米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 計算機;電気通信 -> 日本電気株式会社

発明の名称 スペクトラム拡散信号受信装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−8699
公開日 平成9年(1997)1月10日
出願番号 特願平7−149026
出願日 平成7年(1995)6月15日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】井出 直孝
発明者 角 朋也
要約 目的
スペクトラム拡散信号受信装置の周波数制御回路を簡単化および小型化する。

構成
異なる所定の二つの時刻における出力値をそれぞれ用いて、直交信号(I,Q)成分を振幅成分Rおよび角度成分θで表示するとき、R(t)*R(t+Δt){sin(θ(t) −θ(t+Δt)}
特許請求の範囲
【請求項1】 受信信号を入力し直交信号(I,Q)を出力する直交復調器と、この直交信号がそれぞれ入力し送信側の拡散に対応する逆拡散を与える逆拡散相関復調器(72 、73 )と、この逆拡散相関復調器に拡散符号(PN)を与える拡散符号発生器と、この拡散符号発生器に基準周波数信号を与える電圧制御発振器(VCO)と、前記逆拡散相関復調器の出力を演算し前記電圧制御発振器に制御信号を与える周波数制御信号演算回路とを備えたスペクトラム拡散信号受信装置において、前記周波数制御信号演算回路には、前記直交信号(I,Q)成分を振幅成分Rおよび角度成分θで表示するとき、R(t)*R(t+Δt){sin(θ(t) −θ(t+Δt)}
を零にするように前記電圧制御発振器を制御する手段を含むことを特徴とするスペクトラム拡散信号受信装置。ただし、tは時刻。
【請求項2】 前記直交復調器の出力にアナログ信号をディジタル信号に変換する手段を備えた請求項1記載のスペクトラム拡散信号受信装置。
【請求項3】 前記周波数制御信号演算回路は、前記逆拡散相関復調器の出力の異なる所定の二つの時刻におけるそれぞれの出力値にしたがってその時刻における受信電力値を算出しその変化にしたがって前記制御信号の応答速度を制御する手段を備えた請求項1または2記載のスペクトラム拡散信号受信装置。
【請求項4】 前記制御信号に所定の係数を乗算し応答速度を変化させる手段を含む請求項3記載のスペクトラム拡散信号受信装置。
【請求項5】 前記周波数制御信号演算回路は、前記逆拡散相関復調器の出力についてそれぞれの持つ高周波雑音成分を除去する低域通過フィルタを備えた請求項1ないし4のいずれかに記載のスペクトラム拡散信号受信装置。
【請求項6】 前記低域通過フィルタは、その時定数を通信経路状態にしたがって適宜変更する手段を含む請求項5記載のスペクトラム拡散信号受信装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は移動通信に利用する。本発明はスペクトラム拡散通信方式に利用する。特に、装置構成の簡単化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】割り当てられた周波数帯を利用して多数の局が相互に通信する場合のマルチプルアクセス(多元接続)方式には、FDMA(周波数分割多重方式)やTDMA(時分割多重方式)やCDMA(符号分割多重方式)など様々な通信方式が提案されている。これらの多くは、サービス地域を細かく分割したセルに基地局を配置して、加入者機器はこの基地局を介して他の加入者機器と通信する。
【0003】なかでもバースト同期を必要としないCDMA方式は、加入者を多く抱える通信システムに適しており、干渉や妨害にも強いなどの利点があり注目を浴びている。スペクトラム拡散通信方式を用いたCDMA方式では、各利用者に異なる拡散符号系列を割当て、それを用いて拡散変調を行うマルチプルアクセス方式である。したがって、1つのセル内において同一周波数を複数の利用者により用いることができる。
【0004】既に知られているように、スペクトラム拡散通信方式は、受信信号を逆拡散により復調する上で送信側で使用した拡散符号に同期した拡散符号を受信機において用いることが前提である。したがって、例えばマルチパスその他に起因する伝搬路遅延の変化その他の影響を受け拡散符号の位相が1チップを越えてずれるような場合は、正確なデータ復調は困難になる。ゆえに送信側と受信側の拡散符号系列の位相差を充分に小さな値(通常1/2チップ以下)まで追い込む同期捕捉(初期同期)と、いったん捕捉された同期位置を雑音や変調の影響で見失わないように常に1/2チップ以下の精度に保つ同期追跡(同期保持)の技術が不可欠である。その際、受信機内で用いる周波数クロックの同期制御、安定制御が重要となる。
【0005】この従来例を図10および図11を参照して説明する。図10は従来例のスペクトラム拡散信号受信装置のブロック構成図である。図11は従来例の周波数同期回路であるディレイロックループ(DLL)回路の動作を説明するための図である。受信機では送信機において掛け合わされている拡散符号(PN符号)と同じものを、拡散符号発生器23で発生させ(復調に使用する拡散符号を以下PN(0)と呼ぶ)乗算器263 および264 で乗算し逆拡散することによって逆拡散復調をする。
【0006】しかしこのとき、PN(0)は送信機側で掛け合わされている拡散符号と同期させる必要がある。そこでこの回路では受信した信号に送信機側で使用している周波数とほぼ等しい周波数のローカル発振器21と移相器22を含む直交復調器2を用いて準同期検波を行い、得られた同相および直交成分(以下I、Q成分と呼ぶ)のそれぞれに、逆拡散復調に使用する拡散符号に対して少しだけ(普通は1/2チップ)位相を進めた拡散符号(以下PN(+)と呼ぶ)と、同じく位相を遅らせた拡散符号(以下PN(−)と呼ぶ)とをそれぞれ独立に拡散符号発生器23において発生させる。
【0007】各拡散符号は、それぞれ乗算器265 および266 で受信信号と乗算し逆拡散させ、低域通過フィルタ(以下LPFと呼ぶ)272 および273 にて高周波雑音成分を除去することにより平滑にし、各I、Q成分逆拡散復調出力となる。これらI、Q成分拡散復調出力から得られた拡散符号の位相比較のための合成相関信号を周波数制御信号演算回路25に入力する。
【0008】そこで電圧制御発振器(以下VCOと呼ぶ)24に対する周波数制御信号を演算し、VCO24の発生するクロックにより駆動する拡散符号発生器23およびローカル発振器21において、それぞれ受信した信号の搬送波周波数、さらにそこから出力されるローカル信号との周波数同期を制御する。
【0009】このとき、周波数制御信号演算回路25に入力するI、Q各成分の信号は、受信信号とPN(+)およびPN(−)による逆拡散相関出力として図11(A)および(B)に示すような相関出力特性J、Kが得られる。これら相関出力を加算器28でそれぞれ加減算すると、J、Kの合成相関出力として図11(C)に示す合成相関出力特性LがI、Q各成分に関してそれぞれ得られる。このI、Q各成分に対する合成相関出力特性Lから拡散符号発生器23において使用しているVCO24に対する周波数制御信号を求める。実際にはこれによって拡散符号発生器23のPN(0)が受信した信号の送信機において乗算された拡散符号を追跡して同期するように動作し、その結果合成相関出力特性Lの出力最大値と出力最小値の中点が“0”となる。すなわち図11(C)の点L0で復調に使用する拡散符号PN(0)の発生が安定して行われるように制御される。
【0010】このような従来例技術としては、特開平3−101534号公報、特開平5−308345号公報、特開平2−92035号公報に開示されている方式が挙げられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術においては実際に受信した信号から情報を復調するために用いられる拡散符号PN(0)以外に、位相の進んだPN(+)、位相の遅れたPN(−)に関しても常にその逆拡散処理を施さなければならない。このためには、PN(−)およびPN(+)のために符号発生装置および逆拡散に関する処理部を装備しなくてはならないため、その回路規模は大きなものとなる。
【0012】本発明は、このような背景に行われたものであり、回路を簡単化および小型化することができるスペクトラム拡散信号受信装置を提供することを目的とする。本発明は、消費電力を低減することができるスペクトラム拡散信号受信装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、受信信号を入力し直交信号(I,Q)を出力する直交復調器と、この直交信号がそれぞれ入力し送信側の拡散に対応する逆拡散を与える逆拡散相関復調器(72 、73 )と、この逆拡散相関復調器に拡散符号(PN)を与える拡散符号発生器と、この拡散符号発生器に基準周波数信号を与える電圧制御発振器(VCO)と、前記逆拡散相関復調器の出力を演算し前記電圧制御発振器に制御信号を与える周波数制御信号演算回路とを備えたスペクトラム拡散信号受信装置である。
【0014】ここで、本発明の特徴とするところは、前記周波数制御信号演算回路には、前記直交信号(I,Q)成分を振幅成分Rおよび角度成分θで表示するとき、R(t)*R(t+Δt){sin(θ(t) −θ(t+Δt)}
を零にするように前記電圧制御発振器を制御する手段を含むところにある。ただし、tは時刻。
【0015】前記直交復調器の出力にアナログ信号をディジタル信号に変換する手段を備えることが望ましい。
【0016】前記周波数制御信号演算回路は、前記逆拡散相関復調器の出力の所定の二つの時刻におけるそれぞれの出力値にしたがってその時刻における受信電力値を算出しその変化にしたがって前記制御信号の応答速度を制御する手段を備えることが望ましい。このとき、前記制御信号に所定の係数を乗算し応答速度を変化させる手段を含むこともできる。
【0017】前記周波数制御信号演算回路は、前記逆拡散相関復調器の出力の持つ高周波雑音成分を除去する低域通過フィルタを備えることが望ましい。この低域通過フィルタは、その時定数を通信経路状態にしたがって適宜変更する手段を含むこともできる。
【0018】
【作用】本発明では、異なる所定の二つの時刻における出力値をそれぞれ用いて、直交信号(I,Q)成分を振幅成分Rおよび角度成分θで表示するとき、R(t)*R(t+Δt){sin(θ(t) −θ(t+Δt)}
を零にするようにVCOを制御する。これにより、異なる複数の位相における逆拡散処理を施す必要がなく、簡単な装置構成により周波数同期を確立することができる。このとき、直交信号(I,Q)はディジタル信号化されて処理されることがよい。
【0019】また、異なる所定の二つの時刻における各出力値にしたがってその時刻における受信電力値を算出しその変化にしたがってVCOの制御信号の応答速度を制御するようにすることもよい。これにより、フェージングその他による受信電力値の変動が激しいときと、ゆるやかなときとでVCOの応答速度を変化させ、不必要なクロック周波数の“バタツキ”を回避することができる。応答速度を変化させるためには、例えば、制御信号に所定の係数を乗算することにより行う。
【0020】直交信号成分が通過する低域通過フィルタを備えて伝送経路で付加された雑音成分を除去することがよい。さらに、この低域通過フィルタは、その時定数を通信経路状態にしたがって適宜変更することがよい。これにより、VCOの制御信号をさらに精度の高いものにすることができる。
【0021】
【実施例】本発明実施例の構成を図1を参照して説明する。図1は本発明実施例装置のブロック構成図である。
【0022】本発明は、受信信号を入力し直交信号(I,Q)を出力する直交復調器2と、この直交信号がそれぞれ入力し送信側の拡散に対応する逆拡散を与える逆拡散相関復調器71 〜74 と、この逆拡散相関復調器71 〜74 に拡散符号(PN)を与える拡散符号発生器3と、この拡散符号発生器3に基準周波数信号を与えるVCO9と、逆拡散相関復調器72 および73 の出力を演算しVCO9に制御信号を与える周波数制御信号演算回路4とを備えたスペクトラム拡散信号受信装置である。
【0023】ここで、本発明の特徴とするところは、周波数制御信号演算回路4には、前記直交信号(I,Q)成分を振幅成分Rおよび角度成分θで表示するとき、R(t)*R(t+Δt){sin(θ(t) −θ(t+Δt)}
を零にするようにVCO9を制御する手段を含むところにある。ただし、tは時刻である。直交復調器2の出力にアナログ信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル(A/D)変換器51 および52 を備えている。
【0024】まず、本発明実施例の原理を説明する。北米において標準化されたTIA・IS95では、基地局送信機において利用者が使用する信号には、情報信号と、送信機および受信機の同期確立のために情報信号で拡散に用いたものとは異なる拡散符号を用いて拡散したパイロット信号とを常に重畳し送信を行っている。さらに送信される搬送波の同相成分および直交成分にそれぞれ異なる拡散符号を用いてスペクトラム拡散が施されている。このため受信機では、これらパイロット信号を用いることによって、基地局送信機と受信機の同期を行うことができる。
【0025】ある時刻tに受信機にて受信した信号S(t)を直交復調し、出力される同相および直交成分信号(以下I、Q成分と呼ぶ)をそれぞれ送信機において拡散に使用されたPN符号を用いて逆拡散した信号をIp(t)、Qp(t)とする。同様に時刻tからΔtだけ遅れて受信した信号S(t+Δt)を逆拡散した信号をそれぞれIp(t+Δt)、Qp(t+Δt)とする。
【0026】これら異なる時刻に受信した信号を図2にIQ座標軸表示する。図2は本発明の原理を説明するための図である。横軸にIをとり、縦軸にQをとる。図2では、受信した信号が時間ΔtにS(t)からS(t+Δt)に角度Δθだけ回転していることが分かる。
【0027】ここで、時刻の異なる2つの信号S(t)、S(t+Δt)はIQ座標軸表示するとそれぞれ、 S(t)=Ip(t)+jQ(t) …(11
S(t+Δt)=Ip(t+Δt)+jQ(t+Δt) …(12
となり、 さらにこれらI、Q成分表示を振幅成分R、角度成分θで表すと、 S(t)=R(t){cosθ(t)+jsinθ(t)} …(21
S(t+Δt)=R(t+Δt){cosθ(t+Δt)+jsinθ(t+Δt)}…(22
となる。ここで、S(t)とS(t+Δt)の各I、Q成分をたすき掛けに乗算しその結果を加減算する演算、すなわち、 I(t)*Q(t+Δt)−I(t+Δt)*Q(t)
=R(t)*R(t+Δt){cosθ(t)*sinθ(t+Δt)− cosθ(t+Δt)*sinθ(t)}
=R(t)*R(t+Δt){sin〔θ(t)−θ(t+Δt)〕}…(3)
となる。(3)式によって時刻t、t+Δt間の角度変位量Δθ〔θ(t)−θ(t+Δt)〕
の正弦成分(sin成分)が得られることが分かる。(3)式の出力がゼロ、すなわちΔθをゼロにすることは時間Δtにおける周波数変位量をゼロにすることと等価である。これは、角度θ(t)=2πf(t)〔f(t)は時刻tの周波数〕
より得られる。したがって式(3)の出力がゼロになるようにVCOを制御することによって受信した信号の周波数変位量を無くし、周波数安定を可能とする。
【0028】次に、スペクトラム拡散通信方式では、送信機では送ろうとする情報系列にその情報系列の周波数より高い周波数の拡散系列を掛け合わせ送信を行い、受信機ではその拡散系列を用いて逆拡散処理を行い情報系列を取り出す。この拡散・逆拡散に用いられる系列は一般にPN系列が用いられる。この系列の特徴はその自己相関関数がδ関数となる。これは、送信および受信双方で用いられる系列の同期が完全にとれた場合には、その相関結果が最大となり、そうでない場合はほとんどゼロに近い値となるような系列である。つまり、受信機で逆拡散に用いる系列と、送信機側の逆拡散で用いられる拡散系列とが時間的および位相的に完全に一致した場合にその相関結果は最大となる。したがってこの逆拡散系列を発生するPN発生器の駆動に用いられるVCOの制御には、この相関結果が最大であるかどうかについての情報を用いて制御を行う。本発明では、異なる時間tおよびt+Δtに受信した信号についてI、Q各成分の逆拡散(相関)を行った結果をそれぞれ二乗し、加算することによって得られる電力値の大きさについて比較を行い、その結果を式(3)により得られた制御信号に反映させる。
【0029】これにより、回路規模を簡略化し、周波数同期のために必要な相関器の数およびその処理数を少なくする。そのことにより、受信機全体で消費される電力が減少するような周波数同期保持装置を装備するスペクトラム拡散受信装置を実現することができる。
【0030】次に、本発明実施例の動作を説明する。受信アンテナ1で受信された信号は直交復調器2で直交復調され、復調された信号はそれぞれI成分およびQ成分をA/D変換器51 および52 に入力される。なお、直交復調器2の駆動にはVCO9より発生するクロックを用いる。
【0031】A/D変換器51 および52 の出力はそれぞれ、逆拡散相関復調器71 〜74に出力される。ここで逆拡散相関復調器71 は情報チャネルのI成分、逆拡散相関復調器72 はパイロットチャネルI成分、逆拡散相関復調器73 はパイロットチャネルQ成分、逆拡散相関復調器74 はQ成分情報チャネルについてそれぞれ逆拡散相関復調を行う。逆拡散相関復調器71 〜74 については、用いられる信号およびPN符号が異なるだけでその回路構成は同じである。
【0032】拡散符号発生器3では各チャネルについてそれぞれI、Q成分の逆拡散相関復調器71 〜74 での逆拡散で使用されるPN符号を発生する。本発明実施例では、情報チャネルI成分のPN符号PNi(d)、Q成分PNq(d)、パイロットチャネルI成分のPN符号PNi(p)、Q成分のPN符号PNq(p)をそれぞれ発生する。なお、拡散符号発生器3の駆動にはVCO9より発生するクロック信号を用いる。
【0033】逆拡散相関復調器71 では拡散符号発生器3で発生するPN符号PNi(d)とA/D変換器51 の出力とを逆拡散処理を行う。実際にはPNi(d)とA/D変換器51 の出力を乗算器61 にて乗算し、その乗算結果を積算器8にて規定の数だけ加算する。
【0034】情報チャネルI、Q各成分の逆拡散相関復調器71 および74 の出力Id、Qdは次段復号回路に出力され、パイロットチャネルIおよびQの各成分逆拡散相関復調器72 および73 の出力Ip、Qpは周波数制御信号演算回路4と次段復号回路にそれぞれ出力される。
【0035】周波数制御信号演算回路4を図3ないし図9を参照して説明する。図3はVCO9の電圧および周波数特性を示す図である。横軸に印加電圧(V)をとり、縦軸に周波数(Hz)をとる。図4ないし図9は周波数制御信号演算回路4の内部構成を説明するための図である。周波数制御信号演算回路4は図3〜図9に示すような回路構成からなり、拡散符号発生器3、直交復調器2の駆動に用いられるクロックを発生するVCO9に対する制御信号fcontを出力し、その制御を行う。
【0036】本発明実施例では、クロック信号を発生するVCO9に図3の電圧および周波数特性を持つものを使用する。これにより電圧を大きくすることによりそのクロック周波数を上げ、逆に電圧を下げていくことによりその周波数を下げることができる。
【0037】以下、本発明の周波数制御手段である周波数制御信号演算回路4の構成について説明する。図4に示す回路は式(3)の演算結果aのみを出力とするような構成となっている。この回路では式(3)の演算結果aに対して係数kを乗算し、遅延素子13、加算器122 によって構成される負帰還回路でもってVCO9の制御信号fcontを出力する。上記係数kは制御の応答に関する係数であり、以下、応答係数kと呼ぶ。逆拡散相関復調器72 および73 からの入力信号IpおよびQpを積算器101 および102 でそれぞれ積算を行っているが、これは逆拡散した受信信号の低域通過フィルタ、すなわち通信路上で発生する雑音などのうち周波数の高いものについてその影響をフィルタで取り除く効果を持つ。また、積算する時間、すなわち次定数を受信途中の通信路雑音状態によって可変させ、フィルタ特性を可変させることも可能である。逆拡散した受信信号の高周波雑音成分を濾波したIp(t)およびQp(t)、そして遅延素子111 および112 内にあるΔt時間だけ前に受信し、逆拡散を行った信号Ip(t−Δt)、Qp(t−Δt)より式(3)の演算を行い、その結果に応答係数kを乗算している。これは制御信号fcontの応答速度を変えるもので、鈍らせるためにはその値を小さくする。式(3)より、受信した信号の周波数が受信機内で発生する周波数に比べて遅い場合、つまり受信した信号が図2のように正の方向に回転しているような場合(なお図2では時刻tとt+Δtについて述べているが、時刻t−Δtとtと同じである)、式(3)の出力はsin〔θ(t−Δt)−θ(t)〕となり、正の値となり、制御信号fcontの値は増加、すなわちVCO9にて発生する周波数を増加させるように制御する。これにより受信機内で用いるクロック信号と、受信した信号との周波数同期の制御が行われる。
【0038】図5に示す回路は、図4において式(3)の結果aが正であるか負であるかの情報だけを用いてその周波数保持を行う回路である。これはすなわち周波数のズレが、正の方向であるか、負の方向であるかの情報のみを用いてその制御を行おうとするものである。制御スイッチ161 ではaが正の場合は応答係数をk、負の場合は−kをそれぞれ選択し次段負帰還回路に出力する。この回路構成では乗算器64 での乗算演算を排除することにより回路規模の縮小を実現する。この方法により受信機内で用いるクロック信号と、受信した信号との周波数同期の制御が行われる。
【0039】図6に示す回路は、図5の回路構成を変形したもので、式(3)の結果aの正負の情報より制御スイッチ162 は、aの出力が正の場合は“1”、負の場合は“−1”を選択し出力する。この出力と応答係数kを乗算器64 にて乗算し、次段負帰還回路にて制御信号fcontを演算し出力する。これにより受信機内で用いるクロック信号と、受信した信号との周波数同期の制御が行われる。この回路構成では、乗算する応答係数kの値を変えることにより、受信途中においても周波数制御の応答速度を適宜変更することが容易に可能となる。図5の回路構成でも2つの応答係数k、−kを変更することにより周波数制御の応答速度を変更することが可能であるが、同時に2つの係数を変更する必要がある。
【0040】図7は図4〜図6と同様に逆拡散相関復調器72 および73 から入力する信号IpおよびQpを積算器101 および102 でそれぞれ積算を行い通信路上で発生する雑音などのうち周波数の高いものについてその影響を濾波して取り除きIp(t)、Qp(t)とし、遅延素子111 、112 内にあるIp(t−Δt)、Qp(t−Δt)より式(3)の演算を行い、その結果を次段負帰還回路に入力し、制御信号fcontを出力するのであるが、同時に各時刻に受信したIp(t)、Qp(t)の電力の大きさにより制御信号fcontに出力する値を制御する機能を持つ。
【0041】積算器101 および102 の出力Ip(t)およびQp(t)を二乗演算器141 および142 にてそれぞれ二乗し、その結果を加算器123 にて加算することにより時刻tにおける受信電力P(t)を導出する。そしてP(t)と遅延素子113 内にある時刻t−Δtにおける電力P(t−Δt)とをそれぞれ加減算することにより、Δt時間での受信電力の変化bを知る。加減算器15の出力bが正の場合、すなわち時刻Δt間に受信した信号と受信機内のPN符号との逆拡散相関結果が増加する方向に周波数がズレた場合、制御スイッチ162 にて“0”(図7ではグランド・ショートが“0”を意味する)を選択し、式(3)の結果aを次段負帰還回路に供給できないように制御する。この場合には加算器122 、遅延素子13からなる負帰還回路では“0”が足されることとなり、その結果制御信号fcontは変化せずΔt時間前のものと同じものが出力されることとなる。逆に加減算器15の出力bが負になった場合は、受信信号と受信機内のPN符号との逆拡散相関結果が減少する方向に周波数のズレが生じているため、制御スイッチ162 にて式(3)の結果aを次段負帰還回路に供給できるように制御し、その結果、制御信号fcontが変化する。このように各時刻における受信信号と受信機内のPN符号との逆拡散相関結果の電力値比較を行い制御信号fcontの制御を行うことにより、受信機内で用いるクロック信号が、受信した信号と受信機内のPN符号との逆拡散相関結果が常に最大となるような周波数同期の制御が行われる。
【0042】図7の周波数制御信号演算回路4では各時刻の逆拡散相関電力の加減算結果bより式(3)の結果aを供給するかしないかを制御し、受信信号と受信機内のPN符号との逆拡散相関結果が減少する方向に周波数のズレが生じたときにのみ式(3)の結果aを次段負帰還回路に供給するものであった。しかし、この場合には、通信路上で発生するフェージングなどの早い周波数変動にはAFC制御の応答が追いつかない可能性がある。そこで、図8に示す回路では、電力の加減算結果bの値によって、式(3)の演算結果aに乗算する応答係数を選択するような回路構成となっている。これは、bが正の場合、すなわちΔt時間に受信した信号と受信機内のPN符号との逆拡散相関結果が増加する方向に周波数がズレるような場合は式(3)の結果aが次段負帰還回路に反映する量が少ないよう乗算する応答係数の値を小さく取り制御信号fcontの応答を鈍らせ、逆にbが負の場合はaの制御を大きく反映するようにaに乗算する応答係数の値が大きいものを選択し、その応答を早くさせるような制御を行う。これにより、受信した信号と受信機内のPN符号との逆拡散相関結果が最大となるよう受信機内で用いるクロック信号の周波数同期の応答速度を可変させることが可能となる。
【0043】図9に示す回路は、図8の回路を変形したものである。これは式(3)の結果aの正負により応答係数の正負を、すなわち“1”、“−1”をそれぞれ選択するような制御スイッチ164 を装備し、さらにΔt時間に受信した信号と受信機内のPN符号とを逆拡散相関したものを電力の変化bの正負より乗算器64 で乗算する応答係数の大きさを選択する制御スイッチ165 を装備する。これにより次段負帰還回路には乗算器64 にて逆拡散相関電力の比較結果bによって選択された応答係数k1(またはk2)と、周波数のズレが正の方向か、負の方向かの情報、すなわち式(3)の結果aの正負により“1”(または“−1”)が乗算されそれぞれ出力される。これにより、受信した信号と受信機内のPN符号との逆拡散相関結果が最大となるように受信機内で用いるクロック信号の周波数同期の応答速度を可変させ、その周波数同期を確実に行うことが可能となる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、回路を簡単化および小型化することができる。これにより、消費電力を低減することができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013