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発明の名称 画像表示装置及び画像表示方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−6577
公開日 平成9年(1997)1月10日
出願番号 特願平7−150769
出願日 平成7年(1995)6月16日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃 (外2名)
発明者 永原 潤一 / 蓑島 俊和
要約 目的


構成
3次元仮想現実世界の内部において、ユーザの視線の方向に対して店302が斜めに位置しているような画像をディスプレイ20に表示し、この画像内で、ポインティングデバイスのポインタをポインタ201の位置に移動させて指示すると、3次元仮想現実世界の内部のユーザは、店302の直前、即ち店302が視界の中央となる位置まで自動的に移動動作を行う。
特許請求の範囲
【請求項1】 3次元の画像を表示する表示手段と、上記表示手段に表示した画像内の位置を指示する指示手段と、3次元空間内の対象物を所定の角度をもって見たときの画像を上記表示手段に表示するように制御し、上記指示手段によって上記画像内に表示される上記対象物を指示したならば、上記対象物に応じた動作を自動的に行って停止するまでの画像を上記表示手段に表示するように制御する制御手段とを備えて成ることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】 上記制御手段は、自動的に上記対象物に相対する位置に移動して停止するまでの画像を表示するように制御することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】 上記制御手段は、上記表示手段に表示された画像内の、上記指示手段で指示することが可能な領域を決定し、上記指示手段は上記領域のみで指示を行うように制御することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項4】 上記角度は、30〜60度であることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項5】 表示手段に3次元の画像を表示し、3次元空間内の対象物を所定の角度をもって見たときの画像を上記表示手段に表示し、上記表示手段に表示した画像内の位置を指示する指示手段によって、上記画像内に表示される上記対象物を指示したならば、上記対象物に応じた動作を自動的に行って停止するまでの画像を上記表示手段に表示することを特徴とする画像表示方法。
【請求項6】 自動的に上記対象物に相対する位置に移動して停止するまでの画像を表示することを特徴とする請求項5記載の画像表示方法。
【請求項7】 上記表示手段に表示された画像内の、上記指示手段で指示することが可能な領域を決定し、上記指示手段は上記領域のみで指示を行うことを特徴とする請求項5記載の画像表示方法。
【請求項8】 上記角度は、30〜60度であることを特徴とする請求項5記載の画像表示方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3次元空間の画像を表示する画像表示装置及び画像表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ケーブル、電話線、又はネットワーク等を使用して、中央の情報処理装置であるサーバコンピュータと、例えば家庭等のユーザの端末の情報処理装置であるクライアントコンピュータとを繋ぎ、サーバコンピュータ内の情報をユーザのクライアントコンピュータに提供する情報提供サービスを行う場合や、サーバコンピュータ内の情報をユーザのクライアントコンピュータで検索する場合において、クライアントコンピュータ側のグラフィックを表示することができる表示装置上に、情報提供サービスの概念モデルやメタファ表現として、3次元で仮想現実世界(バーチャルリアリティ)を表示することが行われており、ユーザは、実世界に近いかたちで情報提供サービスを使用したり、検索を行ったりすることができる。
【0003】例えば、一般的に、3次元空間表現を利用した情報ナビゲーションシステムでは、2次元空間表現と比較して、実世界に似せたかたちに、サービス内容や構成物を立体的に表現することができるので、ユーザが、この情報ナビゲーションシステムにアクセスしたときに、ユーザに対して友好的な印象を与えることが優位点として挙げられる。
【0004】具体的には、3次元仮想現実世界の中には、例えば机や商品棚やテレビやドア等の種々の物体や設備が存在しており、ユーザは、マウス、トラックボール、及びキーパッド等のポインティングデバイスを操作デバイスとして用いることにより、3次元仮想現実世界内での移動方向等を指示して、表現された3次元仮想現実世界の内部を動き回り、3次元仮想現実世界の内部の物体や設備に働きかけを行う。
【0005】ここで、具体的に、図9に、ある3次元仮想現実世界の内部を上部から見た2次元画像を示す。この3次元仮想現実世界において、ユーザの両側には、種々の情報提供サービスを得るための複数の店301、302、303、304、305、306が存在しており、ユーザには複数の店のドアが見えている。ユーザは、上記複数の店の間を一直線に進行するものとする。
【0006】最初に、ユーザは点3091に停止しているとする。尚、ユーザの視点は実線の矢印で示し、ユーザの移動動作は点線の矢印で示すものとする。
【0007】この点3091において、ユーザは、前方向、左方向、又は右方向のいずれかの方向に移動することができるように設定されている。また、点3091でユーザが見る画像は、ディスプレイ20に表示されており、図10に示す画像である。ユーザには、左側の店301、302、303及び右側の店304、305、306が見えている。
【0008】図10の画像内では、ユーザは、前方向の矢印のポインタ401、左方向の矢印のポインタ402、右方向の矢印のポインタ403で示すいずれかの位置に、ポインティングデバイスを用いてポインタを移動させて指示することにより、次の動作を行うことができる。
【0009】ここで、ユーザは、例えば左側の矢印のポインタ402の位置でクリックした場合には、図9に示す点3092に移動する。このときにユーザが見る画像を図11に示す。ユーザは店302から離れた位置に立っており、ユーザの視線は店302に向いている。これにより、点3091で見た左側の店の数よりも2軒多い5軒の店301、302、303、307、308を見ることになる。この点3092で移動できる方向は、図11の画像内の前方向の矢印のポインタ404、左方向の矢印のポインタ405、右方向の矢印のポインタ406で示すいずれかの方向である。ユーザが、図11の画像において、ポインタを移動させて、前方向の矢印のポインタ404の位置を指示した場合には、図9の点3093に移動し、左方向の矢印のポインタ405の位置を指示した場合には、図9の点3094に移動し、右方向の矢印のポインタ406の位置を指示した場合には、図9の点3095に移動することになる。
【0010】この図11の画像において、ユーザが前方向の矢印のポインタ404の位置を指示して点3093に移動して停止したときにユーザが見る画像は、図12に示すものである。このときの点3093は、店302の直前であり、3軒の店301、302、303を見ることになる。この画像においては、店302のドアを開くことを示すポインタ409、左方向の矢印のポインタ407、右方向の矢印のポインタ408、及び元の立位点3092の位置に戻る(ズームバック)ことを示すポインタ410のいずれかの位置にポインタを移動させて指示することができる。ポインタ409の位置を指示すれば、店302のサービス内容にアクセスすることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の3次元仮想現実世界においては、実世界を忠実に表現しようとするあまり、ユーザの実際の使い勝手や、ユーザへのインターフェイスに問題が生じている。
【0012】3次元仮想現実世界の内部を動き回る際のユーザの移動動作に関しては、ユーザの所望の方向に自由に移動できるので、どちらの方向に移動すれば、どのような物体や設備が存在するのかがわかりにくくなってしまう。
【0013】また、ユーザが、3次元仮想現実世界の内部で、制作者の意図しない位置に移動してしまったときに、ユーザの見ている視界はわかりにくいものとなってしまい、次に進むべき方向が判別しにくい。
【0014】また、2次元の表示装置いわゆるCRTディスプレイによって、3次元仮想現実世界を表示していることにより、上下左右(X軸、Y軸)方向への操作は簡易に行うことができるが、奥行き(Z軸)方向への操作は、表現上及び操作上大変に難しい。
【0015】この2次元の表示装置に表現される3次元仮想現実世界内部を移動するために用いられる操作デバイスとしては、上述したように、マウス、トラックボール、及びキーパッド等があるが、これらは制御要素が少なく、また、人間の手足のように、全ての要素を自在に制御することができるものではない。よって、シミュレーションゲーム等において、上述の操作デバイスを用いて移動物体の移動方向を自由自在に制御し、安定した姿勢や視点及び動きを保持できるようになるには、大変な習熟が必要である。ゲームにおいては、習熟するまでを楽しむことができるが、情報提供サービスなどのように、多くのユーザが、できるだけ簡単に使用することができるインタフェースを必要とするものにおいては、初めて使用するユーザでも簡単に使用することができる必要がある。
【0016】そこで、本発明は上述の実情に鑑み、ユーザが利用し易いユーザインターフェイスの3次元仮想現実世界の画像を表示することができる画像表示装置及び画像表示方法を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係る画像表示装置は、3次元の画像を表示する表示手段と、上記表示手段に表示した画像内の位置を指示する指示手段と、3次元空間内の対象物を所定の角度をもって見たときの画像を上記表示手段に表示するように制御し、上記指示手段によって上記画像内に表示される上記対象物を指示したならば、上記対象物に応じた動作を自動的に行って停止するまでの画像を上記表示手段に表示するように制御する制御手段とを備えて成ることにより上述した課題を解決する。
【0018】また、本発明に係る画像表示方法は、表示手段に3次元の画像を表示し、3次元空間内の対象物を所定の角度をもって見たときの画像を上記表示手段に表示し、上記表示手段に表示した画像内の位置を指示する指示手段によって、上記画像内に表示される上記対象物を指示したならば、上記対象物に応じた動作を自動的に行って停止するまでの画像を上記表示手段に表示することにより上述した課題を解決する。
【0019】
【作用】本発明においては、3次元空間内の対象物を所定の角度をもって見たときの画像内の上記対象物を指示手段で指示したならば、上記対象物に応じた動作を自動的に行って停止するまでの画像を上記表示手段に表示することにより、上記対象物に対して自動的に動作を行った画像を表示することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0021】先ず、本発明の具体的内容を述べる前に、本発明の画像表示装置を含む全体的なシステムについて、図1及び図2を用いて説明する。
【0022】図1において、クライアントコンピュータ2は、大規模なATM網3及び転送会話装置4、FDDI(Fiber Distribution Data Interface)インターフェイス5を介して、サービス供給側の例えばサービス管理サーバ13、ビデオサーバ12、サービスAP(アプリケーション)サーバ14に接続されている。尚、上記ATMとは非同期転送モードのことであり、当該ATMでは、データの種類によらず48バイト単位の固定長データに分け、この固定長データに5バイトのヘッダを付加して、53バイトのセルを作り、セル単位でスイッチングが実行される。このATM網3は、音声や動画、コンピュータデータを混在して転送できることを特徴とする。また、上記FDDIは、光ファイバを用いた100Mビット/秒のトークンパッシング方式の媒体アクセス方式である。
【0023】上記ビデオサーバ12は、サーバコンピュータ7及び例えばハードディスクや光ディスク等からなるデータ格納装置6からなり、当該データ格納装置6に例えば後述するMPEG等のフォーマットに加工されたディジタルビデオデータが格納されている。当該ビデオサーバ12のデータ格納装置6から、クライアントコンピュータ2からのリクエストに応じた上記ディジタルビデオデータが読み出されて、転送されることになる。
【0024】上記サービスAPサーバ14も同じくサーバコンピュータ11及びデータ格納装置10からなり、データ格納装置10にアプリケーション(AP)プログラムデータとしての3次元の画像の基になるデータやスクリプトを格納している。当該サービスAPサーバ14のデータ格納装置10から、クライアントコンピュータ2からのリクエストに応じた上記アプリケーションプログラムデータが読み出されて、転送されることになる。
【0025】上記サービス管理サーバ13も同じくサーバコンピュータ9及びデータ格納装置8からなるが、このサービス管理サーバ13は、クライアントコンピュータ2との対応を行うと共に、各ビデオサーバ7やサービスAPサーバ11の管理を行う。
【0026】尚、上記ビデオサーバ12やサービスAPサーバ14は、それぞれ複数設けることも可能であり、また、各サーバ12、13、14を1台のサーバにまとめることも可能である。
【0027】ATM網3を通って転送されたクライアントコンピュータ2からのリクエストは、転送会話装置4と呼ばれるプロトコル変換及びデータの自動振り分け、データ転送速度変換等を行う装置と、FDDIインターフェイス5とを介して、上記サーバ側に伝えられる。
【0028】上記クライアントコンピュータ2からのリクエストに応じて、サーバ側から送出されたデータは、クライアントコンピュータ2によって表示用の処理がなされ、モニタ装置1のディスプレイ上に表示され、これによりグラフィック表示を用いたユーザインターフェイス(グラフィカル・ユーザ・インターフェイス:以下、GUIと呼ぶ)が構築される。従って、ユーザは、当該モニタ装置1のディスプレイ上の表示を見ながら操作を行ったり、サービスの提供を受けることが可能となる。
【0029】次に、上記図1に示したクライアントコンピュータ2の自体の構成は、例えば図2に示すようなものとなる。
【0030】この図2において、EISAボード36は、当該クライアントコンピュータ2とATM網3とを接続するボードであり、当該ATM網3を介してEISAボード36に供給された信号は、処理部41により記録/再生が制御されるハードディスク43に一旦格納された後、データの種類に応じて読み出されて、それぞれ対応する3次元レンダリングエンジン34、MPEG2デコーダ35、PCオーディオデコーダ39、MPEG2オーディオデコーダ40等へ送られる。
【0031】上記3Dレンダリングエンジン34は、3次元の物体の3次元座標データをモニタ装置1のディスプレイ20上に表示するためのデータ(3次元による仮想現実空間の画像データ)に変換する座標変換器であり、アプリケーションに応じたGUIの構築を行うためのものである。
【0032】MPEG2デコーダ35は、MPEG2の規格により圧縮されているデータを伸長するデコーダである。尚、MPEG(Moving Picture Image Coding Experts Group :蓄積用動画像符号化の検討組織)2は、動画像の圧縮・伸長技術の国際標準規格である。
【0033】RGBミキサ33は、上記3Dレンダリングエンジン34からのデータとMPEG2デコーダ35からのデータが、ともに光3原色のR(赤)、G(緑)、B(青)からなるデータであるため、これらR、G、Bをミックスしたデータを生成する。
【0034】NTSCエンコーダ32は、上記RGBミキサ33からのデータをNTSCのテレビジョン標準規格の信号に変換する。このNTSCエンコーダ32からの映像信号がモニタ装置1のディスプレイ20上に表示される。尚、この図2のディスプレイ20上には、ポインティングデバイスによるポインタ(カーソル)22と、MPEG2をデコードして得た画像23と、3Dレンダリングエンジン34によるGUIのための画像(例えば3次元または2次元の画像21)とが表示されている。上記MPEG2の画像とGUIのための画像は合成して表示することも可能である。
【0035】一方、PCオーディオデコーダ39は、ADPCM音源を用いて例えば効果音を生成する。また、MPEG2オーディオデコーダ40は、MPEG2の圧縮されたオーディオデータを伸長する。これらPCオーディオデコーダ39からのデータ及びMPEG2オーディオデコーダ40からのデータは、オーディオミキサ38によりミックスされてオーディオ信号となされ、当該オーディオ信号がスピーカ30に送られる。尚、このスピーカ30からの音声の出力に関しては、ステレオ音声または多チャンネル音声が望ましい。最近ではステレオ音声でも、音の位相差などをコントロールして立体的に音像を定位できるシステムも登場してきているので、これらを利用することもできる。
【0036】また、上記ディスプレイ20上でのGUIの操作は、ポインティングデバイスの一例としてのワイヤレスマウス31から送信されるポイント(指示)情報に基づいて行われる。上記ワイヤレスマウス31から送信された上記ポイント情報は、ワイヤレス用チューナ37にて受信され、当該受信されたポインタ情報が処理部41に送られる。尚、上記ポインティングデバイスは、上記ワイヤレスマウス31に限らず、通常のマウスやトラックボール、キーパッド、ジョイスティック、さらにディスプレイ20と座標位置が対応しているタッチパネル等の各種のものを使用することができる。
【0037】処理部41はCPU(中央処理装置)を備えて成り、プログラムROM及びワークRAMとしての機能を有するメモリ42内の上記プログラムROMに保持しているプログラムデータに基づき、バス(EISA BUS)を介して各構成要素を制御すると共に、上記ワイヤレスマウス31からの指示情報に基づいて、GUIへの制御を行い、また、必要に応じてサーバコンピュータとの交信を行う。尚、この図2には、上記3Dレンダリングエンジン34やMPEG2デコーダ35等はそれぞれ独立したチップとして設けられている例を示しているが、これらによる各種信号処理を上記処理部41がソフトウェア的に行うことも可能である。
【0038】上述したような図1及び図2のシステムを使用した場合のユーザに対するオンラインによるサービス提供の具体的な動作を、以下に説明する。
【0039】先ず、ユーザは、クライアントコンピュータ2のポインティングデバイスを使って、クライアントコンピュータ2とサーバ側のコンピュータ(この場合はサービス管理サーバ13のコンピュータ9)とのネットワーク上での接続を指示する。
【0040】サーバ側のサービス管理サーバ13のコンピュータ9は、上記ネットワーク上での接続がなされてクライアントコンピュータ2からリクエストが供給されると、当該リクエストに応じてビデオサーバ12やサービスAPサーバ14を制御することにより、上記クライアントコンピュータ2に対して以下のデータ及びソフトウェアを転送する。即ち、例えば、仮想現実世界の振る舞いを記述するスクリプト、仮想現実世界の3次元座標データ、仮想現実世界の音声データ、クライアントコンピュータ2からユーザに対して指示する選択肢などを記述するスクリプト、その他、処理に必要な各種のデータを転送する。
【0041】クライアントコンピュータ2は、モニタ装置1のディスプレイ20の画面や必要に応じてスピーカ等を使用して、上記サーバ側から受け取ったデータ及びソフトウェアを基にした仮想現実世界を、ユーザに対して提示する。
【0042】ユーザは、クライアントコンピュータ2に提示された仮想現実世界を視聴しつつ、ポインティングデバイスを使って、移動方向などを指示して仮想現実世界内部を徘徊し、操作ボタンなどを操作して仮想現実世界内部の物体または施設に働きかけを行う。
【0043】クライアントコンピュータ2は、スクリプトに従い、ユーザの操作に対して、視点位置,視線方向,音声、及び仮想現実世界内部の物体の働きまたは振る舞いを以て反応し、ユーザが仮想現実世界内部に入り込んでいるかのように、モニタ装置1のディスプレイ20及びスピーカを使用して仮想現実世界をユーザに対して提示する。また、スクリプトの記述に応じて、ユーザに種々の情報の提供や発言や物品の注文などを行う。
【0044】本発明に係る画像表示装置は、上述したクライアントコンピュータ2に備えられるものであり、3次元の画像を表示する表示手段であるモニタ装置1と、上記モニタ装置1に表示した画像内の位置を指示する指示手段であるワイヤレスマウス31と、3次元空間内の対象物を所定の角度をもって見たときの画像を上記モニタ装置1に表示するように制御し、上記ワイヤレスマウス31によって上記画像内に表示される上記対象物を指示したならば、上記対象物に応じた動作を自動的に行って停止するまでの画像を上記モニタ装置1に表示するように制御する制御手段である処理部41とを備えて成るものである。
【0045】ユーザが、上述の画像表示装置によって表示される画像を用いて3次元仮想現実世界の内部を移動するために、3次元仮想現実世界の内部には立ち止まることができる複数の点が予め決められている。これらの複数の点は立位点という。ユーザは、ポインティングデバイスであるワイヤレスマウス31を操作して、3次元仮想現実世界を表示した画像内の所望の位置や物体を指示することにより、3次元仮想現実世界内部の1つの立位点に移動して停止する。ユーザは、複数の立位点を移動していくことにより、3次元仮想現実世界の内部を動き回ることになる。このようにして3次元仮想現実世界の内部を移動するときにユーザが見る画像が、上記表示画像装置に表示される。
【0046】ここで、図3を用いて立位点を具体的に説明する。
【0047】図3のAは、3次元仮想現実世界における店内の商品棚51、52を斜め横から見たときの3次元画像を示し、図3のBは、商品棚51、52を上部から見たときの2次元画像を示すものである。図3のA、Bには、店内の商品棚51、52に対して移動することができる複数の黒丸で示す立位点61、62、63、64、65が示されており、各立位点61、62、63、64、65におけるユーザの視線方向は実線の矢印で示すものである。
【0048】尚、ある立位点から他の立位点に移動するときには、後述するように、立位点の動作情報として、次に移動することが可能な立位点が決められている。即ち、ユーザは、上記ある立位点に設定された動作情報に基づいて、次に移動することが可能な立位点にしか移動することができず、その他の点、即ち3次元仮想現実世界の内部の立位点が設けられていない場所には移動することができない。具体的には、図3の3次元仮想現実世界において、ユーザが立位点62にいるときには、立位点61又は立位点63にしか移動することができない。また、立位点64にいるときには、立位点63又は立位点65にしか移動することができない。
【0049】また、立位点と立位点との間には、通過すべき点、即ち通過点が予め決められている場合がある。この通過点とは、2つの立位点の間の移動時に、通過すべき位置やそのときの視線方向等を示す点であり、ワイヤレスマウス31の操作によって指示しても停止することができず、短時間で通過する点である。例えば、図3のBにおいては、立位点64と立位点65との間に、2つの白丸で示す通過点71、72が設定されている。ユーザは、3次元仮想現実世界の店内で、立位点64から立位点65への移動、又は、立位点65から立位点64への移動を行う場合に、必ず通過点71、72を通って行くことになる。これらの通過点71、72にも、立位点と同様に複数の情報が設定されており、通過点71、72におけるユーザの視線方向は実線の矢印で示すものである。
【0050】立位点及び通過点に設定されている情報としては、位置情報、視線情報、速度情報、及び動作情報がある。位置情報とは、3次元座標系における位置の値である。また、視線情報には、視線方向、視線のロール角、及び視野角が含まれ、速度情報には、移動速度の最大値、視線方向回転角速度の最大値、視線ロール角回転角速度の最大値、及び視野角増加速度の最大値が含まれ、動作情報には、次行う動作状態が含まれる。
【0051】尚、上記ロール角とは、例えば飛行機等が3次元空間で旋回するときの回転角度に相当するものである。また、上記動作情報は、スクリプトで記述されており、具体的には、ある立位点で停止しているときにユーザが見る画像、即ちディスプレイ20に表示された画像内で、ユーザがワイヤレスマウス31を操作してポインタを移動させ、位置や物体(オブジェクト)を指示してボタンをクリックすることによって生じる次の動作であり、3次元仮想現実世界の内部で次の立位点に移動したり、ドアを開けて店内に入ったり等の動作を行うための情報である。
【0052】尚、同一の情報を持つ複数の立位点又は通過点が存在することが考えられるので、各情報において予め設定された値(デフォルト値)を用意しておいたり、ある立位点又は通過点の情報と次に移動する立位点又は通過点の情報とが同一である場合には、ある立位点又は通過点の情報を継承して次に移動する立位点又は通過点の情報として用いたりすることが考えられる。
【0053】尚、立位点及び通過点以外の3次元仮想現実内部の点は、補間によって求めるものである。
【0054】また、ある立位点又は通過点から次の立位点又は通過点への移動時には、ある立位点又は通過点に設定されている速度情報を用いており、位置の移動については、移動速度の最大値を越えない一定速度で直線的に移動し、視線方向については、回転角速度の最大値を越えない一定速度で回転し、視線のロール角については、視線ロール角回転角速度の最大値を越えない一定速度で回転し、視野角については、視野角増加速度の最大値を越えない一定速度で増加するものである。
【0055】これにより、ある立位点又は通過点から次の立位点又は通過点への移動動作を、なめらかにすることができる。即ち、ディスプレイ20に表示される画像は、ユーザが実世界で実際に移動動作を行うときに見る画像に近い画像となる。
【0056】次に、3次元仮想現実世界でのユーザの動作及び視点について説明する。
【0057】先ず、図4を用いて、ユーザの視点(ビューポイント)を説明する。
【0058】従来は、ユーザは両側の店の間を直線で進行するときに、ユーザの視線方向は進行方向と同一方向となっている。これに対して、本発明では、ユーザの進行方向に対して視線方向が所定の角度をもつようにする。図4のユーザ105は矢印Aの示す方向に進行するが、このとき、ユーザ105の視線方向を進行方向と同一方向とせずに、店の列に角度θだけ傾けて設定しておく。この角度θは、30〜60度程度である。図4に示す例では、ユーザ105の視線は、店301、302、303、304の列に30〜60度傾いており、このユーザ105は視界Wで示す範囲となる。
【0059】この店301、302、303の列とユーザの動作及び視線とについて、図5に、上部から見た2次元画像を示す。ユーザは、最初に、図5の立位点1051に停止しているとする。尚、ユーザの視点は実線の矢印で示し、ユーザの移動動作は点線の矢印で示すものとする。
【0060】この立位点1051でユーザが見る画像は、ディスプレイ20に表示されており、図6に示す画像である。ユーザには、店301、302、303が見えている。
【0061】ここで、ユーザは、前方向の矢印のポインタ201、左方向の矢印のポインタ202又は店301、右方向の矢印のポインタ203又は店303のいずれかの位置にワイヤレスマウス31のポインタを移動させてボタンをクリックすることにより、次の動作を行うことができる。
【0062】ここで、ポインタは、ディスプレイ20に表示された画像内で存在する位置によって形状(図柄)が変化して、その位置でどのような動作をするべきかを示す。即ち、ポインタの形状によって、ポインタの存在する位置での動作について、ナビゲーションを行うようになっている。ディスプレイ20内のある位置でワイヤレスマウス31のボタンをクリックすることにより、その位置のポインタの形状が示す動作状態に移行する。画像内でワイヤレスマウス31のボタンをクリックすることができる領域は予め設定されており、その領域内にポインタを移動させて、ワイヤレスマウス31のボタンをクリックすることにより、次の動作のための制御命令が処理部41に送られ、処理部41の制御によって次の動作が行われ、この動作によってユーザが見る画像がディスプレイ20に表示される。尚、上記クリックによって動作を行うことができる予め設定された領域以外の領域にポインタを移動させてクリックを行っても、処理部41の制御によって次の動作に移行することはできない。
【0063】前方向の矢印のポインタ201の位置でボタンをクリックすると、図5の立位点1052に移動する。即ち、店302が視界の中央となる、店302の直前の位置まで自動的に移動動作を行う。また、左方向の矢印のポインタ202又は店301の位置でボタンをクリックすると、店301が視界の中央となる店301の直前の位置まで自動的に移動動作を行い、右方向の矢印のポインタ203又は店303の位置でボタンをクリックすると、店303が視界の中央となる店303の直前の位置まで自動的に移動動作を行う。
【0064】立位点1052でユーザが見る画像を図7に示す。この図7の画像は、図12に示した画像と同じである。このように、1回の移動動作で、図9の立位点3093と同じ位置である、図5の立位点1052に自動的に移動することができる。
【0065】図7の画像においては、店302のドアを開くことを示すポインタ204、左方向の矢印のポインタ205、右方向の矢印のポインタ206、及び元の立位点1051の位置に戻る(ズームバック)ことを示すポインタ207のいずれかの位置にポインタを移動させて、ワイヤレスマウス31のボタンをクリックすることができる。ポインタ204の位置でボタンのクリックを行うことにより、店302のサービス内容にアクセスすることができる。尚、ポインタ204の位置にポインタを移動させた時点で、店302のサービスの内容説明(プレビュ)を文字や映像で自動的に行うようにしてもよい。また、ポインタ207の位置でボタンのクリックを行って、立位点1051にズームバックしたときには、視線方向等も元の状態に戻るので、ユーザが見る画像は図6の画像となる。
【0066】この実施例に示すように、ユーザが移動し易い位置情報、視線情報、速度情報、及び動作情報を設定した立位点又は通過点を決めておくことにより、3次元仮想現実世界内部でのユーザの移動動作は容易になり、さらに、3次元仮想現実世界内部でのユーザの動作を限定して自動的に動作させることにより、例えば3次元仮想現実世界内のインターフェイスは使い易いものとなる。
【0067】また、対象物(オブジェクト)を、ユーザの視線方向に対して斜めに配置して表示することにより、奥行き方向も容易に表現することができる。このときのワイヤレスマウスでの操作は、単に画面の適当な位置にポインタを移動させてボタンをクリックするだけであり、雑誌のページをめくるような感覚で、3次元仮想現実世界を移動して、情報サービスの提供を受けることができる。
【0068】このような表示方法は、複数の店の前を通るウィンドウショッピングを行ったりする場合に用いるだけでなく、例えば、ニュースサービスを立体的に行うときなどにも非常に有効である。具体的には、例えば図8に示すように、ニュースの内容を表示したテレビモニタ501、502、503、504を斜めに配置して表示する。この場合には、ニュースの内容等はテレビモニタに表示された映像でほぼ理解することができるので、より感覚的な操作を実現することができる。
【0069】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発明に係る画像表示装置は、3次元の画像を表示する表示手段と、上記表示手段に表示した画像内の位置を指示する指示手段と、3次元空間内の対象物を所定の角度をもって見たときの画像を上記表示手段に表示するように制御し、上記指示手段によって上記画像内に表示される上記対象物を指示したならば、上記対象物に応じた動作を自動的に行って停止するまでの画像を上記表示手段に表示するように制御する制御手段とを備えて成ることにより、指示手段で連続した操作を行わずとも、1回の操作によって、3次元仮想現実世界の内部で自動的に動作を行うことができるので、3次元仮想現実世界の内部で姿勢保持等の細かい操作に煩わされることなく、容易に対象物に対する動作を行うことができる。よって、ユーザの肉体的な負担を減らし、また、マウス等の指示手段の操作に習熟する必要がなくなる。また、3次元空間の奥行き方向も容易に表現することができるので、奥行き方向への動きを制御するためのソフトウェアのデータ量を減らすことができ、ユーザは、画像内で3次元空間の奥行き方向への移動動作を容易に行うことができる。これにより、3次元仮想現実世界のためのユーザインターフェイスを使い易くすることができる。
【0070】また、本発明に係る画像表示方法は、表示手段に3次元の画像を表示し、3次元空間内の対象物を所定の角度をもって見たときの画像を上記表示手段に表示し、上記表示手段に表示した画像内の位置を指示する指示手段によって、上記画像内に表示される上記対象物を指示したならば、上記対象物に応じた動作を自動的に行って停止するまでの画像を上記表示手段に表示することにより、指示手段で連続した操作を行わずとも、1回の操作によって、3次元仮想現実世界の内部で自動的に動作を行うことができるので、3次元仮想現実世界の内部で姿勢保持等の細かい操作に煩わされることなく、容易に対象物に対する動作を行うことができる。よって、ユーザの肉体的な負担を減らし、また、マウス等の指示手段の操作に習熟する必要がなくなる。また、3次元空間の奥行き方向も容易に表現することができるので、奥行き方向への動きを制御するためのソフトウェアのデータ量を減らすことができ、ユーザは、画像内で3次元空間の奥行き方向への移動動作を容易に行うことができる。これにより、3次元仮想現実世界のためのユーザインターフェイスを使い易くすることができる。




 

 


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