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発明の名称 常温核融合用電極並びにその核変換による放射性、非放射性元素及び貴金属の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−197077
公開日 平成9年(1997)7月31日
出願番号 特願平8−3003
出願日 平成8年(1996)1月11日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外2名)
発明者 能登谷 玲子
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 電極材料として核変化を生じ得る物質を含んでなる常温核融合用電極。
【請求項2】 核変化により同位元素を生じ得る物質を電極材料として含んでなる請求項1に記載の常温核融合用電極。
【請求項3】 貴金属並びに自然界における存在量が極く稀な元素と原子番号の近い元素群から選ばれた少なくとも一種の元素を電極材料として含んでなる常温核融合用電極。
【請求項4】 前記自然界における存在量が極く稀な元素と原子番号の近い元素がW,Mo,Tc,Re,Ag,Cd,Hg,In,Tl,Sn及びPbからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素である請求項3に記載の電極。
【請求項5】 放射性物質を含んでなる請求項1に記載の常温核融合用電極。
【請求項6】 核変化を生じ得る物質からなる電極を用いて同位元素、貴金属又は稀元素を製造する方法。
【請求項7】 請求項5に係る電極を用いて放射性物質を無害化する方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は常温核融合用電極並びにその電極の核変換によって、同位元素、貴金属、稀元素、非放射性物質又は熱エネルギーを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、放射性元素の製造は、原子炉や荷電粒子加速器(サイクロトロンや線形加速器)を利用した中性子照射によって行われている。これらは、中性子のエネルギー調節が精確でなく、生成効率が良くないという問題がある。またかかる方法は利用に際して危険を伴い、高い使用料を必要とし、その方法は一般に簡便とは云い難いのが現状である。従って、製造された同位元素は非常に高価である。
【0003】放射性廃棄物の処理については、現在は、原子炉の「灰」を、国外に運んで再処理燃料とし、他の高レベルおよび低レベル廃棄物は、単に海洋投棄又は固体化して種々の容器に封入し、地下に貯蔵しているのみで、決定的な処理方法は見い出されていない。
【0004】核エネルギーの有効利用の方法としては、従来、原子炉発電と熱核融合の方法がある。しかしながら、前者はエネルギー効率が低く、危険な灰を大量に排出するので好ましくなく、後者は、30年来、国の内外において強力に開発研究が推進されてきたにもかかわらず、107 ℃という超高温下に、高圧プラズマを作り出さなければならず、簡便な方法とは云い難く、実用化されるまでには至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、前記した従来の放射性元素の製造、放射性廃棄物の処理及び核エネルギーの有効利用上の問題点を解決して、核変換により、同位元素、貴金属、稀元素、又は熱エネルギーを製造し得る常温核融合用電極を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、電極材料として核変化を生じ得る物質を含んでなる常温核融合用電極が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者は、常温核融合連鎖反応のための陰極及びその製造方法並びに電解液を先に提案した(特開平7−174878号公報参照)。本発明者は、その後、電極材料の金属の原子核変換反応を用いて同位元素、貴金属、稀元素、熱エネルギーを製造する方法を開発すべく更に研究を進めた。その結果、例えば多孔質金属陰極に、電極素材として、または、合金、混合物、化合物、吸収・吸着物、付着物および内包物として、他の元素や同位元素を含有させ(以下、混入と呼ぶ)、これを水、非水溶媒又は溶融塩から成る電解液中で電解することにより、下記の核反応およびその生成核の自然壊変を引き起こし、別の元素や同位体を製造し得る電極が提供される。
【0008】本発明の第一の態様に従えば、放射性又は非放射性同位元素が電極の核変換により、中性子捕獲等下記の核反応及びそれら生成物の自然核壊変(下記)の組み合わせにより製造される。製造される同位元素の種類は非常に多く、特に無単体同位元素を得易いという利点がある。従来の技術に比べて、本発明による方法は電解条件のコントロールを非常に精確に行うことが出来るため、目的物質のみを精度良く製造することが可能である。
【0009】核反応:(n,γ),(n,f),(n,p),(n,d),(n,t),(n,α),(n,α),(p,γ),(p,xn),(p,d),(p,t),(p,α),(d,γ),(d,xn),(d,xp),(d,t),(d,α),(t,γ),(t,xn),(t,np),(t,xp),(t,α),(α,γ),(α,np),(α,xp),(α,d),(α,t),(γ,n)、および常温核融合連鎖反応を起こす電極において可能な核反応(ここで、nは中性子、fは核分裂、p,d,tはそれぞれ陽子、重陽子、三重陽子を意味する)。
【0010】自然核壊変:α−,β- −,β+ −,γ−壊変、電子捕獲;EC、核異性体転移;IT陽子放出;自発核分裂;SF、およびこれらの複合壊変【0011】本発明に従った常温核融合用電極は核変化を生じ得る物質、即ち貴金属及び稀元素の核変換の原料として、原子番号がそれらと近い元素が選ばれる。例えば、白金族金属や金の原料としては、W,Mo,Tc,Re,Ag,Cd,Hg,In,Tl,Sn,Pbなどがあげられ、稀元素の原料としては、ハロゲン族、第6B族、アルカリ金属、アルカリ土類金属、第4A族元素、Po,Wなど種々の化学種が選ばれる。
【0012】常温核融合連鎖反応を起こし得る電極とは、遷移金属、アルミニウム、スズ及びステンレス鋼から選ばれた空隙率0.5〜90容積%の少なくとも一種の多孔質体金属(粉末金属も含む)から成る常温核融合連鎖反応用陰極及び陽極である(特開平7−174874号公報参照)。
【0013】用いる反応系は、常温核反応を起こす電極を備えた電解セルで、アルカリ金属、アルカリ土類金属、第3A族元素及び遷移金属(陽イオン元素)の水酸化物、炭酸化合物、他種々の化合物の、軽水溶液、非水溶液及び溶融塩を電解し、上記陽イオン元素と電極素材の金属間化合物が核反応(特開平7−174874号公報参照)を起こす系である。
【0014】この系に於いて、下記の核反応が起こる。
d(重陽子核)+d→32He+n(中性子) (1)
d+d+d→p(プロトン)、t(三重陽子核)、32He又は42He,n,α粒子 (2)
などの水素の核反応、及びm+主としてn,p他に、d,t,α粒子→ m′+n,p,d,t,α粒子 (3)
として表される電解液から供給される陽イオン(m)の核反応。陽イオン(核m)は電極素材の表面層に金属間化合物として蓄積する物質であり、またm′は、ほとんどの場合、γ−壊変等の自然核壊変を起こす。
【0015】核変換を起こさせたい物質を、電極素材として、又は電極素材に混入させて、電極を作成し、上記核変化(1)〜(3)を起こす反応系に於いて、この電極を用いて電解することにより本発明を実施することができる。更に、電極素材を多孔質体や微粉末とすることにより、気体や液体(ハロゲン等も含む)を電極本体に含ませることができる。
【0016】貴金属や自然に於ける存在量が極く稀な元素を製造する場合には、原子番号がこれらの元素に近いものを原料として、単体や化合物の微粉末として多孔質電極の細孔に充填する。これらの電極を常温核融合電極として用い、電解により核変換を実現する。例えば、多孔質ニッケル電極の製造過程で、タングステンの微粉末を適量、混合し、上記の電解系において電解すると、下記の反応によりレニウム、オスミウム、白金、イリヂウム、金を生成する。
【0017】186W(n,γ) 187W(τ1/2 =23.9h)−β- 187Re187Re(n,γ) 188Re(τ1/2 =16.9h)−β- 188Os188Os(n,γ) 189Os189Os(n,γ) 190Os190Os(n,γ) 191Os(τ1/2 =15.4d)−β- 191Ir191Ir(n,γ) 192Ir(τ1/2 =74.2d)−β- 192Pt−EC→ 192Os192Pt(n,γ) 193Pt(τ1/2 =50y)−EC→ 193Ir193Pt(n,γ) 194Pt193Ir(n,γ) 194Ir(τ1/2 =19.2h)−β- 194Pt194Pt(n,γ)195mPt−IT→ 195Pt195Pt(n,γ)196mPt−IT→ 196Pt196Pt(n,γ) 197Pt(τ1/2 =18.3h)−β- 197Au192Os(n,γ) 193Os(τ1/2 =30.6h)−β- 193Ir上式において、アンダーラインは、安定同位元素を、τ1/2 ,s,m,h,d,yはそれぞれ、半減期、秒、分、時、日、年を表す。
【0018】同位元素や放射性物質は、電極素材又は電極中の混入物が、常温核融合電極の核子放射を受けて核反応を起こすことにより製造される。最も起こり易い核壊変は、中性子捕獲によるもので、この方法の優位点は、無単体同位元素(単一質量の意)を電解液中に容易に得ることである。例えば、生物作用のトレーサーとして良く使用される無単体同位元素C,P,Fe等は、下記の核反応により製造することができる。
【0019】14N(n,p)14C(τ1/2 =5730y)−β- 32S(n,p)32P(τ1/2 =14.28d)−β- 59Co(n,p)又は(d,2p)59Fe(τ1/2 =44.6d)−β- 65Cu(p,n)又は(d,2p)65Zn(τ1/2 =244d)−EC,β+→130Te(d,n) 131I(τ1/2 =8.040d)−β- →【0020】本発明の第二の態様によれば、放射性廃棄物の非放射物化の対象として、原子炉から排出される核廃棄物、医療及び科学研究に使用した放射性廃棄物、その他の放射性汚染物質を無害化する。即ちこれらの放射性物質を素材として、又はこれらを混合(内包)して、電極を作成し、上記核反応(1)〜(3)の系において電解することにより、中性子捕獲他、種々の核反応を起こさせ、新たな自然壊変が加ることによっても、半減期の短い物質や非放射性物質に核変換させることができるため、これらの物質の非放射化を実現することができる。
【0021】例えば、核爆発の残留物である 134Csのβ- 崩壊の半減期τ1/2 は2.026yであり 134Baに変化する。しかし中性子捕獲により、 134Csの半減期は13.1dに短縮される。
【0022】134Cs(n,γ) 135Cs,135Cs(n,γ) 136Cs−β- 136Ba【0023】同じく、 241Amはτ1/2 =433yであり、α崩壊して 237Npに変わる。しかし、次の反応によれば、半減期は=16h+2.12d+11.9h+369dであり、反応時間を加えても400日以内となる、即ち半減期が約400年から400日以下に短縮されたことになる。
【0024】241Am(n,γ) 242Am(τ1/2 =16h)−α→ 238Np(τ1/2 =2.12d)−β- 238Pu,238Pu(p,γ) 239Am(τ1/2 =11.9h)−α→ 235Np(τ1/2 =369d)−EC→ 235,【0025】上記反応によって、 235に核変換することは放射性廃棄物の処理と共に、核燃料の再製を意味する。
【0026】本発明に従えば、同様にして、電解により発生する中性子を利用して、医療用の放射性廃棄物を非放射化することができる。これらの数例を以下に示す。
【0027】14C(τ1/2 =5730y)(n,γ)15C(τ1/2 =2.45s)−β- 1599Tc(τ1/2 =214000y)(n,γ) 10060Co(τ1/2 =5.271y)(n,γ)61Co(τ1/2 =1.65h)−β- 61Ni
【0028】なお本発明の電極固体内の核変換及び電極の細孔内の微小空間で起こさせる放射能照射は、上記の例に限るものではないことは云うまでもない。
【0029】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明を以下の実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
実施例1多孔質ニッケル電極を用いて、0.1〜0.5 mol/lのリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムの炭酸塩または硫酸塩の軽水溶液を電解し、発生するγ線をゲルマニウム・γ線スペクトルアナライザーにより継続的に観測した。その結果、電解により、すべての溶液中で510keV におけるピークが増大することが明らかになった。このピークは64Cuの生成に帰属するものである。表Iに、その実験結果を示す。
【0030】
【表1】

【0031】この様な反応系に於ける電解により、電極素材の金属も、上記の反応に於いて発生する核子等と反応し、原子核変換が起きることが、明らかになった。即ち、ニッケル電極の本体が以下の中性子捕獲をおこす。
【0032】
62Ni+n→63Ni+6.048MeV (4)
ここで生成63Niはβ線崩壊を起こすので、63Ni−β- 63Cuと成り、 (5)
さらに中性子捕獲が起きて、63Cu+n→64Cu+7.134MeV (6)
これは64Cuが放射するガンマ線、510keV の検出によって確認することができた。その他、64Cuと一緒に、56Co,58Fe,65Zn等も検出されているがこれらはすべて、62Niから派生したものと考えられる。その他、これらの系で、数種のAr,Kr,Xeの同位元素が電解により増大しているが、これらはアルカリ金属の壊変によるものである。
【0033】実施例2:貴金属元素の製造の例実施例1と同様のガンマ線の測定実験に於いて、多孔質ニッケル陰極を電極に用いた炭酸カリウム軽水溶液の24時間の電解により、表IIに示すピークが得られた。これら生成物の原料は、上記電極の一部に用いたタングステンである。なお 197Hgの検出は、この元素の自然壊変により 197Auが生成されることを示す。
【0034】
【表2】

【0035】実施例3:非放射性物質の製造白金黒付白金を陰極とする硫酸セシウム軽水溶液の電解後、0.1mol /LCs2 SO4 電解液のICP−MSによる分析の結果、図2に示すように、質量数=138のピークが著しく増大した。このピークの帰属は、可能な核反応を考慮して、 138Baであることが示された。白金黒付白金の代りに多孔質ニッケル陰極を用いた場合のチャートは図1に示す通りである。なお、図1及び図2の黒い陰模様は濃い溶液による汚れである。【0036】
【発明の効果】以下説明したように、本発明は、同位元素(無単体同位元素を含む)の製造に関して、電解条件のコントロールは非常に精確に行えるため、原子炉や荷電粒子加速器を利用した中性子線源を使う他の方法より、目的物質のみを精度良く、簡便に製造することが可能になり、又、放射性廃棄物の処理法としては、これが電解質の核反応特開平7−174874号公報に記載の方法と相まって唯一の決定的方法である。




 

 


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