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発明の名称 永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドおよびその製造 方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−16914
公開日 平成9年(1997)1月17日
出願番号 特願平7−162564
出願日 平成7年(1995)6月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】京本 直樹 (外2名)
発明者 深見 栄三
要約 目的
磁気抵抗効果膜に安定した縦バイアスを印加でき、低発熱・低ノイズの耐食性に優れた高信頼性かつ低価格の永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドおよびその製造方法を提供する。

構成
磁気抵抗効果センサ作動領域の両端部に、電気的かつ磁気的に連続性を有する永久磁石バイアス下地膜,永久磁石バイアス膜および電極膜からなる積層膜を配設した永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドであって、下地Cr薄膜7a〜7cと、永久磁石バイアス薄膜8a〜8cに10〜12原子百分率以下のCrを含有しかつ12〜15原子百分率以下のPtを含有するCoCrPt合金膜と、電極膜9a〜9cにMo組成が10〜40原子百分率以下であるTaMo合金膜とを用い、各膜中のAr含有量を3原子百分率以下に抑える。これにより、所望の永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドを得る。
特許請求の範囲
【請求項1】 基板上に少なくとも軟磁性薄膜、非磁性スペーサ薄膜および磁気抵抗効果薄膜からなる磁気抵抗効果センサ作動領域の両端部に、電気的かつ磁気的に連続性を有する永久磁石バイアス下地膜,永久磁石バイアス膜および電極膜からなる積層膜を配設した構造をもつ永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドにおいて、前記永久磁石バイアス下地膜が、クロム膜であることを特徴とする永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッド。
【請求項2】 前記クロム膜が、3原子百分率以下のアルゴンを含有することを特徴とする請求項1記載の永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッド。
【請求項3】 前記永久磁石バイアス膜が、10原子百分率以上12原子百分率以下のクロムを含有し、かつ12原子百分率以上15原子百分率以下のプラチナを含有するコバルト・クロム・プラチナ合金膜であることを特徴とする請求項1または2記載の永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッド。
【請求項4】 前記コバルト・クロム・プラチナ合金膜が、3原子百分率以下のアルゴンを含有することを特徴とする請求項3記載の永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッド。
【請求項5】 前記電極膜は、モリブデンの組成が10原子百分率以上40原子百分率以下であるタンタル・モリブデン合金膜であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッド。
【請求項6】 前記タンタル・モリブデン合金膜が、3原子百分率以下のアルゴンを含有することを特徴とする請求項5記載の永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッド。
【請求項7】 前記クロム膜を、スパッタ法を用いて0.1パスカル以上0.5パスカル以下の圧力のアルゴンガス雰囲気中で、0.5ワット/cm2 以上1.6ワット/cm2 以下のパワー密度で成膜する工程を有することを特徴とする永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドの製造方法。
【請求項8】 前記コバルト・クロム・プラチナ合金膜を、スパッタ法を用いて0.1パスカル以上0.5パスカル以下の圧力のアルゴンガス雰囲気中で、0.5ワット/cm2 以上1.6ワット/cm2 以下のパワー密度で成膜する工程を有することを特徴とする永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドの製造方法。
【請求項9】 前記タンタル・モリブデン合金膜を、スパッタ法を用いて0.1パスカル以上0.5パスカル以下の圧力のアルゴンガス雰囲気中で、0.5ワット/cm2 以上1.6ワット/cm2 以下のパワー密度で成膜する工程を有することを特徴とする永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドの製造方法。
【請求項10】 前記スパッタ法において、パワー密度が0.3ワット/cm2 以下のバイアス・パワーを印加することを特徴とする請求項7から9のいずれか1項記載の電極薄膜の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体から情報を読み取るための磁気ヘッドに関し、さらに詳しくは、磁気抵抗効果により情報を読み取る永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果ヘッドにおいて、永久磁石膜が磁気抵抗効果膜のセンサ作動領域の両端部に設けられたな構造をもつ永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドおよびフォトレジストによるステンシルを用いたその製造方法は、たとえば、特開平3−125311号公報などに開示されている。ここで、永久磁石バイアス膜は磁気抵抗効果膜に磁気的バイアスを印加して磁区構造を安定化し、単一磁区状態にするための重要な役割を担っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に磁気抵抗効果ヘッドの製造過程において、たとえば、パターニングするためのフォトレジストの熱処理など様々な温度履歴が加えられるが、その過程で永久磁石バイアス膜の磁気特性の安定性や信頼性が懸念される。さらに、製造過程におけるそれらの膜の内部応力による剥離についても懸念される。
【0004】本発明の目的は、その製造過程において、永久磁石バイアス下地膜,永久磁石バイアス膜および電極膜の剥離がなく、永久磁石バイアス膜の磁気特性が製造工程での種々の温度履歴を経た後において成膜設計値と変わらない値を保つことにより、磁気抵抗効果膜に安定した縦バイアスを印加でき、低発熱・低ノイズの耐食性に優れた高信頼性の永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドおよびその製造方法を低コストで提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に少なくとも軟磁性薄膜、非磁性スペーサ薄膜および磁気抵抗効果薄膜からなる磁気抵抗効果センサ作動領域の両端部に、電気的かつ磁気的に連続性を有する永久磁石バイアス下地膜,永久磁石バイアス膜および電極膜からなる積層膜を配設した構造をもつ永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドにおいて、前記永久磁石バイアス下地膜,永久磁石バイアス膜および電極膜にそれぞれクロム膜,コバルト・クロム・プラチナ合金膜およびタンタル・モリブデン合金膜を用いることを特徴とする。
【0006】また、コバルト・クロム・プラチナ合金膜は10原子百分率以上12原子百分率以下のクロムを含有し、かつ12原子百分率以上15原子百分率以下のプラチナを含有し、タンタル・モリブデン合金膜はモリブデンの組成が10原子百分率以上40原子百分率以下であり、これらの膜のすべてがスパッタ法を用いて0.1パスカル以上0.5パスカル以下の圧力のArガス雰囲気中で0.5ワット/cm2 以上1.6ワット/cm2 以下のパワー密度で成膜し、特に前記タンタル・モリブデン合金膜は0.3ワット/cm2 以下のパワー密度のバイアスを印加するバイアス・スパッタ法により成膜し、膜中のアルゴン含有量が3原子百分率以下であることを特徴する。
【0007】
【作用】本発明の永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドにおける各機能膜の諸特性について図面を参照して詳述する。
【0008】最初に各機能膜の評価用試料として、次の試料を作製した。
【0009】(1) 試料Aまず、ガラス基板上に、スパッタ法を用いて成膜パワー密度1.1ワット/cm2 ,圧力0.2パスカルのアルゴン(Ar)雰囲気中で、厚さ100オングストロームのクロム(Cr)膜,厚さ400オングストロームの10.8原子百分率のCrおよび13.6原子百分率のプラチナ(Pt)を含むコバルト・クロム・プラチナ(CoCrPt)合金膜および厚さ500オングストロームの29.2原子百分率のモリブデン(Mo)を含むタンタル・モリブデン(TaMo)合金膜を積層成膜した。
【0010】(2) 試料B試料Aと同様にガラス基板上に、スパッタ法を用いて成膜パワー密度1.6ワット/cm2 ,圧力0.2パスカルのAr雰囲気中で、厚さ100オングストロームのCr膜,厚さ400オングストロームの10.5原子百分率のCrおよび14.0原子百分率のPtを含むCoCrPt膜および厚さ500オングストロームの28.8原子百分率のMoを含むTaMo膜を積層成膜した。
【0011】(3) 試料C同様にガラス基板上に、スパッタ法を用いて成膜パワー密度2.7ワット/cm2 ,圧力0.2パスカルのAr雰囲気中で、厚さ100オングストロームのCr膜,厚さ400オングストロームの10.3原子百分率のCrおよび14.8原子百分率のPtを含むCoCrPt膜および厚さ500オングストロームの27.9原子百分率のMoを含むTaMo膜を積層成膜した。
【0012】このように作製された試料A,BおよびCのうち、試料Aの膜中には、Arが2原子百分率含有しており、試料Bおよび試料Cには、それぞれ3原子百分率および6原子百分率のArが含有していることが判った。
【0013】図2は、試料A,BおよびCの膜中のAr含有量と成膜パワー密度との関係を示す図である。
【0014】図2を参照すると、成膜パワー密度の増加とともに膜中のAr含有量が増大しており、1.6ワット/cm2 以下の成膜パワー密度において、膜中のAr含有量が3原子百分率以下に抑制可能であることが判る。
【0015】一般に、スパッタ法を用いて成膜する場合、プラズマ中のArがスパッタ粒子に紛れて膜中に混入するが、成膜パワー密度の増加とともに膜堆積速度が大きくなることにより、堆積中の膜表面に付着したArがプラズマ中に再放出される以前に膜が堆積され、より多くのAr原子が膜中に封じ込まれるものと考えられる。
【0016】同様に、1.4ワット/cm2 の成膜パワー密度でスパッタ中のArガス圧力を、0.1〜1.0パスカルの範囲で変化させそのときの膜中のAr含有量を測定したところ、Arガス圧の上昇とともに膜中のAr含有量が増大し、0.5パスカル以下のArガス圧では、膜中のAr含有量を3原子百分率以下に抑制できることが判った。
【0017】次に、これらの試料A,BおよびCを、Arガス雰囲気中にて温度300℃で1時間熱処理したときの残留磁束密度および保磁力を測定した結果について、表1に示す。
【0018】
【表1】

【0019】表1によれば、試料Aにおける該熱処理後の残留磁束密度の変化割合は、−0.9%と小さく良好であるのに対して、試料Bでは−2.0%と少し大きくなり、試料Cでは−6.0%とさらに大きく減少することが判った。
【0020】熱処理により残留磁束密度が減少するという原因については、現在のところ必ずしも明確ではないが、その1つとして熱処理による構造緩和があり、構造緩和を少なくするためには、歪が少なく格子整合の良好な膜を作製することが必要である。また、化学的不活性であるAr原子の挙動が構造緩和に与える影響もあることから、膜中のAr含有量は3原子百分率以下であることが望ましい。
【0021】これらのことから、成膜時のパワー密度は1.6ワット/cm2 以下、Arガス圧は0.5パスカル以下であることが好ましく、また、これらの成膜条件の下限値は、スパッタする際の放電が安定に発生し、かつ持続する条件によって規定すればよい。
【0022】CoCrPt合金膜は、CrおよびPtの含有量を多くすると残留磁束密度が減少し、磁気抵抗効果膜に適当な大きさの縦バイアス磁界を印加するためには、その膜厚を厚くする必要があり製造価格が上昇する。また、CrおよびPtの含有量が少なくすると残留磁束密度が大きくなるため、適当な縦バイアス磁界を得るための膜厚を薄くする必要があるが、そうすると、膜厚のばらつきによる縦バイアス磁界のばらつきが大きくなり、製造上の膜厚の制御をより厳密にする必要がある。さらに、Pt組成の減少は耐食性が悪化することが判っている。
【0023】これらのことから、CoCrPt合金膜は、10原子百分率以上12原子百分率以下の組成のCrおよび12原子百分率以上15原子百分率以下の組成のPtを含有していることが望ましい。
【0024】図3は、TaMo合金薄膜の比抵抗のMo組成依存性を示す図であって、このTaMo合金膜は、ガラス基板上にスパッタ法を用い、R.F.バイアス・パワー密度がそれぞれ0および0.3ワット/cm2 ,成膜パワー密度が1.2ワット/cm2 、圧力が0.3パスカルのArガス雰囲気の条件で作製した。
【0025】図3を参照すると、TaMo合金膜の比抵抗は、Mo組成によって大きく変化し、スパッタ法を用いて無バイアスで作製されたTaMo合金膜の比抵抗は、Mo組成が15原子百分率以上で急激に減少し、0.3ワット/cm2 のバイアス・パワー密度で作製された場合、Mo組成が10原子百分率以上で急激に減少し、40〜60μΩ・cmとなる。
【0026】TaMo合金膜中のMo含有量を多くすると耐食性が悪化するため、Mo組成は40原子百分率以下であることが好ましい。また、スパッタ成膜時のバイアス・パワーを増大すると、磁気抵抗効果ヘッド素子を製造する際に、印加電圧や再スパッタなどによって悪影響を受けるため、バイアス・パワー密度は0.3ワット/cm2 以下であることが好ましい。
【0027】上述した試料A,BおよびCに続き、さらに、各機能膜の評価用試料として試料Dおよび試料Eを作製した。
【0028】(4) 試料Dシリコン基板上に、スパッタ法を用いて成膜パワー密度1.4ワット/cm2,圧力0.3パスカルのAr雰囲気中で、厚さ100オングストロームのCr膜、厚さ400オングストロームの10.7原子百分率のCrおよび13.9原子百分率のPtを含むCoCrPt膜および厚さ500オングストロームの29.0原子百分率のMoを含むTaMo膜を積層成膜した。
【0029】(5) 試料Eガラス基板上に、スパッタ法を用いて成膜パワー密度1.4ワット/cm2 ,圧力0.8パスカルのAr雰囲気中で、100オングストロームの厚さのCr膜、厚さ400オングストロームの10.1原子百分率のCrおよび16.0原子百分率のPtを含むCoCrPt膜および厚さの500オングストロームの29.0原子百分率のMoを含むTaMo膜を積層成膜した。
【0030】このとき、試料Dの膜中にはArが2.5原子百分率含有しており、試料Eには5原子百分率のArが含有していることが判った。
【0031】次に、これらの試料D,試料Eついて、室温から昇温速度9.2℃/分で300℃まで加熱し、300℃の温度で1時間保持した後、降温速度2.3℃/分で室温まで冷却したときの内部応力の温度依存性について説明する。
【0032】図4は、試料Dの内部応力の温度依存性を示す図であり、また、図5は、試料Eの内部応力の温度依存性を示す図である。
【0033】まず、図4を参照すると、試料Dの内部応力は、初期の室温状態では約7×109 dyn/cm2 の引っ張り応力であるが、加熱昇温とともに減少し、300℃付近でほぼゼロになる。そして、冷却過程では徐々に大きくなり、室温に戻った状態では約3×109 dyn/cm2 の引っ張り応力になる。すなわち、試料Dの内部応力は、成膜直後は比較的大きな内部応力を有しているが、熱処理を施すことにより小さくなることが判る。また、熱処理過程において、内部応力が成膜直後よりも大きくなることはない。
【0034】これに対して、図5に示す試料Eの内部応力は、初期の室温状態では約−3.5×109 dyn/cm2 の圧縮応力であり、加熱昇温とともにマイナス方向(圧縮応力方向)に大きくなり、300℃付近では−9×109 〜−1.5×1010dyn/cm2 の圧縮応力となる。そして、冷却過程では徐々に緩和され、室温に戻った状態では約−6×109 dyn/cm2 の圧縮応力になる。
【0035】試料Eは、試料Dと比較して成膜直後の内部応力の絶対値は小さいが、熱処理過程では絶対値が大きくなり、熱処理後の値も成膜直後より負に大きく、試料Dと比較しても絶対値は大きい。温度による内部応力の変化は、熱膨張による格子間隔の変化が主な原因であると推察され、熱処理前後での内部応力の変化の原因としては熱処理による構造緩和が考えられる。また、化学的不活性であるAr原子の挙動が構造緩和に与える影響も考えられる。
【0036】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明する。
【0037】図1は、本発明の一実施例の概念的な製造工程を示す断面図であって、製造工程を図1(a)〜同図(c)により示す。
【0038】まず、図1(a)を参照すると、Al2 3 −TiC系のセラミック基板1上に、厚さ1000オングストロームのAl2 3 膜からなる絶縁膜2、厚さ250オングストロームのコバルト・ジルコニウム・モリブデン(CoZrMo)合金からなる軟磁性薄膜3、厚さ200オングストロームのタンタル(Ta)薄膜からなる非磁性スペーサ薄膜4、厚さ200オングストロームのニッケル・鉄(NiFe)合金からなる磁気抵抗効果薄膜5をスパッタ法を用いて積層成膜し、さらに、その上に厚さ3ミクロンのフォトレジスト6を塗布し、その後、周知の技術によりフォトレジスト6を露光・現像処理を行いステンシル・パターンを作製する。
【0039】次に、図1(b)を参照すると、45度の角度に傾斜させた斜めイオンミリング法により、軟磁性薄膜3,非磁性スペーサ薄膜4および磁気抵抗効果薄膜5をテーパ状に加工する。続いて、スパッタ法により成膜パワー密度1.4ワット/cm2 、圧力0.3パスカルのAr雰囲気中で、厚さ100オングストロームの下地Cr薄膜7a,7bおよび7c、厚さ300オングストロームの10.7原子百分率のCrおよび13.9原子百分率のPtを含むCoCrPt合金膜からなる膜永久磁石バイアス薄膜8a,8bおよび8c、および厚さ500オングストロームの29.0原子百分率のMoを含むTaMo合金膜からなる電極膜9a,9bおよび9cを積層成膜する。
【0040】最後に、図1(c)を参照すると、磁気抵抗効果センサとしての作動領域Twにあるフォトレジスト6,下地Cr薄膜7c,CoCrPt合金永久磁石バイアス薄膜8cおよびTaMo膜からなる電極膜9cをアセトンなどの有機溶剤を用いて取り除き、永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッド素子を作製した。このとき、フォトレジスト6を完全かつ速やかに除去するために超音波洗浄などを併用してもよい。
【0041】そして、この永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッド素子は、周知の技術によりスライダ加工を施すとともに、加圧ばね,支持アーム等の取り付け、および電極への配線等を行って永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドを作製した。
【0042】このようにして作製された磁気抵抗効果型ヘッドは、製造過程において膜の剥離がなく磁気抵抗効果膜に安定した縦バイアスを印加でき、しかも素子抵抗が18オームと小さく、これにより、発熱・ノイズが小さく抑えられ、かつ耐食性にも優れていた。また、再生特性についても熱による雑音が少なく、バルクハウゼンノイズや波形非対称のない良好な再生波形が得られた。
【0043】なお、本発明の永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドは、各機能膜の組成が下記の範囲内であれば、同様の結果が得られる。
【0044】CoCrPt合金膜は、10原子百分率以上12原子百分率以下のクロムを含有し、かつ12原子百分率以上15原子百分率以下のPtを含有してもよく、また、TaMo合金膜は、Moの組成が10原子百分率以上40原子百分率以下であればよい。
【0045】さらに、これらの膜を成膜するときは、スパッタ法を用いて0.1パスカル以上0.5パスカル以下の圧力のArガス雰囲気中で、0.5ワット/cm2 以上1.6ワット/cm2 以下のパワー密度で成膜してもよく、特に、TaMo合金膜は、0.3ワット/cm2 以下のパワー密度のバイアスを印加するバイアス・スパッタ法により成膜し、膜中のアルゴン含有量が3原子百分率以下であればよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、製造過程において永久磁石バイアス下地膜,永久磁石バイアス膜および電極膜の剥離がなく、永久磁石バイアス膜の磁気特性が製造工程での種々の温度履歴を経た後において成膜設計値と変わらない値を保つことにより、磁気抵抗効果膜に安定した設計通りの縦バイアスを印加でき、さらに、素子抵抗が小さく、それによって発熱・ノイズが小さくでき、耐食性に優れた高信頼性かつ低価格の永久磁石バイアス型磁気抵抗効果ヘッドおよびその製造方法を提供できるという効果がある。




 

 


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