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発明の名称 根菜類用収穫機の収穫部構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−228548
公開日 平成8年(1996)9月10日
出願番号 特願平8−44332
出願日 平成4年(1992)3月5日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 一瀬 幹雄 / 末鶴 正明 / 伊藤 宰 / 東 宏信 / 岡田 幹夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 根菜の葉部を挟持して該根菜を地中から引き抜きつつ上方に引き上げる引抜き部(1)と、左右一対の無端回動帯(11b),(11b)とこれの下方に配置される左右一対のガイド機構(12),(12)とから成り、その葉部の下部を前記一対のガイド機構(12),(12)間で誘導案内しながら、葉部の上部を前記一対の無端回動帯(11b),(11b)の駆動によって挟持移送することにより、前記引抜き部(1)から送られてくる根菜を後方に搬送する搬送装置(2)とを夫々設け、前記一対の無端回動帯(11b),(11b)と前記一対のガイド機構(12),(12)との上下間隔が、搬送方向下手側に行くほど広くなる後広がり姿勢となるように、これら無端回動帯(11b)とガイド機構(12)とを相対配置するとともに、搬送根菜に所定以上の下方移動力が作用すると、該根菜の前記無端回動帯(11b)からの下方へのずれ動きが許容されるように、前記一対の無端回動帯(11b),(11b)による根菜葉部に対する挟持力を設定し、さらに、前記無端回動帯(11b),(11b)又は前記ガイド機構(12),(12)を上下揺動可能として前記後広がり姿勢の広がり角度(θ)を調節可能に構成してある根菜類用収穫機の収穫部構造。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人参や大根といった根菜類の地中からの堀取り工程から後処理工程に向けての搬送工程に至るまでの一連の収穫作業を機械化させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、根菜類の収穫作業は、圃場に埋まっている根菜を1本づつ手で引き抜いてから包丁で葉を切り落とすという人為作業で賄われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】根菜類の人為収穫作業は、腰を曲げた姿勢で根菜を圃場から引き抜くという重労働になるため、例えばコンバインのような機械化された収穫機の実現が望まれていた。大規模圃場では切実な課題である。本発明は、根菜の引抜きから葉部切断に至る手前までの一連の工程が機械化された根菜類の収穫機を実現して提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕上記目的の達成のために本発明は、根菜の葉部を挟持して該根菜を地中から引き抜きつつ上方に引き上げる引抜き部と、左右一対の無端回動帯とこれの下方に配置される左右一対のガイド機構とから成り、その葉部の下部を一対のガイド機構間で誘導案内しながら、葉部の上部を一対の無端回動帯の駆動によって挟持移送することにより、引抜き部から送られてくる根菜を後方に搬送する搬送装置とを夫々設け、一対の無端回動帯と一対のガイド機構との上下間隔が、搬送方向下手側に行くほど広くなる後広がり姿勢となるように、これら無端回動帯とガイド機構とを相対配置するとともに、搬送根菜に所定以上の下方移動力が作用すると、該根菜の無端回動帯からの下方へのずれ動きが許容されるように、一対の無端回動帯による根菜葉部に対する挟持力を設定し、さらに、無端回動帯又はガイド機構を上下揺動可能として後広がり姿勢の広がり角度を調節可能に構成してあることを特徴とするものである。
【0005】〔作用〕引抜き部は、地上に突出している葉部を挟持することで地中にある根菜を引き抜いて上方に持ち上げるように機能し、搬送装置は、一対のガイド機構によって葉部の下部の搬送経路を形成した状態で、一対の後部無端回動帯による葉部上部を挟持しての搬送作用を与える機能を発揮する。
【0006】搬送装置では、ガイド機構と後部無端回動帯との上下間隔が、搬送方向下手側に行くほど広くなるように、かつ、一対の後部無端回動帯では根菜の下方移動が許容されるようにしてあるから、後方への搬送に従ってガイド機構は葉部の根元に近づき、ついには根菜本体上面に接触した状態で搬送される接触搬送状態になり、それ以後では一対の後部無端回動帯と葉部とが上下に相対移動して接触搬送状態が維持されるようになる。
【0007】その結果、この搬送装置の終端では、どの根菜も接触搬送状態に統一されるようになり、根菜を一定の姿勢・位置でもって葉部を切断するカッター装置等の後処理工程に受渡しできるようになる。そして、ガイド機構と後部無端回動帯との後広がり角度を調節可能であるから、根菜の品種や成育状態に合わせて葉部の扱き長さを調節するべくガイド機構と後部無端回動帯との間隔を設定することができるようになる。
【0008】〔効果〕従って、根菜の地中からの引抜きからカッター装置等の後処理の手前までの一連の工程を機械化できたとともに、後処理に受け渡す根菜をその品種や成育の如何に拘らずに一定姿勢・位置に揃えることによる機械化処理の円滑・安定化が図れ、収穫能率向上に寄与しながら労力を軽減させることができた。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に本発明による根菜類用収穫機の全体側面図が、図7にその前部の平面図が夫々示され、1は引抜き部、2は搬送装置、3は葉切り装置、4は収穫部、5はクローラ走行装置、6は操縦部である。
【0010】引抜き部1は、左右一対の分草具7,7を先端に備えるとともに、分草具7の直後部位と葉切り装置3部位とに亘るコンベヤ式の挟持コンベヤ装置9を装備して構成されている。挟持コンベヤ装置9は、後上り傾斜姿勢で対向配置して駆動される左右一対の搬送ベルト11,11で構成されている。搬送装置2は、前述した左右一対の搬送ベルト11,11とこれの下方に配置される左右一対のガイド機構12,12とから構成され、根菜葉部の下部を一対のガイド機構12,12間で誘導案内しながら、葉部の上部を一対の搬送ベルト11,11の駆動によって挟持移送することにより、引抜き部から送られてくる根菜を後方に搬送する機能を持っている。
【0011】ガイド機構12は、図4、図5に示すように、チェンリンク13毎に横軸心Y周りに回動自在なローラ14が装備されたチェン15で構成されている。ローラ14は、バネ16によって外方に向けての付勢力が発生可能な状態でチェンリンク13に取付けられ、従って、根菜の葉部は対向する左右のローラ14,14で挟持されての後方移送力を受けるのであり、その移送速度は、搬送ベルト11による速度とほぼ同じである。そして、搬送ベルト11とガイド機構12との上下間隔を、搬送方向下手側に行くほど広くなる後広がり姿勢となるようにガイド機構12の後上がり傾斜角度を極緩いものに初期設定されている。
【0012】又、図1に示すように、ガイド機構12は、その前部に設けた左右向きの支点P周りで揺動昇降調節及び固定維持が自在に構成されており、前記後広がり姿勢の広がり角度θの調節設定により、種々の品種(例えば、人参と大根等)や成育状態の違い等によって異なる葉部の長さに対応できるように構成してある。
【0013】詳述すると、図1、図2に示すように、ガイド機構12のやや後部寄りの位置に根菜本体の上面に接触して作動するボリューム式の首揃えセンサ22を設けるとともに、ガイド機構12を駆動揺動させるアクチェータ(油圧シリンダやモータによる電動シリンダ等)23と制御装置24とを設けて、自動首揃え制御装置Aを構成してある。首揃えセンサ22は、揺動移動自在な接触子22aを所定揺動範囲aでの最も下側の位置に向けて下方付勢してあり、所定揺動範囲aよりも上方に揺動する場合と、一定時間以上接触子22aが接触作動しない場合とが異常とみなすように回路設定してある。
【0014】自動首揃え制御装置Aの作用を説明すれば、搬送根菜の本体上面に接触子22aが接触して所定揺動範囲a内で揺動移動する場合にはガイド機構12の広がり角度θが適正であるのでアクチェータ23は作動せずに現状の角度が維持される。接触子22aが所定揺動範囲a以上に上方揺動すると、ガイド機構12が下がり過ぎであると判断して広がり角度θが狭くなるようにアクチュエータ23を駆動させるとともに、接触子22aが一定時間以上動かない場合にはガイド機構12が上がり過ぎであると判断して広がり角度θが広くなるようにアクチュエータ23を駆動させるように制御されるのである。尚、26は自動制御の入切りスイッチであり、スイッチ切りによって操作レバー27による人為揺動昇降操作が行えるようになる。又、図3に示すように、ガイド機構12の下端側スプロケット25の対向部分には一対のガイド部材21,21が装備してあり、根菜の導入口の幅を広めてある。
【0015】図6に示すように、左右の搬送ベルト11,11には、これらを互いの存在方向に押圧して葉部の挟持力を発生させるための多数の転輪17が設けられ、前端部からガイド機構12の前端に相当する部位までの搬送ベルト前部11aにおいては、地中の根菜を確実に引き抜けるべく強い挟持力が作用するように転輪17の付勢スプリング8の強さを設定し、かつ、それから後側の搬送ベルト後部11bにおいては葉部の挟持力を,搬送ベルト前部11aにおけるスプリング8よりも細いスプリング10の採用によって弱いものに設定してある。
【0016】そして、ガイド機構12の後方位置には、根菜の葉部を切り落とす回転カッター18を上下位置の調節が自在な状態で設けて成る葉切り装置3が配設されるとともに、ガイド機構12と葉切り装置3との間に、根菜の吊下げ姿勢を葉切り装置3での切断作動に適した状態に矯正できるように、ガイド機構12から送られてくる根菜の葉部を持ち直して葉切り装置3へ移送する姿勢矯正搬送機構19を介在してある。姿勢矯正搬送機構19は左右一対の搬送ベルト20,20で構成されており、これと葉切り装置3とはガイド機構12に支持されて一体に揺動移動調節される。
【0017】収穫作業の主要作用を述べると、搬送ベルト前部11aによる強い挟持力でもって葉部を挟持して後方上方に持ち上げることにより、地中にある根菜を引き抜き、次いで、搬送ベルト後部11bとガイド機構12とによる搬送力で根菜を後方上方に移送するのであるが、前記後広がり角度θによって次第に根菜本体の上面がローラ14に接近し、ガイド機構12後部ではローラ14に根菜本体上面が接当した接触搬送状態になる。それから以後では、搬送ベルト後部11bの弱い挟持力により、後方への搬送力は根菜に伝達しつつ葉部の下方へのすり抜け移動が許容されることにより、搬送ベルト11の終端では、根菜は必ず接触搬送状態になり、次に控える葉切り装置3用の姿勢矯正装置に対する一定姿勢・位置を維持するようになるのである。
【0018】本実施形態では、一組の搬送ベルト前部11aが前部無端回動帯に、かつ、搬送ベルト後部11bが後部無端回動帯に夫々相当しているが、夫々別構成の搬送ベルト、または搬送チェンで構成しても良い。ガイド機構12としては、上記のローラ付きチェン15の他、単なる一対のガイド棒から構成するとか、下面に左右軸心周りに回動自在な多数のローラを備えた一対のガイド部材と、これらガイド部材の直上位置において葉部を後押しして搬送ベルト12と同速度で移送力を発生するように設けられた接当式の駆動移送体とで構成する等も考えられる。又、一対の搬送ベルト11を揺動昇降できるようにして後広がり角度θを可変調節できるものや、搬送ベルト11とガイド機構12を共に揺動昇降させるものでも良い。
【0019】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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