操作軸27Bの操作で延長ロッド27Aを係合ロッド25から人為的に取り外せるよう係合されている。
【0016】図9乃至図11に示すように、この田植機では苗植付装置Aの左右方向での中央位置で4条ずつに2分割自在に構成してある。つまり、前記ローリングボス20に対してローリング自在に連結するプレート31に連結する上部プレート32Aと下部フレーム32Bとで主フレーム32を構成し、この主フレーム32から前方に向けて左右一対の規制アーム33,33を延設し、この規制アーム33,33を苗植付装置Aを上昇させた場合に左右のロアーリンク9L,9Lの下面に接当させて苗植付装置Aのローリング作動を規制するよう構成してある。又、この主フレーム32の両端位置に縦向き姿勢の第1軸芯X1と同軸芯に第1軸34を回転不能に配置し、この第1軸34に回動自在に支持された筒状部材35に円筒状のフレーム部材36を固定し、このフレーム部材36の揺動端に縦向き姿勢の第2軸芯X2と同軸芯で、かつ、このフレーム部材36に対して回動自在となるよう筒軸37に内嵌状態に第2軸38を配置し(図12を参照)、この第2軸38周りで回動自在に左右のチャンネル状のブラケット39を支持し、更に、このブラケット39に対して角パイプ状の支持フレーム40を連結して苗植付装置Aの左右の分割物AL,ARを支持している。
【0017】図12に示すように、苗植付装置Aを作業姿勢に設定した状態で、鉛直方向を基準に前記第1軸芯X1、第2軸芯X2夫々の上端側を走行機体3の前方側に向かう方向に傾斜させてあり、又、第2軸芯X2と同軸芯で、かつ、ブラケット39と一体回転するよう前記支柱状フレーム23を連結固定し、図4に示すように、この左右の支柱状フレーム23,23の上端部は苗載せ台13の反苗載せ面の側に横長姿勢に配置される左右のサポートフレームに41,41に連結されている。又、図10に示すように、ブラケット39に対して前記伝動ケース14を連結し、支持フレーム40に対して前記チェーンケース15の基端部を連結してあり、チェーンケース15の上面に前記苗載せ台13を左右方向の移動自在に支持する摺動レール42,42を配置してある。
【0018】前記伝動軸12からの動力が中間軸12Aを介して伝えられるベベルケース43を前記ローリング軸芯Yより右側に変位した位置に配置してあり、図5及び図6に示すように、このベベルケース43には左右方向に動力を分岐して取出す出力軸44,44を備え、この出力軸44,44からの動力を前記左右の伝動ケース14,14に伝える中間軸45,45を横向き姿勢に支持し、この中間軸45と出力軸44との間に咬合型のクラッチ機構を備えている。このクラッチ機構は出力軸44に対してスライド移動自在にスプライン嵌合するシフト部材46と、中間軸45の端部に固設された咬合部材47と、シフト部材46を咬合部材47の方向に付勢するバネ48とで構成され、シフト部材46に形成された咬合爪46Aと咬合部材47に形成された咬合爪47Aとは特定の回転位相でのみ咬合する。又、左右のシフト部材46,46を同時に内方に操作して左右のクラッチ機構を同時に切り操作するよう夫々のシフト部材46,46に接当操作自在なシフタ49,49を同時操作するリンク部材50を備えると共に、このクラッチ機構の切り操作を行うクラッチ解除レバー51を前記中間フレーム19の上端位置に備え、このクラッチ解除レバー51とリンク部材50とをワイヤ52を介して連係している。
【0019】又、左側の伝動ケース14の動力で回転駆動される螺軸53の螺旋溝に係入するコマ(図示せず)の移動力を左側の分割苗載せ台13Lの反苗載せ面側に伝える移動部材54を備えて苗載せ台13の横送り機構を構成してある。尚、支持フレーム40の外端部には摺動レール42の外端部を保護するよう摺動レール42の外端を周り込む形状の保護フレーム55が連結固定されている。尚、苗載せ台13は左右の分割苗載せ台13L,13R夫々が後記する連結機構で連結されることで、この横送り機構からの動力で摺動レール42,42上を一体的に横方向に往復移動する。
【0020】図5、図7、図8に示すように、前記左右の支持フレーム40,40夫々の前面位置に丸パイプ状の係合部材56,56を横長姿勢に連結固定し、主フレーム32の下部フレーム32Bに横向き姿勢で揺動自在に支持した軸体57の左右位置に対して後方に突出する形態にロック部材58,58を連結固定してある。このロック部材58の上面側には係合部材56に下方から係合する凹状の係合部58Aを形成してあり、このロック部材58をロック方向に向けて揺動させるバネ59を備えている。又、このロック部材58を同時に解除方向に操作するロック解除レバー60を前記中間フレーム19の上端位置に備え、このロック解除レバー60とロック部材58とがワイヤ61を介して連係されている。
【0021】図9、図13、図14に示すように、第1軸34の上部位置に第1軸芯X1と同軸芯に主スプロケット65を固設すると共に、この第1軸34の上端位置に第1軸芯X1周りで回動自在にプレート状の回動部材66を備え、又、第2軸38に対して回動自在に支持された前記ブラケット39、及び、支柱状フレーム23と一体回転し、かつ、前記主スプロケット65の歯数の1/2の歯数の従動スプロケット67を第2軸芯X2と同軸芯に配置し、更に、主スプロケット65と従動スプロケット67とに亘ってチェーン68を巻回してある。
【0022】左右の回動部材66,66夫々は左右のフレーム部材36,36より高レベルに配置され、このフレーム部材36,36の回動に連動して回動するよう、吊り下げ姿勢のロッド69,69の一端を回動部材66,66に溶接固定し、他端をフレーム部材36,36にネジ式に連結固定してある。又、左右の回動部材66,66を互いに逆方向に回転させるよう、夫々の間に交差姿勢で一対のワイヤ70,70を張設してある。
【0023】図4に示すように、苗植付装置Aが作業姿勢にある際に、この作業姿勢を維持するため、苗載せ台13の反苗載せ面の上部位置に第1連結機構R1を形成し、前記サポートフレーム41,41の連結位置に第2連結機構R2を形成し、図10に示すように、左右の摺動レール42,42の下面同士の間に第3連結機構R3を形成し、苗載せ台13の下部の分割面同士の間に第4連結機構R4を備え、分割面を挟む位置のチェーンケース15,15の後端同士の間に連結杆71を備えている。更に、格納操作は後述するが、図11に示すように、苗植付装置Aを格納姿勢に設定された際に、この格納姿勢を維持するため、前記規制アーム33,33と保護フレーム55,55との間に第5連結機構R5を備えている。
【0024】前記第1〜第5連結機構R1〜R5は夫々レバー操作で他方側の係止片を引き寄せるバックル型等の単純な構造(図示せず)のものが用いられ、図10に示すように、連結杆71は苗植付装置Aが作業姿勢にある場合には一方のチェーンケース15の後端から後方に延出する姿勢に連結固定した支持プレート72に一端が係合し、他方のチェーンケース15の後端に後方に延出する姿勢に連結固定した連結プレート73をレバー71Aの操作で他方の端部の挟圧部71Bが挟圧状態で連結するよう構成されている。
【0025】又、図4及び図9に示すように、第1軸芯X1周りでフレーム部材35の回動量を計測するよう第1軸芯X1と同軸芯に検出手段としてロータリエンコーダ型のセンサSを備え、走行機体3の側には、このセンサSからの信号と前記昇降レバー10で操作されるポテンショメータPからの信号が入力すると共に、センサSからの信号によって平面視で分割物AL,ARが後車輪2,2と干渉する姿勢にあると判別した場合には苗植付装置Aの昇降を阻止する制御手段としての制御装置74を備えている。この制御系は図2に示すように、構成され制御装置74からの信号は油圧シリンダ8に対する電磁弁75、及び、スピーカ76に出力される。
【0026】このような構成から、苗植付装置Aを格納する場合には、油圧シリンダ9の伸長作動でリンク機構9が最も上昇する位置まで作動させ、図15に示す如く横送り機構の駆動力で苗載せ台13を左側の端部位置に送って停止し、右側の戻しバネ27の延長ロッド27Aの操作軸27Bを人為的に操作して、該延長ロッド27Aの内端を係合ロッド25から分離する。この後、第1連結機構R1を分離操作し、第2連結機構R2を分離操作し、クラッチ解除レバー51を解除位置に操作して、その操作位置を保持し(保持構造は詳述せず)、ロック解除レバー60を解除位置に操作して、その操作位置を保持し(保持構造は詳述せず)、第3連結機構R3を分離操作し、連結杆71を取外す。
【0027】又、右側の戻しバネ27の延長ロッド27Aを係合ロッド25から分離する操作は、後に行う右側の分割苗載せ台13Rの人為的な移動操作を容易にするためであり、クラッチ解除レバー51を解除位置に操作すると図6(ロ)に示すように、シフト部材46と咬合部材47が完全に分離して、後に行う分割物AL,ARの回動操作を妨げることがなく、ロック解除レバー60を解除位置に操作すると係合部材56からロック部材58が分離して、後に行う分割物AL,ARの回動操作を可能にする。
【0028】次に、図16に示すように、右側の分割苗載せ台13Rを人為的に右側の移動端まで移動させて該分割苗載せ台13Rの摺動レール42上での移動をロック手段(図示せず)で阻止する(この状態で左右の分割苗載せ台13R,13L夫々の間隔は約30センチメートルに達する)。この後、人為操作で一方の分割物の分割苗載せ台の外端を走行機体3の前方側に向ける方向に回動操作することで、左右の回動部材66,66、一対のワイヤ70,70からの力によって夫々のフレーム部材36,36が連動して第2軸芯X2,X2周りで、その外端側が後方側に向かう側に回動すると共に、この回動と同時に第1軸芯X1,X1周りでブラケット39,39に支持された系が主スプロケット65、従動スプロケット67、チェーン68からの力によってフレーム部材36,36の回動速度の2倍の速度でフレーム部材36,36の回動方向と逆方向、即ち、その左右外端部が走行機体3の前方に向かう側に回動する。
【0029】又、この格納姿勢への回動時には図17に示す如く、左右の分割苗載せ台13L,13Rの内端上部の角部13E,13Eが接近するものの、平面視で分割苗載せ台13L,13Rが互いに離間する位置で回動するので、夫々の角部13E,13Eの接触を回避した回動が可能となっており、回動の終了によって図18に示す如く、格納姿勢に達する。この格納姿勢に達すると前述のように取り外した連結杆71を図20に示す如く、左側の分割物ALと右側の分割物ARとの間に連結杆71を介装し、左右の第5連結機構R5を連結操作することで左右の分割物AL,ARの離間方向への回動が阻止され格納操作が完了する。
【0030】この格納姿勢では図18に示す如く、左右夫々の分割苗載せ台13L,13Rが摺動レール42,42上で走行機体3の側に近接する位置で、その上端縁同士が近接状態で平行する姿勢に達するので苗植付装置A全体の重量を走行機体3の側に寄せて田植機全体の重量バランスを向上させると共に、苗植付装置Aの横方向への寸法を縮小するものとなり、更に、この格納姿勢では傾斜姿勢の第1軸芯X1周りでフレーム部材36,36が回動することで図19に示す如く、走行機体3を基準として左右の分割物AL,ARの後方側が上方に持ち上がる結果、平面視で苗植付装置Aの見かけ上の前後方向の寸法を縮小すると同時に、苗植付装置Aの重心を走行機体側に寄せ、又、走行時に機体の前部が持ち上がっても苗植付装置Aの後端側を地面に接触させ難くするものであり、又、第2軸芯X2周りでの分割物AL,ARの回動によって分割苗載せ台13L,13Rが図20に示す如く、起立姿勢に向かう姿勢(整地フロート18の前端が持ち上げられる姿勢)に切換えられる結果、苗植付装置Aの横方向の寸法を更に縮小するものとなっている。尚、整地フロート18はセンタフロート18Cと左右のサイドフロート18Sとで成り、センタフロート18Cは図11に示すように、右側の分割物ARに支持される。
【0031】そして、この格納姿勢の苗植付装置Aを作業姿勢に復元する際には、ロック解除レバー60をロック位置に復元操作し、左右の第5連結機構R5を分離操作し、連結杆71を取外し、左右の分割物AL,ARを復元方向の回動操作すると、左右の係合部材56,56と左右のロック部材58,58とが同時に係合位置に達し、バネ59の付勢力で自動的にロック状態に達するものとなる。更に、連結杆71を分割面を挟んだ位置のチェーンケース15,15の後端の支持プレート72と連結プレート73との間に配置し、第3連結機構R3を連結操作し、クラッチ解除レバー51を入り位置に復元操作し、シフト部材46の咬合爪46Aと咬合部材47の咬合爪47Aとが適切な姿勢で咬合することを確認し、更に、右側の分割苗載せ台13Rを左側の分割苗載せ台13Lの側まで移動させた後、第4連結機構R4を連結操作し、第2連結機構R2を連結操作し、第1連結機構R1を連結操作し、分離状態の右側の戻しバネ27の延長ロッド27Aを係合ロッド25に係合させることで苗植付装置Aを作業姿勢に復元し、作業可能な状態に達する。
【0032】更に、この田植機では苗植付装置Aを分割して、平面視において夫々の分割物AL,ARが走行機体3の後車輪2,2に干渉しない姿勢であれば、昇降できるよう構成されており、その制御動作は図3に示すように、初期設定の後、昇降レバー10の操作で苗植付装置Aの昇降を行う操作が行われた場合には(#101、#102ステップ)、先ずセンサSからの信号に基づいて分割物AL,ARが後車輪2,2と干渉する域にあるかを判別し、干渉する域にある場合にはスピーカ76から警報音を出力して下降操作が不能な状態であることを作業者に認識させ、この状態をフラグに保存する(#103〜#106ステップ)。次に、作業者の操作で分割物AL,ARが後車輪2,2と干渉域外に達した場合にはスピーカ76から昇降レバー10を中立位置に復元操作させる旨のメッセージを人の言葉で出力し昇降レバー10が中立位置に復元操作された場合にはフラグのデータを解除する(#107〜#110ステップ)。そして、この昇降レバー10が中立位置に復元操作の後、再度昇降レバー10の操作で苗植付装置Aの昇降操作が行われた場合には、苗植付装置Aが分割状態であっても昇降レバー10によって苗植付装置Aを任意の高さに設定する制御をリセットされるまで行えるようになっている(#111、#112ステップ)。
【0033】このように、分割物AL,ARが走行機体3の後車輪2,2に干渉しない姿勢であれば、苗植付装置Aが分割状態であっても昇降できるので、例えば、上昇レベルで格納姿勢にある苗植付装置Aを少しだけ下降させて点検保守する場合にも、人為操作で分割物AL,ARを適当な姿勢に設定して昇降レバー10で下降操作することで、後車輪2,2と干渉する場合には下降が阻止されるので、分割物AL,ARの姿勢設定に過大な注意を払わずに済み、又、このように下降が阻止された場合には更に人為操作で分割物AL,ARの姿勢を変更することで苗植付装置Aを下降させることで可能となり、分割された状態の苗植付装置Aの分割面からの点検保守を楽な姿勢で行えるものとなる。
【0034】〔別実施例〕本発明は上記実施例以外に図21に示すように、前記制御系に加えて、分割物AL.ARの回動姿勢を任意に設定する伝動モータ77を備えて制御系を構成することも可能であり、このように構成したものでは、図22に示すように、昇降レバー10で昇降操作が行われる際に、分割物AL,ARが後車輪2,2と干渉する域にある場合には(#201〜#204ステップ)、分割物AL,ARの姿勢変更を行う旨のメッセージを人の言葉で出力し、モータの駆動で分割物AL,AR後車輪2,2と干渉しない域まで姿勢変更し、この後、昇降レバー10によって苗植付装置Aを任意の高さに設定する制御をリセットされるまで行うように制御動作を設定することも可能である(#205〜#208ステップ)。
【0035】このように構成することにより、苗植付装置Aを分割して所望の高さに設定する場合にも、作業者は走行機体3の運転座席7から離れることなく操作できるものとなる。
【0036】本発明は上記実施例以外に、分割物を所定の回動姿勢に維持するため摩擦式のブレーキ等を回動系に備えることも可能である。
【0037】又、本発明は苗植付装置を分割して分割された苗載せ台の外端部を走行機体の前方側に向ける格納姿勢に切り換わるものであれば、格納のための構造は前記実施例と異なるものであって良く、更に、10条植以上の苗植付装置に適用することも可能である。
【0038】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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