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発明の名称 陰極線管の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−7517
公開日 平成9年(1997)1月10日
出願番号 特願平7−154802
出願日 平成7年(1995)6月21日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 隆久
発明者 川瀬 さおり / 加藤 博 / 金子 強
要約 目的
覆水工程で生じる水ガラスや酢酸バリウムの溶解を適正に管理することにより良好な面品質を有する蛍光体層を形成し、ユニフォミティを高める。

構成
ガラスバルブ10のパネル部12の内面に沈澱法により蛍光体層2を形成し、蛍光体層2を覆水で湿潤させた状態で、蛍光体層2上にラッカー中間膜4を形成する陰極線管の製造方法であり、覆水で蛍光体層2を湿潤させた後の当該蛍光体層2に残存する電解質が、20℃±1℃の純水200ml中で、6.0±4.0μS/cmの導電率である。
特許請求の範囲
【請求項1】 ガラスバルブのパネル部の内面に沈澱法により蛍光体層を形成し、前記蛍光体層を覆水で湿潤させた状態で、前記蛍光体層上にラッカー中間膜を形成する陰極線管の製造方法において、前記覆水で前記蛍光体層を湿潤させた後に当該蛍光体層に残存する電解質が、20℃±1℃の純水200ml中で、6.0±4.0μS/cmの導電率であることを特徴とする陰極線管の製造方法。
【請求項2】 前記蛍光体層が、30〜180秒前記覆水で湿潤されることを特徴とする請求項1に記載の陰極線管の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰極線管の製造方法に関し、特に沈澱法による蛍光体層の形成工程とラッカー中間膜形成工程との間で行われる覆水注入工程の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の陰極線管は、パネル部、ファンネル部およびネック部からなるガラスバルブを有し、パネル部の内面に形成された蛍光体層に電子銃からの電子が照射されることにより蛍光体が発光するよう構成されている。
【0003】この種の陰極線管として、たとえばプロジェクションテレビ用の陰極線管または白黒用陰極線管は、たとえば次のようにして製造される。まず、蛍光体層を形成するガラスバルブの内面を純水等を用いて洗浄し、次いで酢酸バリウム水溶液などの電解質水溶液を注入した後、接着剤としての水ガラスの水溶液に蛍光体を分散させた懸濁液を注入して所定時間静置し、蛍光体を沈澱させる。蛍光体の沈澱後に、ガラスバルブをゆっくりと傾動させることにより蛍光体層を形成する。
【0004】次いで、連続した良好なアルミニウム蒸着膜を形成するために、まず蛍光体層を純水などで湿潤状態とし、蛍光体層の大部分を水膜で覆った後、アクリル樹脂を主成分とする有機溶剤ラッカーを吹き付け、水膜上にごく薄いラッカー中間膜を形成する。次に、蛍光体層が形成されていないファンネル部以下ネック部までのラッカー中間膜を純水を注入することにより除去する。これは、蛍光体層が被着されていない領域にラッカー中間膜を形成すると、この領域に蒸着されたアルミニウム蒸着膜がその後のベーキング工程で膨れ上がり、陰極線管のファンネル部から剥がれが生じるからである。
【0005】さらに、脱湿エアーなどを用いて蛍光体層を乾燥し、所定の領域にカーボン膜を塗布して乾燥する。最後にアルミニウムの蒸着を行い、アルミニウム蒸着膜を形成した後、蛍光体層を形成する際に使用した有機質材料を400〜440℃で加熱して分解除去する。このような工程を経て蛍光体層が形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従来の陰極線管の製造方法では、蛍光体層を形成した後ラッカー中間膜を形成する前に行われる覆水注入工程において、覆水中に水ガラスや酢酸バリウムが溶解する。しかしながら、覆水中への水ガラスや酢酸バリウムの溶解量が少ないと、蛍光体層に残留した水ガラスや酢酸バリウムの影響が原因で、CRT作製後のエージングにより画面周辺部に輝度劣化が生じる。この不具合はブルー単色のプロジェクション陰極線管に顕著で、RGBプロジェクション陰極線管を投射して白色を投影したときに、周辺部が黄色になるという問題があった。
【0007】逆に、覆水中への水ガラスや酢酸バリウムの溶解量が多いと、蛍光体のガラス面への付着力が充分に得られず、CRT作成中の振動等により蛍光体が落下するという問題があった。クッション液およびサスペンション液注入後、蛍光体は、クッション液中の酢酸バリウムとサスペンション液中の水ガラスの反応により沈澱する。水ガラス量が不足したり、水ガラスに対する酢酸バリウム量が過剰または不足すると、蛍光体の接着力が低下して、排水時に蛍光体が流れてしまう。
【0008】乾燥後の蛍光体は、水ガラスによりパネルガラスと接着している。そのため水ガラスが少ないと、パネルガラスとの接着力低下により蛍光体が剥がれ易くなったりする。逆に多すぎるとCRT作成後のエージングで焼けを起こし、輝度低下の原因となる。
【0009】本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、覆水工程で生じる水ガラスや酢酸バリウムの溶解を適正に管理することにより良好な面品質を有する蛍光体層を形成し、ユニフォミティを高めることができる陰極線管の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の陰極線管の製造方法は、ガラスバルブのパネル部の内面に沈澱法により蛍光体層を形成し、前記蛍光体層を覆水で湿潤させた状態で、前記蛍光体層上にラッカー中間膜を形成する陰極線管の製造方法において、前記覆水で前記蛍光体層を湿潤させた後に当該蛍光体層に残存する電解質が、20℃±1℃の純水200ml中で、6.0±4.0μS/cmの導電率であることを特徴とする。
【0011】前記蛍光体層は、30〜180秒前記覆水で湿潤されることがより好ましい。
【0012】
【作用】本発明の陰極線管の製造方法では、まずガラスバルブのパネル部の内面に沈澱法により蛍光体層を形成し、前記蛍光体層を覆水で湿潤させた状態で前記蛍光体層上にラッカー中間膜を形成する。このパネル部の内面に形成された蛍光体層を純水などの覆水で湿潤させるにあたり、本発明の陰極線管の製造方法では、覆水で蛍光体層を湿潤させた後に当該蛍光体層に残存する電解質が、20℃±1℃の純水200ml中で、6.0±4.0μS/cmの導電率となるようにしている。すなわち、覆水中に溶解する電解質量を適正な範囲に維持している。その結果、電解質の溶解量不足、換言すれば蛍光体層に多量の電解質が残留することによる、CRT作製後の画面周辺部の輝度劣化を防止することができる。また、電解質の溶解量過大、換言すれば蛍光体層に残留する電解質不足による蛍光体の落下を防止することができる。
【0013】特に、蛍光体層に含まれる電解質の覆水中への溶解量は、当該覆水への湿潤時間に相関することから、覆水による湿潤時間に対する蛍光体層の残留電解質の導電率変化を予め測定しておき、画面品質が最も良好となる上記6.0±4.0μS/cmの導電率を満たす湿潤時間(例えば、30〜180秒)により導電率を管理すれば、陰極線管の製造管理がより容易になる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例に係る陰極線管の製造方法を示すフローチャート、図2は本発明の一実施例に係る陰極線管を示す断面図、図3は本発明の一実施例に係るラッカー噴霧工程を示す陰極線管の断面図、図4は覆水による湿潤時間に対する当該覆水の導電率を示すグラフである。
【0015】本実施例で適用される陰極線管は、例えばプロジェクションテレビや白黒テレビなどの単色テレビに用いられる陰極線管であり、図2に示すように、パネル部12、ファンネル部14およびネック部16からなるガラスバルブ10を有し、パネル部12の内面に形成された蛍光体層2に電子銃(図示せず)からの電子が照射されることにより、蛍光体層2に含まれた蛍光体が発光するよう構成されている。
【0016】パネル部12の内面には、上述した蛍光体を含有する蛍光体層2が形成され、この蛍光体層2の表面にラッカー中間膜4が形成されている。ラッカー中間膜4は、例えばアクリル樹脂を主成分とするトルエン、酢酸エチルなどの有機溶剤ラッカーから構成されており、蛍光体層2とアルミニウム蒸着膜6との間に、当該ごく薄いラッカー中間膜4を介在させることにより、連続した良好なアルミニウム蒸着膜6を得ることができる。このラッカー中間膜4は、少なくとも蛍光体層2を覆うようにパネル部12とファンネル部14との接続部分18まで形成されている。
【0017】ファンネル部14の内面の所定領域には、導通用のカーボン膜8が形成されており、さらに、パネル部12およびファンネル部14の内面には、蛍光体の電子ビームによるイオン焼け防止と、発光効率の増加などとを目的として、アルミニウム蒸着膜6が形成されている。
【0018】次に、図1を参照しながら本実施例に係る陰極線管の製造方法を説明する。まず、蛍光体層2を形成するガラスバルブ10の内面をフッ化水素酸水溶液、硝酸水溶液および純水を用いて洗浄する。次いで、ガラスバルブ10のパネル部12を下向きにして、当該ガラスバルブ10内に酢酸バリウム水溶液などの電解質水溶液を所定量注入する。その後、接着剤としての水ガラスの水溶液に所定の蛍光体を分散させた懸濁液を注入して所定時間静置し、蛍光体を沈澱させる。蛍光体の沈澱後に、ガラスバルブをゆっくりと傾動させることにより蛍光体層2を形成する。この場合、真空乾燥などで蛍光体層2の乾燥が行われる。
【0019】次いで、連続した良好なアルミニウム蒸着膜6を形成するために、まず蛍光体層2を純水(覆水)などで湿潤状態とし、蛍光体層2の大部分を水膜で覆う。このとき、蛍光体層2に含まれた酢酸バリウムや水ガラスが純水中に溶解するので、純水中の導電率は、図4に示すように純水による湿潤時間の増加に伴い増加する。本実施例では、この覆水注入工程における覆水中の導電率を管理することにより最も良好な陰極線管を製造し得るようにしている。すなわち、本発明者らが探求したところによれば、覆水注入工程後における蛍光体層に残留する電解質の導電率が、20±1℃の純水200ml中で、6.0±4.0μS/cmである場合、最も良好な陰極線管を得ることができた。したがって、上記覆水注入工程における蛍光体層に残留する電解質の導電率が上記の範囲を満たすよう湿潤時間を設定した。具体的には、図4に示すように30秒〜180秒間、純水にて覆水注入工程を行った。
【0020】次に、図3に示すようにガラスバルブ10のパネル部12を上向きにして、アクリル樹脂を主成分とする有機溶剤ラッカーをノズル20を用いてパネル部12およびファンネル部14の内面に吹き付け、水膜上にごく薄いラッカー中間膜4を形成する。
【0021】次に、蛍光体層2が被着されていない領域にラッカー中間膜4を形成すると、この領域に蒸着されたアルミニウム蒸着膜6がその後のベーキング工程で火ぶくれを起こし、陰極線管のファンネル部14から剥がれが生じることから、図2に二点鎖線で示すように、蛍光体層2が形成されていないファンネル部14以下ネック部16までのラッカー中間膜4を純水を噴射することにより除去する(トリミング工程)。
【0022】次に、脱湿エアーなどを用いて蛍光体層2を乾燥した後、ガラスバルブ10の内面の所定の領域に導通用のカーボンを塗布して乾燥させ、カーボン膜8を形成する。最後に、アルミニウムの蒸着を行い、アルミニウム蒸着膜6を形成した後、蛍光体層2を形成する際に使用した有機質材料を400〜420℃で加熱して分解除去する。
【0023】以上の工程を経て製造された陰極線管は、従来の陰極線管に比べて輝度が約10%向上した。なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、覆水で蛍光体層を湿潤させた後の当該蛍光体層に残存する電解質が、20℃±1℃の純水200ml中で、6.0±4.0μS/cmの導電率となるようにしているので、電解質の溶解量不足による、CRT作製後の画面周辺部の輝度劣化を防止することができると共に、電解質の溶解量過大による蛍光体の落下を防止することができる。
【0025】また、覆水による湿潤時間に対する蛍光体層の残留電解質の導電率変化を予め測定しておき、画面品質が最も良好となる導電率を満たす湿潤時間により導電率を管理すれば、陰極線管の製造管理がより容易になる。




 

 


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