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発明の名称 対物レンズ駆動装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−7203
公開日 平成9年(1997)1月10日
出願番号 特願平7−158212
出願日 平成7年(1995)6月23日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃 (外2名)
発明者 矢野 英治 / 叶田 冬希郎
要約 目的
トラッキング方向における低周波数帯域の二次共振を抑制することを可能とし、以て感度特性の向上を図る。

構成
対物レンズ2と、この対物レンズ2が組み付けられるとともにフォーカシングコイル12とトラッキングコイル13とが組み付けられるボビン部材5と、マグネット15が接合されるヨーク14が一体に立ち上がり形成されたベース部材7と、このベース部材7に固定されたボビン支持部材6と、一端部21をボビン支持部材7に固定されるとともに他端部23をボビン部材5に固定されることによってボビン部材5をフォーカシング方向とトラッキング方向との弾性変位自在に支持する弾性部材20とを備える。弾性部材20は、折返し部29が形成されてこの折返し部29に共振を抑制する粘弾性材50が添着されるとともに、ベース部材7と平行な平面及びこの平面と直交する平面に対して面対称にそれぞれ傾斜されて配設される。
特許請求の範囲
【請求項1】 対物レンズと、一端側には対物レンズが組み付けられるホルダ部が形成されるとともに他端側には対物レンズの光軸と平行な方向に作用する磁気駆動力を発生するフォーカシングコイル及び対物レンズの光軸と直交する方向に作用する磁気駆動力を発生するトラッキングコイルとが組み付けられたボビン部材と、このボビン部材の両側面部にそれぞれ上下に離間して一端部が固定されるとともに他端部が固定部であるボビン支持部材に固定されることによってボビン部材をフォーカシング方向とトラッキング方向とに弾性変位自在に支持する複数個の板状の弾性部材と、マグネットが接合されるとともにフォーカシングコイルの内部に介挿される第1のヨークと、トラッキングコイルと対向するようにして位置された第2のヨークとが立ち上がり形成されることによって磁気回路部を構成しかつボビン支持部材を固定支持するベース部材とを備え、複数個の弾性部材は、ベース部材と平行な平面に対してそれぞれ傾斜されて配設されたことを特徴とする対物レンズ駆動装置。
【請求項2】 複数個の弾性部材は、ベース部材と平行な平面及びこの平面と直交する平面とに対して面対称にそれぞれ傾斜されて配設されたことを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ駆動装置。
【請求項3】 複数個の弾性部材は、少なくとも1箇所に折り返された部位が連続して構成される折返し部が形成されるとともにこの折返し部に共振を抑制する粘弾性材が添着されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の対物レンズ駆動装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、円盤状光記録媒体の記録再生装置に備えられる対物レンズ駆動装置に関し、さらに詳しくは対物レンズを光軸と平行なフォーカシング方向と、光軸と直交するトラッキング方向とに弾性変位自在に支持する弾性部材の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク、光磁気ディスク等の円盤状光記録媒体(以下、光デイスクと総称する。)を記録媒体に用いる光ディスク記録再生装置は、光ディスクに記録された情報信号を再生し、或いは情報信号を記録するための光ピックアップ装置を備えている。この光ピックアップ装置は、光ディスクの情報信号記録面に照射される光束を出射する光源としての半導体レーザと、光ディスクからの戻り光を分離するビームスプリッタ等の光学部品からなる光学系ブロックと、半導体レーザから出射された光束を対物レンズによって光ディスクの情報信号記録面に集光させるとともに記録トラックに光束を追従させる対物レンズ駆動装置とから構成されている。
【0003】対物レンズ駆動装置は、対物レンズを光ディスクの情報信号記録面に垂直な方向、すなわち対物レンズの光軸と平行なフォーカシング方向と、光ディスクの情報信号記録面の内外周方向、すなわち対物レンズの光軸と直交するトラッキング方向に調動する装置である。この対物レンズ駆動装置は、例えば対物レンズをフォーカシング方向に2mm、トラッキング方向に0.8mmの範囲で調動するため、磁界中に配置したコイルに供給した制御電流によって生じる磁気駆動力を利用する直交2軸アクチュエータ機構を備えている。
【0004】そして、実用化されている直交2軸アクチュエータ機構としては、摩擦の無い円滑な駆動特性が得られるバネ支持構造方式と、組立て精度が得やすくかつ対物レンズの傾き姿勢の維持特性に優れた軸回転摺動構造方式とが提供されている。また、バネ支持構造方式の直交2軸アクチュエータ機構は、ムービングコイル形とムービングマグネット形とに分けられ、軸回転摺動構造方式の直交2軸アクチュエータ機構は、内光路形と外光路形とに分けられる。
【0005】一方、バネ支持構造方式の直交2軸アクチュエータ機構において、対物レンズを保持する弾性部材の構造としては、ヒンジ形構造、ワイヤ形構造或いは板バネ形構造が知られている。板バネ形構造の直交2軸アクチュエータ機構は、加工性或いは動作特性等から対物レンズ駆動装置の小型化に極めて有効である。
【0006】かかる板バネ形構造の直交2軸アクチュエータ機構を備えた従来の対物レンズ駆動装置100は、図11に示すように、対物レンズ2と、この対物レンズ2が組み付けられた対物レンズホルダ3と、この対物レンズホルダ3及び磁気回路部4を構成する後述する各部材が組み合わされたボビン部材5と、このボビン部材5を支持する4本の弾性部材120(120A乃至120D)と、これら弾性部材120の基端部を支持するボビン支持部材6及び磁性材料によって形成されたベース部材7とを主たる構成部材として構成されている。
【0007】ボビン部材5は、上述した対物レンズホルダ3が組み付けられるホルダ部8と磁気回路部4の構成各部材が組み合わされる磁気回路部品組付け部9とから構成されている。ホルダ部8には、対物レンズホルダー3が嵌合される対物レンズ取付け穴10が設けられている。また、このホルダ部8には、対物レンズ取付け穴10に嵌合された対物レンズホルダ3の外側面を保持する複数の保持片17A乃至17Cが一体に形成されている。
【0008】ボビン部材5の磁気回路部品組付け部9には、対物レンズ2を光軸と平行な方向に駆動変位させる磁気駆動力を発生させるフォーカシングコイル12と、対物レンズ2を光軸と直交する方向に駆動変位させる磁気駆動力を発生させる一対のトラッキングコイル13A、13B及び一対のヨーク片14A、14Bとが組み付けられる。フォーカシングコイル12は、磁気回路部品組付け部9に組み付けられた状態において、コイルの巻き方向が対物レンズ2の光軸と平行な方向であるように構成されている。トラッキングコイル13A、13Bは、磁気回路部品組付け部9に組み付けられた状態において、少なくとも相対向する辺に対物レンズ2の光軸と平行な直線部分を有するように構成されている。
【0009】ベース部材7は、第1のヨーク片14Aと第2のヨーク片14Bとがそれぞれ互いに平行に対峙するようにして一体に立ち上がり形成されている。第1のヨーク片14Aは、磁気回路部品組付け部9に組み付けられたフォーカシングコイル12の中心孔を貫通している。また、第2のヨーク片14Bは、トラッキングコイル13A、13Bと対向して磁気回路部品組付け部9に貫通している。第1のヨーク片14Aには、第2のヨーク片14Bとの対向側面に、やや厚みのある板状のマグネット15が取り付けられている。第1のヨーク片14Aと第2のヨーク片14Bとの先端部には、図11において鎖線で示すように、ヨーク板16が組み合わされる。
【0010】したがって、磁気回路部4は、上述したベース部材7と、このベース部材7に一体に立ち上がり形成された第1及び第2のヨーク片14A、14Bと、第1のヨーク片14Aに取り付けられたマグネット15及びヨーク板16とから構成される。そして、フォーカシングコイル12及びトラッキングコイル13A、13Bは、この磁気回路部4の磁界中を横切るようにしてそれぞれ配設されている。また、これらフォーカシングコイル12及びトラッキングコイル13A、13Bへの電流の供給は、それぞれ弾性部材120A乃至弾性部材120Dを利用して行われている。
【0011】ボビン支持部材6は、第1のヨーク片14A及び第2のヨーク片14Bの反対側に位置してベース部材7上に組み付け固定されている。すなわち、ボビン支持部材6は、底面部に図示しない半導体レーザから出射された光束の光路を構成する逆U字状の凹部6aが形成されるとともに、両側面部には弾性部材120A乃至弾性部材120Dの基端部がそれぞれ差し込まれる水平方向の嵌合スリット6b乃至嵌合スリット6eがそれぞれ上下方向に離間して設けられている。
【0012】弾性部材120A乃至弾性部材120Dは、薄いバネ板材料を打ち抜き形成した部材であって、左右対象かつ上下同一形状を呈している。弾性部材120は、図12に示すように、矩形の基端部121の一方側縁部から幅狭の弾性変形部122が一体に突設され、この弾性変形部122の先端部にボビン部材5との嵌合部123が形成されている。この嵌合部123には、ボビン部材5に形成した位置合わせダボと相対係合する位置決め孔が設けられたコイル接続部124が一体に形成されている。
【0013】弾性部材120には、図示しないが粘弾性材がそれぞれ添着されている。粘弾性材は、例えば紫外線硬化型の樹脂材料が用いられ、弾性部材120が弾性変位されたときに発生する共振動作を抑制し、或いは振動の迅速な減衰を図る作用を奏する。
【0014】以上のように構成された対物レンズ駆動装置100は、フォーカシングコイル12に、フォーカスエラー信号に応じた駆動電流が供給されると、このフォーカシングコイル12に流れる電流と、磁気回路部4を構成するマグネット15からの磁束とによって、ボビン部材5をフォーカシング方向へと駆動する磁気駆動力を発生する。この磁気駆動力は、対物レンズ2を光軸と平行なフォーカシング方向に調動動作させて、光ディスクに照射する半導体レーザのフォーカシングの調整を行なわせる。
【0015】基端部121がボビン支持部材6に支持された弾性部材120は、このフォーカシング調整動作に際して、弾性変形部122が図11において上下方向に弾性変位することにより、ボビン部材5、すなわち対物レンズ2を上下方向に調動する。
【0016】対物レンズ駆動装置100は、第1のトラッキングコイル13A又は第2のトラッキングコイル13Bに、トラッキングエラー信号に応じた駆動電流が供給されると、これらトラッキングコイル13A又はトラッキングコイル13Bの対物レンズ2の光軸と平行な部分を流れる電流と、磁気回路部4を構成するマグネット15からの磁束とによって、ボビン部材5をトラッキング方向へと駆動する磁気駆動力を発生する。この磁気駆動力は、対物レンズ2を光軸と直交するトラッキング方向に調動動作させて、光ディスクに照射する半導体レーザのトラッキングの調整を行なわせる。
【0017】基端部121がボビン支持部材6に支持された弾性部材120は、このトラッキング調整動作に際して、弾性変形部122が図11において左右方向に弾性変位することにより、ボビン部材5、すなわち対物レンズ2を左右方向に調動する。
【0018】上述した対物レンズ駆動装置100において、対物レンズ2、対物レンズホルダ3、ボビン部材5及びフォーカシングコイル12、トラッキングコイル13の各部材は、全体として可動部を構成して弾性部材120A乃至弾性部材120Dに支持されてフォーカシング方向又はトラッキング方向へと調動される。ところで、弾性部材120A乃至弾性部材120Dは、一端部をボビン部材5に、他端部をボビン支持部材6に固定された部材であることから、両端固定梁と見做すことができる。
【0019】また、対物レンズ駆動装置において、上述した各部材によって構成される可動部の変位動作は、入力電流に対して低周波数帯域ではほぼ一定であるが、ある周波数値を越した高域帯では周波数が上昇するとともに−40db/decの傾きで小さな振幅の振動動作が発生する。このある特定の周波数値、すなわち一次共振周波数(f0 )は、弾性部材120の基本特性を決定し、それぞれ形状、材質で変化する。
【0020】したがって、対物レンズ駆動装置100においては、上述した各部材によって構成される可動部を集中質量Mと見做し、弾性部材120の弾性変位部分の長さ寸法をL、幅寸法をb、厚み寸法をt、ヤング率をEとすると、フォーカシング方向の一次共振周波数(f0 )を次の数式(1)で表わすことができる。なお、トラッキング方向の一次共振周波数(f0 )については、幅寸法bと厚み寸法tとを入れ換えて表される。
【0021】
【数1】

【0022】かかる対物レンズ駆動装置100は、小型化を図るために、弾性部材120の弾性変位部分の長さ寸法Lを短くしたり、厚み寸法tを小さくされている。上記数式(1)より明らかなように、弾性部材120の基本特性を決定する一次共振周波数(f0 )は、弾性部材120の弾性変位部分の長さ寸法Lに関して、フォーカシング方向及びトラッキング方向のいずれにおいてもf0 =αL3/2 の関係にある。但し、αは、比例定数とする。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上述した対物レンズ駆動装置100は、対物レンズ2を駆動させた際、フォーカシング方向及びトラッキング方向とに二次共振が発生することが避けられない。このため、対物レンズ駆動装置100は、弾性部材120の基端部121に共振現象を抑制する粘弾性材を添着することによって、二次共振の抑制を図っている。
【0024】対物レンズ駆動装置100は、図12に示すように、板状の弾性部材120が、主面が水平に互いに平行にそれぞれ配設されているため、フォーカシング方向とトラッキング方向とで形状が異なっていた。したがって、対物レンズ駆動装置100は、図13に示すように、弾性部材120の基端部121のトラッキング方向の変位量がフォーカシング方向の変位量に比較して小さいため、振動抑制効果(以下、ダンピング効果と称する。)が充分に発揮されていないという問題点があった。すなわち、対物レンズ駆動装置100は、対物レンズ2を駆動させた際、特にトラッキング方向において、板状の弾性部材120が低周波数帯域の二次共振を充分に抑制することができないという問題点があった。
【0025】そこで、本発明は、対物レンズをフォーカシング方向とトラッキング方向とに弾性変位自在に支持する弾性部材のトラッキング方向の変位量を大きくすることによって二次共振を抑制することを可能とし、以って感度特性の向上を達成した対物レンズ駆動装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】この目的を達成した本発明に係る対物レンズ駆動装置は、対物レンズと、一端側には対物レンズが組み付けられるホルダ部が形成されるとともに他端側には対物レンズの光軸と平行な方向に作用する磁気駆動力を発生するフォーカシングコイルと対物レンズの光軸と直交する方向に作用する磁気駆動力を発生するトラッキングコイルとが組み合わされたボビン部材と、このボビン部材の両側面部にそれぞれ上下に離間して一端部が固定されるとともに他端部が固定部であるボビン支持部材に固定された複数個の板状の弾性部材と、マグネットが接合されるとともにフォーカシングコイルの内部に介挿される第1のヨークと、トラッキングコイルと対向するようにして位置された第2のヨークとが立ち上がり形成されることによって磁気回路部が構成されかつボビン支持部材を固定支持するベース部材とを備える。そして、複数個の弾性部材は、ベース部材と平行な平面に対してそれぞれ傾斜されて配設される。
【0027】また、複数個の弾性部材は、ベース部材と平行な平面及びこの平面と直交する平面とに対して面対称にそれぞれ傾斜されて配設される。さらに、複数個の弾性部材は、少なくとも1箇所に折り返された部位が連続して構成される折返し部が形成されるとともにこの折返し部に共振を抑制する粘弾性材が添着される。
【0028】
【作用】以上のように構成された本発明に係る対物レンズ駆動装置によれば、複数個の弾性部材が、ベース部材と平行な平面に対してそれぞれ傾斜された状態でボビンを支持している。このため、対物レンズ駆動装置は、ボビンを支持する弾性部材をそれぞれ傾斜させて設けることによって、低周波数帯域における二次共振時に生じるトラッキング方向の変位量が大きくなる。したがって、この対物レンズ駆動装置は、トラッキング方向の変位量が大きくなることによって、ダンピング効果が充分に発揮されて二次共振を抑制する。
【0029】また、本発明に係る対物レンズ駆動装置によれば、弾性部材がベース部材と平行な平面及びこの平面と直交する平面とに対して面対称にそれぞれ傾斜されて配設されることによって、フォーカシング方向及びトラッキング方向との両方向に同時にダンピング効果が発揮されて二次共振を抑制する。
【0030】さらに、本発明に係る対物レンズ駆動装置によれば、折返し部が形成されるとともにこの折返し部に共振を抑制する粘弾性材が添着されることによって、フォーカシング方向及びトラッキング方向とに発生する二次共振を更に抑制する。
【0031】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を図面を参照して詳細に説明する。実施例対物レンズ駆動装置1は、後述する弾性部材20の配設状態に特徴を有し、基本的な構成を上述した従来の対物レンズ駆動装置100とほぼ同様とした板バネ形構造の直交2軸アクチュエータ機構を備えた対物レンズ駆動装置である。したがって、以下の説明においては、上述した従来の対物レンズ駆動装置100と同一部材には同一番号を付す。なお、対物レンズ駆動装置1は、後述するように4本の弾性部材20A乃至弾性部材20Dを備えているが、これらを共通して説明する場合には単に弾性部材20と表現する。
【0032】すなわち、実施例対物レンズ駆動装置1は、図1乃至図3に示すように、対物レンズ2と、この対物レンズ2が組み付けられた対物レンズホルダ3と、この対物レンズホルダ3及び磁気回路部4を構成する後述する各部材が組み合わされたボビン部材5と、このボビン部材5を支持するところの後述する4本の弾性部材20(20A乃至20D)と、これら弾性部材20の基端部を支持するボビン支持部材6及び磁性材料によって形成されたベース部材7とを主たる構成部材として構成されている。
【0033】ボビン部材5は、合成樹脂材料によって成形され、上述した対物レンズホルダ3が組み付けられるホルダ部8と、磁気回路部4の構成各部材が組み合わされる磁気回路部品組付け部9とから構成されている。ホルダ部8は、対物レンズ2を組み合わせた対物レンズホルダ3が嵌合される対物レンズ取付け穴10が設けられた全体が薄厚の筒状部として構成されている。また、このホルダ部8には、対物レンズ取付け穴10に嵌合された対物レンズ3の外周面を保持する複数の保持片17A乃至保持片17Cが一体に形成されている。
【0034】ボビン部材5の磁気回路部品組付け部9は、略々凸字状の大きな開口部として構成され、対物レンズ2を光軸と平行な方向に駆動変位させる磁気駆動力を発生させるフォーカシングコイル12と、対物レンズ2を光軸と直交する方向に駆動変位させる磁気駆動力を発生させる一対のトラッキングコイル13A、13Bが組み付けられる。フォーカシングコイル12は、対物レンズ取付け穴10と反対側のやや幅広の開口部側に位置して磁気回路部品組付け部9に組み付けられる。
【0035】磁気回路部品組付け部9に対応するボビン部材5の両側面部には、後述する弾性部材20A乃至弾性部材20Dのそれぞれの嵌合部23A乃至嵌合部23Dが差し込まれる水平方向の嵌合スリット5a乃至嵌合スリット5dがそれぞれ上下方向に離間して設けられている。したがって、ボビン部材5は、これら弾性部材20A乃至弾性部材20Dによって、上下方向及び左右方向に弾性変位自在に支持されることになる。
【0036】フォーカシングコイル12は、磁気回路部品組付け部9を構成するコイル組付け開口部11の開口寸法とほぼ同径の角筒状を呈しており、このコイル組付け開口部11に嵌着されて組み付けられる。また、フォーカシングコイル12は、コイル組付け開口部11に組み付けられた後、外周面と開口部内壁との間に接着剤が充填されることによって、ボビン部材5にしっかりと固定される。また、フォーカシングコイル12は、コイル組付け開口部11に組み付けられた状態において、コイルの巻き方向が対物レンズ2の光軸と直交する方向であるように構成されている。
【0037】トラッキングコイル13A、13Bは、それぞれ薄幅の矩形枠状を呈して構成されており、フォーカシングコイル12の一方側面部と対物レンズとの間に位置するようにして、互いに一方側面部を重ね合わせるようにして磁気回路部品組付け部9を構成するコイル組付け開口部11に嵌着されて組み付けられる。これらトラッキングコイル13A、13Bは、フォーカシングコイル12の一方側面部に接着剤によってしっかりと固定される。また、これらトラッキングコイル13A、13Bは、磁気回路部品組付け部9に組み付けられた状態において、少なくとも相対向する辺に対物レンズ2の光軸と平行な直線部分を有するように構成されている。
【0038】ベース部材7は、詳細な形状の図示を省略するが、珪素鋼等の高透磁率材料によって略々H字状に形成され、中央連結片の相対向する側縁部から第1のヨーク片14Aと第2のヨーク片14Bとがそれぞれ互いに平行に対峙するようにして一体に立ち上がり形成されている。
【0039】第1のヨーク片14Aは、磁気回路部品組付け部9に組み付けられたフォーカシングコイル12の中心孔を貫通している。また、第2のヨーク片14Bは、トラッキングコイル13A、13Bと対向して磁気回路部品組付け部9に貫通している。第1のヨーク片14Aには、第2のヨーク片14Bとの対向側面に、やや厚みのある板状のマグネット15が接着剤等を用いてしっかりと取付け固定されている。第1のヨーク片14Aと第2のヨーク片14Bとの先端部には、図1において鎖線で示すように、磁性材で形成したヨーク板16が組み合わされる。
【0040】したがって、磁気回路部4は、上述したベース部材7と、このベース部材7に一体に立ち上がり形成された第1のヨーク片14A及び第2のヨーク片14Bと、第1のヨーク片14Aに取り付けられたマグネット15及びヨーク板16とから構成される。そして、フォーカシングコイル12及びトラッキングコイル13A、13Bは、この磁気回路部4の磁界中を横切るように位置して磁気回路部品組付け部9に組み付けられている。また、これらフォーカシングコイル12及びトラッキングコイル13A、13Bへの電流の供給は、後述するように、弾性部材20A乃至弾性部材20Dを利用して行われている。
【0041】ボビン支持部材6は、第1のヨーク片14A及び第2のヨーク片14Bの反対側に位置して、中央開口部分を跨ぐようにしてベース部材7に組み付けられている。すなわち、ボビン支持部材6は、底面部に図示しない半導体レーザから出射された光束の光路を構成する逆U字状の凹部6aが形成されるとともに、両側面部にはボビン部材5を支持する弾性部材20A乃至弾性部材20Dの基端部21A乃至基端部21Dがそれぞれ差し込まれる嵌合スリット6b乃至嵌合スリット6eがそれぞれ上下方向に離間して傾斜されて設けられている。
【0042】弾性部材20A乃至弾性部材20Dは、例えば、リン青銅やベリリウム銅等の薄いバネ板材料を打ち抜き形成した部材であって、ボビン支持部材6の左側面部に組み付けられる弾性部材20A、20Bと、右側面部に組み付けられる弾性部材20C、20Dとは互いに上下及び左右に対象形とされるとともに、同一側面部に組み付けられる弾性部材20A、20B及び弾性部材20C、20Dとは互いに同一形状とされている。
【0043】図4を参照してこれら弾性部材20の構成を説明すれば、弾性部材20は、ボビン支持部材6の両側面部に設けた嵌合スリット6b乃至嵌合スリット6dにそれぞれ差し込まれる略矩形状の基端部21と、幅狭の弾性変形部22と、ボビン部材5の両側面部に設けた嵌合スリット5a乃至嵌合スリット5dにそれぞれ差し込まれる略矩形状の嵌合部23とから構成されている。弾性部材20の基端部21の近傍には、互いに組み合わされた状態でL字状の開口部30と矩形状の開口部31とを打ち抜くことによって、全体が略U字状を呈する折返し部29が形成されている。
【0044】すなわち、折返し部29は、基端部21と直交する方向の連結片27を介して互いに連結された基端部21と平行する方向の第1の折返し片26及び第2の折返し片28とから構成されている。外側に位置する第2の折返し片28は、そのまま弾性変形部22と連続している。なお、基端部21の他端部33は、折返し部29を囲むように切り残されてリード線接続部として構成されている。
【0045】また、弾性部材20は、嵌合部23の一端側に、弾性変形部22と平行なコイル接続片24が一体に形成されている。このコイル接続片24には、ボビン部材5の上下面に形成された半球状の位置決めダボ32に対応して位置決め孔25が設けられている。
【0046】弾性部材20A乃至弾性部材20Dは、基端部21A乃至基端部21Dがボビン支持部材6の両側面部に設けた嵌合スリット6b乃至嵌合スリット6dにそれぞれ差し込まれて固定されることにより、ボビン支持部材6にそれぞれ片持ち状態で支持される。そして、弾性部材20A乃至弾性部材20Dは、自由端側の嵌合部23A乃至嵌合部23Dがボビン部材5の両側面部に設けた嵌合スリット5a乃至嵌合スリット5dにそれぞれ差し込まれて固定されることにより、このボビン部材5を上下方向及び左右方向に弾性支持する。
【0047】また、弾性部材20A乃至弾性部材20Dは、ボビン部材5をボビン支持部材6に弾性支持するように、これら両部材間に組み合わせられた状態において、コイル接続片24の位置決め孔25がボビン部材5の位置決めダボ32にそれぞれ相対係合される。コイル接続片24には、フォーカシングコイル12及びトラッキングコイル13A、13Bのコイル線がそれぞれ接続される。また、基端部21のリード線接続部33には、フォーカシングコイル12及びトラッキングコイル13A、13Bに駆動電流を供給する駆動源とを接続するリード線が接続される。したがって、弾性部材20は、フォーカシングコイル12及びトラッキングコイル13A、13Bへの電流供給線としても機能する。
【0048】なお、本発明は、上述した弾性部材20に限定されるものではなく、種々展開されるものである。すなわち、基端部の近傍に形成される折返し部は、弾性変形部の長手方向であるX軸と、トラッキング方向であるY軸によって構成される面、換言すればベース部材と平行な面内において、X軸方向に対して少なくとも1箇所に略U字状に連続して折り返された部位として構成されればよく、折返し片の長さ寸法、幅寸法或いは折返し部の数等については、ダンピングの付与方法等、対物レンズ駆動装置の設計条件に応じて設定される。また、ベース部材と直交する方向を幅寸法とした弾性部材については、トラッキング方向であるY軸とフォーカシング方向であるZ軸によって構成される面内で、上述した折返し部が形成されることは勿論である。
【0049】さらに、弾性部材20A乃至20Dは、折返し部29に、共振を抑制する粘弾性材50A乃至50Dがそれぞれ添着されている。ここで、弾性部材20A乃至20Dに添着される粘弾性材50A乃至50Dとしては、一般にブチル、ゴム等の減衰特性の大きい粘弾性を有するゲル状の合成樹脂材料等が用いられるが、例えば、紫外線硬化型の合成樹脂を用いた場合には、紫外線の照射量を制御することによって所望の粘弾性率を得ることができ、極めて効果的である。
【0050】そして、弾性部材20A乃至20Dは、図5及び図6に示すように、ボビン支持部材6に、ベース部材7と平行な平面及びこの平面と直交する平面に対して面対称にそれぞれ傾斜されて配設されている。そして、これら弾性部材20A乃至20Dは、ベース部材7に平行な平面に対して、ほぼ45度の傾斜角でそれぞれ傾斜されている。これらの弾性部材20A、20B及び弾性部材20C、20Dは、図9に示すように、ボビン支持部材6の内方に開かれた断面ハ字状を呈してそれぞれ配設されている。
【0051】以上のように構成された実施例対物レンズ駆動装置1を備えた光ピックアップ装置は、半導体レーザから出射された光束を対物レンズ2を介して光ディスクの情報記録面に照射するとともに、この情報記録面からの反射光を対物レンズ2を介してビームスプリッタによって分光し、フォーカシング方向とトラッキング方向との差異をディテクターによって検出する。検出されたフォーカシング方向とトラッキング方向の位置ずれは、フォーカスエラー信号或いはトラッキングエラー信号としてサーボ回路で処理され、それらに応じた駆動電流がフォーカシングコイル12及びトラッキングコイル13A、13Bへ供給される。
【0052】対物レンズ駆動装置1は、フォーカシングコイル12にフォーカスエラー信号に応じた駆動電流が供給されると、このフォーカシングコイル12に流れる電流と、磁気回路部4を構成するマグネット15からの磁束とによって、ボビン部材5をフォーカシング方向へと駆動する磁気駆動力を発生させる。この磁気駆動力は、弾性部材20A乃至弾性部材20Dを上下方向に弾性変位させ、ボビン部材5、換言すれば対物レンズ2を光軸と平行なフォーカシング方向へと調動させて、光ディスクに照射する半導体レーザのフォーカシングの調整を行わせる。
【0053】対物レンズ駆動装置1は、第1のトラッキングコイル13A又は第2のトラッキングコイル13Bに、トラッキングエラー信号に応じた駆動電流が供給されると、これらトラッキングコイル13A、13Bに流れる電流と、磁気回路部4を構成するマグネット15からの磁束とによって、ボビン部材5をトラッキング方向へと駆動する磁気駆動力を発生させる。この磁気駆動力は、弾性部材20A乃至弾性部材20Dを左右方向へと弾性変位させ、ボビン部材5、換言すれば対物レンズ2を光軸と直交するトラッキング方向へと調動させて、光ディスクに照射する半導体レーザのトラッキングの調整を行わせる。
【0054】つぎに、弾性部材20A乃至20Dについて、対物レンズ2が駆動された際における変位動作を図7を参照して説明する。弾性部材20A乃至20Dは、図7に示すように、対物レンズ2が駆動された際、弾性変形部22A乃至22Dのほぼ中央部を支点としてトラッキング方向にそれぞれ変位されることによって、折返し部29A乃至29Dのトラッキング方向の変位量が大きくされている。したがって、弾性部材20は、ダンピング効果が充分に発揮されて、二次共振を抑制する。
【0055】上述したように、第1の実施例対物レンズ駆動装置1によれば、弾性部材20A乃至20Dが、ベース部材7と平行な平面に対してそれぞれ傾斜されて配設されたことによって、対物レンズ2が駆動された際のトラッキング方向の変位量が大きくされるため、ダンピング効果を充分に発揮させることができる。したがって、この対物レンズ駆動装置1は、トラッキング方向の低周波数帯域における二次共振を抑制されて感度特性を向上させることが可能とされる。
【0056】また、第1の実施例対物レンズ駆動装置1は、弾性部材20A乃至20Dが、ベース部材7と平行な平面及びこの平面と直交する平面とに対して面対称にそれぞれ45度の傾斜角で傾斜されて配設された弾性部材20A乃至20Dを備えることによって、フォーカシング方向及びトラッキング方向との両方向に同時に粘弾性材によるダンピング効果を発揮することができる。したがって、この対物レンズ駆動装置1は、二次共振が抑制されて良好な振動特性が得られるとともに、感度特性を向上することが可能とされる。
【0057】さらに、第1の実施例対物レンズ駆動装置1によれば、折返し部29が形成されるとともにこの折返し部29に共振を抑制する粘弾性材50A乃至50Dが添着された弾性部材20A乃至20Dを備えることによって、フォーカシング方向及びトラッキング方向との二次共振が更に抑制されて良好な振動特性が得られるとともに、感度特性を向上させることが可能とされる。
【0058】本発明は、上述した弾性部材の配設状態に限定されるものでなく、第2の実施例対物レンズ駆動装置が備える弾性部材の配設状態としても良い。この第2の実施例対物レンズ駆動装置は、基本的な構成を上述した第1の実施例対物レンズ駆動装置1とはぼ同様としており、詳細な説明を省略して弾性部材の配設状態についてのみ説明する。なお、上述した対物レンズ駆動装置1と同一部材には、同一符号を付す。
【0059】第2の実施例対物レンズ駆動装置が備える弾性部材20A乃至20Dは、図8及び図9に示すように、ボビン支持部材6に、ベース部材7と平行な平面及びこの平面と直交する平面に対して面対称にそれぞれ傾斜されて配設されている。そして、これら弾性部材20A乃至20Dは、ベース部材7に平行な平面に対して、ほぼ45度の傾斜角でそれぞれ傾斜されている。これら弾性部材20A、20B及び弾性部材20C、20Dは、図9に示すように、ボビン支持部材6の外方に開かれた断面ハ字状を呈してそれぞれ配設されている。
【0060】上述したように配設された弾性部材20A乃至20Dは、図10に示すように、対物レンズ2が駆動された際、折返し部29A乃至29Dをほぼ支点としてトラッキング方向にそれぞれ変位され、トラッキング方向の変位量が大きくされている。したがって、弾性部材20は、ダンピング効果が充分に発揮されて、二次共振を抑制する。
【0061】上述したように、第2の実施例対物レンズ駆動装置は、弾性部材20A乃至20Dが、ベース部材7と平行な平面に対してそれぞれ傾斜されて配設されたことによって、対物レンズ2が駆動された際のトラッキング方向の変位量が大きくされるため、ダンピング効果を充分に発揮させることができる。したがって、この対物レンズ駆動装置は、トラッキング方向の低周波数帯域における二次共振を抑制されて感度特性を向上させることが可能とされる。
【0062】また、第2の実施例対物レンズ駆動装置は、弾性部材20A乃至20Dが、ベース部材7と平行な平面及びこの平面と直交する平面とに対して面対称にそれぞれ45度の傾斜角で傾斜されて配設されたことによって、フォーカシング方向及びトラッキング方向との両方向に同時にダンピング効果を発揮することができる。したがって、この対物レンズ駆動装置は、二次共振が抑制されて良好な振動特性が得られるとともに、感度特性を向上させることが可能とされる。
【0063】
【発明の効果】本発明に係る対物レンズ駆動装置によれば、ベース部材と平行な平面に対してそれぞれ傾斜されて配設された複数個の弾性部材を備えることによって、対物レンズが駆動された際のトラッキング方向の変位量が大きくされるため、ダンピング効果を充分に発揮させることができる。したがって、この対物レンズ駆動装置は、トラッキング方向の低周波数帯域における二次共振を抑制されて感度特性を向上させることが可能とされる。
【0064】また、本発明に係る対物レンズ駆動装置によれば、ベース部材と平行な平面及びこの平面と直交する平面とに対して面対称にそれぞれ傾斜されて配設された複数個の弾性部材を備えることによって、フォーカシング方向及びトラッキング方向との両方向に同時にダンピング効果を発揮することができる。したがって、この対物レンズ駆動装置は、二次共振が抑制されて良好な振動特性が得られるとともに、感度特性を向上させることが可能とされる。
【0065】さらに、本発明に係る対物レンズ駆動装置によれば、少なくとも1箇所に折り返された部位が連続して構成される折返し部が形成されるとともにこの折返し部に共振を抑制する粘弾性材が添着された複数個の弾性部材を備えることによって、フォーカシング方向及びトラッキング方向との二次共振が更に抑制されて良好な振動特性が得られるとともに、感度特性を向上させることが可能とされる。




 

 


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