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発明の名称 水田作業機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−51803
公開日 平成8年(1996)2月27日
出願番号 特願平6−187002
出願日 平成6年(1994)8月9日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 藤田 佳久
要約 目的
作業時の機体の直進性能を高め、微妙な進路調節も容易に行える水田作業機を構成する。

構成
前車輪1を駆動型に構成し、かつ、後車輪2を操向操作自在に構成した機体3の後端に作業装置Aを連結する。
特許請求の範囲
【請求項1】 駆動型の前車輪(1)、操向操作自在に構成された後車輪(2)夫々を備えた機体(3)の後端に作業装置(A)を連結してある水田作業機。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水田作業機に関し、詳しくは、走行系の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水田作業機として乗用型の田植機を例に挙げると、前車輪を操向操作自在に構成すると共に、前後車輪を駆動型に構成し、更に、機体の後端に苗植付装置を連結したものが存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術として挙げた田植機に構成について考えるに、この構成の田植機では走行時に苗植付装置を牽引する形態となって苗植付装置の姿勢が安定し、又、走行時には前後車輪の駆動力によって強力な走行力を得るものとなっている。
【0004】しかし、前後車輪の駆動力で走行するものでは、例えば、苗植付装置を上昇させた場合のように、前車輪の接地荷重が低下し、後車輪の接地荷重が増大した場合には、前車輪の推力と比較して後車輪の推力が増大するため機体の直進走行性能が低下しやすいものとなり改善の余地がある。このような現象は前車輪がスリップした場合にも発生する。又、苗植付作業のように決まった経路に機体を直線走行させて行う作業では、前車輪を操向操作した場合に機体の前部が左右に振れるため、例えば、ラインマーカ等の跡に沿って機体を走行させる際にも微妙な進路調節を行い難い面があり改善の余地がある。
【0005】本発明の目的は、作業時には機体の姿勢を安定させて直進させると共に、微妙な進路調節も容易に行える水田作業機を合理的に構成する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、駆動型の前車輪、操向操作自在に構成された後車輪夫々を備えた機体の後端に作業装置を連結してある点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0007】
【作用】上記特徴によると、前後車輪の接地荷重の変動に影響を受けず前車輪の推力のみで走行するので、常に前車輪で機体を牽引する形態になり直進走行時の機体の走行姿勢が安定するものとなり、又、走行時には作業装置を牽引する形態となるので作業装置の姿勢が安定すると共に、走行時には作業装置が機体の後部を後方に引く負荷を作用させるので直進走行時の機体の姿勢を一層安定させ、しかも、操向操作時には機体の前部をあまり左右に振ることがない。
【0008】
【発明の効果】従って、作業時には機体の姿勢を安定させて良好に直進させると共に、微妙な進路調節も容易に行える水田作業機が合理的に構成された。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1に示すように、ステアリング操作される駆動型の前車輪1、ステアリング操作される後車輪2を備えた走行機体3の前部にエンジン4、及び、このエンジン4からの動力を変速する変速装置5を搭載すると共に、この走行機体3の中央部に運転座席6を配置し、該走行機体3の後端部に対しリフトシリンダ7で駆動昇降するリンク機構8を介して作業装置としての苗植付装置Aを連結して水田作業機としての乗用型の田植機を構成する。
【0010】前記運転座席6の右側部に苗植付装置Aの昇降制御と、クラッチ機構としての植付クラッチ(図示せず)の入切り操作とを行う昇降レバー9を備え、運転座席6の左側部に前記変速装置5を操作する変速レバー10を備え、更に、運転座席6の前方位置にはステアリングハンドル11を備えている。
【0011】苗植付装置Aはマット状苗Wを載置する苗載せ台12、走行機体3から動力が伝えられる伝動ケース13、この伝動ケース13からチェーンケース14を介して伝えられる動力で回転するロータリケース15、このロータリケース15に一対ずつ備えられた植付アーム16、複数の整地フロート17夫々を備えて複数条植え用に構成され、又、側部には倒伏姿勢と起立姿勢とに切換え自在なラインマーカ18を備え、作業時には苗載せ台12に載置されたマット状苗Wの下端から苗を植付アーム16が1株ずつ切出して圃場面に植え付けると共に、倒伏姿勢のラインマーカ18によって圃場面Sに溝跡を形成する。
【0012】尚、このラインマーカ18は倒伏姿勢に設定することで、その先端が圃場面Sに突入するものとなり、走行に伴って圃場面Sに溝跡を形成するよう構成され、このように形成される溝跡は次の苗植付行程を走行する際に作業者が視認して機体3が走行すべき経路の基準とするものであり、作業者は溝跡に沿うよう操向操作を行う。
【0013】この田植機は、前車輪1に推進ラグを備えて後車輪2より大径に設定し、前車輪1のみを駆動するよう走行用の伝動系を形成し、前車輪1と後車輪2とのいずれかを選択して操向操作できるよう構成されている。つまり、図2に示すように、エンジン3からの動力が伝えられる変速装置5に内装した差動機構1Aからの動力を前車輪1に伝える伝動系を形成すると共に、この前車輪1の駆動速度と同期した駆動力を苗植付装置Aに伝える伝動系を形成してある。更に、前車輪1の左右のナックルアーム19,19同士をタイロッド20で連結し、電動式の操向モータ21と前車輪1の操向系とをロッド22で連結してある。又、後車輪2の左右のナックルアーム23,23同士をタイロッド24で連結し、電動式の操向モータ25と後車輪2の操向系とをロッド26で連結してある。
【0014】図3に示すように、操向制御用としてマイクロプロセッサを有した制御装置27に対してステアリングハンドル11の操作量を計測するポテンショメータ28からの信号、選択スイッチ29からの信号、及び、前車輪1、後車輪2夫々の操向操作量を検出する操向角センサ30、31からの信号が入力する系を形成し、又、この制御装置27から前後の操向モータ21,25を制御する出力系を形成している。又、操向角センサ30、31は、操向モータ21、25の駆動時において前車輪1、後車輪2の操向角度を制御装置27にフィードバックするものである。
【0015】そして、整地フロート17が圃場面Sに接する作業レベルまで苗植付装置Aを下降させた状態での作業時には前車輪1の推力によって機体3の直進性を高めると共に、苗植付装置Aを牽引する形態にして苗植付装置Aの姿勢を安定させた状態での作業を可能にし、又、苗植付装置Aを作業レベルまで下降させた状態での走行時には選択スイッチ29の操作で後車輪2のみを操向操作する制御モードを選択することで、ステアリングハンドル11の操作時に機体前部を左右にあまり振らず微妙な操向操作によって、圃場面に形成されたラインマーカ18の溝跡に沿った走行を無理なく行えるものとなり、又、機体3が畦に接近した場合には選択スイッチ29の操作で前車輪1のみを操向操作する制御モードを選択することでステアリングハンドル11の操作時に機体3の前部を大きく振る形態での旋回を可能にする。
【0016】〔別実施例〕本発明は上記実施例以外に、例えば、図4に示すように、前車輪1を左右方向に3つ並設し、後車輪2を操向操作自在となる機体を構成することにより、大きい推力を得ながら後車輪2で操向制御を可能となるよう構成することが可能である(前記実施例と等しい機能を有するものには前記実施例と同じ番号、符号を附している)。
【0017】又、本発明は前記実施例のように前後車輪1,2夫々を操向操作可能に構成すると共に、後車輪2だけを操向操作するモード、及び、前後車輪1,2夫々を同時に操向操作する制御モードを選択できるよう構成するとも可能である。
【0018】又、本発明では後車輪2のみ操向自在に構成し、前車輪1のみを駆動する形態に水田作業機を構成することも可能である。
【0019】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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