米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> ソニー株式会社

発明の名称 カラー表示装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−7530
公開日 平成9年(1997)1月10日
出願番号 特願平7−158063
出願日 平成7年(1995)6月23日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 隆久
発明者 楠木 常夫 / 大野 勝利
要約 目的
色度を変化させることなく、輝度およびコントラストの向上を図り、カソードなどのエネルギービーム照射手段の電流バランスを良好なものとし、耐久性の向上を図り、さらに製造が容易で低コストなカラー表示装置を提供すること。

構成
透明パネル12と、透明パネル12の内面側に設けられ、エネルギービームが照射されることにより、それぞれ赤色、緑色および青色の光を発する赤色蛍光体15R、緑色蛍光体15Gおよび青色蛍光体15Bとを有するカラー表示装置である。青色蛍光体15こと透明パネル12との間にのみ、青色フィルター4Bが装着してあるCRTまたは平面表示装置。
特許請求の範囲
【請求項1】 透明パネルと、前記透明パネルの内面側に設けられ、エネルギービームが照射されることにより、それぞれ赤色、緑色および青色の光を発する赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体とを有するカラー表示装置であって、前記青色蛍光体と前記透明パネルとの間にのみ、青色フィルターが装着してあるカラー表示装置。
【請求項2】 パネルガラスと、前記パネルガラスに接続されるファンネルガラスと、前記ファンネルガラスのネック部内に装着される電子銃と、前記パネルガラスの内面側に設けられ、電子銃からの電子ビームが照射されることにより、それぞれ赤色、緑色および青色の光を発する赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体とを有するカラー陰極線管であって、前記青色蛍光体と前記パネルガラスとの間にのみ、青色フィルターが装着してあるカラー陰極線管。
【請求項3】 透明パネルと、前記透明パネルの内面側に設けられ、エネルギービームが照射されることにより、それぞれ赤色、緑色および青色の光を発する赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体とを有するカラー平面表示装置であって、前記青色蛍光体と前記透明パネルとの間にのみ、青色フィルターが装着してあるカラー平面表示装置。
【請求項4】 前記エネルギービームが、基板の上に行列状に配置された複数の電界放出型マイクロカソードから走査して発射される電子ビームである請求項3に記載のカラー平面表示装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえばカラー陰極線管(CRT)およびカラー平面表示装置などのカラー表示装置の改良に係り、さらに詳しくは、輝度およびコントラストの向上を図ることができるカラー表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高コントラストのカラーCRTとしては、たとえば内面に蛍光体層を有するパネルガラスを、光透過率が40〜45%程度のダークガラスで構成したカラーCRT、あるいは蛍光体粒子の表面にその蛍光体の発光色と同色の顔料を付着させたいわゆる顔料付蛍光体を用いてパネル内面に蛍光面を形成したカラーCRT、あるいは赤(R)、緑(G)、青(B)蛍光体とパネルガラスとの間にそれぞれの発光色にあったカラーフィルターを設けたカラーCRTなどが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ダークガラスでパネルガラスを構成したカラーCRTにおいては、ダークガラスによって外光を吸収するため、コントラストを向上させることはできるが、同時に、蛍光面からの発光もダークガラスのパネルガラスによって吸収されるので輝度が低下する。
【0004】また、顔料付蛍光体を用いて蛍光面を構成したカラーCRTでは、顔料により外光を吸収するためコントラストの向上が図られる。ところが、この場合、蛍光体粒子が幾層(たとえば3〜4層)積み重なって蛍光面が形成されるので、蛍光体粒子からの発光の一部が顔料に吸収されることになり、輝度が10〜15%程度低下する。
【0005】さらに、RGBの各層にカラーフィルターを設けたカラーCRTでは、輝度、コントラストおよび色再現範囲ともに大幅な改善が図られることが期待されている。しかしながら、産業用映像管の分野においては、モニタに映し出される色とプリンタから出力される色とを一致させるなどの、カラーマネジメントの観点から、色再現範囲には制限が加えられ、特定のデバイスのみ突出することは難しい。たとえば、モニタ、プリンタおよびスキャナなどの整合性を図る必要がある。特に、赤色フィルターは色度を深くする効果が著しいため、前述の点から好ましくない。
【0006】これとは別に、通常白色を出す場合のR、G、B用カソードにそれぞれかかる負荷はアンバランスであり、赤色(R)用カソードにかかる負荷がいちばん大きい。RGBフィルターのそれぞれの透過率が同程度であれば問題ないが、赤色の透過率が他色に比べ低いときは、赤色にカラーフィルターを入れることは、さらに赤色カソードに負担をかけることになり、カソードのライフを縮めることになる。
【0007】さらにまた、RGBの各層にカラーフィルターを設けることは、製造工程を煩雑とし、製造コストを増大させる。本発明は、このような実状に鑑みてなされ、色度を変化させることなく、輝度およびコントラストの向上を図り、カソードなどのエネルギービーム照射手段の電流バランスを良好なものとし、耐久性の向上を図り、さらに製造が容易で低コストなカラー表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係るカラー表示装置は、透明パネルと、前記透明パネルの内面側に設けられ、エネルギービームが照射されることにより、それぞれ赤色、緑色および青色の光を発する赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体とを有するカラー表示装置であって、前記青色蛍光体と前記透明パネルとの間にのみ、青色フィルターが装着してあることを特徴とする。
【0009】青色フィルターは、たとえばCoO・Al23 を主成分とする青色顔料などで構成される。本発明に係るカラー陰極線管は、パネルガラスと、前記パネルガラスに接続されるファンネルガラスと、前記ファンネルガラスのネック部内に装着される電子銃と、前記パネルガラスの内面側に設けられ、電子銃からの電子ビームが照射されることにより、それぞれ赤色、緑色および青色の光を発する赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体とを有するカラー陰極線管であって、前記青色蛍光体と前記パネルガラスとの間にのみ、青色フィルターが装着してあることを特徴とする。
【0010】本発明に係るカラー平面表示装置は、透明パネルと、前記透明パネルの内面側に設けられ、エネルギービームが照射されることにより、それぞれ赤色、緑色および青色の光を発する赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体とを有するカラー平面表示装置であって、前記青色蛍光体と前記透明パネルとの間にのみ、青色フィルターが装着してあることを特徴とする。前記エネルギービームは、たとえば基板の上に行列状に配置された複数の電界放出型マイクロカソードから走査して発射される電子ビームである。または、前記エネルギービームは、偏平な陰極線管内に内蔵された電子銃から放出される電子ビームであっても良い。
【0011】
【作用】本発明に係るカラー表示装置では、青色蛍光体と前記透明パネルとの間にのみ、青色フィルターが装着してある。このため、何等フィルターが装着されていない従来使用のカラー表示装置に比較して、コントラストが向上する。しかも、全ての蛍光体にカラーフィルターを用いたものに比較して、輝度が向上する。さらに、全ての蛍光体にカラーフィルターを用いたものでは、カラーフィルターを用いないものに比較して、大幅に色度に変化が生じてしまい、カラーマネジメントの観点から好ましくないが、本発明では、青色蛍光体と前記透明パネルとの間にのみ、青色フィルターが装着してあるので、色度の変化も少ない。このため、デバイス間のカラーマネジメントが容易である。
【0012】さらに、本発明では、青色蛍光体と前記透明パネルとの間にのみ、青色フィルターが装着してあり、赤色蛍光体の部分には、フィルターが装着していないことから、赤色用カソードなどのエネルギービーム照射手段に加わる負荷が少なく、R,G,B用カソードなどの各エネルギービーム照射手段に加わる負荷のバランスが良くなり、結果的に耐久性が向上する。
【0013】さらにまた、本発明では、青色蛍光体と前記透明パネルとの間にのみ、青色フィルターを装着する構成なので、全ての蛍光体に各色のフィルターを装着する場合に比較し、その製造工程が容易となり、製造コストの低減が図れる。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係るカラー表示装置を、図面に示す実施例に基づき、詳細に説明する。
実施例1本実施例は、カラー表示装置としてのカラーCRTに本発明を適用した実施例である。
【0015】図1に示すように、本実施例のカラーCRT10は、内面に蛍光面が形成されたパネルガラス12と、このパネルガラスに接合され、ネック部内に電子銃16が収容されるファンネルガラス14とを有する。電子銃16から発射された電子ビームは、偏向ヨークにより偏向されて、パネルガラス12の内面側に装着された色選別電極としてのアパーチャグリル20を通して、蛍光面に当り発光させる。
【0016】図2に示すように、パネルガラス12は、光透過率が高い(たとえば透過率90%以上)ガラスで構成され、その内面に蛍光面が形成してある。光透過率が高いパネルガラスとしては、高透過率のガラスパネルの表面に、高透過率のセーフティパネルを貼着したパネルガラスが用いられる。高透過率のパネルガラスとしては、具体的には、日本電気板硝子社製ティントパネル(EIAJコードJP520AG11)にクリヤーのセーフティパネル(EIAJコードJS520AA01)を組み合わせたものを用いることができる。
【0017】図2に示すように、本実施例では、パネルガラス12の内面に、黒色ストライプ(カーボンストライプ)2が所定間隔で形成してあり、これらのストライプ2間に、赤色(R)蛍光体15Rと、緑色(G)蛍光体15Gと、青色蛍光体15Bとが、この順で交互に配置してある。これら蛍光体15R,15G,15Bは、アルミニウム膜22で覆われている。
【0018】本実施例では、青色蛍光体15Bとパネルガラス12との間にのみ、青色フィルター4Bが装着してある。その他の蛍光体15R,15Gとパネルガラス12との間には、カラーフィルターが装着されていない。本実施例の青色フィルター4Bは、CoO・Al23 で構成され、図3に示すように、蛍光体で発光される青色光の波長において、光の透過率が高い。
【0019】次に、本実施例において、パネルガラスの内面に蛍光面を作成する方法の一例を示す。まず、非発光性光吸収性物質としてのカーボンブラックなどで構成される図2に示す黒色ストライプ2の形成が行なわれる。黒色ストライプ2の形成は、まず、パネルガラスを洗浄し、パネルガラス12の内面に、感光剤およびポリビニルアルコール(PVA)などの水溶性高分子からなるフォトレジストを塗布、乾燥してレジスト被膜を形成する。次に、マスクを用いてレジスト被膜の所定部分を露光により硬化させる。
【0020】次に、現像によりレジスト被膜の非露光部分を除去し、乾燥してレジスト被膜のストライプを形成し、次いでパネルガラス全面にカーボンブラック懸濁液を塗布、乾燥後、反転液を塗布し、現像、乾燥してカーボンブラックから成る黒色ストライプ2を形成する(図4(A)参照)。
【0021】次いで、青色蛍光体15Bが装着される黒色ストライプ2,2間の位置に、青色フィルター4Bを形成する。そのために、まず、図4(B)に示すように、たとえばPVA−ADC系の感光膜3を全面に形成する。次に、図4(C)に示すように、アパーチャグリルを光学マスクとして、RおよびGの位置の感光膜3に対して紫外線露光を行い、温水で現像し、Bの位置を除いて、他のRおよびGの位置に、マスキング用のレジスト膜3Aを残す。
【0022】次に、第2の感光液、本例では、PVA−SBQ系感光液に微粒子無機青色顔料を分散して成る懸濁液(スラリー)を全面塗布し、図5(D)に示すように、青色フィルター用の塗膜4を形成する。微粒子無機青色顔料としては、たとえばCoO・Al23 を主成分とする青色顔料(商品名:ダイピロキサイドTMブルー#3410)を用いることができる。
【0023】次に、図5(E)に示すように、パネルガラス12の内面より、アパーチャグリル20を光学マスクとして、青色(B)の位置の塗膜4に対して紫外線露光を行う(内面露光6)。さらに、図5(F)に示すように、黒色ストライプ2をマスクに、青色の位置能登膜4に対してパネルガラス12の外面から紫外線露光する(外面露光7)。この外面露光7を行うことにより、塗膜4とパネルガラス12との接着性が向上する。
【0024】次いで、未露光部分を温水でリンスする。次に、過酸化水素水(H22 10重量%)で、未露光PVA−ADC系のレジスト膜3Aを分解し、次いで温水による反転現象を行って、図6(G)に示すように、青色フィルターストライプ4Bを形成する。次いで、図6(G)に示すように、タンニン酸0.1重量%溶液で、青色フィルターストライプ4Bに対して硬膜処理8を施し、その後、アンモニア水溶液(アンモニア1.0重量%)で硬膜処理後の中和処理を施し、その後温水でリンスする。
【0025】その後は、通常のスラリー法によって、図2に示す蛍光体15R,15G,15Bとアルミニウム膜22とを形成する。具体的には、まず、緑色蛍光体、感光剤および水溶性高分子からなる緑色蛍光体スラリーをパネルガラス全面に塗布、乾燥して緑色蛍光体レジスト被膜を形成する。次に、マスクを用いて前記レジスト被膜の所定部分を露光により硬化させ、現像により前記緑色蛍光体レジスト被膜の非露光部分を除去し、乾燥して緑色蛍光体ストライプを形成する。
【0026】緑色蛍光体としては、例えば母体結晶が硫化亜鉛であり、銅、アルミニウムなどが付加剤として含有されるものが用いられる。その後、青色蛍光体を含有する青色蛍光体ストライプ、赤色蛍光体ストライプを、緑色蛍光体ストライプの形成と同様にして、緑色蛍光体ストライプの形成されたホール部分に隣接する別のホール部分にそれぞれ形成していく。
【0027】赤色蛍光体としては、例えばイットリウム・オキシ・サルファイドを母体結晶とし、ユーロピウムを付加剤として含有するものが用いられる。また、青色蛍光体としては、例えば母体結晶が硫化亜鉛であり、銀などが付加剤として含有されるものが用いられる。
【0028】このようにして、赤緑青三色の蛍光体ストライプが形成された後で、その上に、中間膜を形成する。中間膜は、有機物膜で構成され、蛍光面を平坦化し、後工程で金属薄膜層としてのアルミニウム薄膜層を被着し易くする。後工程のプリベーキングおよびフリットシール時のベーキング処理後には、中間膜は、PVAなどと共に、アルミニウム膜を通して飛ばされる。
【0029】その後、金属薄膜層としてのアルミニウム薄膜層を中間膜の上に被着する。アルミニウム薄膜層を形成することで、表示画面の輝度を向上させ、イオン化を防止することができる。その後、プリベイキングを行い、アパーチャグリルをパネルガラスの内面に装着した後、パネルガラスのシールエッジ面とファンネルガラスのシールエッジ面とをフリットシール接合する。プリベーキングは、アパーチャグリルを装着した後でも良い。このプリベーキングおよびフリットシール時のベーキング処理(熱処理)により、中間膜の成分および蛍光体ストライプに含まれる有機成分を、アルミニウム膜を通して、蛍光面から除去し、蛍光面の被膜を固定化する。
【0030】次に、このようにして製造されたカラー陰極線管の輝度およびコントラストが向上し、色度が従来のものと変化しなかったことを示す実験結果を示す。下記の表1に示すように、実施例1として、前記の方法により得られたカラーCRTを準備した。また、比較のために、蛍光体とパネルガラスとの間にはカラーフィルターを設けることなく、高コントラストを得るために、透明パネルガラスの表面に、光透過率が40〜45%程度のグレイガラスを貼着した以外は実施例1と同様な比較例1に係るカラーCRTを準備した。
【0031】
【表1】

【0032】前記実施例1および比較例1に係るCRTの輝度、コントラストおよび色度を測定した結果を下記の表2に示す。
【0033】
【表2】

【0034】なお、輝度は、ミノルタ(株)製カラーアナライザCA−100により測定した。測定条件は、CRTをセット(GDM19インチ)に組み込んだ状態で、9300Kの白色を出して測定した。また、コントラストは、CRT表面の外光反射輝度をR(CRT管面照度350lux時)とし、CRTの輝度をBとした時、B/Rとして定義した。色度は、ミノルタ(株)製カラーアナライザーCA−100により測定した。測定条件は、加速電圧27kV、カソード電流300μAであった。
【0035】前記表2に示すように、比較例1に比較し、本実施例では、輝度が約20%、コントラストが約3%程度向上し、色度は従来仕様のものとほとんど変わらないことを確認した。
実施例2本実施例は、カラー表示装置としての電界放出型マイクロカソードを利用したカラー平面表示装置に本発明を適用した実施例である。
【0036】図7に示すように、本実施例のカラー平面表示装置60は、半導体基板30の上に行列状に配置された複数の電界放出型マイクロカソード50から走査して発射される電子ビームが、ガラス基板などの透明パネル32の内面に形成された蛍光面に照射して発光させることにより、画像表示を行う表示装置である。半導体基板30と透明基板32との間は、高真空に保持される。透明パネル32の内面に形成してある蛍光面は、図2に示す実施例と同様な蛍光面であり、青色蛍光体15Bと透明パネル32との間にのみ青色フィルター4Bが装着してある。
【0037】半導体基板30の上にマイクロカソード50を製造するための方法の一例を次に説明する。本実施例では、まず、半導体基板30の上に、絶縁層31およびゲート電極35を順次成膜する。半導体基板30としては、たとえば単結晶シリコン基板が用いられる。
【0038】本実施例では、絶縁層31は、主絶縁層32と水素含有層33とで構成される。主絶縁層32は、たとえばCVD法により成膜される酸化シリコンで構成され、水素含有層33は、主絶縁層32を成膜するためのCVDに引き続いて行われるプラズマCVDにより成膜される水素含有酸化シリコンで構成される。酸化シリコン膜で構成される主絶縁層32は、たとえば以下の条件でCVDにより成膜される。CVD原料ガスとして、SiH4 とO2 とを用い、SiH4 /O2 の流量比が、300/300SCCM、雰囲気圧力が300Pa、基板温度が400°C、成膜時間が4分の条件である。主絶縁層32の層厚は、たとえば0.8μm である。
【0039】引き続いてプラズマCVDにより成膜される水素含有酸化シリコン膜で構成される水素含有層33は、たとえば以下の条件のプラズマCVDで成膜される。プラズマCVD原料ガスとして、SiH4 とO2 とを用い、SiH4 /O2 の流量比が、400/300SCCM、雰囲気圧力が300Pa、基板温度が350°C、成膜時間が1分の条件である。この水素含有層33の層厚は、たとえば0.2μm である。
【0040】ゲート電極35は、特に限定されないが、本実施例では、n+ の導電型のポリシリコン膜34とタングステンシリサイド(WSix )膜36との積層膜であるポリサイド膜が用いられる。このゲート電極35は、たとえばマイクロカソードのグリッドとして機能する。なお、半導体基板30の表面に形成されるエミッタ電極の形成工程は省略してある。
【0041】ポリシリコン膜34の膜厚は、たとえば50nmである。タングステンシリサイド膜36の膜厚は、たとえば150〜300nmである。ポリシリコン膜34およびタングステンシリサイド膜36は、たとえばCVDにより成膜される。ポリシリコン膜34は、たとえば以下の条件で成膜される。CVD原料ガスとして、SiH4 とPH3 とを用い、SiH4 /PH3 の流量比が、500/0.3SCCM、雰囲気圧力が100Pa、基板温度が500°Cの条件である。タングステンシリサイド膜36は、たとえば以下の条件で成膜される。CVD原料ガスとして、WF6 とSiH4 とHeとを用い、WF6 /SiH4 /Heの流量比が、3/300/500SCCM、雰囲気圧力が70Pa、基板温度が360°Cの条件である。
【0042】次に、このタングステンシリサイド膜36の上にレジスト膜を成膜し、このレジスト膜に、フォトリソグラフィー法により、カソード孔に対応する所定のパターンで、開口部を形成する。この開口部の内径は、カソード孔の内径に相当し、たとえば0.8μm 程度である。レジスト膜としては、特に限定されないが、たとえばノボラック系のg線用レジストを用いることができる。
【0043】次に、このレジスト膜が形成された半導体基板30を、たとえば一般のプラズマエッチング装置内に設置し、レジスト膜38をマスクとして、エッチング加工を行う。プラズマエッチング装置としては、特に限定されないが、たとえばマイクロ波電子サイクロトロン共鳴プラズマ(ECR)エッチング装置、誘導コイル型プラズマ(ICP)エッチング装置、ヘリコン波利用プラズマエッチング装置、トランス結合プラズマ(TCP)エッチング装置などを例示することができる。
【0044】まず、たとえばECRエッチング装置を用い、下記の条件で、タングステンシリサイド膜36およびポリシリコン膜34を連続エッチングする。エッチングガスとしては、Cl2 とO2 との混合ガスを用い、Cl2 /O2 の流量比を75/5SCCMとする。雰囲気圧力は、1.0Paである。また、マイクロ波パワーは、900Wであり、高周波(RF)パワーは50W(2MHz)であり、基板温度は、20°Cである。
【0045】続いて、絶縁層31をエッチング加工する。エッチングに際しては、たとえばECR型プラズマエッチング装置を用いる。そのエッチング条件を、次に示す。
【0046】
【表3】
ガス :CHF3 /CH22 =45/ 5SCCM圧力 :0.27Paμ波出力 :1200WRFバイアス:225W(800kHz)
基板温度 :20°C従来では、このような多層膜の連続エッチングにおいて、高エネルギー条件の過剰なるオーバーエッチングにより、レジスト膜38が後退し、その開口部40の側壁も削られ、その下層に位置するタングステンシリサイド膜36も一部エッチングされて、テーパ形状が形成される。これは、ゲート電極35および絶縁層32を同一のレジスト膜でエッチング加工するために、レジスト膜がプラズマエッチングに曝される時間が、従来のコンタクトホール形成用エッチング技術に比較して長くなったためと考えられる。しかしながら、本実施例では、絶縁層31中に水素含有層33を有するため、水素リッチな(数十wt%)水素含有層33がエッチングされている際生じたHが、ホール44近傍のC/F比を増大させ堆積性雰囲気を形成する事により、通常のSiO2 エッチング時に見られる様なフロロカーボン系堆積物が側壁保護膜となってフォトレジストの後退を防止する。したがって、ゲート電極35の開口部側壁までもオーバエッチングされることはない。その結果、タングステンシリサイド膜36の肩落ちなども防止することができ、良好な異方性形状のカソード孔44を形成することができる。
【0047】次に、レジスト膜をレジストアッシングにより除去する。レジストアッシングは、500SCCMのO2 を用い、雰囲気圧力3.0Pa、基板温度200°C、高周波(RF)パワー300Wの条件で行う。このレジスト膜の除去時と同時またはその後の工程で、側壁保護膜も除去する。
【0048】次に、電子ビーム蒸着法などを用いて、タングステンシリサイド膜36の上に、剥離層を形成する。剥離層は、たとえばアルミニウム金属層などで構成される。その剥離層の層厚は、特に限定されないが、たとえば50nm程度である。電子ビーム蒸着時の基板角度は、約20度程度(斜め入射蒸着)が好ましい。雰囲気圧力は、たとえば1.0Paである。 次に、たとえば電子ビーム蒸着法を用いて、剥離層の上にカソード形成層を堆積させる。カソード形成層としては、好適にはモリブデン(Mo)を用いるが、その他の高融点金属、あるいはその他の金属、化合物などを使用することもできる。電子ビーム蒸着時の基板の角度は、約90度が好ましい。カソード形成層を約1.0μm の層厚で形成することで、カソード孔44の底部に位置する基板30の表面には、鋭角円錐状のカソード50が均一な形状および高さで形成される。各カソード50の形状、特に高さは、カソード形成層の各開口部が閉じるまでの時間などに依存する。本実施例では、タングステンシリサイド膜36の開口部の側壁に、テーパや肩落ちがないことから、カソード形成層48のステップカバレッジも一定となり、その各開口部48aが閉じるまでの時間も一定であり、各カソード50の形状、特に高さを均一にすることができる。
【0049】次に、水:フッ酸が約5:1の割合のフッ酸でウエットエッチング(約30秒)を行い、アルミニウムなどで構成される剥離層をエッチング除去し、その上に位置するカソード形成層をリフトオフ除去する。カソード孔44内には、均一形状および高さのマイクロカソード50が残る。
【0050】その後は、基板30の上に、蛍光面が形成された透明パネルを真空状態で張り合せて、本実施例の平面表示装置が形成される。本実施例でも、前記実施例と同様に、青色フィルターを装着していない従来の平面表示装置に比較し、輝度およびコントラストが向上し、色度は従来仕様のものとほとんど変わらない。
【0051】実施例3本実施例は、前記実施例1において、青色フィルタの作製を以下のようにして作製した以外は、前記実施例1と同様にして、CRTを製造した。すなわち、パネルガラスの内面にカーボンストライプを形成後、PVA−ADC系感光液に微粒子無機青色顔料、例えばCoO・A12 3 を主成分とする青色顔料(商品名:ダイピロオキサイドTMブルー#3410)を分散してなるけん懸濁液(スラリー)を全面塗布し乾燥する。次に色選別マスクを介して青色蛍光体ストライプの塗られる位置に紫外線露光する。次に、未露光部分を温水で現像し、図6(G)に示す青色カラーフィルター4Bを形成する。その後は通常のスラリー法によって、前記実施例1と同様にして、緑、青、赤色蛍光体とアルミニウム膜を形成する。
【0052】本実施例3でも、前記表2に示すように、比較例1に比較し、輝度が約20%、コントラストが約3%程向上し、色度は従来のものとほとんど変わらなかった。なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0053】たとえば、本発明は、前記実施例に係るCRTまたは平面表示装置に限らず、偏平CRTなどのカラー陰極線管、あるいはプラズマディスプレイなどのその他のカラー表示装置にも適用することができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれば、何等フィルターが装着されていない従来使用のカラー表示装置に比較して、コントラストが向上する。しかも、全ての蛍光体にカラーフィルターを用いたものに比較して、輝度が向上する。さらに、全ての蛍光体にカラーフィルターを用いたものでは、カラーフィルターを用いないものに比較して、大幅に色度に変化が生じてしまい、カラーマネジメントの観点から好ましくないが、本発明では、青色蛍光体と前記透明パネルとの間にのみ、青色フィルターが装着してあるので、色度の変化も少ない。このため、デバイス間のカラーマネジメントが容易である。
【0055】さらに、本発明では、青色蛍光体と前記透明パネルとの間にのみ、青色フィルターが装着してあり、赤色蛍光体の部分には、フィルターが装着していないことから、赤色用カソードなどのエネルギービーム照射手段に加わる負荷が少なく、R,G,B用カソードなどの各エネルギービーム照射手段に加わる負荷のバランスが良くなり、結果的に耐久性が向上する。
【0056】さらにまた、本発明では、青色蛍光体と前記透明パネルとの間にのみ、青色フィルターを装着する構成なので、全ての蛍光体に各色のフィルターを装着する場合に比較し、その製造工程が容易となり、製造コストの低減が図れる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013