発明の名称 |
多目的水田作業機の分草具取付け構造 |
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発行国 |
日本国特許庁(JP) |
公報種別 |
公開特許公報(A) |
公開番号 |
特開平8−37888 |
公開日 |
平成8年(1996)2月13日 |
出願番号 |
特願平6−182041 |
出願日 |
平成6年(1994)8月3日 |
代理人 |
【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修
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発明者 |
奥山 幹夫 |
要約 |
目的 分草具を分草具支持アームの先端で容易に着脱できるとともに、分草具支持アームは着脱することなく多目的水田作業時には機体横外方側に突出する作用姿勢に、又、田植作業時には機体内方側に退入した折込み格納姿勢とにワンタッチ操作で切換え保持可能な分草具の取付け構造を提供する。
構成 操向回動自在な前輪支持ケースに揺動自在に分草具支持アームを取付け、この分草具支持アームの先端に分草具をピンの抜き差しで容易に着脱自在に設け、かつ、前記分草具支持アームをトッグル機構により前記作用姿勢と前記折込み格納姿勢とに切換え保持可能に構成する。 |
特許請求の範囲
【請求項1】 操向回動可能な前輪支持ケース(17)に、前輪(1)を囲む状態に分草具(15)を取り付けた多目的水田作業機の分草具取付け構造であって、横外方に突出する作用姿勢と、機体内方側に退入した折込み格納姿勢とに切換え揺動可能な分草具支持アーム(16)を前記前輪支持ケース(17)に取付け、この分草具支持アーム(17)の先端に前記分草具(15)を着脱自在に取付け、かつ、前記分草具支持アーム(17)をトッグル機構(22)により前記作用姿勢と前記折込み格納姿勢とに切換え保持可能に構成してある多目的水田作業機の分草具取付け構造。
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発明の詳細な説明
【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、例えば既に植えた作物の間を走行して除草剤や害虫防止剤等を散布する薬剤散布機等のように前輪に作物が絡み付くことを阻止する為の作物絡み付き防止用の分草具を操向回動可能な前輪支持ケースに前輪を囲む状態に取付けた多目的水田作業機に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、このような多目的水田作業機における分草具の取付け構造は、前輪の車軸ケースにステアリングにより操向回動自在に設けられた前輪支持ケースから機体外方に向けて分草具支持アームを延設固定し、その先端に分草具を取付けていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】薬剤散布機等の多目的水田作業時には、前後輪が共に作物条間を通過するように前輪の間隔を後輪の車輪間隔とほぼ同一にするのに比べ、田植作業時では、畦際等での小旋回の必要からステアリングの利きをよくするために前輪の間隔を後輪の車輪間隔よりも狭くする。この際、前輪支持ケースに固定状態に取付けられている従来の分草具取付け構造では車輪に分草具支持アームが当たってしまい分草具はもちろん分草具支持アームも取り外す必要があった。しかしながら、分草具支持アームの取付け部は機体の内方側にある為手が届きにくく着脱が煩わしいといった問題があった。 【0004】本発明は、分草具支持アームを着脱することなく上記欠点を解消することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明の特徴構成は、横外方に突出する作用姿勢と、機体内方側に退入した折込み格納姿勢とに切換え揺動可能な分草具支持アームを前記前輪支持ケースに取付け、この分草具支持アームの先端に前記分草具を着脱自在に取付け、かつ、前記分草具支持アームをトッグル機構により前記作用姿勢と前記折込み格納姿勢とに切換え保持可能に構成してある点にある。 【0006】 【作用】本発明によると、手が届きやすい分草具支持アームの先端で分草具を着脱できるとともに、揺動可能な分草具支持アームがトッグル機構により多目的水田作業時には機体横外方に突出する作用姿勢に、田植作業時には機体内方側に退入した折込み格納姿勢とにワンタッチ操作で容易に切換え保持できる。 【0007】 【発明の効果】上記構成の結果、分草具支持アームを着脱する必要がなくなり作業効率を高めることができる。 【0008】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は多目的水田作業機の一例である薬剤散布機を示し、操向用前輪1、駆動後輪2、操縦ハンドル3、運転座席4、油圧シリンダ5によって駆動される昇降リンク機構6を備えた乗用型田植機の走行機体7の後部に苗植付装置Aに代えて、リンク機構6の後端の作業装置連結用ヒッチ6aに薬剤散布装置8を連結して構成されている。 【0009】薬剤散布装置8は、前記ヒッチ6aに連結される機枠9に、除草剤あるいは害虫防止剤等の薬液を貯留するタンク10と、薬液散布ノズル11を多数並設してある横向き長尺の噴霧アーム12と、タンク内の薬液を噴霧アームに圧送するポンプ13、及び、接地フロート14等から構成され、この接地フロート14の上下変位検出に基づいて、前記昇降リンク6における油圧シリンダ5を操作して、薬剤散布装置8の対地高さをほぼ一定に保つように制御されている。 【0010】図2及び図4に示すように、分草具15はループ状の上下2本の棒材15aの周囲に板材15bを取付けて構成されている。分草具アーム16は、前輪の車軸ケース28にステアリング3により操向回動自在な左右の前輪支持ケース17に前後方向におのおの一対設けた四連リンク16aによりなり、前輪支持ケース17に固着したブラケット18に機体前後軸芯X回りに揺動可能に取付けてある。また、その他端には分草具固定用のボス19が設けられピン20の抜き差しで分草具15が容易に着脱できる。さらに、そのボス19に設けてある分草具支持アーム取付用ブラケットの上部回動支軸21より前輪支持ケース17にかけてトッグルバネ22を張設してあるので前記分草具支持アーム16を機外横外方に突出する作用姿勢と機体内方側に退入した折込み格納姿勢とにワンタッチ操作で切換え保持可能になっている。 【0011】つまり、図2及び図4に示すように、多目的水田作業時には人為操作で分草具支持アーム16を機体横外方に突出する作用姿勢に切換え、車軸23に延長スペーサ24を取付けその延長スペーサ24に前輪の筒軸25を外嵌しボルト26で固定して車輪の幅を広くした後に分草具15をピン20で分草具支持アーム16のボス19に取付ける。また、図3及び図5に示すように、田植作業時にはピン20を抜き分草具支持アーム16のボス19より分草具15を取り外した後に人為操作により分草具支持アーム16を機体内方側に退入した折込み格納姿勢に切換え、延長スペーサ24を外して車軸23に前輪の筒軸25を外嵌させボルト27で固定し車輪の幅を狭くする。 【0012】〔別実施例〕上記実施例では分草具支持アーム16が上下に揺動する構造がとられていたが、機体前後方向に揺動出退する分草具支持アーム16の取付け構造であってもよい。また、分草具15は前輪1に作物が絡み付くのを防止できるならば板材15bにこだわらず複数本の棒材で前輪1を囲む構成であってもよい。 【0013】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
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