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発明の名称 カラー陰極線管用蛍光体スラリー
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−7516
公開日 平成9年(1997)1月10日
出願番号 特願平7−180884
出願日 平成7年(1995)6月24日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】尾川 秀昭
発明者 川又 政明
要約 目的
赤の蛍光体ストライプに輝度の低下、不均一性が生じたり、緑や青の蛍光体ストライプに赤の蛍光体によりかぶられて混色や色ムラや白色均一性の低下が生じるのを防止する。

構成
赤の蛍光体形成用蛍光体スラリーとしての比重が1.350±0.02[g/cm]、粘度が21±2[cst]のものを用いる。また、緑の蛍光体形成用蛍光体スラリーとして、比重が1.260±0.02[g/cm]、粘度が21±2[cst]のものを用い、青の蛍光体形成用蛍光体スラリーとして比重が1.310±0.02[g/cm]、粘度が21±2[cst]のものを用いる。
特許請求の範囲
【請求項1】 赤の蛍光体形成用として用いられ、比重が1.350±0.02[g/cm]、粘度が21±2[cst]であることを特徴とするカラー陰極線管用蛍光体スラリー【請求項2】 請求項1記載の蛍光体スラリーが用いられるカラー陰極線管に緑の蛍光体形成用として用いられ、比重が1.260±0.02[g/cm]、粘度が21±2[cst]であることを特徴とするカラー陰極線管用蛍光体スラリー【請求項3】 請求項1記載の蛍光体スラリーが用いられるカラー陰極線管に青の蛍光体形成用として用いられ、比重が1.310±0.02[g/cm]、粘度が21±2[cst]であることを特徴とするカラー陰極線管用蛍光体スラリー
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー陰極線管、主として高精細度カラー陰極線管に用いられる蛍光体スラリーに関する。
【0002】
【従来の技術】カラー陰極線管には、ブラウン管パネル内面に電子ビームを受けると発光する蛍光体を形成する必要がある。そこで、三原色の蛍光体をどのように形成するかを、トリニトロン型カラー陰極線管を例にして説明する。カラー陰極線管のパネル内面にカーボンストライプを形成した後、緑、青、赤の三色の蛍光体(緑の蛍光体は例えばZnS:CuAl、青の蛍光体は例えばZnS:Ag、赤の蛍光体は例えばY22 S:Eu)ストライプをその順に形成する。図8は一つの原色の蛍光体ストライプを示す断面図である。
【0003】図面において、1はガラスからなるブラウン管パネル、2は該パネル1内面に形成されたブラックストライプ膜で、カーボンからなるのでカーボンストライプと称されることが多い。3、3、・・・は粒状の蛍光体で、各蛍光体3は図8左部分の拡大図から明らかなように、表面にPVA(ポリビニールアルコール)膜4が存在している。該PVA膜4は各蛍光体3・3間及び蛍光体3・パネル1間を接着する接着剤の役割を果たす。一つの原色の蛍光体ストライプの形成は、蛍光体スラリーの塗布、乾燥、露光及び現像の工程からなり、三原色全部の蛍光体ストライプを形成するためにはその一連の工程を3回繰り返す必要がある。
【0004】そして、蛍光体スラリーは、電子ビームを受けると原色で発光する蛍光体に、感光液、接着剤(例えば上記PVA)、界面活性剤、分散剤等を加えスラリー状にしたものである。図9は緑の蛍光体及び青の蛍光体の形成後の赤の蛍光体ストライプ形成のための赤の蛍光体スラリーの塗布時の状態を示し、5はその赤の蛍光体スラリー、3rは該スラリー5中の赤の蛍光体、3gは既に形成されている緑の蛍光体、3bは同じく青の蛍光体である。
【0005】そして、従来において、例えば赤の蛍光体スラリーは、図9に示すように、比重1.350[ g/cm] 、粘度27[cst]、ペーハーPH8.5に調整したところの蛍光体のPVAに対する重量比P/Bが11.89のものが用いられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の赤の蛍光体スラリーによれば、高精細度カラー陰極線管用として用いる場合に、これより前に既に形成されている緑、赤の蛍光体ストライプの影響を受けて蛍光体の充填度が悪くなり、そのため、赤の輝度の均一性が悪くなり、色ムラを生じて白色均一性が劣るという問題に直面した。この問題について詳細に説明すると次の通りである。
【0007】カラー陰極線管はテレビジョン受像機用として多く用いられていることはいわずもがななことであるが、最近、コンピュータ用ディスプレイとしても多く用いられるようになり、それに伴い画質に対する要求が非常に厳しくなっている。また、家庭用テレビジョン受像機についても高画質化の要求が厳しく、放送局向け高解像度、高品位カラー陰極線管についても従来よりも要求品質が厳しいのである。特に、高解像度化することが強く要求される。
【0008】このような、従来よりもより高解像度にする要求に応えるカラー陰極線管、即ち、高精細度カラー陰極線管においては、水平解像度を高くするため、例えばトリニトロン(商標名)型カラー陰極線管のように色選別電極素体としてアパーチャーグリルを用いたカラー陰極線管の場合には、蛍光体ストライプの本数を多くする必要がある。そして、蛍光体ストライプの本数を多くすると、その分そのストライプ幅を狭くする必要がある。具体的には、従来のカラー陰極線管の蛍光体ストライプの幅が1本200〜250μmであるのに対して高精細度カラー陰極線管の蛍光体ストライプの幅が例えば1本70μm前後と、約3分の1程度でかなり狭い。従って、各原色の蛍光体の充填度は高くする必要があると共に、蛍光体の接着力が弱くなるという問題に直面する。
【0009】ところで、蛍光体ストライプの充填度を高くするには、蛍光体の粒径を小さくする必要がある。そのため、従来のカラー陰極線管用の蛍光体の粒径が6〜8μm程度であったのに対し、高精細度カラー陰極線管用の蛍光体の粒径は4〜5μmとかなり小さくされている。それでも赤の蛍光体スラリーについては充分に充填度を高めることが難しい。というのは、三原色の蛍光体ストライプのうち赤の蛍光体ストライプは最も後に形成され、そのため、赤の蛍光体ストライプ形成時にその赤の蛍光体が、既に形成されている緑の蛍光体ストライプ及び青の蛍光体ストライプのなかに入るという現象が生じるためである。このように、赤の蛍光体の充填度が先に形成されている緑、青の蛍光体ストライプの存在によって悪くなるのである。
【0010】そこで、赤の蛍光体スラリーの塗布する厚さを厚くすることが考えられる。なぜならば、塗布膜の膜厚を厚くすると、有効に充填度を強めることができるからである。しかし、膜厚を厚くすると蛍光体ストライプに必要な接着力が大きくなり、ストライプ幅の狭いことに起因して生じている接着力不足がますます強くなる。従って、赤の蛍光体スラリーをより厚くすることによって充填度を高くするという方法は好ましくない。
【0011】そこで、考えられるのが、赤の蛍光体の粒径を更に小さく(つまり、上述した4〜5μmよりも小さく)することである。なぜならば、蛍光体の粒径を小さくする程必然的に充填度を容易に高めることができるからである。しかし、蛍光体の粒径を徒らに小さくすることは、赤の蛍光体が、既に形成されている緑の蛍光体ストライプ、青の蛍光体ストライプへ混入し易くなり、混色不良が生じ易くなることにつながるので、やはり好ましくない。
【0012】そこで、本願発明者は、粒径を小さくしたり膜厚を厚くする以外に充填度を向上させる手段を模索し、蛍光体スラリーの組成を変えることにより充填度の向上を図る途を模索し、本発明を為すに至った。即ち、本発明は赤の蛍光体ストライプの輝度の低下、不均一性が生じたり、緑や青の蛍光体ストライプが赤の蛍光体によりかぶられて混色や色ムラを生じて白色均一性が低下するおそれの生じない蛍光体スラリーを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1のカラー陰極線管用蛍光体スラリーは、赤の蛍光体形成用蛍光体スラリーであって、比重が1.350±0.02[g/cm]、粘度が21±2[cst]であることを特徴とする。請求項2のカラー陰極線管用蛍光体スラリーは、緑の蛍光体形成用蛍光体スラリーであって、比重が1.260±0.02[g/cm]、粘度が21±2[cst]であることを特徴とする。請求項3のカラー陰極線管用蛍光体スラリーは、青の蛍光体形成用蛍光体スラリーであって、比重が1.310±0.02[g/cm]、粘度が21±2[cst]であることを特徴とする。
【0014】
【作用】請求項1のカラー陰極線管用の赤の蛍光体スラリーによれば、従来よりも粘度を低くしたので、スラリー塗布後の蛍光体の沈降速度が速くなり、延いては充填度を高くすることができる。従って、蛍光体ストライプの輝度の低下、不均一性が生じたり、緑や青の蛍光体ストライプに赤の蛍光体がかぶって混色や色ムラを生じさせて白色均一性を低下させるおそれがない。
【0015】請求項2のカラー陰極線管用蛍光体スラリーによれば、粘度を従来よりも低くしたので、スラリー塗布後の蛍光体の沈降速度が速くなり、延いては充填度を高くすることができる。そして、比重が赤の蛍光体スラリーよりも小さいので、塗布ムラ、注入時のぶつかりアワが生じにくい。尚、緑の蛍光体スラリーは他の原色の蛍光体ストライプの形成前に塗布されるので、他の蛍光体ストライプにより充填度が悪影響を受けるおそれがなく、従って、比重が小さいために蛍光体の沈降速度がその分赤の蛍光体スラリーよりも遅くなるがそれによって充填度が悪くなるというおそれがない。
【0016】請求項3のカラー陰極線管用蛍光体スラリーによれば、粘度を従来よりも低くしたので、スラリー塗布後の蛍光体の沈降速度が速くなり、延いては充填度を高くすることができる。そして、比重が赤の蛍光体スラリーよりも少し小さいので、塗布ムラ、注入時のぶつかりアワが赤の蛍光体スラリーよりもやや生じにくい。尚、青の蛍光体スラリーは赤の蛍光体ストライプの形成前に塗布されるので、赤の蛍光体ストライプにより充填度が悪影響を受けるおそれが少なく、比重が赤の蛍光体スラリーよりも少し小さいために蛍光体の沈降速度がその分赤の蛍光体スラリーよりも遅くなるがそれによって充填度が悪くなるというおそれが少ない。
【0017】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に従って詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施例である赤の蛍光体スラリーを示す断面図であり、スラリー塗布直後の状態を示している。図面において、1はガラスからなるブラウン管パネル、2は該パネル1内面に形成されたブラックストライプ膜である。3r、3r、・・・は粒状の赤の蛍光体である。
【0018】そして、本実施例の赤の蛍光体スラリーは、図1に示すように、比重1.350±0.02[ g/cm] 、粘度21±2[cst]、ペーハーPH8.5±0.5、蛍光体のPVDに対するの重量比P/B(Pは蛍光体の重量[ g] であり、BはPVA(ポリビニールアルコール)の重量[ g] である。)が約14.01のスラリーである。この赤の蛍光体スラリーの大きな特徴は、従来よりも粘度を相当に低くし、上記P/Bを高くしたことにある。このような赤の蛍光体スラリーによれば、粘度が低いので粒状の蛍光体が沈降し易くなり、沈降速度が速くなり、充填度が改善された。
【0019】尚、粘度が低いほど沈降速度が高くなり、充填度を高くすることができるといえるが、しかし、粘度が上記21±2[cst]の下限を越えると塗布ムラ及び注入時のぶつかりアワが発生し易くなるので好ましくなく、やはり、21±2[cst]が好ましいといえる。一方、比重は1.350±0.02[ g/cm] であり、これは後述する緑の蛍光体スラリー、青の蛍光体スラリーのそれよりは大きい(緑の蛍光体スラリーの比重は1.260±0.02[g/cm]、青の蛍光体スラリーの比重は1.310±0.02[g/cm])が、それは蛍光体ストライプの充填度を高くすることができるからである。即ち、赤の蛍光体スラリーは他の原色の蛍光体ストライプよりも後に塗布、形成されるので、赤の蛍光体が他の蛍光体ストライプに入り込むという現象が生じ、従って、赤の蛍光体ストライプの充填度を高くすることが難しいので、それを他の手段によりカバーする必要があるが、比重を大きくすることもその有効な手段になる。そこで、緑の蛍光体スラリーや青の蛍光体スラリーよりも赤の蛍光体スラリーの比重を大きくしたのである。しかし、比重を許容範囲、即ち1.350±0.02[ g/cm] の上限より大きくすると、スラリー塗布用ポンプ循環時に配管及びフィルター内に蛍光体が沈澱し易く、比重管理が難しいという問題があるので、好ましくない。
【0020】表1は、赤の蛍光体スラリーについて主として粘度を変えた3種類のケース■、■、■についてその組成とその充填度の評価をしたものを表にして示したものである。
【0021】
【表1】

【0022】この表1から粘度が低く、比重の大きいスラリー、即ちテスト■、■の方が粘度が高く、比重の小さいテスト■(従来例の一つ)よりも充填度が良好であることが解る。即ち、比重1.356[ g/cm] 、粘度23.9[cst]のテスト■は充填度がA- と比較的良好で、比重1.380[ g/cm] 、粘度27.1[cst]のテスト■は充填度がBと普通であるのに対し、比重1.356[g/cm] 、粘度23.9[cst]のテスト■は充填度がB- とやや悪い。
【0023】図2は上記テスト■、■、■についての沈降に関する測定を行った結果を示す沈降容積変化図である。最も粘度の低く充填度の良好なテスト■の場合が沈降速度が速く、その次に良好なテスト■の場合がそれに次いで沈降速度が速く、最も粘度が高く充填度の悪い高いテスト■(従来例の一つ)の場合が沈降速度が最も遅いことが解る。尚、テスト■と、■については13時間頃まではテスト■の方がテスト■よりも沈降速度が遅いが、しかし、その後は逆転し、最終的(24時間経過)にはテスト■の方がテスト■よりも多く沈降し、沈降速度が速いといえる。
【0024】図3(A)乃至(C)は上記各テスト■、■、■の赤の蛍光体スラリーを用いた場合におけるピンホール状態を示す平面図で、蛍光面をカラーで撮影したものから赤の蛍光体ストライプについてのピンホールを筆写した筆写図であり、(A)はテスト■の場合を、(B)はテスト■の場合を、(C)はテスト■の場合を示す。そして、図4はその三つのケースについてのストライプの面積に対するピンホールの比、即ちピンホール面積比を示すものであり、ピンホール面積比が大きい程蛍光体の充填密度が低くなる。そして、やはり、テスト■が最もピンホール面積比が小さく、テスト■がそれに次いで小さく、テスト■(従来例の一つ)が最も大きい。
【0025】下記の表2は高精細度カラー陰極線管用の赤の蛍光体スラリーとして最も良好なスラリーの組成例を従来例のそれと比較して示すものである。
【0026】
【表2】

【0027】上記表2において、改善という列がその好ましい組成例の組成等を指し、従来という列が従来の組成等を指す。そして、純水からアンモニア迄の成分についての単位はml(ミリリットル)であり、また、P/BにおけるPは蛍光体の重量[ g] であり、BはPVA(ポリビニールアルコール)の重量[ g] であり、従って、P/Bとは蛍光体のPVAに対する重量比のことであり、改善のP/Bが14.01というのは、分子が蛍光体の重量400[ g] であり、分母がPVA液の容積350[ ml] にその濃度0.08(8%)を掛算し、更に比重1.02を掛算して得た28.56[ g] であるからである。また、A/BのAとはADCの重量のことであり、BとはやはりPVAの重量のことである。
【0028】尚、上記実施例によれば、単に粘度の低減により充填度が良くなるだけでなく、乾燥速度が向上する。そして、乾燥速度、特に初期乾燥速度の向上により接着剤たるPVAがブラウン管パネル内面上に多く残り、接着効果が強くなるので赤の蛍光体ストライプのブラウン管パネルに対する接着力が強くなり、高精細度になるほど蛍光体ストライプの幅が細くなることに起因して接着力が小さくなるという問題を軽減する。具体的には、本実施例によれば約30%程度も接着力が上昇した。ちなみに、乾燥速度が遅くなるほどPVAが塗布面上に多く移動し、パネル内面上のPVAが少なくなり、接着力が弱くなる傾向がある。また、充填度の向上により塗布すべき蛍光体の重量が低減でき、材料費の節減にもつながる。そして、上記乾燥速度の上昇により、乾燥に使用するヒーター容量を低くすることができ、消費電力の軽減を図ることもできる。
【0029】ところで、赤以外の緑及び青の蛍光体スラリーについても蛍光体のPVAに対する比P/Bを大きくし、粘度を従来よりも小さくすることにより、充填度が改善されるなど良好な結果が得られた。下記の表3は各原色(重複するが赤も含む)の蛍光体スラリーについて好ましい組成例(改善と記された列)を従来の組成例のそれと比較して示すと共に、許容範囲についても示すものである。
【0030】
【表3】

【0031】赤の蛍光体スラリー以外の蛍光体スラリー、即ち緑の蛍光体スラリー及び青の蛍光体スラリーについても赤の蛍光体スラリーと同様に、充填度の向上を図ることができ、しかも、緑、青の蛍光体ストライプの場合、乾燥速度の向上により、赤の蛍光体にかぶられる(青や緑のの蛍光体ストライプ上に赤の蛍光体が残る)度合いが少なくなっている。図5(A)、(B)は緑及び青の蛍光体ストライプ上に残る赤の蛍光体を示すためのもので、(A)は表3に示す改善(即ち実施例の各蛍光体スラリーを用いた場合)の場合を、(B)は従来の場合を示す。この図5はY、ZnS、Cの元素像を撮影したものを筆写したものである。同図において点状に散在するのが赤の蛍光体を構成する元素Yの像である。図6(A)、(B)は図5(A)、(B)と同じ対象についてYの元素についてのみ着目して筆写したものである。但し、点状に散在する元素Yの位置を明確にするためにブラックストライプの縁取りをした。
【0032】図5(A)、図6(A)と、図5(B)、図6(B)との比較から明らかなように、従来よりも実施例の方が緑の蛍光体ストライプ、青の蛍光体ストライプ上における赤の蛍光体散在量が非常に少ない。図7(A)、(B)は上記元素像に対するY元素についての分析結果である青の蛍光体ストライプ上のY元素像の円相当径分布と度数を示すもので、(A)は実施例の場合を、(B)は従来の場合を示しており、具体的には、緑と青の蛍光体ストライプ上のY元素像の円相当径分布と度数を示す。ここで、相対円相当径とは、ある一つの蛍光体の粒径を1としたY元素の径を指す。
【0033】これらの図からも緑、青の蛍光体ストライプの赤の蛍光体によるかぶられが本実施例によれば従来よりも相当に少ないことが裏付けられている。これについては、元来、青のストライプ上にPVAが残ると当然に赤の蛍光体スラリー塗布時にそのPVAが影響し、赤の蛍光体はPVAを下地としてあたかも砂絵の如くになり、かぶられが生じるが、しかし、本実施例によれば、上述したように、粘度の低減による乾燥速度の低減により、スラリー表面上に存在するPVAの量が比較的少なくなるので、かぶられの現象が激しくならないと、分析することができる。
【0034】そして、表面におけるPVA量が少ないことは、現像後におけるPVAの硬化にも好都合で、赤の蛍光体スラリー以外の蛍光体スラリーについて表3の改善と称した列のもの(実施例)を用いたり、或いは許容範囲として示されたものを用いることにより、図1に示した赤の蛍光体スラリーを用いることにより得られたのと同程度の効果を得ることができる。
【0035】
【発明の効果】請求項1のカラー陰極線管用蛍光体スラリーによれば、従来よりも粘度を低くし、比重を従来程度に維持したので、スラリー塗布後の蛍光体の沈降速度が速くなり、延いては充填度を高くすることができる。
【0036】請求項2のカラー陰極線管用蛍光体スラリーによれば、粘度を従来よりも低くしたので、スラリー塗布後の蛍光体の沈降速度が速くなり、延いては充填度を高くすることができる。そして、比重が赤の蛍光体スラリーよりも小さいので、塗布ムラ、注入時のぶつかりアワが生じにくい。尚、緑の蛍光体スラリーは他の原色の蛍光体ストライプの形成前に塗布されるので、他の蛍光体ストライプにより充填度が悪影響を受けるおそれがなく、比重が小さいために蛍光体の沈降速度がその分赤の蛍光体スラリーよりも遅くなるが、それによって充填度が悪くなるというおそれがない。
【0037】請求項3のカラー陰極線管用蛍光体スラリーによれば、粘度を従来よりも低くしたので、スラリー塗布後の蛍光体の沈降速度が速くなり、延いては充填度を高くすることができる。そして、比重が赤の蛍光体スラリーよりも少し小さいので、塗布ムラ、注入時のぶつかりアワが赤の蛍光体スラリーよりもやや生じにくい。尚、青の蛍光体スラリーは赤の蛍光体ストライプの形成前に塗布されるので、赤の蛍光体ストライプにより充填度が悪影響を受けるおそれが少なく、比重が赤の蛍光体スラリーよりも少し小さいために蛍光体の沈降速度がその分赤の蛍光体スラリーよりも遅くなるがそれによって充填度が悪くなるというおそれが少ない。




 

 


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