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発明の名称 磁気記録媒体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−7162
公開日 平成9年(1997)1月10日
出願番号 特願平7−174122
出願日 平成7年(1995)6月16日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】逢坂 宏
発明者 松手 雅隆 / 町田 方隆 / 宮下 眞由美
要約 目的


構成
非磁性支持体1上に磁性層2を有する磁気記録媒体において、磁性層2に含まれる強磁性粉末が一般式〔I〕で表される1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物又はその誘導体と、一般式〔II〕で表される1,8−ナフタレンジカルボン酸又はその誘導体との少なくとも一方で被覆若しくは表面処理されていることを特徴とする磁気記録媒体。
特許請求の範囲
【請求項1】 磁性粉と結合剤とを主体とする磁性層を有する磁気記録媒体において、下記一般式〔I〕で表される1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物又はその誘導体と、下記一般式〔II〕で表される1,8−ナフタレンジカルボン酸又はその誘導体との少なくとも一方が前記磁性層に含有されていることを特徴とする磁気記録媒体。
【化1】

(但し、上記一般式〔I〕及び〔II〕において、R1 及びR2 は水素原子又は互いに同一の若しくは異なる置換基であって共同して環を形成してもよく、Xは水素原子又はアルカリ金属原子である。)
【請求項2】 一般式〔I〕及び一般式〔II〕において、R1 及びR2 は水素原子、ハロゲン原子、−OH、−NH2 、−NO2 、−SO4 K、−NH(CH2 n CH3 、−O(CH2 n CH3 、−N(CH3 )(CH2 n CH3 、−NHCH(OH)CH2 CH2 CH3 、−NH(CH2 n CH(OH)(CH2 m CH3 、アルキル基、アミド基、炭化水素オキシ基又は−COOX(Xは水素原子又はアルカリ金属原子である。)であり、−COOXであるときは共同して−CO−O−CO−化し、環を形成してもよい(但し、n及びmはそれぞれ整数である。)、請求項1に記載した磁気記録媒体。
【請求項3】 一般式〔I〕で表される1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物又はその誘導体と、一般式〔II〕で表される1,8−ナフタレンジカルボン酸又はその誘導体との少なくとも一方によって表面処理された磁性粉が磁性層に含有されている、請求項1に記載した磁気記録媒体。
【請求項4】 磁性粉がpH7以上の塩基性である、請求項3に記載した磁気記録媒体。
【請求項5】 結合剤が、−COOM、−SO3 M、−OSO3 M、−PO3 M及び−OPO3 M(但し、Mはアルカリ金属原子又はアルキル基である。)からなる群より選ばれた少なくとも1種の極性基と2個以上のOH基とを分子内に有する、請求項1に記載した磁気記録媒体。
【請求項6】 一般式〔I〕で表される1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物又はその誘導体と、一般式〔II〕で表される1,8−ナフタレンジカルボン酸又はその誘導体との少なくとも一方の添加量(双方が添加される場合にはその合計量)が磁性粉 100重量部に対して 0.1〜7重量部である、請求項1に記載した磁気記録媒体。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体、特に磁性層を塗布によって形成した塗布型磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、コンピュータのバックアップ用データカートリッジやビデオテープレコーダ用ビデオテープ等において塗布型の磁気記録媒体が従来から使用されている。
【0003】このような磁気記録媒体においては、強磁性粉末や結合剤(バインダ樹脂)、分散剤、潤滑剤等を有機溶剤に分散、混練してなる磁性塗料をポリエステルフィルム等の非磁性支持体上に塗布、乾燥することによって、磁性層を形成している。
【0004】近年、磁気記録の分野、特にビデオテープレコーダ等における高画質化を図るために、一層の高密度記録化が要求されている。この要求に対応して、従来から磁気記録媒体等の磁性粉末として用いられていた酸化鉄系に代わって鉄又は鉄を主体とする磁性金属材料が用いられるようになっている。
【0005】これらの鉄又は鉄合金から構成される強磁性金属微粒子(強磁性金属磁性粉)は、酸化鉄やオキシ水酸化鉄、或いはCo、Ni、Mn、Cu、Zn、Ti、V等のFe以外の金属を含む酸化鉄やオキシ水酸化鉄等を水素ガスで還元することによって製造される。これらの強磁性金属微粒子は、磁化量、磁束密度、更には出力が大きく、従来の酸化鉄系の強磁性微粒子よりも優れた磁気記録特性を有している。
【0006】しかしながら、上記の強磁性金属微粒子は、表面活性が高く、大気中で酸化され易いため、次のような問題があった。即ち、強磁性金属微粒子の保存中や、樹脂や有機溶媒等との混合による塗料化の工程中、或いは、ポリエステルフィルム等の非磁性支持体上に塗布してシート化した後、所定の雰囲気、温度及び湿度等の条件下での保管中に、主として酸素等のガス及び水分の作用で酸化(腐蝕)が進行して、飽和磁化等の磁気特性の経時劣化が生じるため、保存安定性に問題があった。
【0007】また、優れた磁気特性を有する磁気記録媒体を得るには、微粒子化された強磁性粉末を用いる必要があるが、このような磁性粉末は微粒子化される程に磁性塗料中での分散性が悪くなり易いので、磁性粉末の分散性を安定して高めることが必要となる。
【0008】従来から、磁性粉末の分散性を高めるために、H2 NC2 4 Si(OC2
カップリング剤や安息香酸の誘導体を表面処理剤として用いて、強磁性粉末の表面を処理する方法が知られている。
【0009】しかし、これらの従来の処理剤を用いた磁気記録媒体においては、強磁性粉末の分散性は幾分良好であるものの、磁性層の粉落ち、非磁性支持体に対する接着強度及び耐腐蝕性の不足等の問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、磁性粉の分散性が十分であると共に、耐腐蝕性に優れ、粉落ちが抑制され、かつ非磁性支持体に対する磁性層の接着力が向上した磁気記録媒体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した本発明の目的を達成すべく鋭意検討した結果、強磁性粉末の表面に、極性基を有する1,8−ナフタレンジカルボン酸又はその誘導体或いは1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物又はその誘導体を作用させれば、これらのナフタレン系化合物の極性基が強磁性粉末の表面に吸着し、被膜が形成された形となって強磁性粉末の表面を改質し、これによって強磁性粉末の耐酸化性(防錆性)と分散性が向上し、また、結合剤樹脂との吸着性が向上して(これは、置換基(官能基)の選択により一層良好となる。)粉落ちの防止、非磁性支持体に対する接着強度の向上を実現できることを見出し、本発明に到達したのである。
【0012】即ち、本発明は、磁性粉と結合剤とを主体とする磁性層を有する磁気記録媒体において、下記一般式〔I〕で表される1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物又はその誘導体と、下記一般式〔II〕で表される1,8−ナフタレンジカルボン酸又はその誘導体との少なくとも一方が前記磁性層に含有されていることを特徴とする磁気記録媒体に係るものである。
【化2】

(但し、上記一般式〔I〕及び〔II〕において、R1 及びR2 は水素原子又は互いに同一の若しくは異なる置換基であって共同して環を形成してもよく、Xは水素原子又はNa、K等のアルカリ金属原子である。)
【0013】本発明の磁気記録媒体によれば、2つのカルボキシル基又はその塩、或いはその無水物からなる極性基を有する1,8−ナフタレンジカルボン酸又はその誘導体と、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物又はその誘導体との少なくとも一方を磁性層に含有させると、それらのナフタレン系化合物の極性基が磁性粉の表面に吸着し、被膜が形成された形となって強磁性粉末の表面を改質する。この場合、上記のナフタレン系化合物によって予め磁性粉の表面を処理し、この処理磁性粉を磁性層に含有させると、磁性粉の表面改質作用が一層向上する。
【0014】こうして、磁性粉の表面には、本来的に防錆性に優れた上記のナフタレン系化合物が吸着されるために、磁性粉の防錆性(耐腐蝕性又は耐酸化性)が改善されると共に、上記ナフタレン系化合物の炭化水素基部分や官能基部分(R1 、R2)によって結合剤中への磁性粉の分散性と結合剤に対する吸着性が向上する。特に、置換基R1 、R2 として官能基を選択することによって、結合剤又はその硬化剤との相溶性、吸着性、反応性が向上し、磁性層からの粉落ちの防止、非磁性支持体に対する接着強度の向上を実現できる。
【0015】ここで、一般式〔I〕又は〔II〕の上記ナフタレン系化合物に導入される置換基R1 、R2 としては、水素原子をはじめ、F、Cl、Br等のハロゲン原子、−OH、−NH2 、−NO2 、−SO4 K、−NH(CH2 n CH3 、−O(CH2 n CH3 、−N(CH3 )(CH2 n CH3 、−NHCH(OH)CH2 CH2 CH3 、−NH(CH2 n CH(OH)(CH2 m CH3 、アルキル基(特に炭素数1〜10)、アミド基、炭化水素オキシ基(特に炭素数1〜10)又は−COOX(Xは水素原子又はNa、K等のアルカリ金属原子である。)等の官能基であり、−COOXであるときは共同して−CO−O−CO−化し、環を形成してもよい(但し、n及びmはそれぞれ整数(特に1〜18)である。)。
【0016】上記ナフタレン系化合物の具体例としては、後述する実施例で使用する各ナフタレンジカルボン酸若しくはその無水物、又はその誘導体が挙げられ、また磁性粉の表面改質をより効果的に行うためにR1 又はR2 に官能基を導入した下記の各化合物(1)〜(28)を挙げることができる。
【0017】
【化3】

【0018】
【化4】

【0019】本発明による磁気記録媒体において、一般式〔I〕又は〔II〕の上記ナフタレン系化合物の添加量(双方が添加される場合にはその合計量)は、磁性粉 100重量部に対して 0.1〜7重量部の範囲内にあることが好ましい。この添加量が 0.1重量部未満であると、その添加による効果が十分とはならず、また7重量部を超えると、磁性粉への吸着量よりも過剰となり、無駄となることがある。
【0020】また、一般式〔I〕又は〔II〕の上記ナフタレン系化合物は、同じ一般式のものでは1種だけではなく複数併用できるし、また異なる一般式のものでも複数種を組み合わせて用いることもできる。
【0021】そして、上記ナフタレン系化合物と共に、添加剤としてこれまで用いられてきた例えば直鎖若しくは分岐状のアルキル酸化合物(特に直鎖状アルキル酸)を併用することもできる。こうしたアルキル酸としては、シュウ酸、フタル酸、クエン酸、ベンゼンテトラカルボン酸等の多価カルボン酸が好ましく、磁性粉に上記ナフタレン系化合物と同時に或いは別途に多価カルボン酸を一部吸着させることにより、磁性粉表面の表面被覆率を高くすることができる。
【0022】このような併用可能なアルキル酸等の添加剤の添加量としては、磁性粉 100重量部に対して0〜10重量部であることが好ましく、3〜8重量部であるのが更によい。この添加量が10重量部を超えると、磁性粉への吸着量よりも過剰となり、無駄となることがある。
【0023】本発明の磁気記録媒体において、上記ナフタレン系化合物により磁性粉を表面処理する場合、その処理方法としては、例えば、磁性塗料の混合前にニーダ、コニーダ等のように強力な剪断力を有する混合機を用いて強磁性粉末とナフタレン系化合物を混合、分散させて一次分散と同時に磁性粉末の表面処理を行う方法や、ワンショット法等によりナフタレン系化合物を強磁性粉末やその他の磁性塗料材料と共に混練して磁性塗料を調製すると同時に、強磁性粉末の表面にナフタレン系化合物を吸着させる方法が挙げられる。
【0024】また、メチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノン等の溶剤にナフタレン系化合物を溶解又は分散させた溶液中に強磁性粉末を加え、一定時間反応させた後、後処理するか或いはそのまま、磁性塗料材料として上記方法に用いることもできる(この場合は、ナフタレン系化合物を改めて添加してもよいし、添加しなくてもよい)。上記の後処理としては、濾過後に溶剤で洗浄し、乾燥して処理磁性粉末を得る方法等がある。
【0025】本発明による磁気記録媒体において使用される磁性粉(強磁性粉末)は、通常使用される強磁性粉末であれば何ら限定されず、従来より公知のものが使用可能であることは勿論、より粒子サイズの細かい強磁性粉末にも使用可能である。特に、金属磁性粉末を用いると、一層効果的である。
【0026】使用可能な金属磁性粉末としては、例えば、Fe、Co、Ni、Fe−Co合金、Fe−Ni合金、Fe−Co−Ni合金、Co−Ni合金、Fe−Co−B合金、Fe−Co−Cr−B合金、Mn−Bi合金、Mn−Al合金、Fe−Co−V合金等が挙げられる。また、これらの磁性粉末の種々の特性を改善する目的で、Al、Si、Ti、Cr、Mn、Cu、Zn等の金属成分が添加されたものであってよい。
【0027】また、酸化物磁性粉末も使用可能であるが、これには、例えば、γ−Fe2 3 、Co含有γ−Fe2 3 、Fe3 4 、Co含有Fe3 4 、Co被着γ−Fe2 3 、Co被着Fe3 4 、CrO2 等が挙げられる。
【0028】本発明による磁気記録媒体において使用される磁性粉は、上記ナフタレン系化合物等との吸着性を高めるため、pH7以上の塩基性であることが望ましい。
【0029】本発明による磁気記録媒体の磁性層は、上記強磁性粉末を結合剤樹脂に分散させたものであるが、使用される結合剤樹脂としては、通常使用される結合剤がいずれも使用可能である。
【0030】例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸−アクリル酸共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ニトロセルロース等の繊維素系樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂等を単独又は併用することができる。更には、他の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線照射硬化型樹脂等を併用してもよい。
【0031】なお、上記の繊維素系樹脂には、セルロースエーテル、セルロース無機酸エステル、セルロース有機酸エステル等のセルロース誘導体が挙げられる。フェノキシ樹脂は機械的強度が大きく、寸法安定性に優れ、耐熱、耐水、耐薬品性がよく、接着性がよい等の長所を有する。
【0032】使用可能な結合剤の具体例として、塩化ビニル系共重合体としては、ユニオンカーバイド社製の「VAGH」、「VYHH」、「VMCH」、積水化学(株)製の「エスレック」、「エスレックA−5」、「エスレックC」、「エスレックM」、電気化学工業(株)製の「デンカビニル1000G」、「デンカビニル1000W」等が挙げられる。フェノキシ樹脂としては、東都化成社製のYP−50 EK−35、ユニオンカーバイド社製のPKHH等が挙げられる。ポリウレタン系樹脂としては、藤倉化成社製のアクレタン、三井日曹ウレタン社製のPS−706 、PS−815 、大日精化社製のMAU−2010、日本ポリウレタン工業社製のN−3022、DN−3985、MG−0130、グッドリッチ社製のエスタン5701、大日本インク社製のPANDEX78−8等が挙げられる。
【0033】使用可能な結合剤は、−COOM、−SO3 M、−OSO3 M、−PO3 M及び−OPO3 M(但し、MはNa、K等のアルカリ金属又はメチル基、エチル基等のアルキル基である。)からなる群より選ばれた少なくとも1種の極性基と2個以上のOH基とを分子内に有することが好ましい。この場合、上記の極性基は磁性粉表面又は上記のナフタレン系化合物との親和性が良いために、磁性粉の分散性を助長し、また上記のOH基は硬化剤と反応して磁性層の塗膜強度(耐久性)を向上させ、粉落ちの防止に寄与する。
【0034】上記の極性基の量は結合剤1g当たり0.03〜0.3mmol が好ましい。結合剤1g当たり0.03mmolより少ないと、分散性に対する効果が小さくなり、 結合剤1g当たり 0.3mmolより多い場合には、吸湿性が高くなり、耐候性が悪くなるばかりでなく、かえって分散性が悪化してしまう場合がある。また、この極性基は1種類でも2種類以上含まれても構わない。
【0035】上記結合剤を硬化させて磁性層の耐久性を一層向上させるために、硬化剤を添加するのが好ましい。このような硬化剤としては、芳香族イソシアネート、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、メタキシレンジイソシアネート(MXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート、アニソール型ジイソシアネート等のジイソシアネートの縮合タイプや、活性水素化合物との付加体等が可能であり、特にトリレンジイソシアネート(TDI)系が好適である。硬化剤の添加量は、全結合剤量に対して5〜30重量%が好ましい。
【0036】具体例としては、住友バイエルン社製の各種スミジュール、各種デスモジュール、武田薬品工業社製の各種タケネート、日本ポリウレタン工業社製の各種コロネート等が挙げられる。
【0037】また、本発明による磁気記録媒体においては、上記のナフタレン系化合物、強磁性粉、結合剤樹脂の他に、更に必要に応じて、レシチン等の分散剤、ステアリン酸エステル等の潤滑剤、カーボンブラック等の帯電防止剤、アルミナ等の研磨剤、防錆剤等が加えられてもよい。これらの分散剤、潤滑剤、帯電防止剤及び防錆剤等としては、従来公知の材料がいずれも使用可能であり、何ら限定されるものではない。
【0038】また、本発明による磁気記録媒体で使用可能な非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル類、アラミド等を挙げることができ、またその形態は、フィルム状、シート状、テープ状、ディスク状等であってよい。非磁性支持体の表面には、磁性層の接着性を向上させるために、中間層或いは下引層を設けてもよい。
【0039】図1は、本発明による磁気記録媒体の一例(例えばビデオテープ)を示すものである。即ち、非磁性支持体1上には、表面が上記ナフタレン系化合物で処理された強磁性粉と、結合剤とを含有した磁性層2を有している。また、他方の面に、一点鎖線の如くに、非磁性粉末と結合剤とを主体とするバックコート層3を有してもよい。
【0040】
【発明の作用効果】本発明による磁気記録媒体によれば、磁性粉の表面には、本来的に防錆性に優れた上記のナフタレン系化合物が吸着されるために、磁性粉の防錆性(耐腐蝕性又は耐酸化性)が改善されると共に、上記ナフタレン系化合物の炭化水素基部分や官能基部分(R1 、R2 )によって結合剤中への磁性粉の分散性と結合剤に対する吸着性が向上する。特に、置換基R1 、R2 として官能基を選択することによって、結合剤又はその硬化剤との相溶性、吸着性、反応性が向上し、磁性層からの粉落ちの防止、非磁性支持体に対する接着強度の向上を実現できる。
【0041】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでないことは言うまでもない。
【0042】実施例1〜19下記に示す組成からなる磁性塗料を調製した。
【0043】
<磁性塗料組成> 磁 性 粉:Fe−Co−Ni系金属磁性粉末(pH=9) 100重量部 ナフタレンジカルボン酸無水物又はその誘導体 下記の表1に示す量 (磁性粉表面処理剤)
結合剤樹脂:塩化ビニル系共重合体 15重量部 (平均重合度P=310 、OSO3 K基:0.07mmol、OH基:0.3mmol/g) ポリウレタン樹脂 5重量部 (重量平均分子量=30,000、SO3 Na基:0.16mmol/g) 帯電防止剤:カーボンブラック 2重量部 研 磨 剤:α−アルミナ(Al2 3 ) 2重量部 滑 剤:ステアリン酸 1重量部 ブチルステアレート 1重量部 溶 剤:メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 60重量部 シクロヘキサノン 40重量部【0044】100ml の容器にスチールボールを入れ、かつ上記の溶剤、結合剤樹脂、各種添加剤、及び下記の表1に示す各種ナフタレンジカルボン酸無水物又はその誘導体を入れてロールミルでよく混合し、溶液を調製した。この場合、ナフタレンジカルボン酸無水物又はその誘導体を下記の表1に示す各所定量加え、十分に混合して上記溶液を調製した後、これに強磁性粉末 100重量部を加え、ペイントシェーカーで24時間攪拌して磁性塗料を作製した。これを24時間攪拌した後、硬化剤(商品名:コロネートL)を10重量部加え、更に30分ペイントシェーカーで混合し、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布、乾燥、カレンダ処理後に巻き取り、完全な硬化処理後にスリッティングして磁気テープを作製した。
【0045】実施例20実施例1において、金属磁性粉末をナフタレンジカルボン酸無水物と共にニーダによって混合し、磁性粉末の表面を予め表面処理し、この処理磁性粉末を磁性塗料材料と混合し、他は同様にして磁気テープを作製した。
【0046】実施例21実施例1において、金属磁性粉末のpHを 7.0未満(具体的には4)とした以外は同様にして磁気テープを作製した。
【0047】実施例22実施例1において、結合剤樹脂として親水性極性基(OSO3 K、SO3 Na)のないものを使用した以外は同様にして磁気テープを作製した。
【0048】実施例23〜31実施例1において、ナフタレンジカルボン酸無水物の添加量を種々変化させた以外は同様にして各磁気テープを作製した。
【0049】実施例32〜50実施例1において、ナフタレンジカルボン酸無水物又はその誘導体を下記の表2に示すものに代えて、各添加量で添加した以外は同様にして磁気テープを作製した。
【0050】実施例51実施例32において、金属磁性粉末をナフタレンジカルボン酸と共にニーダによって混合し、磁性粉末の表面を予め表面処理し、この処理磁性粉末を磁性塗料材料と混合し、他は同様にして磁気テープを作製した。
【0051】実施例52実施例32において、金属磁性粉末のpHを 7.0未満(具体的には4)とした以外は同様にして磁気テープを作製した。
【0052】実施例53実施例32において、結合剤樹脂として親水性極性基(OSO3 K、SO3 Na)のないものを使用した以外は同様にして磁気テープを作製した。
【0053】実施例54〜62実施例32において、ナフタレンジカルボン酸の添加量を種々変化させた以外は同様にして各磁気テープを作製した。
【0054】比較例1〜6ナフタレンジカルボン酸無水物又はその誘導体を下記の表3に示す各化合物に代えた他は実施例1と同様にして、磁性塗料を調製し、これをポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布する工程を経て磁気テープを作製した。
【0055】
【表1】

【0056】
【表2】

【0057】
【表3】

【0058】
【表4】

*実施例20は処理磁性粉を使用。実施例21はpH=4の磁性粉を使用。実施例22は結合剤樹脂に親水性極性基が存在しないものを使用。
【0059】
【表5】

【0060】
【表6】

【0061】
【表7】

【0062】
【表8】

【0063】
【表9】

*実施例51は処理磁性粉を使用。実施例52はpH=4の磁性粉を使用。実施例53は結合剤樹脂に親水性極性基が存在しないものを使用。
【0064】
【表10】

【0065】

【0066】前記の実施例及び比較例において得られた各磁気テープについて、表面光沢度、角形比、粉落ち、ポリエチレンテレフタレートフィルムに対する接着強度をそれぞれ下記のようにして調べ、結果を下記の表4、表5、表6に示した。
【0067】表面光沢度:入反射角をそれぞれ45°として光沢計により測定した。
角 形 比:振動試料型磁力計(東英工業社製のVSM)で測定した。
粉 落 ち:ビデオテープレコーダに90分走行後、回転ヘッドに対する粉落ち量を1〜5の5段階で評価した(この場合、数字が大きいほど粉落ち量の多いことを示す。)
接着強度(接着力):ピール法による接着強度試験機を用いて、ポリエチレンテレフタレートフィルムに対する磁性層の接着量を測定した。
【0068】

【0069】

【0070】

【0071】

【0072】

【0073】表4〜表6に示すデータから明らかなように、本発明に基づいてナフタレンジカルボン酸又はその誘導体(無水物を含む。)を添加した、或いはそれによって表面処理した磁性粉を含む磁性塗料(実施例1〜62)では、比較例1〜6と比べて、磁性粉末の分散性を示す光沢度が向上し、また角形比も全般的にみて向上しており、粉落ち量が抑えられ、かつポリエチレンテレフタレートに対する磁性塗膜の接着力が著しく改善されている。
【0074】また、実施例1と、実施例20、21、22との比較、或いは実施例32と、実施例51、52、53との比較から、磁性粉末を予め表面処理すること、磁性粉末としてpH≧7.0 のものを使用すること、結合剤樹脂として親水性極性基を有するものを使用することがそれぞれ有利であることが分かる。また、実施例23〜31及び54〜62から、ナフタレンジカルボン酸又はその無水物或いはこれらの誘導体の添加量は磁性粉末 100重量部に対して 0.1〜7重量部(更には1〜5重量部)とすることが性能を比較的良好にできる点で望ましい。




 

 


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