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田植機 - 株式会社クボタ
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発明の名称 田植機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−70619
公開日 平成8年(1996)3月19日
出願番号 特願平6−213361
出願日 平成6年(1994)9月7日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 古川 和雄
要約 目的
苗植付装置の昇降制御と、ラインマーカの選択と、クラッチ機構の入り操作とを迅速、簡便に行える田植機を構成する。

構成
レバー14の中立位置から昇降位置への操作によって苗植付装置の昇降を行い、中立位置を基準に昇降位置と対向する側に形成した2箇所の選択位置への操作によって、左右のラインマーカの一方の倒伏姿勢への切換えとクラッチ機構Cの入り操作とを行う制御手段30を備える。
特許請求の範囲
【請求項1】 走行機体(3)に昇降自在に苗植付装置(A)を連結し、走行機体(3)から苗植付装置(A)に対して伝えられる動力を断続するクラッチ機構(C)、及び、苗植付装置(A)に倒伏姿勢と起立姿勢とに切換え自在なラインマーカ(22)を備え、中立位置から設定位置への操作によって、作業レベルの前記苗植付装置(A)の所定レベルまでの上昇と前記クラッチ機構(C)の切り操作とを行い、この後、再度、中立位置から設定位置への操作によって上昇状態の苗植付装置(A)を作業レベルまで下降させる操作具(14)を備えた田植機であって、前記操作具(14)を、前記中立位置を基準に前記設定位置と対向する側に形成した2箇所の選択位置に操作自在に構成し、苗植付装置(A)が作業レベルにある状態で、一方の選択位置に該操作具(14)を操作することで左右のラインマーカ(22)の一方の倒伏姿勢への切換えと前記クラッチ機構(C)の入り操作とを行い、他方の選択位置に該操作具(14)を操作することでラインマーカ(22)の他方の倒伏姿勢への切換えと前記クラッチ機構(C)の入り操作とを行う制御手段(30)を備えて成る田植機。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走行機体に昇降自在に苗植付装置を連結し、走行機体から苗植付装置に対して伝えられる動力を断続するクラッチ機構、及び、苗植付装置に倒伏姿勢と起立姿勢とに切換え自在なラインマーカを備え、中立位置から設定位置への操作によって、作業レベルの前記苗植付装置を所定レベルまでの上昇と前記クラッチ機構の切り操作とを行い、この後、再度、中立位置から設定位置への操作によって上昇状態の苗植付装置を作業レベルまで下降させる操作具を備えた田植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、苗植付装置の昇降を制御する技術として特開平6‐70618号公報に示されるように、ステアリングハンドルの近傍に配置した単一の操作具の操作で苗植付装置の所定レベルまで上昇と作業レベルまでの下降とを行うものが存在し、又、特開平6‐133604号公報に示されるように、苗植付装置を所定レベルまで上昇する毎に強制的に左右のラインマーカを起立姿勢に保持し、苗植付装置の下降時に、左右のラインマーカのうち倒伏操作すべきものを専用の操作具で選択することで、そのラインマーカの倒伏操作とクラッチ機構の入り操作とを行えるよう構成したものが存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】又、作業時において機体が枕地に達した際には、機体の旋回操作に先立って苗植付装置を圃場面から離間するレベルまで上昇させた後、ステアリング操作で機体を旋回させ、この旋回終了時に苗植付装置を作業レベルまで下降させ、この下降以前、あるいは、下降直後に倒伏すべきラインマーカを選択する操作を必要とし、更に、クラッチ機構の入り操作を必要とする。このように機体の旋回時には比較的短時間のうちに苗植付装置の昇降制御、ラインマーカの選択、クラッチ機構の入り操作夫々を別個の操作具によって行わねばならず、従来例夫々の構成のものを用いても2つの操作具を操作しなければならず、煩わしさの面で改善の余地がある。
【0004】本発明の目的は、苗植付装置の昇降制御と、ラインマーカの選択と、クラッチ機構の入り操作とを迅速、簡便に行える田植機を合理的に構成する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は冒頭に記したように、苗植付装置に伝えられる動力を断続するクラッチ機構、苗植付装置に倒伏姿勢と起立姿勢とに切換え自在なラインマーカ夫々を備えると共に、中立位置から設定位置への操作によって、作業レベルの前記苗植付装置の所定レベルまでの上昇とクラッチ機構の切り操作とを行い、この後、再度、中立位置から設定位置への操作によって上昇状態の苗植付装置を作業レベルまで下降させる操作具を備えた田植機において、前記操作具を、前記中立位置を基準に前記設定位置と対向する側に形成した2箇所の選択位置に操作自在に構成し、苗植付装置が作業レベルにある状態で、一方の選択位置に該操作具を操作することで左右のラインマーカの一方の倒伏姿勢への切換えと前記クラッチ機構の入り操作とを行い、他方の選択位置に該操作具を操作することでラインマーカの他方の倒伏姿勢への切換えと前記クラッチ機構の入り操作とを行う制御手段を備えて成る点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0006】
【作用】上記特徴によると、苗植付装置が作業レベルにある状態で操作具を中立位置から所定位置に操作すると苗植付装置が所定まで上昇操作されると共にクラッチ機構が切り操作され、この後、この操作具を再度中立位置から所定位置に操作すると苗植付装置が作業レベルまで下降するものとなり、更に、この操作具を中立位置からいずれかの選択位置に操作することにより制御手段が選択された側のラインマーカの倒伏操作と、クラッチ機構の入り操作を行う。
【0007】つまり、従来例と同様に単一の操作具で苗植付装置の昇降を可能にすると共に、この操作具から手を放さず苗植付装置を昇降制御する操作方向と逆側に操作するだけでラインマーカの倒伏操作とクラッチ機構の入り操作とが可能になる。
【0008】
【発明の効果】従って、苗植付装置の昇降制御と、ラインマーカの選択と、クラッチ機構の入り操作とを単一の操作具によって迅速、簡便に行える田植機が合理的に構成されたのである。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1に示すように、操向操作される駆動型の前車輪1、及び、駆動型の後車輪2を備えた走行機体3の前部にエンジン4、及び、このエンジン4からの動力を無段階に変速するベルトテンション式の無段変速装置5、この無段変速装置5からの動力が伝えられる変速ケース6を搭載すると共に、走行機体3の中央部に運転座席7を配置し、該走行機体3の後端部に対し油圧シリンダ8で駆動昇降するリンク機構9を介して苗植付装置Aを連結して乗用型の田植機を構成する。
【0010】前記運転座席7の右側部に苗植付装置Aの昇降制御とクラッチ機構としての植付クラッチCの入切り操作とを行う昇降レバー10を備え、運転座席7の左側部に前記無段変速装置5を操作する変速レバー11を備え、更に、ステアリングハンドル12のポスト13には、その操作によって苗植付装置Aを所定レベルまで強制上昇させ、再度の操作によって該苗植付装置Aを作業レベルまで下降させる制御を行う操作具としての切換えレバー14を備えている。
【0011】昇降レバー10は図4に示す経路に沿って操作するよう構成され、該昇降レバーを経路内の「下降」位置より前方側に設定すると苗植付装置Aを作業レベルまで下降させ、「上昇」位置より後方側に設定すると苗植付装置Aを上昇させ、「中立」位置に設定すると苗植付装置Aをそのレベルに維持する。又、該昇降レバー10を「入」位置に設定すると植付クラッチCを入り操作し、「切」位置に設定すると植付クラッチCを切り操作し、更に、該昇降レバー10を「自動」位置に設定すると、苗植付装置Aを作業レベルに維持すると共に、前記切換えレバー14の操作に従って苗植付装置Aの昇降を許容し、苗植付装置Aの上昇時には植付クラッチCの自動的な切り動作を許容する。
【0012】苗植付装置Aはマット状苗Wを載置する苗載せ台16、走行機体3から動力が伝えられる伝動ケース17、この伝動ケース17からチェーンケース18を介して伝えられる動力で回転するロータリケース19、このロータリケース19に一対ずつ備えられた植付アーム20、複数の整地フロート21夫々を備えて複数条植え用に構成されると共に、左右両端部には起立姿勢と倒伏姿勢とに切換え自在なラインマーカ22,22を備えている。
【0013】又、この苗植付装置Aは整地フロート21のうちの1つの圃場面に対する接地荷重を設定値に維持するよう前記油圧シリンダ8の駆動で苗植付装置Aの昇降を行って苗植付装置Aの対圃場レベルを維持する制御が行われ(制御系は詳述せず)、この制御が行われる苗植付装置Aのレベルを作業レベルと称している。
【0014】図5に示すように、前記左右のラインマーカ22,22は苗植付装置Aのフレーム部23に対して前後向き姿勢の支軸24周りに揺動自在に支承されると共に、倒伏姿勢に保持するバネ25と、このバネ25の付勢力に抗してラインマーカ22を起立姿勢に保持するようラインマーカ22のピン26に係合する揺動型のロック部材27とを有し、又、苗植付装置Aの上昇時に前記リンク機構9の後端位置の部材と苗植付装置Aとの相対姿勢の変化を利用して左右夫々のものとも起立姿勢に切換えるワイヤ28,28、及び、ロック部材27をロック解除姿勢に切換える左右一対の電磁ソレノイド29,29夫々を備えている。
【0015】前記切換えレバー14は図2及び図3に示すように、「中立」位置を基準に上方の「昇降」位置、「中立」位置を基準に下方側で、かつ、前後の2箇所に形成された「左マーカ」位置(選択位置)、及び、「右マーカ」位置(選択位置)夫々に操作自在、かつ、バネ(図示せず)で「中立」位置に復帰するよう構成されている。
【0016】図6に示すように制御系が形成され、制御手段としてマイクロプロセッサを有した制御装置30に対して、前記昇降レバー10の操作位置を検出するポテンショメータ31、前記切換えレバー14を「昇降」位置に操作するとON操作される第1スイッチ32、切換えレバー14を「左マーカ」位置、「右マーカ」位置夫々の位置に操作するとON操作される一対の第2スイッチ33,33、リンク機構9の姿勢から苗植付装置Aのレベルを計測するポテンショメータ型のレベルセンサ34夫々から信号の入力系を有すると共に、油圧シリンダ8を制御する電磁弁35、植付クラッチCを操作する電動モータ36を制御するリレー37、左側、及び、右側のラインマーカ22に対する電磁ソレノイド29夫々に対する出力系を有し、この制御装置30の制御動作は図7に示すフローチャートに従って行われる。
【0017】つまり、制御が開始されると、第1スイッチ32からの信号を入力し、切換えレバー14の操作で第1スイッチ32がON状態に達すると、ポテンショメータ31からの信号に基づき昇降レバー10が「自動」位置に設定されているかを判別し、「自動」位置にある場合には、整地フロート21の接地荷重の値(入力系は図示せず)、及び、レベルセンサ34からの信号に基づき苗植付装置Aが作業レベルにあるかを判別し、作業レベルにある場合には植付クラッチCを切る操作を行うと共に、この植付クラッチCが切り状態に達したことを判別した後、レベルセンサ34からの信号をフィードバックさせながら油圧シリンダ8の駆動で苗植付装置Aを圃場面から離間する所定のレベルまで上昇させる(#101〜#105ステップ)。尚、苗植付装置Aが所定レベル以上に上昇操作された場合には、倒伏姿勢のラインマーカ25はワイヤ31の張力によって起立姿勢に操作されロック部材30によって起立姿勢に保持される。
【0018】又、切換えレバー14の操作で第1スイッチ32がON状態に達した際に、ポテンショメータ31からの信号に基づき昇降レバー10が「自動」位置にある状態と判別され、しかも、レベルセンサ34からの信号に基づき苗植付装置Aが上昇レベルにある状態と判別されると、苗植付装置Aを作業レベル、即ち、整地フロート21の接地荷重が所定値まで上昇するレベルまで下降させる制御を行う(#106、#107ステップ)。
【0019】次に、一対の第2スイッチ33からの信号を入力し、切換えレバー14の操作で第2スイッチ33のうちの一方がON状態に達すると、レベルセンサ34からの信号に基づき苗植付装置Aが設定レベル以下にあると判別した場合にのみ、ON操作された側の電磁ソレノイド29の駆動でロックを解除してラインマーカ22を倒伏させ、次に、電動モータ36の駆動で植付クラッチCを入り操作する。又、第2スイッチ33が操作されない場合にはラインマーカ22の倒伏操作、植付クラッチCの入り操作は行わない(#108〜#111ステップ)。
【0020】このように、苗植付装置Aが作業レベルにある状態で切換えレバー14を「中立」位置から「昇降」位置に操作すると苗植付装置Aが高レベルまで上昇操作されると共にクラッチ機構Cが切り操作され、この後、切換えレバー14を再度「中立」位置から「昇降」位置に操作すると苗植付装置Aが作業レベルまで下降するものとなり、更に、この切換えレバー14を「中立」位置からいずれかの選択位置に操作した場合には、苗植付装置Aが予め設定されたレベル(通常の作業レベルより僅かに上側に設定されたレベル)より低いレベルにある場合に、制御装置30は選択された側のラインマーカ22の倒伏操作と、植付クラッチCの入り操作とを行うものであり、これら苗植付装置Aの昇降制御と、ラインマーカ22の選択と、植付クラッチCの入り操作とを切換えレバー14の操作によって迅速、簡便に行えようになっている。
【0021】〔別実施例〕本発明は上記実施例以外に、例えば、クラッチ機構を油圧操作型に構成する、苗植付装置の昇降を電動モータで行う、ラインマーカの起立、倒伏操作を専用のアクチュエータで行う等、各々を駆動する形態はどのようなものであって良く、操作具の操作状態を検出するためポテンショメータを用いる等、検出系も様々な形態で実施できる。
【0022】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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