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発明の名称 ダイバーシティ受信機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−8718
公開日 平成9年(1997)1月10日
出願番号 特願平7−180872
出願日 平成7年(1995)6月24日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 章夫
発明者 園田 秀昭
要約 目的
ダイバーシティ受信機における信号対雑音比を改善するとともに、受信機における等化器の発散現象を防止する。

構成
判定帰還型等化器(DFE)105から出力される判定データ信号と、DFEに入力される前の信号とを切り替えスイッチ106により切り替え、この選択された信号により、合成されるダイバーシティ受信信号の相関器103−1〜103−Nにおける重み付けに際しての重み係数制御を行なう。この切り替えにより、通常時にはDATA CORR法を用いていることになり、マルチパス環境下においても常に主波に対して最大比合成が可能となる。また、厳しいフェージングを受けて信号が瞬断されたときには、MRC法を用いることになるため、ダイバーシティ受信機が永久的に発散することがない。
特許請求の範囲
【請求項1】 複数のダイバーシティ受信信号をそれぞれ重み付け制御し、かつこれらの信号を合成し、かつ判定帰還型等化器により歪除去を行うダイバーシティ受信機において、前記判定帰還型等化器から出力される判定データ信号と、前記判定帰還型等化器に入力される前の信号とを選択し、選択された信号により前記重み付けに際しての重み係数制御を行うことを特徴とするダイバーシティ受信機。
【請求項2】 判定帰還型等化器に入力される前の合成信号のレベルを検出するレベル検出器と、このレベル検出器の検出出力により前記判定データ信号と入力前信号とを切り替える切替スイッチとを備える請求項1のダイバーシティ受信機。
【請求項3】 レベル検出器は、合成信号のレベルが所定以上のときには判定データ信号を選択し、所定レベル以下のときに入力前信号を選択するように切替スイッチを切替動作させるように構成される請求項2のダイバーシティ受信機。
【請求項4】 判定データ信号に含まれる同期フレームの合致を検出するフレーム同期回路を有し、このフレームの合致検出出力により前記切替スイッチを切り替え動作させる請求項2のダイバーシティ受信機。
【請求項5】 判定帰還型等化器の一部を構成する後方等化器を遮断するスイッチを有し、入力前信号に切り替えたときにこのスイッチを動作して後方等化器を遮断状態とする請求項1ないし4のダイバーシティ受信機。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はダイバーシティ受信機に関し、特に入力信号が瞬断した際の自己復旧能力を有するダイバーシティ受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より用いられているダイバーシティ受信機として、判定データ相関法(DATA CORR法)と称するものがある。図2はその基本構成のブロック図を示しており、複数のダイバーシティアンテナ201−1〜201−Nでそれぞれ受信した信号を、複素乗算器202−1〜202−Nと相関器203−1〜203−Nで構成される重み付け制御器を通した上で、合成器204においてダイバーシティ合成を行っている。また、合成出力を判定帰還形等化器(DFE:Decision Feedback Equalizer)を通過した上で、その判定データ信号をサンプル回路208でサンプルし、これを用いて前記相関器203−1〜203−Nの重み係数(タップ係数)を制御する構成が取られている。その最大の理由は、マルチパス環境下においても常に希望波(主波)に対して最大比合成が可能であるためである。最大比合成とは、信号対雑音比(SNR:Signal to Noise Ratio)が最大となるように合成することである。
【0003】以下、説明を簡素化するため、ダイバーシティブランチの数が2ルートの場合を説明する。通常マイクロ波回線では、厳しいマルチパスフェージングを受けているため進み波や遅れ波が生じ、時間軸上において分散した形となっている。したがって、ダイバーシティアンテナ201−1,201−2にて受信された各ルートの受信信号rn 1,rn 2 を次のようにおくことができる。
【0004】
【数1】

【0005】ここで、hi 1,hi 2 は時刻iでのインパルス応答、an-i は時刻(n−i)での送信データである。前記受信信号rn 1,rn 2 は互いに無相関であり、異なったルートにおいてそれぞれ複素乗算器202−1,202−2より固有の重み付けをされる。その際のタップ係数は、DATA CORR法ではDFE通過後の判定データ信号an (主波)と、受信信号の複素共役との相関をとることで求められる。次式はそのことを示している。
【0006】
【数2】

【0007】ここで、E[ai * j ]≡δただし、δ =[1(i=j),0(i≠j)]
を用いると、1 =h01* ・E[ai * j ]=h01* …(4)
となる。これは、i=0つまり主波(an )についてのインパルス応答の複素共役を意味している。
【0008】同様にして、w2 についても求めると、w2 =h02* …(5)
となる。
【0009】以上のことから、受信信号rn 1,rn 2 が複素乗算器にて各々畳込みされ合成された信号は次式のようになる。
n =rn 1 ・w1 +rn 2 ・w2 =(h01* ・h01)an +(h02* ・h02)an …(6)
【0010】ここで、(6)式において、h01* ・h01及びh02* ・h02なる項があるが、これは複素共役の乗算であるので、結果として、Amplitude(of Impulse Response)…2乗Phase…同相となる。これがいわゆる最大比合成である。
【0011】また、同時刻において、レベルの高い信号についてはタップ係数を大きく、低いものについてはノイズと見なして0となるように動作するため、不要をノイズや歪みを取込まない特徴も兼ね備えている。つまり、マルチパス環境下においても、最もレベルの高い信号(=希望波(主波)と考えて良い)に対して最大比合成が可能である。これが、DATA CORR法の最大の利点であり、良く用いられている要因となっている。
【0012】一方、ダイバーシティ合成に用いられる他の方法にMRC(MaximalRatio Combiner)法がある。図3はそのブロック図である。この構成においては、DATA CORR法と同様に、複数のダイバーシティアンテナ301−1〜301−Nでそれぞれ受信した信号を、複素乗算器302−1〜302−Nと相関器303 :1〜303−Nで構成される最大比制御器を通した上で、合成器304においてダイバーシティ合成を行っている。そして、合成出力をDFEを通す前にAGC(Automatic Gain Control)309で増幅し、この増幅信号を用いて前記相関器303−1〜303−Nのタップ係数を制御する構成が取られている。
【0013】このMRC法も最大比合成を行っているが、タップ係数の決定方法に大きな違いがあるため性能においてもDATA CORR法と差の出るところとなる。すなわち、DATA CORR法と同様、受信信号を(1),(2)式で表せるものと仮定する。各ダイバーシティルートのタップ係数をw1 ,w2 とすると、合成後の式は次のようになる。
【0014】
【数3】

【0015】ここで、容易なようにw1 ・hi 1 +w2 ・hi 2 =1と仮定する。この時、MRC法がAGC309により振幅を1に制御した合成信号と受信信号との相関をとってタップ係数を決定することを考慮すると、MRC法におけるタップ係数の値は次のようになる。他ルートについても添字が変わるだけで同様である。
【0016】
【数4】

【0017】この式の意味するところは、DATA CORR法の(4)式と比較すると分かり易いが、タップ係数が主波と同時刻のインパルス応答の複素共役のみを採るのではなく、その他のルートも含めた積算値となる。したがって、畳込みの際に、DATA CORR法のように信号レベルの高い1ルートのみ信号を通過させるわけでなく、レベルが低くても全て信号と見なし同相合成を行なうことになる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このようなダイバーシティ受信機においては、受信信号が、伝搬回線において厳しいフェージングを受け瞬断状態になると、信号レベルが低下し、DFEの発散現象が生じることになる。すなわち、DFEの構成要素である前方等化器(FE:Forward Equalizer)は、自身への入力信号と判定データ信号との相関値をタップ係数とする線形フィルタであるため、入力信号のレベルが極端に低くなると、前記係数は無意味なランダムパターンの数値となる。
【0019】これは、ガウス分布に依存するため平均的にタップ係数が0となってしまい、この状態になるとFEは後段に信号を通さなくなる。したがって、DFEのもう1つの構成要素である後方等化器(BE:Backward Equalizer)も正常な動作が不可能となり、FEと同様に0に収束してしまう。このため、これらFE,BEが信号を遮断してしまうことから、例え回線が復旧して信号レベルが上がっても判定データ信号は永久的に0のままとなる。厳密に言えば、FEの基準となる1タップには常に1Vがかかっており、信号が復旧すればFEも回復するが、BEがこれを妨げている。
【0020】したがって、前記したようにDFEの出力である判定データ信号との相関値をタップ係数に採るDATA CORR法においても同じことが言えるため、DATA CORR法においてDFEの発散現象が生じるという問題が生じる。
【0021】これに対し、MRC法ではDFE入力前の合成直後の信号をタップ係数決定の相関値としているため、回線が復旧すればタップ係数も0に収束という事態から復旧することは可能である。しかしながら、このMRC法では、前記したように畳込みの際に、DATA CORR法のように信号レベルの高い1ルートのみ信号を通過させるわけでなく、レベルが低くても全て信号と見なし同相合成を行なっているため、マルチパスルート環境下では、主波にとって干渉波となり得る進み波や遅れ波までも最大比合成してしまうので、総合的なSNRが悪くなってしまうという問題がある。
【0022】
【発明の目的】本発明の目的は、SNRを改善するとともに、発散現象の発生を防止することを可能にしたダイバーシティ受信機を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数のダイバーシティ受信信号をそれぞれ重み付け制御し、かつこれらの信号を合成し、かつDFEにより歪除去を行うダイバーシティ受信機において、DFEから出力される判定データ信号と、DFEに入力される前の信号とを選択し、選択された信号により重み付けに際してのタップ係数の制御を行うことを特徴としている。
【0024】すなわち、本発明においては、DFEに入力される前の合成信号のレベルを検出するレベル検出器と、このレベル検出器の検出出力により前記判定データ信号と入力前信号とを切り替える切替スイッチとを備えている。ここで、レベル検出器は、合成信号のレベルが所定以上のときには判定データ信号を選択し、所定レベル以下のときに入力前信号を選択するように切替スイッチを切替動作させるように構成される。
【0025】また、本発明においては、判定データ信号に含まれる同期フレームの合致を検出するフレーム同期回路を有し、このフレームの合致検出出力により切替スイッチを切り替え動作させるようにしてもよい。さらに、DFEの一部を構成するBEを遮断するスイッチを有し、入力前信号に切り替えたときにこのスイッチを動作してBEを遮断状態とするように構成することが好ましい。
【0026】
【作用】受信された信号は、タップ係数により重み付け制御が行われた後に合成され、かつDFEにより歪除去が行われるが、その際のタップ係数の設定においては、切替スイッチにより選択された信号により行われる。通常は、マルチパス環境下でも主波に対して最大比合成が可能であることから、DFEからの判定データ信号が選択され、これにより利得の大きいDATA CORR法によるタップ係数の設定が行われる。
【0027】また、受信信号が伝搬回線において厳しいフェージングを受け、瞬断状態になり、信号レベルが所定以下となったときには、切替スイッチを切り替え、DFEの入力前信号が選択される。これにより、MRC法の回路によるタップ係数の設定が行われることになり、厳しいフェージングによって瞬断状態となった場合のDFEの発散が防止される。
【0028】さらに、MRC法の回路への切替時にはDFEが発散された状態にあるが、MRC法の回路に切替え、かつ同時にBEを遮断することで、FEの復旧が可能となる。また、判定データ信号に含まれる同期フレームの合致判定をとり、一致する場合には、DATA CORR法の回路での動作を行うようにし、一致しないようであればMRC法の回路での動作を行うようにする。また、これと同時にスイッチによりBEを切り離す。
【0029】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例のブロック図である。複数のダイバーシティアンテナ101−1〜101−Nでそれぞれ受信した信号を、複素乗算器102−1〜102−Nと相関器103−1〜103−Nで構成される重み付け制御器を通した上で、合成器104においてダイバーシティ合成を行っている。そして、合成出力をBE113,FE114,加算器115,判定器116で構成されるDFE105に入力し、ここでマルチパス歪みを除去している。
【0030】前記相関器103−1〜103−Nのタップ係数を制御する信号路には、切替スイッチ106が介挿され、コントローラ107によって切替えられるように構成される。すなわち、前記切替スイッチ106の一方の入力には、前記DEF105を通過後の判定データ信号をサンプル回路108を通して入力させている。また、他方の入力には、前記DFE105に入力される前の合成信号をAGC109を通して入力させている。そして、前記切替スイッチ106を切り替えるコントローラ107には、前記DFE105に入力される前の合成信号のレベルを検出するレベル検出器110の検出出力が入力される。
【0031】なお、この実施例においては、前記コントローラ107には、DFE105を通過後の判定データ信号に含まれる同期フレームに同期されるフレーム同期回路111の出力も併せて入力される。
【0032】また、コントローラ107の入力の一部は、前記DFE105の一部を構成するBE113の出力端に設けられたスイッチ112に入力され、コントローラ入力に基づいてスイッチ112をオン、オフ制御するように構成される。
【0033】このようなダイバーシティ受信機の動作は次のようになる。ダイバーシティアンテナ101−1〜101−Nにより受信された信号は、相関器103−1〜103−Nと複素乗算器102−1〜102−Nでそれぞれ異なった重み付けを受ける。この際のタップ係数の設定においては、切替スイッチ106により選択された信号により行われる。通常は、マルチパス環境下でも主波に対して最大比合成が可能であることから、DFE105からの判定データ信号が選択され、これにより利得の大きいDATA CORR法によるタップ係数の設定が行われる。
【0034】この切替スイッチの切替え基準としては、前記したように合成直後の信号レベルを用いるようにする。これは、通常DATA CORR法によりタップ係数を制御すると、受信信号が伝搬回線において厳しいフェージングを受け、瞬断状態になるとDFE105が正常に動作しなくなり前述したような問題が発生する。したがって、DFE105の入力前においてレベル検出器110において信号レベルを検出し、この信号レベルが所定レベル以上のときにはDATA CORR法によるタップ係数制御を行うようにする。
【0035】そして、この信号レベルが所定以下となったときには、コントローラ107により切替スイッチ106を切り替え、DFE105の入力前の信号をAGC109で増幅した信号が選択される。これにより、MRC法によるタップ係数の設定が行われることになり、厳しいフェージングによって瞬断状態となった場合のDFE105の発散が防止される。したがって、レベル検出器110の判定点は、DFE105が正常に機能している信号レベルと、MRC法の回路に切替えた直後からでも正常に動作できる信号レベルの共通部分における最小レベルに設定する。
【0036】その理由として、DFE105が正常であっても切替えた直後のMRC回路が正常に動作しなければ本末転倒になってしまうことと、できる限り利得のよいDATA CORR法の回路を用いたいことによる。もし、共通部がなければ後者を選択する。この場合DFE105は既に発散しているが、MRC法の回路に切替えることでFE114への入力信号は発散していないため、FE114は復旧できる。
【0037】しかし、前述したとおり、BE113がそれを妨げようとするため、この場合にはスイッチ112をオフにしてBE113を切り離すことで、BE113による妨げが回避され、FE114の復旧が可能となる。そして、FE114が回復した時点でスイッチ112をオンしてBE113を再び接続すればよい。
【0038】MRC法の回路はDATA CORR法の回路が正常に働くまでの初期引込みとして利用するに過ぎない。しかし、DFE105の発散に関係なく同相合成ができる点は、DATA CORR法の欠点を補償する点で有利なものとなる。
【0039】さらに、本実施例では、前記したように切替スイッチ106の切替え基準として、判定データ信号に含まれる同期フレームを併用している。通常、クロック同期をとるため、或いはデータが正確に送られてきているかを確認するため、予め定めてあるビット列(フレーム)を送信データ内に挿入している場合が多い。したがって、DFE通過後のマルチパスフェージングによる歪みがない信号を用いて、フレーム同期回路111においてフレームの合致判定をとる。ここで一致する場合には、DATA CORR法の回路での動作を行うようにし、一致しないようであれば、フラグを立てるか、或いは信号そのもののEX−ORをとってその結果を利用することでコントローラ107を制御し、切替スイッチ106によりMRC法の回路での動作を行うようにする。また、これと同時にスイッチ112によりBE113を切り離すことで、前記と同様にFE114の復旧が可能となる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるダイバーシティ受信機は、DFEから出力される判定データ信号と、DFEに入力される前の信号とを選択し、選択された信号により重み付けに際してのタップ係数制御を行なうので、通常時にはDATA CORR法を用いていることになり、マルチパス環境下においても常に主波に対して最大比合成が可能となる。また、厳しいフェージングを受けて信号が瞬断されたときには、MRC法を用いることになるため、ダイバーシティ受信機が永久的に発散することがないという効果を有する。
【0041】また、MRC法の回路への切替時にはDFEが発散された状態にあるが、MRC法の回路に切替え、かつ同時にBEを遮断することで、FEを復旧することが可能となる。さらに、判定データ信号に含まれる同期フレームの合致判定をとり、一致する場合には、DATA CORR法の回路での動作を行うようにし、一致しないようであればMRC法の回路での動作を行うようにし、これと同時にスイッチによりBEを切り離すことで、前記したように主波に対する最大比合成が可能となり、かつ受信機の発散を防止することが可能となる。




 

 


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