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発明の名称 フォーカスサーボ回路
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−7194
公開日 平成9年(1997)1月10日
出願番号 特願平7−174198
出願日 平成7年(1995)6月16日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 正知
発明者 田村 治之
要約 目的
高速に、然も、正確に、フォーカスエラー信号に対する最適なバイアス値を設定できるフォーカスサーボ回路を提供する。

構成
再生EFM信号のジッターを計測する。このジッター値のサンプルデータを3値加算する。この3値加算データの最小値を検出して、最適なバアイス値を決定する。ジッター値を3値加算して制御に用いているので、ノイズの影響を受けにくい。バイアス値を動かしてもジッターの変化が殆ど現れない場合には、計測を止めて、その点を最適なバイアス値に設定することで、計測時間を短縮化できる。
特許請求の範囲
【請求項1】 光学的にデータが記録された光ディスクの再生を行うピックアップ手段と、上記ピックアップ手段の再生信号からフォーカスエラー信号を抽出するフォーカスエラー信号抽出手段と、上記フォーカスエラー信号に応じてフォーカスを制御するフォーカス制御手段とからなるフォーカスサーボ回路において、上記フォーカスエラー信号に対してバイアス値を与えるバイアス設定手段と、上記ピックアップ手段からの再生信号を2値化した信号のジッターを計測するジッター計測手段と、上記ジッター計測手段で計測されたジッター値に応じて、上記バイアス設定手段からのバイアス値を制御する制御手段とを有し、上記制御手段は、隣接する少なくとも3つのジッター値を加算して得られた複数値加算データを形成し、上記複数値加算データの最小値を検出して、上記バイアス設定手段に設定する最適なバイアス値を求めるようにしたフォーカスサーボ回路。
【請求項2】 上記制御手段は、隣接する上記複数値加算データを比較し、上記隣接する複数値加算データの差が所定値以内なら、制御を終了するようにした請求項1記載のフォーカスサーボ回路。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンパクトディスク等の光ディスクのフォーカスサーボ回路に関するもので、特に、オフセット調整を自動化できるようにしたものに係わる。
【0002】
【従来の技術】コンパクトディスク等の光ディスクプレーヤには、ディスクの反り等に起因してディスクが上下動しても、光学ピックアップからのレーザービームが常にディスクの記録面に合焦されるように、フォーカスサーボ回路が設けられている。
【0003】つまり、図13に示すように、光学ピックアップには、4分割フォトディテクタ101が設けられている。光学ピックアップからのレーザービームは、ディスクの記録面で反射され、この戻り光がシリンドリカルレンズを介して、4分割フォトディテクタ101に集光される。このビームスポットは、ジャストフォーカスでは円形となり、それより前後に離れると、楕円形になる。このため、フォトディテクタの出力を夫々SA 、SB 、SC 、SD とすると、フォーカスエラー信号は、(SA +SC )−(SB +SD )で求めることができる。加算器102でフォトディテクタ101Aの出力SA とフォトディテクタ101Cの出力SC とが加算される。加算器103でフォトディテクタ101Bの出力SB とフォトディテクタ101Dの出力SD とが加算される。加算器102の出力(SA +SC)と加算器103の出力(SB +SD )とが減算器104で減算される。減算器104の出力からフォーカスエラー信号(SA +SC )−(SB +SD )が求められる。このフォーカスエラー信号が0となるように、対物レンズが動かされる。
【0004】上述のようにして得られるフォーカスエラー信号は、本来、フォーカスエラーがないときには、「0」になる。ところが、4分割ディテクタの感度のバラツキや、フォーカスエラー信号を求めるための加算器等のオフセット等のため、光学ピックアップからのビームがディスクの信号面に合焦しているのにもかかわらず、フォーカスエラー信号が「0」にならないことがある。
【0005】そこで、合焦状態にあるときに、フォーカスエラー信号が「0」となるように、オフセット調整が行われている。このオフセット調整は、従来、工場出荷時に、半固定抵抗により、手動で行われている。しかしながら、手動によるオフセット調整では、調整時間が長く必要になり、作業性が良くない。また、経時変化等により、オフセット調整が狂う場合がある。
【0006】そこで、例えば、RF信号を2値化して得られるEFM信号のジッターを検出し、このジッターの検出値を用いて、フォーカスサーボのオフセット調整を自動的に行うようにしたものが提案されている。
【0007】つまり、フォーカスサーボ回路においては、フォーカスがずれると、RF信号の周波数スペクトラムが広がり、EFM信号のジッターが大きくなる。したがって、EFM信号のジッターを計測し、このジッターが最小となるようにフォーカスエラー信号にバイアスを与えることで、オフセット調整が自動的に行なえる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、フォーカスエラー信号に与えるバイアス値を変化させながら、EFM信号のジッター値が計測し、ジッター値が最小となるバイアス値を検出することで、オフセット調整が自動的に行なえる。ジッター値の最小値を検出する制御は、例えば、オフセット値を一方向に徐々に動かしながら隣接するジッター値を比較し、ジッター値の最小値を検出するようなものが考えられる。ところが、バイアス値に対するジッター値の変化を示すカーブは様々である。このような制御では、バイアス値に対するジッター値の変化が僅かであるような場合には、ジッター値の最小値を正確に求められない。また、ノイズの影響を受けているような場合には、ジッター値の最小値を正しく検出できない。
【0009】したがって、この発明の目的は、高速に、然も、正確に、フォーカスエラー信号に対する最適なバイアス値を設定できるフォーカスサーボ回路を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、光学的にデータが記録された光ディスクの再生を行うピックアップ手段と、ピックアップ手段の再生信号からフォーカスエラー信号を抽出するフォーカスエラー信号抽出手段と、フォーカスエラー信号に応じてフォーカスを制御するフォーカス制御手段とからなるフォーカスサーボ回路において、フォーカスエラー信号に対してバイアス値を与えるバイアス設定手段と、ピックアップ手段からの再生信号を2値化した信号のジッターを計測するジッター計測手段と、ジッター計測手段で計測されたジッター値に応じて、バイアス設定手段からのバイアス値を制御する制御手段とを有し、制御手段は、隣接する少なくとも3つのジッター値を加算して得られた複数値加算データを形成し、複数値加算データの最小値を検出して、バイアス設定手段に設定する最適なバイアス値を求めるようにしたフォーカスサーボ回路である。
【0011】
【作用】ジッター値のサンプルデータを3値加算し、この3値加算データを制御に用いる。このようにジッター値を3値加算すると、ノイズの影響を受けにくくなり、ジッター値の最小値を正確に検出できるようになる。バイアス値を動かしてもジッターの変化が殆ど現れない場合には、計測を止めて、その点を最適なバイアス値に設定することで、計測時間を短縮化できる。
【0012】
【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参照して説明する。図1は、この発明が適用できる光ディスク再生装置の一例である。図1において、1は光ディスクである。光ディスク1は、例えば、ディジタルオーディオ信号がピット列として記録されているコンパクトディスクである。光ディスク1は、スピンドルモータ2により回転される。
【0013】光ディスク1に対して、光学ピックアップ3が設けられる。光学ピックアップ3は、レーザービームを照射するレーザーダイオード、偏光ビームスプリッタや対物レンズ4等の光学系、反射光を受光するためのフォトディテクタ等からなる。光学ピックアップ3の対物レンズ4は、2軸デバイス5により、ディスクの接線方向(トラッキング方向)と、ディスクと離間する方向(フォーカス方向)に制御可能とされている。2軸デバイス5には、対物レンズをトラッキング方向に動かすためのTRKコイル6と、対物レンズをフォーカス方向に動かすためのFCコイル7とが設けられている。光学ピックアップ3全体は、スレッドモータ8により、光ディスク1の半径方向に移動可能とされている。
【0014】光学ピックアップ3の出力がRFアンプ9に供給される。RFアンプ9は、光学ピックアップ3の出力から、RF信号RF、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEを形成する。
【0015】つまり、光学ピックアップ5のフォトディテクタは、図2に示すように、フォトディテクタ21A、21B、21C、21D、及び21E及び21Fからなる。シリンドリカルレンズを介してフォトディテクタ21A〜21Dに集光されるビームスポットは、ジャストフォーカスでは円形となり、それより前後に離れると、楕円形になる。このため、フォトディテクタ21A、21B、21C、21Dの出力を夫々SA 、SB 、SC 、SD とすると、フォーカスエラー信号は、(SA +SC )−(SB +SD )で求めることができる。また、再生RF信号は、(SA +SC +SB +SD )で求めることができる。更に、ビームスポットがトラックセンターをトレースしているときには、フォトディテクタ21Eの出力をSE 、フォトディテクタ21Fの出力をSF とすると、トラッキングエラー信号は、(SF −SE )で求められる。
【0016】RFアンプ9には、図2に示すように、再生RF信号を求めるための加算器25、フォーカスエラー信号を求めるための加算器22、23及び減算器24、トラッキングエラー信号を求めるための減算器26が設けられる。
【0017】フォトディテクタ21A、21B、21C、21Dの出力は、加算器25で加算され、これにより(SA +SC +SB +SD )なる演算がなされ、RF信号RFが得られる。このRF信号RFは、出力端子27から出力される。
【0018】フォトディテクタ21Aの出力とフォトディテクタ21Cの出力とが加算器22で加算され、フォトディテクタ21Bの出力とフォトディテクタ21Dの出力とが加算器23で加算され、加算器22の出力と加算器23の出力とが減算器24で減算される。これにより、(SA +SC )−(SB +SD )なる演算がなされ、フォーカスエラー信号FEが得られる。このフォーカスエラー信号FEは、出力端子28から出力される。
【0019】フォトディテクタ21E及び21Fの出力は、減算器26で減算され、これにより(SF −SE )なる演算がなされ、トラッキングエラー信号TEが得られる。このトラッキングエラー信号TEは、出力端子29から出力される。
【0020】図1において、RFアンプ9からのRF信号RF、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEは、ディジタルサーボ回路10に供給される。また、ディジタルサーボ回路10には、信号処理回路15から、PLLにより再生されたクロックPLCKが供給される。更に、ディジタルサーボ回路10には、システムコントローラ14から、トラックジャンプ、アクセス指令等の指令が与えられる。
【0021】ディジタルサーボ回路10は、これらのエラー信号や指令に基づいて、PWM信号の形態とされたトラッキングサーボ信号STRK 及びフォーカスサーボ信号SFCK を形成する。このトラッキングサーボ信号STRK 及びフォーカスサーボ信号SFCK は、ドライバ11及び12を夫々介して、光学ピックアップ3の2軸デバイス5のTRKコイル6及びFCKコイル7に夫々供給される。また、このトラッキングエラー信号TEを基に、スレッドサーボ信号SSMが形成され、このスレードサーボ信号SSMがドライバ13を介してスレッドモータ8に供給される。更に、信号処理回路15からの再生ビットクロックPCK を基に、スピンドルサーボ信号SSPDLが形成される。このスピンドルサーボ信号SSPDLは、ドライバ14を介してスピンドルモータ2に供給される。これにより、光ディスク1が線速度一定で以て回転制御される。
【0022】信号処理回路15は、再生RF信号のビットクロックを抽出し、再生信号をEFM復調し、更に、CIRCによるエラー訂正処理等を行う。また、エラー訂正不能な場合には、補間処理等を行う。更に、信号処理回路11は、サブコードデータの抽出処理を行う。抽出されたサブコードデータは、システムコントローラ14に送られる。
【0023】信号処理回路15の出力は、D/Aコンバータ16に供給される。D/Aコンバータ16で、ディジタル音声信号がアナログ音声信号に変換される。そして、このアナログ音声信号が出力端子17から出力される。
【0024】システムコントローラ14には、キー入力部18から、再生、停止、一時停止等の入力が与えられる。また、システムコントローラ14の出力が表示部19に供給される。表示部19には、再生、停止、一時停止等の動作状態や再生時間や再生曲番等の表示がなされる。
【0025】この発明は、上述のような光ディスク再生装置におけるトラッキングサーボ回路に適用される。図3は、上述の光ディスク再生装置におけるトラッキングサーボ回路に係わる部分を詳細に示したものである。
【0026】図3において、40は、フォーカスエラー信号を形成するためのサーボ信号処理回路である。このサーボ信号処理回路40は、ディジタルサーボ回路10内に含まれており、インターフェース59を介して、システムコントローラ14と接続されている。
【0027】RF回路9からは、前述したように、RF信号RF、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEが出力される。RF信号RFは、サーボ信号処理回路40の入力端子50Bに供給され、フォーカスエラー信号FEは、サーボ信号処理回路40の端子50Aに供給される。
【0028】入力端子50Aからのフォーカスエラー信号FEは、減算回路52に供給される。減算回路52で、フォーカスエラー信号FEに、バイアス発生回路53からのバイアイス値が加算される。バイアス発生回路53は、システムコントローラ14からバイアス値データに基づいて、バイアス発生量が設定される。減算回路52の出力は、位相補償回路54を介して、出力端子50Cから出力される。出力端子50Cからの信号は、ドライバー12(図1参照)を介して、FCKコイル7に供給される。
【0029】入力端子50BからのRF信号RFは、2値化回路55に供給される。2値化回路55で、再生RF信号が2値化され、EFM信号が得られる。このEFM信号がジッター計測回路56に供給される。また、2値回路55の出力がシンク検出回路57に供給される。シンク検出回路57で、フレーム同期信号が検出される。このシンク検出回路57の出力がジッター計測回路56に供給される。また、このジッター計測回路56には、PLLクロックPLCKが供給される。
【0030】ジッター計測回路56は、PLLクロックPLCKのエッジとEFM信号の変化点との間の時間差±Δθを計測して、ジッターデータを得るものである。このジッターデータは、インターフェース59を介して、システムコントローラ14に送られる。すなわち、このジッターデータSQSOは、クロックSQCKに同期して、インターフェース59を介してシステムコントローラ14に読み込まれる。
【0031】システムコントローラ14は、このジッターデータを基に、バイアス値データを発生する。このバイアス値データDATAは、クロックCLOKに同期してインターフェース59に送られ、ラッチパルスXLATによりラッチされる。バイアス発生回路53は、このバイアス値データDATAに基づいて、バイアス値を発生する。
【0032】システムコントローラ14は、後に詳述するように、ジッター値が最小となるバイアス値を検出し、このジッター値が最小となるバイアス値データを、バイアス発生回路53に設定する。このような制御により、オフセット調整が自動的に行なえる。
【0033】なお、フォーカスエラー信号のオフセットの自動調整は、ディスクが装着される毎に行われる。また、ディスクの内周を再生する場合と、ディスクの外周側を再生する場合とでは、フォーカス状態が異なっているので、ディスクの外周側を再生するときと、ディスクの内周側を再生するときに、オフセットの自動調整を夫々行うようにしても良い。
【0034】上述のように、EFM信号のジッター値が最小となるようにバイアス値を設定すれば、最適なバイアス値に設定できる。このことについて以下に説明する。
【0035】図4は、ジャストフォーカスの場合の再生RF信号波形のアイパターンを示すものである。図4Aに示すように、ジャストフォーカスの場合には、RF信号はきれいな波形となる。このため、図4Bに示すように、PLLクロックPLCKもジッターのない波形となる。これに対して、ジャストフォーカスポイントよりずれている場合、図5Aに示すように、再生RF信号の波形が乱れてくる。すなわち、電気的には、再生RF信号の周波数スペクトラムが広がったものとなる。図5Bに示すように、PLLクロックPLCKもジッターを含むようになる。
【0036】図6は、再生RF信号の2値化信号であるEFM信号と、PLLクロックPLCKの波形を示すものである。図6に示すように、ジャストフォーカスの場合には、EFM信号(図6A)の変化点と、PLLクロックPLCK(図6B)とは、時間差が生じない。これに対して、フォーカスがずれると、再生RF信号が乱れるので、図7に示すように、ジッターが生じ、再生RF信号(図7A)の変化点と、PLLクロックPLCK(図7B)との間に時間差が生じる。
【0037】このことから、図8に示すように、PLLクロックを基準とし、EFM信号の変化点が時間差±Δθから外れた回数を検出すれば、ジッターが計測できる。このジッターが最小となるようにフォーカスバイアス電圧を設定すれば、バイアス調整を自動的に行うことができる。
【0038】図3において、ジッター計測回路56で、このPLLクロックを基準としてEFM信号の変化点が時間差±Δθから外れた回数が検出される。このPLLクロックを基準としてEFM信号の変化点が時間差±Δθから外れた回数がジッター値として用いられる。
【0039】このように、ジャストフォーカスの場合には、ジッター計測回路56からのジッター値が最小になる。したがって、バイアス値を動かしながら、ジッター計測回路56からのジッター値を検出し、このジッター値が最小になるようにバイアス値を設定すれば、オフセット調整を自動的に行うことができる。
【0040】ところが、バイアス値の変化に対するジッター値の変化の特性は、単純なカーブとはならず、ジッター値の最小値を素早く検出するのは困難である。
【0041】つまり、図9A〜図9Dは、バイアス値とジッター値との関係を示すものである。バイアス値とジッター値との関係は、図9Aに示すように、バイアス値を動かすとこれに応じてジッター値が変化する。しかし、図9Bに示すように、バイアス値を動かしても、ジッター値があまり動かない場合がある。また、図9Cに示すように、バイアス値に対してジッター値は大きく変化するが、ジッター値の最小値がはっきり現れない場合がある。更に、図9Dに示すように、バイアス値とジッター値との関係がノイズの影響を受けている場合がある。図9Bや図9C、或いは図9Dに示すような場合には、ジッター値の最小値を検出するのは困難である。
【0042】そこで、この発明の一実施例では、ジッター値が最小となるバイアス値を検出する際に、以下のような制御が行われる。
【0043】制御CT1:同一のバイアス値でのジッター値を例えば20回加算し、これを、ジッター値の最小値を検出するためのデータとして用いる。ジッター値は、同一のバイアス値であっても、異なった値を示す。このように、同一のバイアス値でのジッター値を例えば20回加算したものを用いれば、ジッター値が平均化され、誤差が少なくなる。
【0044】制御CT2:ジッター値のサンプルデータを3値加算したデータを用いて制御を行う。つまり、図10に示すように、ジッター値のサンプルデータj1 、j2、j3 、…が得られた場合に、隣接する3値のサンプルデータを加算し、データJ1 、J2 、J3 、…を形成する。
1 =j1 +j2 +j32 =j2 +j3 +j43 =j3 +j4 +j5このようにジッター値を3値加算すると、ノイズの影響を受けにくくなり、ジッター値の最小値を正確に検出できるようになる。
【0045】制御CT3:ジッター値が所定値以上になるときのバイアス値の最大値と、最小値とを検出し、その中間点から最適なバイアス値を求める。つまり、ジッター値の最小値がはっきりあらわれていない場合(図9Cのような場合)、図11に示すように、ジッター値が所定値以上になるときのバイアス値の最大値bplusと、最小値bminus を検出し、この最大値bplusと最小値bminus の中点(bplus+bminus )/2を求めることにより、ジッター値が最小となるバイアス値を求めることができる。
【0046】制御CT4:ジッター値の変化がはっきり現れない場合には、その点をバイアス値に設定する。つまり、バイアス値に対してジッターの変化が殆ど現れない場合(図9Bのような場合)には、計測を止めて、その点を最適なバイアス値に設定することができ、計測時間を短縮化できる。
【0047】図12は、上述のような制御により、ジッター値が最小となるバイアス値を求めるためのフローチャートを示すものである。
【0048】図12において、サンプル数fS が「3」に初期設定され、方向dirが「プラス」に初期設定される(ステップS1)。
【0049】ジッターデータが取り込まれ(ステップS2)、このデータが累積される(ステップS3)。ジッターデータが20回累積されたかどうかが判断され(ステップS4)、ジッターデータが20回累積されていなければ、ステップS2に戻り、ジッターデータの取り込みが続けられる(制御CT1参照)。
【0050】ジッターデータが20回累積されたら、この累積値がサンプルデータjn-2 として蓄えられる(ステップS5)。そして、サンプル数fS がデクリメントされる(ステップS6)。サンプル数fS が「0」であるかどうかが判断される(ステップS7)。
【0051】初期状態のステップS1で、サンプル数fS は「3」に設定されていたので、最初は、ステップS6で、サンプル数fS は「2」になる。このため、ステップS7では、サンプル数fS が「0」でない、と判断される。
【0052】ステップS7で、サンプル数fS が「0」でない場合には、現在のバイアス値bn が前回のバイアス値bn-1 とされる(ステップS8)。そして、方向dirが「プラス」であるかどうか判断される(ステップS9)。
【0053】初期状態のステップS1で、方向dirは「プラス」に設定されているので、ステップS9では、方向dirは「プラス」である、と判断される。方向dirが「プラス」の場合には、現在までのバイアス値に、ステップ毎のバイアス値の増加量Sが加算されたものが今回のバイアス値bn として設定される(ステップS10)。
【0054】バイアス値が設定されたら、このバイアス値bn がプラス側のバイアスの限界値bmax1(図11参照)を越えていないかどうかが判断される(ステップS11)。バイアス値bn がプラス側のバイアスの限界値bmax1を越えていれば、ステップS21に行き、制御方向が折り返される。バイアス値bn がプラス側のバイアスの限界値bmax1を越えていなければ、ステップS2に戻される。
【0055】ステップS2〜ステップS4で、前回より1ステップ分Sだけ増加したバイアス値で、ジッターデータが取り込まれ、これが20回累積される。20回分のデータが累積されると、ステップS5で、このデータがサンプルデータjn-1 として蓄えられる。
【0056】そして、ステップS6で、サンプル数fS がデクリメントされる。前回のサンプル数fs が「2」であったので、今回のサンプル数fs は「1」になる。ステップS7で、サンプル数fs が「0」でないと判断され、それから、ステップS8で、現在のバイアス値がbn-1 に設定され、ステップS10で、バイアス値が1ステップ分Sだけ増加される。それから、ステップS2に戻される。
【0057】ステップS2〜ステップS4で、更に、前回より1ステップ増加したバイアス値で、ジッターデータが取り込まれ、これが20回累積される。20回分のデータが累積されると、ステップS3で、このデータがサンプルデータd3 として蓄えられる。そして、ステップS6で、サンプル数fS がデクリメントされ、「0」になる。
【0058】ステップS7で、サンプル数fS が「0」であると判断されると、ステップS5で蓄えられていた、3つのサンプルデータjn-2 とjn-1 とjn とが加算され、3値加算データ(Jn =jn-2 +jn-1 +jn )が求められる(ステップS12)(制御CT2参照)。
【0059】今回の3値加算データJn と前回の3値加算データJn-1 との差がスレショルド値th以上かどうかが判断される(ステップS13)。ステップS13は、測定終了条件で、今回の3値加算データJn と前回の3値加算データJn-1 との差がスレショルド値th以内ならば、測定が終了され、バイアス値が最小バイアス値bmin に設定される(ステッフS14)。
【0060】今回の3値加算データJn と前回の3値加算データJn-1 との差がスレショルド値th以上なら、3値加算データJn が3値加算データの最小値Jmin のP倍以上かどうかが判断される(ステップS15)。ステップS15は折り返し条件で、3値加算データJn が所定値以上、例えば最小値Jmin のP倍(Pは例えば1.5)以上なら、制御の方向が折り返される。
【0061】ステップS15で、3値加算データJn が最小3値加算データJmin のP倍より小さければ、今回の3値加算データJn が今迄の最小3値加算データJmin より小さいかどうかが判断される(ステップS16)。今回の3値加算データJnが今迄の最小3値加算データJmin より小さければ、今回の3値加算データJnが新たな最小3値加算データJmin とされ(ステップS17)、今回のバイアス値bn がジッターが最小となるバイアス値bmin とされる(ステップS18)。そして、サンプル数fs が「1」とされ(ステップS19)、前回までの3値加算データがJn-1 とされ(ステップS20)、ステップS8に行く。
【0062】ステップS16で、今回の3値加算データが今迄の最小3値加算データJminより大きければ、ステップS19に行き、サンプル数fs が「1」とされ、ステップS20で前回までの3値加算データがJn-1 とされ、ステップS8に行く。
【0063】以上のような制御により、バイアス値を1ステップずつ増加させながら、3値加算データJn 、Jn+1 n+2 …が次々に求められていく。そして、ステップS13で、測定終了条件を満足しているかどうかが判断される。この測定終了条件は、連続する3値加算データJn とJn-1 との差がスレショルド値th以内かどうかを判断するものである。これは、ジッターの変化がはっきり現れているかどうかを意味する。ジッターの変化がはっきり現れていない場合(図9Bに示すような状態)の場合には、その点で制御が終了され、その点がバイアス値に設定される。これにより、制御が高速化する(制御CT4参照)。
【0064】バイアス値を1ステップずつ増加させていくことにより、ジッターの最小値に近づいていくときには、1ステップ毎にジッター値は徐々に小さくなり、ステップS17で、今回の3値加算データの値Jn により、最小の3値加算データJmin の値が更新されていく。バイアス値を1ステップずつ増加させていくことにより、ジッターの最小値から遠ざかっていくようになると、今回の3値加算データの値Jn は、最小の3値加算データJmin に比べて、徐々に大きくなっていく。そして、やがて、今回の3値加算データJn が3値加算データの最小値Jmin のP倍以上になる。
【0065】ステップS15は折り返し条件で、今回の3値加算データJn が3値加算データの最小値Jmin のP倍まで大きくなったと判断された場合には(図11のbplusに達したことを意味する)、方向を変えて、制御が続けられる。
【0066】ステップS15で、今回の3値加算データJn が3値加算データの最小値Jmin のP倍以上であると判断された場合には、今までの方向dirは「プラス」であるかどうかが判断される(ステップS21)。
【0067】ステップS1で、方向dirは「プラス」に設定されているので、ステップS21で、方向dirが「プラス」であると判断される。方向dirが「プラス」であると判断される場合には、そのときのバイアス値bn が、ジッター値が所定値以上になるバイアス値の最大値bplusとされる(ステップS22)。そして、サンプル数fS が「3」に設定され、方向dirが「マイナス」に設定され(ステップS23)、ステップS2に戻される。
【0068】ステップS2からは、前述のプラス方向の処理と同様にマイナス方向に処理が行われる。つまり、ステップS2〜S4で、20回分のデータが累積されて、サンプルデータjn-2 、jn-1 、jn が得られる。ステップS8及び、S24〜S25で、バイアス値が1ステップ毎に所定量Sずつデクリメントされる。
【0069】ステップS12で、バイアス値を1ステップずつ減少させながら、3値加算データJn 、Jn+1 n+2 …が次々に求められていく。そして、ステップS13で、測定終了条件を満足したかどうかが判断される。連続する3値加算データJnとJn-1 との差がスレショルド値th以内なら、ステップS14に行き、その点で制御が終了され、その点がバイアス値に設定される。
【0070】バイアス値を1ステップずつ減少させていくことにより、ジッターの最小値に近づいていくときには、ステップS17で、今回の3値加算データの値Jn により、最小の3値加算データJmin の値が更新されていく。バイアス値を1ステップずつ減少させていくことにより、ジッターの最小値から遠ざかっていくようになると、今回の3値加算データの値Jn は、最小の3値加算データJmin に比べて、徐々に大きくなっていく。そして、やがて、今回の3値加算データJn が3値加算データの最小値Jmin のP倍以上になる。すなわち、図11におけるbminus に達する。
【0071】ステップS15で、今回の3値加算データJn が3値加算データの最小値Jmin のP倍以上であると判断された場合には、ステップS21に行き、方向dirは「プラス」かどうかが判断される。方向dirが「プラス」でない場合には、そのときのバイアス値bn が、ジッター値が所定値以上になるバイアス値の最小値bminus される(ステップS26)。そして、ステップS22で求められたジッター値が所定値以上になるバイアス値の最大値bplusと、ステップS27で求められたジッター値が所定値以上になるバイアス値の最小値bminus とから、バイアス値がBias =(bplus+bminus )/2として求められる(ステップS27)(制御CT3参照)。
【0072】なお、上述の実施例では、サンプルデータを3値加算して制御に用いているが、3値加算に限定されるものではない。サンプルデータを5値加算したり、7値加算したりするようにしても良い。
【0073】
【発明の効果】この発明によれば、ジッター値のサンプルデータを3値加算して制御に用いている。このようにジッター値を3値加算すると、ノイズの影響を受けにくくなり、ジッター値の最小値を正確に検出できるようになる。また、バイアス値に対してジッターの変化が殆ど現れない場合には、計測を止めて、その点を最適なバイアス値に設定することで、計測時間が短縮化される。




 

 


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