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加入者線インピーダンス測定方法及び測定回路 - 日本電気株式会社
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発明の名称 加入者線インピーダンス測定方法及び測定回路
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−18581
公開日 平成9年(1997)1月17日
出願番号 特願平8−799
出願日 平成8年(1996)1月8日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】京本 直樹 (外2名)
発明者 大野 正彦
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 加入者線に電流源を接続し、その加入者線の電圧を所定期間にわたり測定する加入者線インピーダンス測定方法において、前記加入者線の過渡状態における複数の期間のそれぞれの始めと終りの加入者線の電圧差と、同期間のそれぞれの平均電圧又は平均電圧と平均電流を測定し、この測定値と加入者線の過渡状態を表す数式とに基づいて加入者線インピーダンスを算出することを特徴とする加入者線インピーダンス測定方法。
【請求項2】 前記電流源の加入者線への接続時の電流の時間的変化率を一定値以下に制御することを特徴とする請求項1記載の加入者線インピーダンス測定方法。
【請求項3】 一対の加入者線の一方を前記電流源、他方を地気又は開放として加入者線線間インピーダンス又は加入者線対地間インピーダンスを測定することを特徴とする請求項1又は2記載の加入者線インピーダンス測定方法。
【請求項4】 前記複数の期間は、加入者線に定電流源を接続した時点からの連続する過渡状態での一定期間の前半と後半であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の加入者線インピーダンス測定方法。
【請求項5】 前記複数の期間は、ハムノイズ周期の正数倍の期間であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の加入者線インピーダンス測定方法。
【請求項6】 加入者線に接続する電流源と、加入者線の複数の異なる期間の過渡状態の平均電圧又は平均電圧と平均電流を保持する平均値保持手段と、加入者線の前記複数の期間の始めと終りの電圧をそれぞれ保持する電圧保持手段と、前記各保持手段に保持された測定値と加入者線の過渡状態を表す数式により加入者線のインピーダンスを算出する演算手段とを有することを特徴とする加入者線インピーダンス測定回路。
【請求項7】 前記電流源は、加入者線への接続時に電流の時間的変化率が一定値以下に制限する制御手段を有することを特徴とする請求項6記載の加入者線インピーダンス測定回路。
【請求項8】 前記加入者線の端子を前記電流源の端子、接地端子又は開放端子に接続する切替スイッチを有することを特徴とする請求項6又は7記載の加入者線インピーダンス測定回路。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は通信線の測定、特に、加入者線の試験に利用する。本発明はメタリック対線のインピーダンス測定技術に関し、特に、メタリック対線の線間インピーダンス、片線と対地間インピーダンスの測定方法及び測定回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来例の加入者線インピーダンス測定回路は、加入者線に一定速度で変化する電圧を加え、その印加期間内の加入者線電流の平均値から容量を算出する過程と、加入者線に一定電圧を加え、その印加期間内の加入者線電流の平均値から抵抗を算出する過程を含む回路方式である(特開平03−163369号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この従来の加入者線インピーダンス測定回路では、測定期間の途中で印加電圧を一定速度で変化する波形から一定レベル値に変えるという操作が必要であり、そのための回路が複雑であった。
【0004】また、低出力インピーダンスの電圧源で加入者線を駆動しているため、加入者線に商用電源のハムノイズが重畳しているとき、ハムノイズ電流が電圧源に流れ込み、それが自回路や電源ライン経由により他回路に悪影響を及ぼす問題があった。印加電圧に基づく測定電流は電話機内のベル回路が鳴動しないように1mA程度以下に設定される場合が普通であるが、ハムノイズ電流は環境条件にもよるが最大で10mA程度が流れ、その結果、測定電流よりハムノイズ電流のレベルが1桁高く、回線電流の測定誤差の原因となっていた。
【0005】また、電圧源にはハムノイズ(交流電流)と測定用の直流電流との和電流が流れ、それらの合成電流の方向は測定回路にとって、吐き出しと吸い込みの両方向となる。一般に、電流の方向が片方向の回路よりは、両方向の回路は電流バッファ等の設計がしにくく、そのため電圧源回路が複雑となってしまう欠点があった。
【0006】本発明は、このような背景で行われたものであって、加入者線のインピーダンスの高速測定が可能なインピーダンス測定方法及びその測定回路を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明は過渡ノイズの発生を防止し測定精度が高いインピーダンス測定方法及びその測定回路を提供することを目的とする。
【0008】そして、本発明はハムノイズの影響を受けにくいインピーダンス測定方法及びその測定回路を提供することを目的とする。
【0009】更に、本発明は回路構成を簡単化できるインピーダンス測定方法及びその測定回路を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明の加入者線インピーダンス測定方法は、加入者線に電流源を接続し、その加入者線の過渡状態を所定期間にわたり測定する加入者線インピーダンス測定方法において、前記加入者線の過渡状態における複数の期間のそれぞれの始めと終りの加入者線の電圧差と、平均電圧又は平均電圧と平均電流を測定し、この測定値と加入者線の過渡状態を表す数式とに基づいて加入者線インピーダンスを算出することを特徴とする。
【0011】また、本発明の加入者線インピーダンス測定方法は、前記電流源の加入者線への接続時の電流の時間的変化率を一定値以下に制御することを特徴とする。
【0012】そして、前記本発明は、一対の加入者線の一方を前記電流源、他方を地気又は開放として加入者線線間インピーダンス又は加入者線対地間インピーダンスを測定するように構成するのが望ましい。
【0013】更に、本発明において前記複数の期間は、加入者線に定電流源を接続した時点からの連続する過渡状態での一定期間の前半と後半とし、また、前記複数の期間は、ハムノイズ周期の正数倍の期間とするのが望ましい。
【0014】本発明の加入者線インピーダンス測定回路は、加入者線に接続する電流源と、加入者線の複数の異なる期間の過渡状態の平均電圧又は平均電圧と平均電流を保持する平均値保持手段と、加入者線の前記複数の期間の始めと終りの電圧をそれぞれ保持する電圧保持手段と、前記各保持手段に保持された測定値と加入者線の過渡状態を表す数式により加入者線のインピーダンスを算出する演算手段とを有することを特徴とする。
【0015】また、本発明の加入者線インピーダンス測定回路の電流源には、加入者線への接続時に電流の時間的変化率が一定値以下に制限する制御手段を設けるのが望ましい。
【0016】そして、前記加入者線の端子を前記電流源の端子、接地端子又は開放端子に接続する切替スイッチを設けるのが望ましい。
【0017】より具体的には、本発明は、一対の加入者線の各々に、スイッチを介して制御電流源を接続し、その加入者線の過渡電圧と過渡電流の各サンプル値を所定期間に渡り測定する加入者線インピーダンス測定方式である。所定期間を前期と後期に分け、その前半期間と後半期間の夫々における電圧及び電流の平均を検出して保持しておき、更に、前半期間の終了時と開始時における電圧の差、及び、後半期間の終了時と開始時における電圧の差とを夫々検出し保持しておき、保持した値から一定の数式に従って演算を行なう。同時に、制御電流源から供給される測定電流を、時間的変化率が一定値以下になるように制御し、また、前記前半測定時間、および後半測定時間はハムノイズ周期の整数倍に設定されることを特徴とする加入者線インピーダンス測定方式である。
【0018】本発明は上記の構成により回線の電圧、電流の過渡応答波形からインピーダンスを計算により算出するため、回線に供給する測定電流と回線応答電圧とが安定するまで待たなくてよく、測定時間を短縮できる。
【0019】また、測定電流の供給開始時に、端末における過渡ノイズの発生を防止でき、測定精度が向上する。
【0020】また、所望の測定タイミングにおける電圧値又はそのサンプル値等により加入者線インピーダンスを測定することから、回路構成としては、電圧(サンプル)値と電流(サンプル)値の保持手段により回路が構成できるため、簡単な回路構成により加入者線インピーダンス測定回路を実現することができる。また、加入者線に商用ハムノイズが重畳しているときでも、このハムノイズの周期の整数倍の測定タイミングを用いることにより、電圧(サンプル)値、電流(サンプル)値の平均値にはハムノイズが相殺され現われなくなり、また、前半、及び、後半測定期間の終了時と開始時にはハムノイズの位相が一致するため、両タイミングにおける電圧値の減算によりハムノイズの影響を除去することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図1〜図3を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態のブロック図である。
【0022】本実施の形態は、加入者線SL0およびSL1に定電流源Iを接続し、その加入者線SL0およびSL1の過渡電圧を所定時間にわたり測定する加入者線インピーダンス測定方法である。
【0023】ここで、本実施の形態の特徴とするところは、加入者線SL0およびSL1に電圧を印加してから過渡電圧の変化が終了するまでの期間の前半および後半に区分し、その前半時間およびその後半時間におけるそれぞれの平均電圧を検出して保持しておき、前記前半時間の始めおよび終わりの電圧の電圧差と、前記後半時間の始めおよび終わりの同電圧差を保持しておき、保持した値から一定の数式にしたがって演算を行うところにある。
【0024】この加入者線インピーダンス測定方法を実現するための加入者線インピーダンス測定回路は、定電流源Iが接続された被測定加入者線SL0およびSL1の過渡電圧の前半平均値、後半平均値、定電流源Iの接続時の電圧値、前記前半経過時の電圧値、および前記後半経過時の電圧値をそれぞれ保持する手段としての電圧値保持回路H1、H2、H3、H4、H5と、この電圧値保持回路H1、H2、H3、H4、H5に保持された値から加入者線インピーダンスを算出する手段としての演算部DSPとを備えている。
【0025】前記前半測定時間または前記後半測定時間は、ハムノイズ周期の整数倍に設定されている。
【0026】次に、本実施の形態の動作を図2および図3を参照して説明する。図2は測定タイミングと加入者線電圧との関係を示す図である。横軸に時間をとり、縦軸に加入者線電圧をとる。図3は加入者線と端末との合成インピーダンスを抵抗Rと容量Cとの等価並列回路としてモデル化した図である。加入者線SL0を接地し、加入者線SL1をスイッチSW0を介して定電流源Iに接続する。定電流源Iは局電源VBB(通常−48V)に接続されている。測定開始に先立ち加入者線SL0、SL1と端末電話機TELとに蓄積されている電荷を放電させるため放電回路DIS側に、スイッチSW0を切替え接続し、放電終了後に測定を開始する。加入者線電圧V(負)の時刻0からTまでの平均電圧V1 を平均値検出回路AVRで検出し、ホールド回路H1で保持する(前半測定)。同様に時刻Tから2Tまでの平均電圧V2 を平均値検出回路AVRで検出し、ホールド回路H2で保持する(後半測定)。同時に時刻0、T、2Tの各々の電圧サンプル値V0 、VT 、V2Tをホールド回路H3、H4、H5でそれぞれ保持する。
【0027】これらホールド回路の出力の差を各々加算器ADで検出して、それぞれ差電圧ΔV1 、ΔV2 を求める。続いて、加入者線SL0、SL1と端末電話機TELの合成等価抵抗Rと合成等価容量Cとを演算部DSPで算出する。
【0028】
【数1】

I=定電流値、T=測定単位時間上式(1)、(2)から明らかなように、測定単位時間Tをハムノイズ周期の整数倍に選ぶことにより、ハムノイズは平均電圧V1 、V2 および差電圧ΔV1 、ΔV2 からキャンセルされる。また、定電流源Iは交流に対し高インピーダンスなためハムノイズ電流は本回路に流れ込まない。
【0029】測定電流Iは、アース→加入者線SL0→端末電話機TEL→加入者線SL1→スイッチSW0→定電流源I→電源VBB→アースのルートで流れる。電圧測定部は、いずれも高インピーダンスで構成し測定電流が漏れないようにしておく。ハムノイズが重畳しても測定電流は常に一定で同一方向にしか流れない。
【0030】図2に示すように、t=0から測定を開始する(それ以前はスイッチSW0が低抵抗の放電回路DISに接続され、寄生電荷は放電されている)。測定開始とともに定電流Iが上記ルートを流れ、加入者線SL1の対地電圧Vは徐々に0Vから負に下降していく。ハムノイズがない場合を点線で示す。ハムノイズが重畳しているときは、実線の様な波形となる(ハムノイズ源は図示していない)。
【0031】t=0のときの電圧V0 はハムノイズそのものである。ハムノイズの周期性よりt=Tのときの電圧VT にはやはり同一レベルのハムノイズV0 が重畳している。したがって、電圧サンプル値の差、VT −V0 はハムノイズがキャンセルされ、本来あるべき電圧値を示している。t=2Tの時刻においても同様であり、V2T−VT にハムノイズは含まれない(ハムノイズは、測定中同一レベルであるため)。
【0032】次に、上記計算式について図3を用いて説明する。図3は加入者線と端末との合成インピーダンスを抵抗Rと容量Cとの等価並列回路でモデル化したものであり、ここに定電流Iを流す。抵抗R、容量Cを流れる電流をそれぞれIR 、ICとし、加入者線電圧をV(負)とすると、【0033】
【数2】

となる。(7)、(8)式よりCとRを求めると、(1)、(2)式が得られる。
【0034】次に、本発明の第2の実施の形態を図4〜図12を参照して説明する。図4は本発明の第2の実施の形態を示すブロック図である。端子T、Rに一対の加入者線を接続し、スイッチSWt、SWrを介して制御電流源CURから測定用電流を供給する。スイッチSWt、SWrで加入者線を接地するか、開放するか、制御電流源CURに接続するかを独立に切替える。制御電流源CURが加入者線に供給する測定電流を制御手段FILにより時間的変化率が一定値以下となるように制御する。測定開始時に制御端子CTLからの信号で制御手段FILを起動する。
【0035】加入者線の電圧をサンプラーSAM0によりある周期Δt毎にサンプリングし、A/D(アナログ/デジタル)変換し、平均値検出手段AVR_Vに導き、測定期間の前半期間と後半期間ごとに平均値を計算し、スイッチSWvを切替えて、前半期間の平均値をレジスタREG0に、後半期間の平均値をレジスタREG1に蓄積する。
【0036】更に、各半期間の開始時と終了時にのみ電圧サンプル値を通過させるサンプラーSAM_Tを介して、まず前半期間の開始時のサンプル値をレジスタREG_Tに保持しておき、前半期間終了時に、このときのサンプル値からREG_Tの保持値を減算し、スイッチSWsを介して、レジスタREG2に前半期間の電圧差として蓄積する。
【0037】次に、後半期間開始時のサンプル値をREG_Tに保持し、後半期間終了時に、このときのサンプル値からREG_Tの保持値を減算し、SWsを切替えレジスタREG3に後半期間の電圧差として蓄積する。なお、前半期間終了時と後半期間開始時とは同一タイミングである。
【0038】同様に、サンプラーSAM1により、加入者線電流をサンプリング周期Δt毎にサンプリングし、A/D(アナログ/デジタル)変換し、平均値検出手段AVR_Iにより、まず、前半期間の平均値を計算して、SWiを介して、レジスタREG4に蓄積する。同様に、後半期間の平均値を計算し、SWiを切替え、レジスタREG5に蓄積する。
【0039】全測定期間が終了した時点で、各レジスタREG0〜5に保持されている値を用い、デジタル信号処理手段DSPにより、加入者線の抵抗値と容量値とを後述の計算式を用いて計算し、抵抗値をRES端子から、容量値をCAP端子から出力する。
【0040】ここでA/D変換器を用いるのは、後述のインピーダンス計算をデジタル信号処理手段DSPで容易にするために電圧サンプル値、電流サンプル値をデジタルで扱うためである。アナログ値のままアナログ処理する場合にはA/D変換器を用いずともよい。
【0041】次に、図4の各ブロック回路の一具体例を図5、6で説明する。
【0042】図5は電圧、電流のサンプル値の平均値を計算する平均値検出手段AVR_V,AVR_Iブロックの一例である。同図において、サンプル値は、加算器で、1サンプル毎に、それ以前の加算結果に加算されて、サンプリング周期Δtと等しい遅延時間Δtを有するレジスタに保持される。前半期間の終了時にレジスタには、前半期間のサンプル値の全累積結果が保存されている。これをサンプルの総数Nで除して相加平均を求めて出力する。後半期間の開始前に、このレジスタを初期化し、同様にして後半期間の平均値を計算する。
【0043】本例では、説明の簡略化のため、前半期間と後半期間を等しく設定し、どちらもサンプル数をNとしているが、サンプル数が前半期間と後半期間とで異っていても何等問題ない。以下の説明では、説明の簡略化のため、サンプル数が等しいとする。
【0044】次に、放電回路DIS、制御電流源CUR、制御手段FILの一構成例を図6に示す。
【0045】測定に先立ち、スイッチSWt、rをともに放電回路DISに接続し、加入者線の寄生容量や電話機の容量に充電している電荷を徐々にアースへ放電させる。放電回路DISはダイオードブリッジと可変電圧源VBBとから構成される。VBBは初期電圧が例えば−48V程度であり、徐々に0Vへ上昇する電圧である。加入者線は一般に電話交換機等の装置から負電圧が印加されているため、対地間の寄生電荷は加入者線側が負極性である。そのため、VBB接続のダイオードが導通することにより放電する。
【0046】他方、線間の蓄積電荷については、仮に、加入者線端子T側が正極性で加入者線端子R側が負極性ならば、放電電流は、VBBの負側端子→VBBとR端子間のダイオード→R端子→線間容量(図示せず)→T端子→T端子とアース間のダイオード→アース、のルートで流れ、線間電荷が放電する。逆極性で充電していた場合は上記とダイオードブリッジが逆の動作をし、やはり寄生電荷が放電する。その後、制御手段FILを起動信号CTLで動作させて測定電流を供給開始する。
【0047】制御手段FILは基準電源E、スイッチSW、抵抗R0、容量C0とから構成され、外部からの起動信号CTLによりSWを基準電源側へ倒し、R0、C0からなるローパスフィルタへ一定電圧Eを入力する。ローパスフィルタ出力をC0端子から取出し、オペアンプOPAの正相入力端子へ供給する。OPAの出力端子は電界効果トランジスタFETのゲートに、OPAの逆相入力端子はFETのソースに各々接続されており、オペアンプOPAは出力段に電流バッファ用のNチャネル電界効果トランジスタFETを備えた電流源として動作する。測定電流はFETのドレインから流れ込み、制限抵抗R1を通って、電圧源VBB(一般にVBB=−48V)に流れ込んでアースへ戻る。オペアンプOPAはボルテージフォロワとして動作するため、VBBを基準としたときに、ローパスフィルタの出力電圧がVのとき、制限抵抗R1の両端電圧もVとなるので、この抵抗に流れる電流Iは【0048】
【数3】I=V/R1 …(9)
となる。OPAの入力端子とFETのゲートはともに高インピーダンスのため、それらに流れる電流は無視でき、したがって、この電流Iは制御電流源CURが供給する測定電流Iに等しい。この電流Iは抵抗R1の電圧降下Vとして検出され、電圧コンバータCNVで対アース電圧Vに変換してサンプラーSAM1へ出力する。CNVは2入力端子間の電圧Vをアース基準の電圧Vに変換する機能を持ち、一般的にはレベルシフタで構成される。
【0049】次に、図4を参照して、回路動作を説明する。初めに、線間のインピーダンスを測定する場合を説明する。スイッチSWtを接地し、スイッチSWrをCURに接続し線間に測定電流を流す。
【0050】この構成のとき、測定電流は、アース→SWt→加入者線端子T→加入者線(図示せず)→電話機等の端末(図示せず)→加入者線(図示せず)→加入者線端子R→SWr→CUR→アース、の順に流れる。これをここで、ノーマル測定という。
【0051】加入者線は、一般に、銅線でできており銅の直流抵抗がある。電話機が接続されて、オフフック状態のときは、主にマイクロフォンのカーボン抵抗が、直流抵抗として測定される。これらの抵抗に測定電流が流れると、それに対応する電圧が発生する。オンフック状態のときは、ベル回路の直流阻止容量と加入者線抵抗との合成インピーダンスとなる。
【0052】次に、スイッチSWrを接地し、スイッチSWtを制御電流源CURに接続して測定する場合を説明する。
【0053】この構成のとき、測定電流は、アース→SWr→加入者線端子R→加入者線(図示せず)→電話機等の端末(図示せず)→加入者線(図示せず)→加入者線端子T→SWt→CUR→アース、の順に流れる。これをここで、レバース測定という。
【0054】ノーマル測定とレバース測定では、端末を含めた加入者線に流れる測定電流の方向が逆になるだけである。端末にダイオード等の非線形素子が使用されている場合に測定結果に差がでる。この差を検出することにより、非線形素子が使用されていることを認識できる。
【0055】次に、スイッチSWrを開放、スイッチSWtをCURに接続して測定する場合を説明する。
【0056】この構成のとき、測定電流は、アース→加入者線対地間インピーダンス(図示せず)→加入者線(図示せず)→加入者線端子T→SWt→CUR→アース、の順に流れる。
【0057】この構成のとき、加入者線T端子と対地間のインピーダンスが測定される。
【0058】片線と対地間のインピーダンスは主に、寄生容量と絶縁抵抗である。
【0059】次に、SWtを開放、SWrをCURに接続して測定する場合を説明する。
【0060】この構成のとき、測定電流は、アース→加入者線対地間インピーダンス(図示せず)→加入者線(図示せず)→加入者線端子R→SWr→CUR→アース、の順に流れる。
【0061】この構成のとき、加入者線R端子と対地間のインピーダンスが測定される。
【0062】上記のように、SWt、SWrを切替えることにより、加入者線線間インピーダンス、加入者線対地間インピーダンスを測定できる。
【0063】上記のいずれかの構成で、CURから測定電流を供給し、加入者線に発生する電圧を測定し、その電圧サンプル値と測定電流サンプル値とを記録し、以下の計算式で抵抗、容量を計算する。ここでいう抵抗、容量とは、加入者線と端末との合成インピーダンスを抵抗Rと容量Cとの並列回路に等価的に表したときのそれらの値である。
【0064】さて、前半期間の開始時を時刻t=0とし、前半期間の終了時と後半期間の開始時をt=T、後半期間の終了時をt=2Tとする。この期間をΔt時間毎にサンプリングし、前半期間、後半期間のサンプル数をともにNとすると、N・Δt=Tである。
【0065】t=i(i=0,1,2,…,N,N+1,…,2N)のときの電圧のサンプル値をVi とすれば、電圧のサンプル値の時系列は、V0 、V1 、V2 、…、VN 、VN+1 、…、V2Nとなり、V1 、…、VN が前半期間の、VN+1 、…、V2Nが後半期間のサンプルである。
【0066】同様に、電流のサンプル値をIi(i=0,1,2,…,N,N+1,…,2N)とすれば、その時系列は、I0 、I1 、I2 、…、IN 、IN+1 、…、I2Nとなり、I1 、…、IN が前半期間の、IN+1 、…、I2Nが後半期間のサンプルである。
【0067】ここで、電圧の前半期間の平均値をVf、後半期間の平均値をVbとし、電流の前半期間の平均値をIf、後半期間の平均値をIbとして、更に、電圧の前半期間の終了時と開始時の差をΔVf、後半期間の終了時と開始時の差をΔVbとすると、【0068】
【数4】

となる。抵抗、容量の計算式は、導出は後述するが結果を示すと、【0069】
【数5】
抵抗R=(ΔVb・Vf−ΔVf・Vb)/(ΔVf・Ib−ΔVb・If)
…(16)
容量C=(Vf・Ib−Vb・If)・T/(ΔVf・Vb−ΔVb・Vf)
…(17)
となる。これらの式により抵抗と容量を計算する。
【0070】上記の各値と図4のレジスタREG0〜5との対応は、明らかに、REG0…Vf、 REG1…Vb、REG2…ΔVf、 REG3…ΔVb、REG4…If、 REG5…Ibである。
【0071】上式(10)〜(17)で明らかなように、ハムノイズが重畳していても、測定期間がハムノイズの周期の整数倍のため、影響が現れない。つまり、平均値には正成分と負成分とがキャンセルされ、影響が現れない。電圧差にも、V0 、VT 、V2Tにハムノイズの同一位相の値が含まれているため減算でキャンセルされて、やはり影響が出ない。
【0072】次に、図7、8の本実施の形態のタイミングチャートを参照して説明する。図7は制御電流波形である。前述の如く、(9)式のとおり、FIL回路の出力波形と同じである。このときの加入者線電圧の一例を図8に示す。図8は加入者線電圧が時間とともに下降していくことを表している。制御電流源CURが負電圧VBBに接続しているため測定電流はCURへ流れ込む方向であり、したがって、加入者線電圧は負極性となる。図8の点線がハムノイズがない場合を示している。ここにハムノイズが重畳すると実線に示したように波打った波形となる。時刻t=0のとき、電圧サンプル値はV0 であり、ハムノイズのため一般に0ボルトでない。しかし、時刻t=Tのとき、即ち、前半期間と後半期間との境では、電圧サンプル値はVT となるが、前半期間はハムノイズの整数倍のため、時刻t=0のときハムノイズと同じハムノイズを含んでいる。同様に、後半期間の終了時の電圧サンプル値はV2Tとなり、やはり、この中のハムノイズはt=Tのときと同じ値である。したがって、前半期間と後半期間の各々の開始時と終了時における電圧の差にはハムノイズは含まれない。
【0073】次に、制御電流源の作用について説明する。
【0074】図9、10は制御電流源を使用しない場合の測定電流と加入者線電圧の一例である。図9の場合は短時間で測定電流を0からある一定値に立ち上げている。この場合、往々にして、加入者線電圧には、図10に示すような、過渡ノイズが発生する。その理由は、図11に示す電話機のベル回路に主な原因がある。即ち、ベル回路の電磁石のコイルがインダクタンスLを有するため、電流Iの変化に対し、【0075】
【数6】V=L×dI/dt …(18)
なる逆起電力Vを発生する。Lは数ヘンリーの値を有するため、(18)式より明らかなように、Iの時間的変化が急俊であれば、Vに比例して増大し、それが加入者線インピーダンスや端末内のインピーダンスと相互作用し、結果として過渡ノイズを発生させる元となる。
【0076】例えば、L=110H[ヘンリー]として、I=1mA、立上がり時間を1mSとすると、ベル回路のインダクタンスの逆起電力は、(18)式からV=110H×1mA/1mS=110ボルトとなる。
【0077】それに対し、本来測定しようとする加入者線電圧は、例えば、加入者線と端末との合成抵抗を1kΩとすると、I=1mAを流したとき、加入者線電圧=1mA×1kΩ=1ボルトであり、上記逆起電力よりは2桁小さい。そのため過渡ノイズにより大きな測定誤差が発生することとなる。
【0078】図10に示すように、この過渡ノイズの発生時刻はt=0の直後であり、そのときの電圧サンプル値V0 にこの過渡ノイズが含まれてしまう。明らかにt=T及び2Tの時刻にはもはやこの過渡ノイズは終了しており、従ってVT 、V2Tには過渡ノイズが含まれないため、電圧差を計算してもキャンセルされずにこの過渡ノイズが残り、その結果、演算結果に大きな誤差をもたらす。
【0079】加入者線インピーダンスの測定は、線路の短絡・開放障害の検出、電話機の接続の有無を検出することが目的である。ベル回路のインダクタンスは測定電流を緩かに変化させて供給すれば、等価的に直流を供給していることと同じこととなり、コイルの逆起電力が十分小さくなって無視でき、単純に巻き線抵抗が測定され、インダクタンスの効果は現れない。そのため、本方式の測定はインダクタンスに邪魔されずに直流阻止容量が測定される。この容量は電話機で一定の値に決められているため、容量値を知ることにより、電話機が何台接続されているかを検出できる。
【0080】さて、インピーダンス計算式について、図12を用いて導出を説明する。
【0081】図12は加入者線と端末の合成インピーダンスを抵抗Rと容量Cの並列回路で表したものである。ここに、電流Iを流す。抵抗R、容量Cを流れる電流を夫々IR 、IC とし、加入者線電圧をV(負)とすると、時間をtとして、【0082】
【数7】
I=IR +IC …(19)
R =−V/R …(20)
C =−C・dV/dt …(21)
となる。ここで(20)、(21)式を(19)式へ代入すれば【0083】
【数8】I=−V/R−C・dV/dt …(22)
となる。(22)式をt=0〜T(前半期間)間、t=T〜2T(後半期間)間にわたって積分すると、【0084】
【数9】

となる。
【0085】(23)、(24)式よりCとRを求め、積分を緩和に変えることにより、(16)、(17)式が得られる。
【0086】以上、本発明の一実施の形態の動作において、加入者線に電流源を接続した後、一定期間の間、第1の実施の形態においては加入者線の電圧を、また、第2の実施の形態においては電圧と電流を測定することで加入者線のインピーダンスを測定するものである。そして、本発明の第1の実施の形態においては電流源として定電流源を使用しているため平均電流の計測を必要とせず、回路構成の一層の簡略化が可能となっている。また、第2の実施の形態のように電流源が立ち上がり部で所定の変化率を有する場合、及び測定期間に電流源の電流が変化する場合には平均電流の測定も必要となる。
【0087】本発明は、電流源を接続した後の加入者線の過渡状態を表す方程式に過渡状態の前記測定値を代入することで前記インピーダンスを未知数として算出するものであるから、前記測定の一定期間は過渡状態が終了するまでの任意の期間でよく、過渡状態の途中の短期間に高速なインピーダンス測定を実現できるものである。
【0088】また、本発明の実施の形態においては、測定期間を前半と後半に分けた連続する2期間としているが、この計測の2つの期間は電流源を接続した加入者線の過渡状態内、又は過渡状態を含む任意の期間で行うようにすることができる。
【0089】具体的には、前記実施の形態の2つの測定期間は一部重複していてもよく、また、時間的に乖離した期間でもよい。即ち、同一の期間でない限りその始点及び終点を含め任意の期間に設定することが可能である。
【0090】また、前記各実施の形態においては、2つの期間の2回の計測結果に基づき2つのインピーダンスを測定しているが、計測項目が複数あって過渡状態の1方程式に複数の未知数が含まれる場合はその数だけの計測期間の設定を必要とすることは本発明の原理上明らかである。
【0091】更に、本発明の第2の実施の形態の加入者線の測定用回路技術である図4〜図6に示すデジタル処理回路、切替スイッチ、電流変化率制御を含む電流源等の具体的回路は第1の実施の形態に適用でき、同様に、図1に示す第1の実施の形態の測定用回路技術が第2の実施の形態に適用できることは明らかである。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、測定電流の印加による加入者線の過渡状態においてインピーダンスの測定を行うことができるから、極めて高速な測定が可能である。
【0093】また、制御電流源の使用により電流の印加時の過渡ノイズの発生を抑制し、その影響を防止できる。更にハムノイズの影響を受けにくくしてあるため、高精度のインピーダンス測定を可能である。
【0094】更に、電圧値及び電流値の保持回路を使用することによりインピーダンス測定回路を構成できることから、回路構成の簡略化が可能である。




 

 


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