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発明の名称 ロータリートランス
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−7864
公開日 平成9年(1997)1月10日
出願番号 特願平7−148592
出願日 平成7年(1995)6月15日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃 (外2名)
発明者 中村 彰男 / 良尊 弘幸 / 佐藤 孝
要約 目的
チャンネル信号の混ざり合いを防止して、信号伝送時の信頼性を飛躍的に向上させることができるロータリートランスを提供する。

構成
同軸上の内外に近接して対向配置される円筒状の一対の磁性コア1,11の各対向面に、チャンネル数に応じて設けられた巻線溝3にコイル2が配設されると共に、該コイル2の端末を導出させる引き出し溝5a,5bが設けられたロータリートランスにおいて、一方の磁性コア1の引き出し溝5aが軸Oの軸芯方向に対して斜めに形成され、他方の磁性コア11の引き出し溝5bが軸Oの軸芯方向に沿って形成されている。
特許請求の範囲
【請求項1】 同軸上の内外に近接して対向配置される円筒状の一対の磁性コアの各対向面に、チャンネル数に応じて設けられた巻線溝にコイルが配設されると共に、該コイルの端末を導出させる引き出し溝が設けられたロータリートランスにおいて、一方の磁性コアの引き出し溝と他方の磁性コアの引き出し溝の形成方向が異なることを特徴とするロータリートランス。
【請求項2】 一方の磁性コアの引き出し溝が軸の軸芯方向に沿って形成され、他方の磁性コアの引き出し溝が軸の軸芯方向に対して斜めに形成されていることを特徴とする請求項1記載のロータリートランス。
【請求項3】 同軸上の上下に近接して対向配置される円盤状の一対の磁性コアの対向面に、チャンネル数に応じて設けられた巻線溝にコイルが配設されると共に、コイルの端末を導出させる引き出し溝が設けられたロータリートランスにおいて、一方の磁性コアの引き出し溝と他方の磁性コアの引き出し溝の形成方向が異なることを特徴とするロータリートランス。
【請求項4】 一方の磁性コアの引き出し溝が軸の軸芯方向を通って内周側より外周側に亘って形成され、他方の磁性コアの引き出し溝が軸の軸芯方向を通らずに内周側より外周側に亘って形成されていることを特徴とする請求項3記載のロータリートランス。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオテープレコーダやディジタルオーディオテープレコーダ等の回転磁気ヘッド装置に使用されるロータリートランスに関する。
【0002】
【従来の技術】ロータリートランスは、例えばビデオテープレコーダやディジタルオーディオテープレコーダ等の回転磁気ヘッド装置において回転側に設けた回転磁気ヘッドにて得られる信号を固定側回路に伝送するための接続手段として広く用いられている。
【0003】この種のロータリートランスとしては、円盤状の一対の磁性コアが対向配置してなる、いわゆる平型のロータリートランスと、円筒状の一対の磁性コアが同軸上の内外に対向配置してなる、いわゆる縦型のロータリートランスがある。いずれも、一対の磁性コアを有し、これら磁性コアの対向面にチャンネル数に応じて設けられた巻線溝にコイルが配設されている点で共通する。
【0004】このようなロータリートランスは、一対の磁性コアのコイル間の電磁結合によって、一方の磁性コアに接続された例えば磁気ヘッド装置と他方の磁性コアに接続された例えば再生回路とを接続させ、ビデオ信号やディジタルオーディオ信号等を伝送するようになっている。
【0005】ところで、上記ロータリートランスにおいては、上記巻線溝に配設されたコイルの端末を導出させる引き出し溝が形成されている。
【0006】巻線溝は、例えば予め円環状とされたコイル或いは単に線材よりなるコイルを配設させるためのもので、一対の磁性コアの対向面に断面略コ字状の溝として円環状に形成されている。この巻線溝は、軸の方向に沿って所定間隔で要求されるチャンネル数と同数設けられる。
【0007】引き出し溝は、一方の磁性コアの引き出し溝と他方の磁性コアの引き出し溝が長手方向に一致するように形成されている。
【0008】すなわち、縦型のロータリートランスにおいては、図9に示すように、引き出し溝105a,105bは、一対の磁性コア101,111の巻線溝103と直交するように、巻線溝103の一部より該巻線溝103の底部よりも深い縦溝として磁性コア101の上方端部からドラムへの取付け側の下方端部にまで亘って、チャンネル数に応じて設けられている。そして、このような引き出し溝105a,105bは、一方の磁性コア101の引き出し溝105aと他方の磁性コア111の引き出し溝105bとが、長手方向において完全に一致するように形成されている(図9中、符号Y1−Y1で示すように、長手方向に一致する。)。
【0009】一方、平型のロータリートランスにおいては、図10及び図11に示すように、引き出し溝125a,125bは、一対の磁性コア121,131の巻線溝103と略々直交するように、軸を中心に放射状に設けられている。そして、このような引き出し溝125a,125bは、一方の磁性コア121の引き出し溝125aと他方の磁性コア131の引き出し溝125bが、長手方向において完全に一致するように形成されている(図11中、符号Y2−Y2,Y3−Y3で示すように、長手方向に一致する。)。
【0010】特に、この平型のロータリートランスにおいては、上記巻線溝103や、引き出し溝125a,125b等が形成された同じものから、一方の磁性コア121に使用するか、或いは、他の磁性コア131として使用されるかにすぎない場合が多い。このような場合には、各引き出し溝125a,125bは、その対称性から、完全に一致することとなる。
【0011】このようにして、各ロータリートランスは、各巻線溝103により、上記引き出し溝105a,105b,125a,125bを通して導出させて、各複数のコイルの端末を装置側に接続することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来のいずれの型のロータリートランスにおいては、一対の磁性コア間で電気的信号の授受を行うものであるから、一方の磁性コア101,121の巻線溝103と他方の磁性コア111,131の巻線溝103とでは、各コイル102が各々対応するように形成されている必要がある。したがって、各対応する巻線溝103が平行度や軸に対する中心度等において厳密な設計が行われて製造される必要性が高い。
【0013】しかしながら、引き出し溝105a,105b(125a,125b)については、一方の磁性コア101,121の引き出し溝105a,125aと他方の磁性コア111,131の引き出し溝105b,125bが長手方向に重なり合うように形成されていると、図9及び図11に示すように、ロータリートランスが回転動作することにより、対応する各引き出し溝105a,105b(或いは、引き出し溝125a,125b)が重なり合う瞬間が生じる。このときの重なり合う長さは長いものであるから、これらの引き出し溝105a,105b間においても信号のやりとりが行われてしまい、あるチャンネルの信号が他のチャンネルの信号に混ざり合うという事態が生じていた。
【0014】このため、例えば、縦型のロータリートランスのうちの1チャンネルの磁性コアを積層させて多チャンネルとした、いわゆる積層型(「ドーナツ型」、或いは、「分割型」と言われることもある。)においては、図12に示すように、磁性コア111の外周側面から内周側面に貫く貫通孔として引き出し溝115を形成することが考えられる。
【0015】しかしながら、そもそも、磁性コア111の分割型は、1チャンネル毎に組み立てて、さらに必要数のチャンネルを重ねるものであるから、製造の工程数が多くなり、組立て時間が多くなる。
【0016】次に、このような貫通孔の引き出し溝115とすると、貫通孔を形成するための加工が必要となり製造工程が高価になる。また、コイルの端末を貫通孔を通してから、巻線溝103に配設する必要があり、組立に要する時間がかかり、組立ての際のコストも高くなる等種々の問題点を有していた。
【0017】そこで、本発明は、チャンネル信号の混ざり合いを防止して、信号伝送時の信頼性を飛躍的に向上させることができるロータリートランスを提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目的を達成するために鋭意研究した結果、いわゆる縦型のロータリートランスにおいても、いわゆる平型のロータリートランスにおいても、引き出し溝が対応する磁性コアに沿って長く形成された溝であり、引き出し溝の長手方向が重なり合うことによるチャンネルの信号が混ざり合う度合いは、引き出し溝が重なり合っていないときに対して、約6〜18dB(3〜8倍相当)にもなることを実験により見い出した。
【0019】そして、このチャンネルの信号が混ざり合う度合いは、引き出し溝に重なり合うように配設されるコイルの長さが長い程大きくなることも実験により見い出した。
【0020】そこで、本発明にかかるロータリートランスは、同軸上の内外に近接して対向配置される円筒状の一対の磁性コアの各対向面に、チャンネル数に応じて設けられた巻線溝にコイルが配設されると共に、該コイルの端末を導出させる引き出し溝が設けられたロータリートランスにおいて、一方の磁性コアの引き出し溝と他方の磁性コアの引き出し溝の形成方向が異なることを特徴とする。
【0021】また、一方の磁性コアの引き出し溝が軸の軸芯方向に沿って形成され、他方の磁性コアの引き出し溝が軸の軸芯方向に対して斜めに形成されていることを特徴とする。
【0022】また、同軸上の上下に近接して対向配置される円盤状の一対の磁性コアの対向面に、チャンネル数に応じて設けられた巻線溝にコイルが配設されると共に、コイルの端末を導出させる引き出し溝が設けられたロータリートランスにおいて、一方の磁性コアの引き出し溝と他方の磁性コアの引き出し溝の形成方向が異なることを特徴とする。
【0023】また、一方の磁性コアの引き出し溝が軸の軸芯方向を通って内周側より外周側に亘って形成され、他方の磁性コアの引き出し溝が軸の軸芯方向を通らずに内周側より外周側に亘って形成されていることを特徴とする。
【0024】
【作用】本発明にかかるロータリートランスにおいては、一方の磁性コアの引き出し溝と他方の磁性コアの引き出し溝の形成方向が異なるために、ロータリートランスの回転動作によって、一方の引き出し溝と他方の引き出し溝が長手方向において重なり合うことがない。
【0025】したがって、引き出し溝間に配設されたコイル間の電磁結合によって、誤った信号の授受が行われるようなことがない。
【0026】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例について説明する。
【0027】実施例1この実施例のロータリートランスは、一対の磁性コアを同軸上の内外に近接して対向配置した、いわゆる縦型のロータリートランスとされている。
【0028】一対の磁性コアは、いずれもフェライト等の磁性粉末をバインダーに混練しプレスにより固め、これを焼成後研摩することにより形成されている。そして、一対の磁性コアは、軸を中心として直径の異なる円筒体としてそれぞれ形成されている。
【0029】一対の磁性コア1,11は、図1に示すように、同軸上の内側に配される磁性コア1と外側に配される磁性コア11とからなり、これらの対向面にはコイル2を配設する巻線溝3、ショートリング7を配設するショートリング溝4、コイル2の端末を導出させる引き出し溝5a,5bが設けられている。
【0030】巻線溝3は、例えば、予め円環状とされたコイル2或いは単に線材よりなるコイル2を配設させるためのもので、断面略コ字状の溝として円環状に等間隔をもって形成されている。この巻線溝3は、要求されるチャンネル数に応じたコイル2が所定の等間隔を置いて設けられている。本実施例は、10チャンネルのものである。なお、図面上にすべてのチャンネルを表すことが困難であることから、図面上では、4チャンネルのもので説明している。
【0031】そして、これら巻線溝3には、断面略円環状をなすコイル2が所定数巻き回されている。かかるコイル2は、巻線溝3に対して接着剤等によって固定され、該巻線溝3から脱落しないようになされている。
【0032】一方、ショートリング溝4は、巻線溝3にそれぞれ配設されるコイル2間の相互干渉, ノイズの発生, インダクタンス変化等を防止する絶縁性の線材等よりなるショートリング7を配設するためのもので、巻線溝3間にそれぞれ設けられている。このショートリング溝4も、先の巻線溝3と同様、断面略コ字状の溝として円環状に形成されている。
【0033】そして、一対の磁性コア1,11に引き出し溝5a,5bが設けられている。この引き出し溝5a,5bは、各巻線溝3に配設されたコイル2の端末をドラム側へ導出させるためのものである。
【0034】本実施例にかかる引き出し溝5a,5bは、特に、内側の磁性コア1の引き出し溝5aのみが軸Oの軸芯方向に対して斜めに設けられ、他方の外側の磁性コア11の引き出し溝5bは、軸Oの軸芯方向に沿って形成されている。
【0035】このように、本発明は、対応する引き出し溝5a,5bが内側の磁性コア1の引き出し溝5aと他方の磁性コア11の引き出し溝5bの位置がずれて形成されているところに特徴がある。
【0036】ただし、すべての引き出し溝5a,5bが互いに完全にずらされて、すなわち、交叉されることなく形成することは困難である。
【0037】そこで、例えば、図2(a)に示すように、一方の磁性コア11の引き出し溝5bが軸Oの軸芯方向に沿って形成され、他方の磁性コア1の引き出し溝5aが軸Oの軸芯方向に対して斜めに形成されていると良い。すなわち、一方側を垂直方向に設けるのではなく、垂直方向から「ある程度の角度」を持たせて設けることとする。この際の「ある程度の角度」とは、引き出し溝5a,5bの幅を符号S1とすると、上方の端部と下方の端部において引き出し溝5a,5bの幅S1の分がずれるような角度を最小限度の角度として、それ以上(図2中符号「S1+α」で示す。)角度S2のことをいう(S1≦S2)。
【0038】他方、この角度の上限としては、できるだけ大きいことが理想的であるが、後述する金型8による製造等における製造コストを考慮することによって、自ずとその限界が定まる。すなわち、製造コストが許す限り、できるだけ大きな角度を持たせるのが良い。
【0039】このような位置をずらした構成例としては、図2(b)に示すように、上記例の他とは、逆に、内側の磁性コア1の引き出し溝5aは軸Oの軸芯方向に沿って設けられているが、他方の外側の磁性コア11の引き出し溝5bは、軸Oの軸芯方向に対して斜めに形成されているものでも良い。さらに、図2(c)に示すように、内側の磁性コア1の引き出し溝5aも、他方の外側の磁性コア11の引き出し溝5bも軸Oの軸芯方向に対して斜めに形成され、中央で交叉されて形成されているものであっても良い。なお、図2(c)中の符号Sも、S1と同じ間隔である(S=S1)。
【0040】本実施例は、上記構成よりなるものであるから、ロータリートランスの回転動作によって、一方の磁性コア1の引き出し溝5aと他方の磁性コア11の引き出し溝5bの長手方向が完全に一致することがなくなる。したがって、各引き出し溝5a,5bの長手方向の重なりが最小限度に抑制されるため、チャンネル間の信号が混ざり合う事態を防止することができる。
【0041】ところで、ロータリートランスにおいて、各引き出し溝5a,5bの長手方向が重な合う長さと信号の混ざり合う比率を図8に示す。この図8は、いわゆる縦型のロータリートランスにおいて、10チャンネルのもので実験した結果である。
【0042】この図8から明らかなように、引き出し溝の長手方向が重なり合うことによるチャンネルの信号が混ざり合う度合いは、引き出し溝5a,5bが重なっていないときに対して、約6〜18dB(3〜8倍相当)にもなる。また、この悪影響の度合いは、引き出している引き出し溝5a,5bに配設されるコイル2の長さが長い程大きくなっていることがわかる。
【0043】これに対し、本実施例においては、引き出し溝5a,5bの長手方向に重なり合う瞬間がなくなる。これを詳細に見ると、重なり合う瞬間が生じるとしても、各引き出し溝5a,5bの略々幅(図2中符号Sで示す。)の分だけ交叉する。したがって、チャンネル間の信号が混ざり合う事態が可能な限り抑制されることとなる。すなわち、引き出し溝5a,5bが長手方向に重なり合う瞬間がなくなるということは、長い距離に亘って信号線が重なり合うという、最悪の瞬間がなくなることを意味する。
【0044】この結果、チャンネル間の信号が混ざり合うようなことがなくなるために、上記図8に相当する実験を行ったとすれば、可能な限り「0dB」に近づくことが期待できる。よって、ロータリートランスの信号伝送時の信頼性が飛躍的に向上することとなる。
【0045】ここで、上記実施例では、同じ引き出し溝5a,5bに1チャンネル分のリード線が配設されるもので説明した。
【0046】しかし、本発明は、2チャンネル分以上のリード線が配設されるものであっても良い。これを、上記実施例のロータリートランスを回転磁気ヘッド装置に適用した例で説明すると、図3に示すように、回転ドラム6に配される磁気ヘッド装置の配設位置によっては、同じ引き出し溝5a,5bに1チャンネル分のリード線が配設されるようにすることが可能である。
【0047】すなわち、磁気ヘッド装置のチャンネルAと磁気ヘッドのチャンネルCとは、180°対向した位置にある。この例では、磁気テープTがちょうど回転ドラム6に180°巻かれるとすると、同時に磁気テープTに接触することはないために(θ1,θ2=180°)、同時に信号の授受は行われない。したがって、時間軸方向に信号がずれているために、クロストークの影響を受けるようなことがなく、2チャンネル分以上のリード線を同じ引き出し溝5a,5bに配設することができる。
【0048】一方、図3において、180°未満の位置に配される磁気ヘッド装置のチャンネルAと磁気ヘッド装置のチャンネルDとは、同時に磁気テープTに接触する時間帯がある。したがって、2チャンネル分以上のリード線が配設することはできない。このような場合には(その他、磁気ヘッド装置のチャンネルAと磁気ヘッド装置のチャンネルBの配設のような場合も含む。)、クロストークを考慮すると、本実施例のように角度を持たせて引き出し溝5a,5bを配設することが良い。
【0049】次に、上記引き出し溝5a,5bが形成された磁性コア1,11の製造方法においても、引き出し溝5a,5bを長手方向に完全に一致するように形成する必要がなくなる。
【0050】ロータリートランスを作製するためには、一般に、フェライト等の磁性粉末を金型を用いてプレス加工し、円筒状の磁性コア1,11となし、次いでこれを高温で焼成後、巻線溝3等を研削することにより形成される。
【0051】したがって、図4に示すように、本実施例の引き出し溝5a,5bが設けられた磁性コア1,11も、上記金型8により定められた形状に容易に作製することができる。すなわち、金型8にある程度の角度を持たせて凹凸を設けるだけで、本実施例にかかる磁性コア1,11が形成されることとなる。また、コイル2の端末の引き出しも、引き出し溝5a,5bがある程度の角度を持たせて形成されているだけであるから、導出させる工程も基本的変更はない。
【0052】そして、本実施例においては、引き出し溝5a,5bがある程度の角度をもって形成されているために、図4中矢印で示す方向に、金型8を回転させながら引く抜くようにすると、容易に引く抜くことができる。
【0053】なお、焼成時の熱伝導の差等によってコアが歪んだり、変形したりすることがある。また、これら巻線溝3や引き出し溝5a,5b等は、焼成による変形量が大きく、その研削代も相当量必要である場合もある。したがって、このような場合には、焼成後、巻線溝3や引き出し溝5a,5bを研削するようにしても良いことは勿論である。
【0054】次いで、上述のように作製された磁性コア1,11は、内側に設けられる磁性コア1が例えば回転側の上ドラムに位置規制して取付けられ、外側に設けられる磁性コア11が固定側の下ドラムに位置規制されて取付けられる。
【0055】この結果、これら一対の外側・内側磁性コア1,11が回転側及び固定側にそれぞれ微小間隙をもって対向配置され、固定側に取付けられる外側磁性コア1と回転側に取付けられる内側磁性コア11の各コイル2間の電磁結合によって、ビデオ信号やディジタルオーディオ信号等を伝送する。
【0056】実施例2この実施例のロータリートランスは、平板状をなす一対の磁性コアを同軸上の上下に近接して対向配置した、いわゆる平型のロータリートランスとされている。
【0057】上記磁性コア21,31は、図5乃至図7に示すように、例えばフェライト等の磁性コア材料によって略々円盤状に形成され、各対向面に要求されるチャンネル数に応じたコイルの数と同数の円環状の巻線溝23を有している。これらの巻線溝23は断面コ字状の溝として同心円状に形成されている。そして、銅線等を略円環状に形成してなるコイルを嵌合配設させるようになっている。
【0058】なお、小径コアで大きなインダクタンスをとるために、各巻線溝23内に配されるコイルを積層させるようにしたものでも良い。また、具体的に図示しないが、各巻線溝23の間には、ショートリングを配設するショートリング溝が設けられている。
【0059】そして、本実施例は、いわゆる平型のロータリートランスであることから、巻線溝23に配設されたコイルの端末をドラム側へ導出させるための引き出し溝25a,25bは、一対の磁性コア21,31の対向面において、軸Oの軸芯方向を中心にして放射状に設けられている。
【0060】しかし、本実施例の引き出し溝25a,25bは、一方の磁性コア21の引き出し溝25aと他方の磁性コア31の引き出し溝25bの位置がずらして形成されている。これは、引き出し溝25a,25b間においても信号のやりとりが行われてしまうことがないようにするためである。
【0061】ただし、この平型のロータリートランスにおいても、すべての各引き出し溝25a,25bが互いに完全にずらして形成することは困難であることから、図5及び図6に示すように、一方の磁性コア21の引き出し溝25aが軸の軸芯方向を通って内周側より外周側に亘って形成され、他方の磁性コア31の引き出し溝25bの軸の軸芯方向を通らずに内周側より外周側に亘って形成されていると良い。
【0062】すなわち、実施例1と同じように「ある程度の角度」を持たせて設けることとする。
【0063】しかし、平型のロータリートランスにおいては、縦型の場合とは異なり、製造コストに変わりはないために、どのような角度でも効果を得ることができる。なお、図5、図6中の角度θは、約30度となるように形成されている。
【0064】本実施例は、上記構成よりなるものであるから、ロータリートランスの回転動作によって引き出し溝25a,25bが長手方向で一致することが完全になくなる。したがって、チャンネル間の信号が混ざり合うようなことがなく、信号伝送時の信頼性が向上する。
【0065】他方、いわゆる平型のロータリートランスの製造方法においても、引き出し溝25a,25bが長手方向に一致するように形成する必要がなくなる。
【0066】この平型のロータリートランスの作製において、従来のように、同じ磁性コア21,31を上下に分けて使用されると、引き出し溝25a,25bが長手方向に一致するようになる。したがって、本実施例にかかるロータリートランスを作製するためには、巻線溝23を形成した後は、引き出し溝25a,25bを、その形成方向が異ならしめるか、金型(図示は省略する。)を一方の磁性コア21と他方の磁性コア31とで異ならせる必要がある。なお、その他の製造方法等は、実施例1の場合と同様である。
【0067】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発明にかかるロータリートランスにおいては、一方の磁性コアの引き出し溝と他方の磁性コアの引き出し溝の形成方向が異なっているので、一対の磁性コアの回転動作によって、一方の引き出し溝と他方の引き出し溝が重なり合うことがない。したがって、チャンネル間の信号が混ざり合うようなことがなくなり、ロータリートランスの信号伝送時の信頼性が向上する。




 

 


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