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発明の名称 脱穀選別装置の処理物層厚検出装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−37905
公開日 平成8年(1996)2月13日
出願番号 特願平6−176352
出願日 平成6年(1994)7月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 高原 一浩 / 江間 浩明
要約 目的
上下揺動する揺動選別板上の処理物の層厚検出をより正確に行い、この層厚検出情報に基づいて揺動選別板の漏下開度調節等を的確に行わせる。

構成
脱穀後の処理物を上下揺動しながら選別処理する揺動選別板と、固定枠側に設置されて揺動選別板上の処理物の層厚を検出する層厚検出手段S1と、層厚検出手段S1の検出情報に基づいて処理物の層厚を判別する層厚判別手段100とが設けられ、層厚判別手段100は、層厚検出手段S1の検出情報を揺動選別板の揺動周期よりも短いサンプリング周期でサンプリングし、且つ、揺動選別板と同じ周期に設定された周期ごとに、その処理周期内においてサンプリングしたサンプリングデータに基づいて、例えばその最大値と最小値との平均値を求めて処理物の層厚判別を行う。又、揺動選別板の揺動周期の変動に合わせて処理周期を変更する。
特許請求の範囲
【請求項1】 脱穀後の処理物を上下揺動しながら選別処理する揺動選別板(19)と、固定枠側に設置されて、前記揺動選別板(19)上の処理物の層厚を検出する層厚検出手段(S1)と、前記層厚検出手段(S1)の検出情報に基づいて前記処理物の層厚を判別する層厚判別手段(100)とが設けられた脱穀選別装置の処理物層厚検出装置であって、前記層厚判別手段(100)は、前記層厚検出手段(S1)の検出情報を前記揺動選別板(19)の揺動周期よりも短いサンプリング周期でサンプリングし、且つ、前記揺動選別板(19)と同じ周期に設定された周期ごとに、その処理周期内においてサンプリングしたサンプリングデータに基づいて前記処理物の層厚判別を行うように構成されている脱穀選別装置の処理物層厚検出装置。
【請求項2】 前記揺動選別板(19)の揺動周期を検出する揺動周期検出手段(S7)が設けられ、前記層厚判別手段(100)は、前記揺動周期検出手段(S7)の情報に基づいて、前記揺動選別板(19)の揺動周期に合わせて、前記処理周期を変更するように構成されている請求項1記載の脱穀選別装置の処理物層厚検出装置。
【請求項3】 前記層厚判別手段(100)は、前記層厚検出手段(S1)の検出値の前記処理周期内での最大値と最小値とを平均した値を、前記処理物の層厚とするように構成されている請求項1又は2記載の脱穀選別装置の処理物層厚検出装置。
【請求項4】 前記層厚検出手段(S1)が、機体後方側に揺動自在に垂下姿勢で枢支された状態で前記揺動選別板(19)の上方側に配置された接触子(T1,T2)と、その接触子(T1,T2)の前記処理物への接触による機体後方側への揺動量を層厚値に変換する変換部(PM)とから構成されている請求項1、2又は3記載の脱穀選別装置の処理物層厚検出装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱穀後の処理物を上下揺動しながら選別処理する揺動選別板と、固定枠側に設置されて、前記揺動選別板上の処理物の層厚を検出する層厚検出手段と、前記層厚検出手段の検出情報に基づいて前記処理物の層厚を判別する層厚判別手段とが設けられた脱穀選別装置の処理物層厚検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記処理物層厚検出装置においては、層厚検出手段が、例えば、機体後方側に揺動自在に垂下姿勢で枢支されて揺動選別板の上方側に配置されたセンサバーと、そのセンサバーが処理物に接触して機体後方側へ揺動した角度を層厚値に変換するポテンショメータ等からなる層厚センサで構成されるとともに、層厚センサの層厚検出値が、揺動選別板の上下揺動のために時間的に変動することから、その層厚検出値を適当な時間間隔(例えば100ms)でサンプリングし、その複数回のデータの移動平均値を層厚値として判別するようにしていた。
【0003】尚、脱穀選別装置においては、上記判別された層厚検出情報(例えば層厚検出値とその変化率の情報)に基づいて、揺動選別板上の処理物の層厚が適正範囲となるように揺動選別板の漏下開度を変更調節し、これにより、上記処理物層が薄過ぎる場合における1番物への藁屑混入や、逆に上記処理物層が厚過ぎる場合における3番ロスの増加、及び2番還元量の増え過ぎによる穀粒の損傷等の不具合を防止するようにしていた(例えば、特開平5‐21号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において、揺動選別板上の処理物層厚の時間的変動が緩やかであれば、移動平均によって求めた層厚値と実際の層厚との差は小さく無視できる。しかし、揺動選別板上の処理物層厚の時間的変動が大きくなると、上記移動平均による層厚値と実際の層厚との差は大きくなり、特に、その層厚変化を正確に検出することは不可能になる。従って、この層厚検出情報に基づいて揺動選別板の漏下開度の調節を行っても的確な調節制御でないために、揺動選別板上の処理物の層厚が適正範囲から大きく外れてしまって、前記処理物層が厚過ぎる又は薄過ぎる場合の不具合を発生させるおそれがあった。
【0005】本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、上下揺動する揺動選別板上の処理物の層厚検出をより正確に行い、もって、この層厚検出情報に基づいて揺動選別板の漏下開度調節等を的確に行わせることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の脱穀選別装置の処理物層厚検出装置は、脱穀後の処理物を上下揺動しながら選別処理する揺動選別板と、固定枠側に設置されて、前記揺動選別板上の処理物の層厚を検出する層厚検出手段と、前記層厚検出手段の検出情報に基づいて前記処理物の層厚を判別する層厚判別手段とが設けられたものであって、その第1の特徴構成は、前記層厚判別手段は、前記層厚検出手段の検出情報を前記揺動選別板の揺動周期よりも短いサンプリング周期でサンプリングし、且つ、前記揺動選別板と同じ周期に設定された周期ごとに、その処理周期内においてサンプリングしたサンプリングデータに基づいて前記処理物の層厚判別を行うように構成されている点にある。
【0007】第2の特徴構成は、前記揺動選別板の揺動周期を検出する揺動周期検出手段が設けられ、前記層厚判別手段は、前記揺動周期検出手段の情報に基づいて、前記揺動選別板の揺動周期に合わせて、前記処理周期を変更するように構成されている点にある。
【0008】第3の特徴構成は、前記層厚判別手段は、前記層厚検出手段の検出値の前記処理周期内での最大値と最小値とを平均した値を、前記処理物の層厚とするように構成されている点にある。
【0009】第4の特徴構成は、前記層厚検出手段が、機体後方側に揺動自在に垂下姿勢で枢支された状態で前記揺動選別板の上方側に配置された接触子と、その接触子の前記処理物への接触による機体後方側への揺動量を層厚値に変換する変換部とから構成されている点にある。
【0010】
【作用】本発明の第1の特徴構成によれば、揺動選別板上の脱穀後の処理物が揺動選別板の上下揺動に伴って上下揺動して、その処理物の層厚を検出するために固定枠側に設置された層厚検出手段の検出情報が上記揺動選別板の揺動周期に合わせて変動する。そして、その周期的に変動する層厚検出情報が、揺動選別板の揺動周期よりも短いサンプリング周期でサンプリングされた後、揺動選別板と同じ周期に設定された周期ごとに、その処理周期内においてサンプリングしたサンプリングデータに基づいて、例えばそのサンプリングデータの平均値によって処理物の層厚が判別される。以上の処理によって、層厚検出情報に対する揺動選別板の上下揺動の影響が除去され、処理物の層厚のみの検出情報が得られる。
【0011】又、第2の特徴構成によれば、揺動選別板の揺動周期が変動するときには、その変動する揺動選別板の揺動周期に合わせて、その揺動選別板と同じ周期になるように変更された処理周期ごとに、その処理周期内においてサンプリングしたサンプリングデータに基づいて処理物の層厚が判別される。
【0012】又、第3の特徴構成によれば、揺動選別板と同じ周期に設定された周期ごとに、その処理周期内においてサンプリングしたサンプリングデータの最大値と最小値との平均値によって処理物の層厚が判別される。
【0013】又、第4の特徴構成によれば、機体後方側に揺動自在に垂下姿勢で枢支された状態で揺動選別板の上方側に配置された接触子が、上下揺動する揺動選別板上の処理物に接触して機体後方側へ揺動すると、揺動選別板の揺動周期と同じ周期で変動する接触子の揺動量が層厚値に変換される。そして、その周期的に変動する層厚値情報が、揺動選別板の揺動周期よりも短い周期でサンプリングされ、揺動選別板と同じ周期ごとに、その処理周期内でのサンプリングデータに基づいて処理物の層厚が判別される。
【0014】
【発明の効果】本発明の第1の特徴構成によれば、上下揺動する揺動選別板上の処理物の層厚検出をその揺動選別板の上下揺動の影響を除去してより正確に行うことができ、もって、その層厚検出情報に基づいて揺動選別板の漏下開度調節等を的確に行わせることが可能になった。
【0015】又、第2の特徴構成によれば、揺動選別板の上下揺動の周期が変動する場合であっても、その変動した揺動選別板の上下揺動の影響を確実に除去して、処理物の層厚検出の確度を維持することができ、もって、上記第1の特徴構成を実施する際の好適な手段が得られる。
【0016】又、第3の特徴構成によれば、処理周期内におけるサンプリングデータの最大値と最小値とを平均して処理物の層圧を判別するので、例えば、上記サンプリングデータのすべてを平均して処理物の層厚を判別するものに比べて、実用的な層厚検出精度を確保しながら、処理構成の簡素化を図ることができ、もって、上記第1又は第2の特徴構成を実施する際の好適な手段が得られる。
【0017】又、第4の特徴構成によれば、処理物と接触する接触子の機械的な移動量を層厚値に変換して層厚を検出するので、例えば、超音波センサや光電センサ等の非接触式のセンサにて層厚を検出するものに比べて、より簡便な構成でありながらも検出の信頼性を確保することが容易にでき、もって、上記第1、第2又は第3の特徴構成を実施する際の好適な手段が得られる。
【0018】
【実施例】以下、本発明をコンバインの脱穀装置に適用した場合の実施例を図面に基づいて説明する。図2〜図4に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走行装置1、脱穀装置2、操縦部3、刈取部4等を備える。
【0019】刈取部4には、分草具5、植立穀稈を引き起こす引き起こし装置6、引き起こされた穀稈の株元を切断する刈り刃7、及び、刈取穀稈を係止搬送して機体後方側の脱穀装置2のフィードチェーン16に渡す縦搬送装置9等が順次並ぶ状態で設けられている。尚、縦搬送装置9の始端部には、刈取穀稈の有無を検出するために、刈取穀稈が有るときにオンし、無いときにオフするスイッチからなる株元センサS4が設けられている。
【0020】脱穀装置2は、図4に示すように、扱胴15を収納する扱室A、刈取部4から供給される穀稈を扱室Aに供給搬送するフィードチェーン16、排塵用の横断流ファン17、脱穀後の処理物を選別するための選別装置Bを備える。選別装置Bは、トウミ18、揺動選別板19、選別後の処理物を回収するための一番物回収部(以下、一番口という)20及び二番物回収部(以下、二番口という)21を備えている。
【0021】フィードチェーン16にて扱室Aに供給搬送される穀稈は扱胴15の回転により脱穀される。扱室Aの下部には受網22が設けられ、脱穀後の処理物のうち単粒化した穀粒は受網22から揺動選別板19に漏下する。受網22から漏下できなかった処理物は受網22の後端部より揺動選別板19に落下する。
【0022】揺動選別板19は、トウミ18の上方に位置するグレンパン23、その後方に位置するチャフシーブ24、その下方に位置するグレンシーブ25等からなり、脱穀後の処理物を上下揺動しながら後方に移送して比重選別により選別処理する。一番口20及び二番口21は、それぞれスクリューコンベアを備え、チャフシーブ24及びグレンシーブ25から漏下した穀粒は一番口20から回収されてタンク等に貯溜される。チャフシーブ24の後端やグレンシーブ25の後端から落下した穀粒と藁屑との混合物は、二番口21で回収されてから、所定の2番還元時間(例えば、3秒程度)の後に揺動選別板19に還元される。
【0023】チャフシーブ24は、図5に示すように、複数の板状部材24aが所定間隔毎に前後方向に並設されたものである。各板状部材24aは左右軸芯周りに回動自在に左右の側板に枢着され、下端部がリンク24bにて枢支連結されている。従って、リンク24bを前後方向に移動操作すると、各板状部材24aが同時に回動し、各板状部材24aの隣接間隔tが変化する。この間隔tが揺動選別板19における漏下開度(以下、チャフ開度という)に相当し、このチャフ開度の変更は、シーブモータM1を正逆方向に回転駆動することによって行われる。そのシーブモータM1の回転動作はギヤ式の連係機構26、揺動アーム27、ワイヤ28によってリンク24bの前後移動動作に変換されて、上記の如くチャフ開度が変更される。尚、揺動アーム27の回動角度からチャフ開度を検出するポテンショメータ式のチャフ開度センサS2が設けられている。
【0024】トウミ18は、選別風を発生するためのものであり、その風力の変更は、トウミ18の回転数を変えることによって行われる。つまり、回転数を大きくするほど、トウミ風力が大きくなる。トウミ回転数の変更は、後述の割りプーリ式のベルト変速装置8(図3参照)をトウミモータM2によって変速操作することによって行われる。尚、トウミ18の回転数を検出するトウミ回転数センサS3がトウミ18の回転軸18aに設けられている。
【0025】上記揺動選別板19の構成において、シーブモータM1を駆動してチャフ開度を大きくするほど、チャフシーブ24において下方側に漏下する穀粒量が増加して、選別装置Bの処理能力が大きくなる。このとき、一番口20にて回収される穀粒に藁屑が混入するのを防止するために、チャフ開度の増加に応じてトウミ風力が大きくなるつまりトウミ回転数を大きくするようにトウミモータM2を駆動する。
【0026】又、図6に示すように、チャフシーブ24上の選別処理物(穀粒等)の層厚を検出する層厚センサS1が設けられている。層厚センサS1は、機体後方側に揺動自在に垂下姿勢で枢支された状態でチャフシーブ24即ち揺動選別板19の上方側に配置された板状部材T1,T2(これが接触子に対応する)と、その板状部材T1,T2の処理物への接触による機体後方側への揺動量つまり回動角度Iを抵抗値(これが層厚値に対応する)に変換する変換部としてのポテンショメータPMからなる。処理物の層厚が小さいときは板状部材T1が処理物に接当して後方へ回動し、層厚が大きくなると板状部材T2が処理物に接当して後方へ回動するように構成されている。
【0027】上記構成により、選別処理物の量が多くなってその層厚が厚くなるほどセンサバーT1,T2の回動角度Iが大きくなるので、ポテンショメータPMの抵抗値から処理物の層厚を検出することができる。従って、固定枠側に設置されて、揺動選別板19上の処理物の層厚を検出する層厚検出手段が、上記層厚センサS1によって構成されることになる。
【0028】動力伝達系は図3に示すように構成されている。エンジンEの動力は、脱穀クラッチ10を介して脱穀装置2に伝達されると共に、走行クラッチ11及び車速変速用の油圧式の無段変速装置12を介して、左右一対のクローラ走行装置1のミッションケース13に伝達され、刈取部4には、ミッションケース13から刈取クラッチ14を介して動力が伝達される。脱穀装置2に伝達された動力は、割りプーリ式のベルト変速装置8を介して前記トウミ18の回転軸18aに伝動され、又、図示しないが、前記扱胴15、フィードチェーン16、揺動選別板19等の駆動動力として伝動される。尚、揺動選別板19の揺動駆動軸には、その揺動周期を検出する揺動周期検出手段として、上記揺動駆動軸の回転数を検出して回転数センサS7が設けられている(図1参照)。エンジンEには、その回転数を検出するエンジン回転数センサS6が設けられ、ミッションケース13には、クローラ走行装置1への駆動軸の回転数を検出して車速を検出する車速センサS5が設けられ、脱穀装置2が動作中か否かを検出するために、脱穀クラッチ10の入切状態を検出する脱穀スイッチSW1が設けられている。
【0029】図1に示すように、マイクロコンピュータ等で構成される制御手段Hが設けられ、この制御手段Hには、前述の層厚センサS1、チャフ開度センサS2、トウミ回転数センサS3、株元センサS4、車速センサS5、エンジン回転数センサS6、回転数センサS7、及び、脱穀スイッチSW1からの各検出情報が入力されている。又、前記操縦部3の操縦パネルには、作物条件を麦、稲、濡れの3条件の中から選択して切り換える作物切換スイッチSW2と、トウミ調節ボリュームVRとが設けられ、これらの情報も制御手段Hに入力されている。尚、上記センサ等からの入力情報は、A/D変換されて0〜255の8ビットデジタルデータになる。一方、制御手段Hからは、前述のシーブモータM1、及び、トウミモータM2に対する各駆動信号が出力されている。
【0030】前記制御手段Hを利用して、前記層厚センサS1の検出情報に基づいて前記処理物の層厚を判別する層厚判別手段100が構成されている。この層厚判別手段100は、層厚センサS1の検出情報を前記回転数センサS7にて検出される揺動選別板19の揺動周期(例えば、125ms)よりも短いサンプリング周期(例えば、5ms)でサンプリングし、且つ、揺動選別板19の揺動周期と同じ周期に設定された周期ごとに、その処理周期内においてサンプリングしたサンプリングデータに基づいて前記処理物の層厚判別を行う。具体的には、前記処理周期内でのサンプリングデータの最大値と最小値とを平均した値を、前記処理物の層厚とする。
【0031】そして、前記制御手段Hは、前記層厚判別手段100の情報に基づいて、前記処理物の層厚が適正範囲となるように、前記揺動選別板19の漏下開度を所定制御周期で変更調節する開度制御を行う。同時に、前記処理物の層厚が適正範囲から設定値以上外れた場合、又は、前記処理物の層厚が設定率以上の変化率で変化する場合に、前記開度制御における前記所定制御周期よりも短い制御周期で揺動選別板19の漏下開度を変更調節する補助開度制御を行う。具体的には、図27(イ)に示すように、適正層厚範囲s0からの層厚検出値の偏差が大小2段階の設定値のうちの大側の設定値s2以上のとき(図の左側部分)、及び、上記層厚の偏差が大側の設定値s2と小側の設定値s1との間にあってその変化率が設定率Δs以上のとき(図の右側部分)に、上記補助開度制御を行う。尚、図27(ロ)には、上記補助開度制御を行う前後のチャフ開度の変化を例示する。上記開度制御での揺動選別板19の漏下開度調節のための所定制御周期が、選別装置Bにおける前述の2番還元時間(例えば3秒)に設定され、又、上記補助開度制御での制御周期は、基本的に連続制御とみなせる短い周期(後述のように、250ms)に設定されている。
【0032】又、前記制御手段Hは、前記開度制御及び補助開度制御において、前記層厚センサS1の層厚検出値及びその変化率に基づいて決定した操作量で前記シーブモータM1を作動させて、前記チャフ開度の変更調節を行うように構成されている。尚、後述のように、上記シーブモータM1の作動量に応じてトウミモータM2も作動される。具体的には、制御手段Hは、上記操作量をファジィ推論に基づいて予め求めた操作量データを数値テーブルとして記憶して、その操作量データに基づいて即ち上記数値テーブル内のデータを選択して前記操作量を決定するとともに、そのファジィ推論において、揺動選別板19における漏下開度の大小に対応して設定した2つの制御規則(2つの数値テーブル)のうちの1つを、前記チャフ開度に基づいて選択して、前記操作量データを求めるように構成されている。尚、制御手段Hは、上記決定した操作量からチャフ開度及びトウミ回転数の目標値を求め、各目標値とチャフ開度センサS2又はトウミ回転数センサS3の検出値との偏差をゼロにするように制御する。
【0033】前記ファジィ推論における制御規則について説明する。図24に示すファジィマップの配列要素として、処理物の層厚目標値(後述のシーブ目標値)に対する層厚検出値の偏差であるシーブ偏差と、所定時間内での層厚検出値の変化量であるシーブ変化量(これが層厚検出値の変化率に対応する)とを求める。ここで、層厚検出値が層厚目標値よりも大きければシーブ偏差は正の値になり、逆であれば、負の値になる。又、層厚検出値が増加傾向にあればシーブ変化量は正の値になり、減少傾向にあれば負の値になる。次に、チャフ開度が所定開度(例えば19mm)よりも小さい場合には、2つ用意されているファジィマップのうちの主マップ(図24(イ))を選択し、所定開度よりも大きい場合には、補助マップ(図24(ロ))を選択して、上記シーブ偏差及びシーブ変化量を前件部のファジィ変数とするファジィ推論により、チャフ開度の操作量即ちシーブモータM1に対する出力を求める。
【0034】つまり、シーブ偏差及びシーブ変化量のメンバーシップ関数が、図23(イ)及び(ロ)に示され、又、図24に示すルールの後件部のファジィ変数であるチャフ開度に対する操作量のメンバーシップ関数が、図23(ハ)に示すように、離散的なシングルトンの集合として表される。そして、シーブ偏差及びシーブ変化量の各メンバーシップ関数に対するグレード(適合度ともいう)に応じて、図24の各マップに示す25個のルールのうちの1個又は複数のルールからの出力が得られ、適合するルールから得られる出力にシーブ偏差又はシーブ変化量のグレードの小さい方の値を掛けた値がそのルールから得られる出力となる。複数のルールから複数の出力が得られる場合はそれらの平均値が最終的な出力になる。尚、上記出力も正負の8ビットデジタル値で表され、正の値はチャフ開度を大きくする方向に操作することを表し、負の値はチャフ開度を小さくする方向に操作することを表す。
【0035】上記制御ルール(図24)からも判るように、チャフ開度が所定開度よりも小さい場合に選択される主マップ(図24(イ))では、チャフ開度が所定開度よりも大きい場合に選択される補助マップ(図24(ロ))に比べて、チャフ開度の操作量が大きくなる。特に、シーブ偏差及びシーブ変化量が共に大きい条件において、チャフ開度の操作量が大きくなるように設定されている。これにより、揺動選別板19における漏下開度が小さいときの方が、揺動選別板19における漏下開度が大きいときよりも、層厚センサS1の層厚検出値及びその変化率に基づいて決定する操作量を大きくするように構成されることになる。
【0036】次に、図7〜図22に示すフローチャートに基づいて、制御手段Hによる脱穀制御の流れを説明する。メインフロー(図7)では、先ず、初期設定処理を行った後、層厚センサS1による層厚検出データの処理を行うシーブ検出処理と、共通データの設定処理を行う。そして、脱穀スイッチSW1がオフ状態のときは、各種制御用のフラグやカウンタをクリアしてから、センサ類や各部の異常を調べる自己診断処理を行う。一方、脱穀スイッチSW1がオフ状態からオン状態に変化して脱穀作業が開始されると、所定の制御周期(250ms)ごとに脱穀制御処理を行い、その後、上記自己診断処理を行う。
【0037】初期設定処理(図8)では、メモリー(EEPROM)内に記憶されているチャフシーブ24の全開位置及び全閉位置のデータが正常かどうかを調べる。正常であれば、それに基づいてチャフ開度調節の上限位置を上記データの全開位置よりも少し閉じ側の位置として、又、下限位置を上記データの全閉位置よりも少し開き側の位置としてそれぞれ設定する。さらに、その上限位置と下限位置の差が所定値(適正開度量)よりも大きいときだけ、上限位置を下限位置にその所定値(適正開度量)を加えた位置として再設定する。一方、メモリー(EEPROM)内のチャフシーブ24の全開位置及び全閉位置のデータが正常でなければ(例えば、共に0)、異常として処理する。
【0038】シーブ検出処理(図9〜図11)では、層厚センサS1の検出値を所定のサンプリング周期(5ms)でサンプリングし、その最小値及び最大値検出用の処理時間(125msに設定)の最初のときだけ上記サンプリングデータを最小値及び最大値データとして記憶する。以後、順次サンプリングする層厚センサS1の検出値が最小値データよりも小さいときにはその検出値で最小値データを更新し、検出値が最大値データよりも大きいときにはその検出値で最大値データを更新する処理を、上記処理時間(125ms)が経過するまで続ける。上記処理時間(125ms)が経過すると、最小値及び最大値データの平均値を求めるとともに、1つ前の処理時間での平均値との和Wを求める。そして、上記処理を2回行うと(つまり250ms経過後)、各処理時点での層厚データ、即ち、最新のシーブ検出値、250ms前のシーブ検出値、及び、500ms前のシーブ検出値を夫々記憶するためにメモリー内に設けた250msデータ(2)、250msデータ(1)及び250msデータ(0)について、250msデータ(2)及び250msデータ(1)の記憶内容を、夫々250msデータ(1)及び250msデータ(0)に移すとともに、上記求めた和Wの1/2つまり最新のシーブ検出値を250msデータ(2)に記憶させる。従って、以上の処理にて、前述の層厚判別手段100が構成され、その層厚判別用の処理周期が上記処理時間(125ms)に対応することになる。
【0039】次に、シーブ偏差を、予め設定されているシーブ目標値と最新のシーブ検出値(上記250msデータ(2)の内容)との差として求め、シーブ微分値(変化量)を、500ms前のシーブ検出値(上記250msデータ(0)の内容)と最新のシーブ検出値(上記250msデータ(2)の内容)との差として求める。尚、上記シーブ目標値は、後述の麦及び稲の各作物切換条件について異なる値が設定される。そして、前述のように(図27参照)、シーブ偏差が大小2段階に設定された設定値のうちの大側の設定値以上のとき、及び、シーブ偏差が大側の設定値と小側の設定値との間にあってシーブ微分値が設定値(設定率に対応)以上のときには、原則として3秒間隔で行う脱穀制御処理を連続して(実際には、制御周期250msで)実行することを許可する連続制御許可フラグをオンする。一方、上記以外のときは、連続制御許可フラグをオフする。
【0040】次に、最新のシーブ検出値(上記250msデータ(2)の内容)を5段階のシーブ値、つまり検出値が小さい方から順番に、0,1,2,3,4のランクに分ける。そして、上記ランク分けしたシーブ値が、以前のシーブ値を記憶しているメモリー内のシーブ値データと異なる状態が、250msの制御周期で連続して5回(つまり、少なくとも250ms×4=1秒以上)続いた場合だけ、新たに求めたシーブ値で上記シーブ値データを更新する。
【0041】共通データ設定処理(図12)では、前記トウミ調節ボリュームVRの検出値が、その検出データを記憶するメモリー内のトウミボリュームデータの値から不感帯幅を超えて変化したときだけ、その検出値がトウミボリュームデータ内の値として更新される。次に、前記作物切換スイッチSW2の状態を調べて、麦、稲、及び濡れの各切換位置に応じて、モード(mode)値を夫々0、1、2とし、更に、麦及び稲モード時において、前記シーブ値が0及び1のときに、後述のように開度設定用に使用するシーブ値0用及びシーブ値1用のチャフ最低開度を夫々設定する。
【0042】脱穀制御処理(図13)では、先ず、モード(mode)値より作物条件を判断し、濡れモードのときはヌレモード制御(図14)を実行する。一方、麦及び稲モードのときは、株元センサS4の状態及び前記シーブ値の内容に応じて、以下のように、層厚センサS1が故障の場合に車速に応じてチャフ開度及びトウミ風力を調節する車速感応型制御(図15)と、ファジィルールに基づいてチャフ開度調節を行うファジィ制御(図16及び図17)のいずれかを実行する。そして、上記各制御において設定された調節作動量で、実際にシーブモータM1及びトウミモータM2を作動させるチャフ出力処理及びトウミ出力処理を行う。
【0043】つまり、麦及び稲モード時に、株元センサS4がオン状態のときは、それがオフからオンに変化後所定時間(6秒)経過すると、6秒フラグをセットする(尚、この6秒フラグは株元センサS4がオフ状態になるとリセットされる)一方、株元センサS4がオフ状態のときは、それがオンからオフに変化後に、前記シーブ値が0の状態が8秒継続したときにだけ8秒フラグをセットする(尚、この8秒フラグは株元センサS4がオン状態になるとリセットされる)。次に、層厚センサS1の検出値が正常であるか否かを調べて、例えば、断線等のために検出値が0Vあるいは電源電圧に相当する値である等から、層厚センサS1の故障が判断されると、車速感応型制御を行う。層厚センサS1が正常であれば、所定の制御周期(3秒)が経過したとき、及び、制御周期(3秒)は経過していないが前記連続制御許可フラグがオンしているときに、ファジィ制御を行う。
【0044】ヌレモード制御(図14)では、チャフ開度の目標値を全開位置に設定し、前記トウミボリュームデータに基づいてトウミ回転数を算出する。つまり、トウミ調節ボリュームVRが標準位置のときにトウミ回転数が標準回転数(例えば、1300rpm)になり、トウミ調節ボリュームVRが標準位置から強側又は弱側に回されるに従って、トウミ回転数が上記標準回転数から大側又は小側に変更される。そして、その算出したトウミ回転数がトウミ最小回転数(例えば、1000rpm)より小さいときはその最小回転数をトウミ目標回転数とし、トウミ最大回転数(例えば、1500rpm)より大きいときはその最大回転数をトウミ目標回転数とし、上記トウミ最小回転数とトウミ最大回転数の間のときは算出したトウミ回転数をトウミ目標回転数とする。
【0045】車速感応型制御(図15)では、先ず、車速を、例えば、0〜0.35m/s,0.35〜0.55m/s,0.55〜0.75m/s,0.75〜0.95m/s,0.95m/s〜の5段階に分け、その車速の各段階に対して予め用意した車速対チャフ開度の算出マップに基づいて、図26に示すように、麦、稲モード別にチャフ開度目標値を求める。そして、後述のトウミ回転数設定処理(図18及び図19)により、上記チャフ開度目標値に基づいてトウミ目標回転数を算出する。
【0046】ファジィ制御(図16及び図17)では、ファジィマップの配列要素として、シーブ目標値に対するシーブ検出値(上記250msデータ(2)の内容)の偏差であるシーブ偏差と、500ms前のシーブ検出値(上記250msデータ(0)の内容)に対する最新のシーブ検出値(上記250msデータ(2)の内容)の変化量であるシーブ変化量とを求める。次に、前述のように、現在のチャフ開度が所定開度(19mm)よりも小さい場合には、主マップ(図24(イ))にて、又、所定開度よりも大きい場合には、補助マップ(図24(ロ))にて、上記シーブ偏差及びシーブ変化量を前件部のファジィ変数とするファジィ推論により、シーブモータM1に対する出力を求める。
【0047】次に、株元センサS4の状態を調べて、それがオン状態のときは、現在のチャフ開度に上記求めた操作量を加算してチャフ開度目標値とする。さらに、前記6秒フラグがセットされている場合、即ち、株元センサS4のオン後6秒経過しているときは、前記車速感応型制御と同様に車速を5段階分けして、各車速段階に対するチャフ最低開度を予め用意したマップより求め、そのチャフ最低開度よりも上記チャフ開度目標値が小さいときはそのチャフ最低開度をチャフ開度目標値とする。
【0048】一方、株元センサS4がオフ状態のときは、チャフ開度の開き側への変更を禁止するために、上記求めた操作量が正かどうかを調べて、正の場合は操作量をゼロにする。さらに、前記8秒フラグがセットされている場合、即ち、株元センサS4がオンからオフに変化後に前記シーブ値0の状態が8秒継続したときには、チャフ開度目標値を前記設定したシーブ値0用のチャフ最低開度とする。8秒フラグがリセット状態の場合については、シーブ値が1以下(0及び1)のときは、チャフ開度目標値を前記設定したシーブ値1用のチャフ最低開度とし、シーブ値が2以上(2、3、4)のときは、チャフ開度目標値を現在のチャフ開度とする。そして、上記求めた各チャフ開度目標値に基づいて、後述のトウミ回転数設定処理(図18及び図19)によりトウミ目標回転数を算出する。
【0049】トウミ回転数設定処理(図18及び図19)では、チャフ開度値に対して直線変換式によってトウミ回転数を計算するが、この計算は、図25に示す、前記トウミ調節ボリュームVRが標準位置のときの麦モード及び稲モードについての変換式を用いる。尚、チャフ開度の全閉側及び全開側に対応して、トウミ回転数の最小回転数tmin及び最大回転数tmaxが設定され、又、参考として、稲モードについて、トウミ調節ボリュームVRが標準位置よりも1目盛強側又は弱側に回されたときの変換式が示されている。次に、上記計算したトウミ回転数が、前述のトウミ最小回転数(1000rpm)より小さいときはその最小回転数をトウミ目標回転数とし、トウミ最大回転数(1500rpm)より大きいときはその最大回転数をトウミ目標回転数とする。その後、前記トウミ調節ボリュームVRの位置によるトウミ目標回転数の増減補正を行い、その補正後の回転数がトウミ調節ボリュームVRで変更した変換式における上記最小回転数tminより小さいときはその最小回転数tminをトウミ目標回転数とし、最大回転数tmaxより大きいときはその最大回転数tmaxをトウミ目標回転数とする。
【0050】次に、前記6秒フラグがオフ状態であるかどうかにより、刈り終わりのトウミ回転数制御を行うかどうかを判断するが、前記6秒フラグがオンのときは、その時点での前記トウミ目標回転数を、刈り終わりのトウミ回転数制御で使用する刈り終わり時のトウミ回転数として記憶しておく。株元センサS4がオフして6秒フラグがオフ状態に変化すると、刈り終わりトウミ回転数制御に入り、シーブ値に応じてトウミ回転数を次のように設定する。つまり、シーブ値が3以上(3、4)のときは、上記刈り終わり時のトウミ回転数に設定し、シーブ値が2のときは、上記刈り終わり時のトウミ回転数から所定回転数(例えば100rpm)少ない回転数に設定し、シーブ値が1のときは、前記トウミ調節ボリュームVRで変更した前記変換式における前記最小回転数tmin(図25参照)に設定し、シーブ値が0の状態が8秒継続したとき(前記8秒フラグがオンしているとき)は、前記最低回転数(1000rpm)に設定する。
【0051】チャフ出力処理(図20)では、今回のチャフ開度目標値が前回のチャフ開度目標値と異なる場合だけ、次回のために今回のチャフ開度目標値を前回のチャフ開度目標値として記憶してから、上記チャフ開度目標値と現在のチャフ開度を比較する。チャフ開度目標値が現在のチャフ開度よりも大きいときは、シーブモータM1が閉じ側に出力中かどうか調べ、閉じ側に出力中のときはその閉じ側への出力を停止し、さらに、上記チャフ開度目標値と現在のチャフ開度との差が所定値よりも大きいときだけ開き方向に出力する。尚、チャフ開度目標値と現在のチャフ開度との差が所定値よりも小さいときは、所定期間(例えば、500ms程度)閉じ方向への出力を停止する。一方、チャフ開度目標値が現在のチャフ開度以下のときは、シーブモータM1が開き側に出力中かどうか調べ、開き側に出力中のときはその開き側への出力を停止し、さらに、上記チャフ開度目標値と現在のチャフ開度との差が所定値よりも大きいときだけ閉じ方向に出力する。尚、チャフ開度目標値と現在のチャフ開度との差が所定値よりも小さいときは、所定期間(例えば、500ms程度)開き方向への出力を停止する。そして、最後に、チャフ開度変更制御用のタイマー(3秒)をスタートさせる。
【0052】トウミ出力処理(図21及び図22)では、現在のトウミ回転数が500rpmを超えている状態で、且つ、トウミモータM2のオンオフ駆動周期(500ms)におけるオフ時間の終了即ちモータ駆動周期の終了を確認したときに、目標回転数から現在の回転数を引いて求まるトウミ回転数偏差の値に基づいて、以下の処理を行う。つまり、上記回転数偏差が−100rpmよりも小さいときは、トウミモータM2が強方向に出力中かどうか調べ、強方向に出力中のときはその強方向への出力を停止した後、弱方向に連続出力する。具体的には、弱方向へのモータオン時間を500ms(従ってモータオフ時間は0)にする。上記回転数偏差が100rpmよりも大きいときは、トウミモータM2が弱方向に出力中かどうか調べ、弱方向に出力中のときはその弱方向への出力を停止した後、強方向に連続出力する。具体的には、強方向へのモータオン時間を500ms(従ってモータオフ時間は0)にする。上記回転数偏差が−15rpmと15rpmの間にあるときは、不感帯内にあるとして、モータ出力を停止する。具体的には、モータオン時間を0(従ってモータオフ時間は500ms)にする。
【0053】一方、上記回転数偏差が−100rpmと−15rpmの間、及び、15rpmと100rpmの間にあるときは、モータを間欠駆動させるのモータオン時間Tonを、上記回転数偏差Hr及び前記エンジン回転数センサS6によるエンジン回転数Erに基づいて下式のように計算する。尚、a1は所定のゲイン係数である。
【0054】
【数1】Ton=a1・Hr/Er【0055】ここで、計算したオン時間Tonが250msを超えるときはモータオン時間を250msに、80msより小さいときは80msに、250msと80msの間のときは計算したオン時間に夫々設定し、又、モータオフ時間を500msから上記設定したモータオン時間を引いた時間として設定する。そして、上記回転数偏差が正のときは、上記設定したモータオン時間を強方向オン時間とする一方、上記回転数偏差が負のときは、上記設定したモータオン時間を弱方向オン時間とする。最後に、上記設定したモータオン及びオフ時間でトウミモータM2を駆動することになる。
【0056】〔別実施例〕以下、別実施例を列記する。上記実施例では、揺動選別板19の揺動周期と同じ周期に設定された処理周期内での層厚検出のサンプリングデータに基づいて処理物の層厚判別を行うのに、そのサンプリングデータの最大値と最小値とを平均した値を処理物の層厚とするように構成したが、これに限るものではない。例えば、上記サンプリングデータのすべてを平均した値を処理物の層厚とするようにしてもよい。
【0057】又、上記実施例では、揺動選別板19の揺動周期を125ms、層厚検出手段(層厚センサS1)の検出情報をサンプリングするために揺動選別板19の揺動周期よりも短く設定されるサンプリング周期を5ms、処理物の層厚判別用の処理周期を上記揺動選別板19の揺動周期と同じ周期125msとするものを示したが、これらの周期については装置の条件に応じて適宜変更できる。
【0058】又、上記実施例では、揺動選別板19の揺動周期が大きく変動しないことを前提にして、前記サンプリングデータに基づく処理物の層厚判別用の処理周期を例えば定常状態における揺動選別板19の揺動周期(例えば125ms)と同じに設定したが、揺動選別板19の揺動周期の変動が大きいような場合に対応すべく、揺動周期検出手段(回転数センサS7)の情報に基づいて、揺動選別板19の揺動周期に合わせて、前記処理周期を変更するようにしてもよい。
【0059】上記実施例では、揺動周期検出手段を、揺動選別板19の揺動駆動軸の回転数を検出する回転数センサS7で構成したが、これに限るものではない。例えば、揺動選別板19の一部箇所の上下揺動を直接検出する光電式又は磁気式等の各種センサが使用できる。
【0060】上記実施例では、処理物の層厚検出値及びその変化率に基づいてファジィ推論により、揺動選別板19の漏下開度変更用の操作量を決定したが、ファジィ推論ではなく、例えば、PID制御等によって行うようにしてもよい。尚、前記操作量の決定をファジィ推論によって行う場合に、上記実施例では、予め演算して求めた操作量データを数値テーブルとして記憶するようにしたが、このような数値テーブルではなく演算用のテーブルを記憶し、その演算用のテーブルを用いて、層厚検出値及びその変化率の情報から前記操作量を演算して求めるようにしてもよい。この演算テーブル方式によれば、記憶情報量が数値テーブル方式に比べて少なくて済むというメリットがある。又、上記実施例では、前記操作量データを求めるためのファジィ推論において2つの制御規則を、揺動選別板19における漏下開度(チャフ開度)の大小に対応して設定したが、より適切な制御を行うために、上記制御規則を2つではなく、例えば、上記漏下開度の大中小に対応して3つ設定するようにしてもよい。
【0061】上記実施例では、揺動選別板19における漏下開度が小さいときの方が、揺動選別板19における漏下開度が大きいときよりも、層厚検出手段(層厚センサS1)の層厚検出値及びその変化率に基づいて決定する操作量を大きくするのに、特にシーブ偏差及びシーブ変化量が共に大きい条件において、操作量が大きくなるようにしたものを示したが、これに限るものではない。例えば、上記シーブ偏差及びシーブ変化量が共に大きい条件に加えて、シーブ偏差及びシーブ変化量が共に小さい条件においても操作量が大きくなるようにしてもよい。
【0062】固定枠側に設置されて、揺動選別板19上の処理物の層厚を検出する層厚検出手段は、上記実施例のような接触子T1,T2と変換部(ポテンショメータPM)とからなる層厚センサS1に限らない。例えば、発信部及び受信部が固定枠側に設置されて処理物層の上下位置を上方から検出するように配置された超音波センサ等の各種センサが利用できる。
【0063】上記実施例では、揺動選別板19において漏下開度を変えながら処理物を漏下させる手段を、チャフシーブ24の開度を変更するように構成したが、これに限るものではない。上記実施例のチャフシーブ24に代えて、例えば、網状又はスリット状の開口部をスライドグレンパンといわれる遮蔽板で遮蔽し、スライドグレンパンをスライドさせてその開口部の遮蔽面積つまり開度を変えるように構成してもよい。
【0064】上記実施例では、揺動選別板19の漏下開度の変更に応じて、トウミ回転数を変更させるように構成したが、これに限るものではなく、例えば、トウミ回転数を所定回転数に固定(つまりトウミモータM2を所定回転位置に固定)した状態で、シーブモータM1だけを正逆方向に回転駆動させるようにしてもよい。
【0065】本発明は、上記実施例のような自脱型コンバインに限らず、普通型コンバイン等の他のコンバインに適用することもでき、又、コンバイン以外の脱穀装置にも適用することもできる。
【0066】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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