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発明の名称 前方指向性破片生成構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−119799
公開日 平成9年(1997)5月6日
出願番号 特願平7−298809
出願日 平成7年(1995)10月24日
代理人
発明者 高橋 英樹 / 平澤 東洋和 / 松本 浩文 / 中永 穀 / 山本 憲一
要約 目的
前方指向性破片生成構造における外殻(11)の破片のピークを効率よく前方へ偏向させ、破片の前方指向性を高める。

構成
円盤状の底板(1)及びカバー(2)間に、外周に所定数のスリット(12),(12),…を有しかつ前方に傾斜した薄肉リング状の複数の外殻(11),(11),…と、複数の厚肉の防御リング(13),(13),…とを交互に同心状に繋いで配置して、それらの内部に火薬室(14)を形成し、火薬室(14)に内包された火薬(15)の起爆時、各防御リング(13)により逆向きの力を防止しながら、各外殻(11)を多数の自己鍛造破片として前方へ飛翔させるようにする。
特許請求の範囲
【諸求項1】 前端の円板からなる底板(1)と中心部に起爆部(8)を有する後端の円板状のカバー(2)との間に、複数の薄肉リング状の外殻(11),(11),…と複数の厚肉の防御リング(13),(13),…とが交互に同心状に繋ぎ合わされていて、該外殻(11),(11),…及び防御リング(13),(13),…内には爆薬(15)を内包するための爆薬室(14)が形成され、上記各外殻(11)は、後方に向かって径が拡大するように前傾され、かつ中間部が破片生成構造中心(O)側に向かって突出するように所定の曲率で湾曲する断面円弧状とされ、各外殻(11)の周面には、各々破片生成構造中心軸と略平行に延びる所定数のスリット(12),(12),…が円周方向に間隔をあけて形成されている一方、各防御リング(13)は、該防御リング(13)後側に隣接する外殻(11)の前端よりも破片生成構造中心(O)側に突出する突起部(13c)を有しており、爆薬室(14)の爆薬(15)の起爆により、各外殻(11)が多数の自己鍛造破片となって前方へ飛しょうするように構成されていることを特徴とする前方指向性破片生成構造。
【請求項2】 前端の底板(1)と中心部に起爆部(8)を有する後端の円板状のカバー(2)とが円筒状のケース(21)により同心状に連結され、上記ケース(21)内側に複数のリング状の外殻(22),(22),…が同心状に繋ぎ合わされていて、該外殻(22),(22),…内には爆薬(15)を内包するための爆薬室(14)が形成され、上記カバー(2)の起爆部(8)には、爆薬(15)の起爆により前方に進行する平面爆轟波(W)を生成する波面成形機構(18)が設けられ、上記各外殻(22)は、後方に向かって径が拡大するテーパ面(23)を後面に有する外殻部(22a)と、該外殻部(22a)の内端に連続して破片生成構造中心(O)側に突出され、上記平面爆轟波(W)の波面と平行な後面(24)を有する突起部(22b)とを備えており、波面成形機構(18)により成形された平面爆轟波(W)の、外殻部(22a)のテーパ面(23)及び突起部(22b)の後面(24)への作用により各外殻(22)が破片となって前方へ飛しょうするように構成されていることを特徴とする前方指向性破片生成構造。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空機や飛しょう体等の目標物を破壊する破片を前方に偏向して散飛させる前方指向性破片生成構造に関し、特に、破片を前方に有効に集中させる機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、破片生成構造の形状はその中心軸を軸とした回転体であり、内包した爆薬を起爆させると、外殻は破片となり、円周方向へは等方的(全体的に均一)に、また軸方向へは破片生成構造の中心軸に垂直な方向から10°〜30°程度の広がりをもって散飛する。このとき、最も破片が多く散飛する(破片数がピークを示す)のは0°付近、すなわち破片生成構造の中心軸に垂直な方向である。
【0003】一方、ある方向に片寄って存在する目標物を有効的に破壊するためには、破片をその方向に集中させる必要があり、このような性質を具備した破片生成構造を指向性破片生成構造という。この指向性破片生成構造は、破片を集中させる方向により側方指向性破片生成構造と前方(後方)指向性破片生成構造とに大別できる。側方指向性破片生成構造では、爆薬の起爆位置を一方に寄せたり、側面から起爆させたりする等の方法が採られている(例えば特公昭51−21279号や特開昭60−186698号の各公報参照)。
【0004】一方、前方指向性破片生成構造では、特開平4−48200号公報等に示される方法、外殻の外形を釣鐘形にする方法、特公昭51−21279号公報に示されるような、内面を前方向に適用する方法、或いは特開平5一66099号公報に示す如く、爆薬に空洞部を設けて外殻にかかる力を不均一にし、破片に回転力を与えて指向させる方法等が考えられているが、確立した有効な技術はないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のような前方指向性破片生成構造のうち外形変形型のものでは、破片数のピークが前方30°付近となってかなり指向するが、通常、破片生成構造は円柱形状であるので、デッドスペースが多く、非効率である。
【0006】これに対し、内部を変形させる方法では、破片数のピークは前方へ10°程度偏向するに留まっており、前方に存在する目標物を破壊するには未だ十分に指向しているとはいえない。従って、効率的にかつ破片のピークをさらに前方へ偏向させる必要がある。特に、側面に配置される外殻(破片)を前方へ飛散させる技術は、非常に重要であるにも拘らず難しいとされている。
【0007】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目的は、上記の外殻を前方へ指向させる前方指向性破片生成構造において、外殻の構造に改良を加えることにより、その破片のピークを効率的にさらに前方へ偏向させるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく、請求項1の発明では、初めから斜め前方に傾いた傘状のリングを繋ぎ合わせた外殻を用いる。但し、通常、外殻として使用するような厚肉のものでは、内包した爆薬の爆轟波の速度に比べて破片の散飛速度が極めて遅いので、直ちに爆風等による逆向きの力を受けることとなり、所期の効果が得られない。そこで、外殻は曲率を有する薄肉のリングで構成し、SFFと呼ばれる飛しょうに適した形状の破片にして散飛速度を上げ、さらには逆向きの力を防御するリングも合わせた破片生成構造の機構とする。
【0009】すなわち、この発明の前方指向性破片生成構造では、図1〜図3に示すように、前端の円板からなる底板(1)と中心部に起爆部(8)を有する後端の円板状のカバー(2)との間に、複数の薄肉リング状の外殻(11),(11),…と複数の厚肉の防御リング(13),(13),…とが交互に同心状に繋ぎ合わざれていて、該外殻(11),(11),…及び防御リング(13),(13),…内には爆薬(15)を内包するための爆薬室(14)が形成されている。
【0010】上記各外殻(11)は、後方に向かって径が拡大するように前傾され、かつ中間部が破片生成構造中心(O)側に向かって突出するように所定の曲率で湾曲する断面円弧状とされている。また、上記各外殻(11)の周面には、各々破片生成構造中心軸と略平行に延びる所定数のスリット(12),(12),…が円周方向に間隔をあけて形成されている。一方、各防御リング(13)は、該防御リング(13)後側に隣接する外殻(11)の前端よりも破片生成構造中心(O)側に突出する突起部(13c)を有している。
【0011】そして、爆薬室(14)の爆薬(15)の起爆により、各外殻(11)が多数の自己鍛造破片(SFF)となって前方へ飛しょうするように構成されている。
【0012】請求項2の発明では、平面爆轟波を適用する。一般の破片生成構造においては、爆轟波の形状は球状又は球状波の合成であり、前方指向という点では、全波面が前方に進行する力を持った平面波に比べて劣る。そこで、前方指向に対して有利な平面爆轟波を適用するが、単に平面波を利用するだけでは、前方に進行する力が外殻に有効に伝達されず、無駄が生じる。そこで、外殻の内側に爆轟波の波面と平行な面を持つ多数の突起を設け、爆轟波の力を破片(外殻)に効率よく伝達できる機構とする。
【0013】すなわち、この発明の前方指向性破片生成構造では、図4〜図6に示す如く、前端の底板(1)と中心部に起爆部(8)を有する後端の円板状のカバー(2)とが円筒状のケース(21)により同心状に連結され、ケース(21)内側に複数のリング状の外殻(22),(22),…が同心状に繋ぎ合わされていて、該外殻(22),(22),…内には爆薬(15)を内包するための爆薬室(14)が形成されている。
【0014】上記カバー(2)の起爆部(8)には、爆薬(15)の起爆により前方に進行する平面爆轟波(W)を生成する波面成形機構(18)(ウェーブジェネレータ)が設けられている。
【0015】上記各外殻(22)は、後方に向かって径が拡大するテーパ面(23)を後面に有する外殻部(22a)と、該外殻部(22a)の内端に連続して破片生成構造中心(0)側に突出され、上記平面爆轟波(W)の波面と平行な後面(24)を有する突起部(22b)とを備えている。
【0016】そして、上記波面成形機構(18)により成形された平面爆工波(W)の、上記外殻部(22a)のテーパ面(23)及び突起部(22b)の後面(24)への作用により各外殻(22)が破片となって前方へ飛しょうするように構成されている。
【0017】
【作用】上記の構成により、請求項1の発明では、爆薬室(14)に内包された爆薬(15)を爆薬室(14)後端の起爆部(8)により起爆(点起爆)させると、各外殻(11)の周面に、各々破片生成構造中心軸と略平行に延びる所定数のスリット(12),(12),…が円周方向に間隔をあけて形成されているので、爆轟波(W)の力を受けた薄肉リング状の各外殻(11)がスムーズに変形して飛しょうに適した形状の破片(SFF)が生成される。各外殻(11)は、後方に向かって径が拡大するように前傾され、かつ中間部が破片生成構造中心(O)側に向かって突出するように所定の曲率で湾曲する断面円弧状とされているので、上記破片は外殻(11)を予め最初に傾けておいた方向(斜め前方)へ散飛することとなる。
【0018】また、前後に隣り合う外殻(11),(11)間には厚めの防御リング(13)が配置され、この各防御リング(13)には破片生成構造中心(O)側に突出する突起部(13c)が形成されているので、上記破片の生成時に破片が爆薬(15)の爆風等による逆向きの力を受けるのが防御リング(13)の突起部(13c)により防御される。よって、これらにより外殻(11)の破片の前方への指向性を向上できる.
【0019】請求項2の発明では、内包した爆薬(15)を爆薬室(14)後端の起爆部(8)により起爆(点起爆)させると、波面成形機構(18)により前方に進行する平面爆轟波(W)が生成される。そして、各外殻(22)は、後方に向かって径が拡大するテーパ面(23)を後面に有する外殻部(22a)と、該外殻部(22a)の内端に連続して破片生成構造中心(O)側に突出され、上記平面爆轟波(W)の波面と平行な後面(24)を有する突起部(22b)とを備えているので、上記平面爆轟波(W)の波面が外殻(22)内側の突起部(22b)の後面(24)に当たり、このことにより外殻(22)(破片)に対し前方に散飛する力が伝達される。そして、各外殻(22)の外殻部(22a)のテーパ面(23)には半径方向外側への力も作用するので、最終的にこれら双方の力が合成された方向(斜め前方)に破片が散飛し、よって破片の前方への偏向が促進される.
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(実施例1)図1は本発明の実施例1に係る前方指向性破片生成構造(A)の全体構成を示し、この破片生成構造(A)は飛しょう体等に用いられる。図1において、(1)は破片生成構造(A)の前端に配置された円板状の底板、(2)は同後端に配置された円板状のカバーで、これらは互いに同心状に配置される。上記カバー(2)の前面にはその中心部に凹部(2a)が、また周辺部には円環溝状の凹溝部(2b)がそれぞれ形成されている。一方、カバー(2)後面の中心部には後方に突出する円柱状の突出部(2c)が一体に形成され、この突出部(2c)の後端面から上記カバー(2)前面の凹部(2a)底面にかけて中心孔(3)が貫通形成され、中心孔(3)の後端部には雷管押え(4)が螺合支持されている。そして、上記中心孔(3)の前後中間部には上記雷管押え(4)により支持される電気雷管(5)が、その前側には導爆薬筒(6)がそれぞれ充填され、また凹部(2a)には雷管(5)により発火される伝爆薬(7)が充填されており、これらにより起爆部(8)が構成されている。
【0021】また、上記カバー(2)の凹溝部(2b)には円環板状のホルダリング(9)が嵌合固定され、このホルダリング(9)には破片生成構造(A)の中心軸周りに略等間隔をあけて同心状に配置した複数のホルダピン(10),(10),…の後端部が貫通されてナット結合されている。この各ホルダピン(10)は前後方向に延び、その前端部は上記底板(1)に貫通されて螺合締結されており、底板(1)とカバー(2)とがホルダピン(10)により一体的に連結されている。
【0022】上記前端の底板(1)と後端の円板状のカバー(2)との間には、複数(図示例では5枚)の薄肉リング状の外殻(11),(11),…と複数(同4個)の厚肉の防御リング(13),(13),…とが交互に同心状に繋ぎ合わされて配直されている。すなわち、上記各外殻(11)は純鉄等からなるもので、図2及び図3に示すように、後方に向かって径が拡大するように前傾され、かつ中間部が破片生成構造(A)の中心(O)側に向かって突出するように所定の曲率で湾曲する断面円弧状とされている。また、その外周面には、各々破片生成構造中心軸と平行に延びかつ所定の溝角度(例えば60°)及び深さを有する断面V字状の所定数(例えば30個)のスリット(12),(12),…が円周方向に等間隔をあけて形成されている。
【0023】一方、各防御リング(13)は略断面三角形状の鋼材からなるもので、その内面及び外面は後方に向かって径が減少するテーパ状とされ、後端面は破片生成構造(A)の中心軸と直交方向の面とされている。また、防御リング(13)の前端には該防御リング(13)前側に隣接する外殻(11)の後端部を嵌合する環状凹溝(13a)が、後端面の外周端には防御リング(13)後側に隣接する外殻(11)の前端部を嵌合する環状凹溝(13b)がそれぞれ形成されている。つまり、防御リング(13)の内周部は該防御リング(13)後側に隣接する外殻(11)の前端よりも破片生成構造(A)の中心(O)側に突出する突起部(13c)とされている。そして、上記底板(1)の後面外周部には最前端の外殻(11)前端を嵌合する環状凹溝(1a)が、またカバー(2)と一体のホルダリング(9)前面外周部には最後端の外殻(11)後端を嵌合する環状凹溝(9a)がそれぞれ形成されており、図1に示すように、最前端の外殻(11)前端を底板(1)の凹溝(1a)に、また最後端の外殻(11)後端をホルダリング(9)の凹溝(9a)にそれぞれ嵌合し、さらに、各防御リング(13)の前側凹溝(13a)に該防御リング(13)前側に隣接する外殻(11)の後端部を、また後端面外周端の凹溝(13b)に防御リング(13)後側に隣接する外殻(11)の前端部をそれぞれ嵌合することで、底板(1)とカバー(2)との間に複数の外殻(11),(11),…及び防御リング(13),(13),…が交互に同心状に繋ぎ合わされて挟持されている。
【0024】上記底板(1)、カバー(2)、各外殻(11)及び各防御リング(13)で囲まれる円柱状の空洞部分は爆薬室(14)とされ、この爆薬室(14)には上記起爆部(8)により起爆される爆薬(15)が充填されており、この爆薬室(14)の爆薬(15)の起爆により爆轟波(W)が発生したとき、各外殻(11)が多数の自己鍛造破片となって前方へ飛しょうするようになっている。次に、上記実施例の作用について説明する。破片生成構造(A)を装着した飛しょう体等が発射されて目標物に接近すると、破片生成構造(A)における電気雷管(5)に通電され、この雷管(5)の点火により導爆薬筒(6)及び伝爆薬(7)の各発火を介して、爆薬室(14)に充填された爆薬(15)が後端の中心部から起爆(点起爆)され、図1で仮想線にて示す如く、その後端中心部を中心とする球状波の爆轟波(W)が生成される。この爆轟波(W)により各外殻(11)が変形を開始して最終的に飛しょうに適した形状の破片(SFF)が形成され、その破片が目標物に向かって散飛する。
【0025】そのとき、上記各外殻(11)は、後方に向かって径が拡大するように前傾され、かつ中間部が破片生成構造(A)の中心(O)側に向かって突出するように所定の曲率で湾曲する断面円弧状とされているので、上記破片は外殻(11)を予め最初に傾けておいた斜め前方へ散飛する。また、前後に隣り合う外殻(11),(11)間に配置されている防御リング(13)も外殻(11)と同様に爆薬(15)から変形力を受けるが、この防御リング(13)は外殻(11)に比べて厚肉であるので、その移動速度は遅くなる。そして、この各防御リング(13)に、破片生成構造(A)の中心(O)側に突出する突起部(13c)が形成されていることと相俟って、各外殻(11)の変形に不利に作用する爆薬(15)からの逆向き(後方)の力が防御リング(13)で防御され、よって上記外殻(11)破片の前方への指向性を向上させることができる。
【0026】さらに、上記各外殻(11)の外周面には破片生成構造中心軸と平行な方向の所定数のスリット(12),(12),…が形成されているので、爆轟波(W)の力を受けた各外殻(11)がスムーズに変形してSFFとなり、破片の生成が良好に行われる。
【0027】(実施例2)図4は実施例2を示し(尚、図1と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、平面爆轟波を利用するものである。
【0028】すなわち、この実施例では、カバー(2)の前面に大径の凹部(2a)が形成され、その凹部(2a)の中心部には導爆薬(17)が、また周辺部には伝爆薬(7)がそれぞれ充填されている。そして、この導爆薬(17)及び伝爆薬(7)の前面は前方に向かって広がるテーパ面とされ、このテーパ面には、爆薬(15)の起爆により前方に進行する平面爆轟波(W)を生成する波面成形機構(18)(ウェーブジェネレータ)が配置されている。この波面成形機構(18)は、導爆薬(17)及び伝爆薬(7)の前面テーパ面に密着する薄肉のテーパ板(19)と、該テーパ板(19)の前側に配置され、外周部がテーパ板(19)外周部に接合された薄肉円板(20)とを備えており、図4で仮想線にて示す如く、テーパ板(19)と円板(20)との中心部に空けられている間隙を利用して球状波を前方に進行する平面爆轟波(W)に成形する。
【0029】また、カバー(2)の前端外周端は前方に円筒状に突出され、その部分には円筒状のケース(21)の後端小径部(21a)が一体的に嵌合固定され、このケース(21)の前端には底板(1)の外周部が嵌合されており、底板(1)と円板状のカバー(2)とが円筒状のケース(21)により同心状に連結されている。 さらに、上記ケース(21)内側には複数(図示例では5個)のリング状の外殻(22),(22),…が同心状に繋ぎ合わされ配置され、この各外殻(22)、底板(1)及びカバー(2)で囲まれる空洞部が爆薬室(14)とされている。 上記各外殻(22)は、図5及び図6に示す如く、後方に向かって径が拡大するテーパ面(23)を後面に有する外殻部(22a)と、該外殻部(22a)の内端に連続して破片生成構造(A)の中心(O)側に突出され、上記平面爆轟波(W)の波面と平行な後面(24)を有する突起部(22b)とを備え、外殻部(22a)の外周面には該外周面の前半部を円周方向に切り欠いてなる切欠部(25)が形成され、この切欠部(25)後側の外殻部(22a)外周には、断面V字状の複数のスリット(12),(12),…が円周方向に等間隔をあけて形成されている。また、各外殻(22)の前端面は後方に向かって径が減少するテーパ面ときれている。
【0030】そして、爆薬室(14)の爆薬(15)の起爆に伴い、波面成形機構(18)により前方に進行する平面爆轟波(W)を生成し、この平面爆轟波(W)を各外殻(22)における外殻部(22a)のテーパ面(23)及び突起部(22b)の後面(24)へ作用させることにより、各外殻(22)を破片として前方へ飛しょうさせるようになされている。
【0031】尚、上記底板(1)の後面(24)の中心部は後方にテーパ状に突出きれ、この突出部周辺の外周部には各外殻(22)のテーパ面(23)と同様に傾斜するテーパ面(26)が形成されており、底板(1)を外殻として兼用するようにしている。
【0032】したがって、この実施例の場合、電気雷管(5)に点火電流を流すと、これが発火し、この電気雷管(5)の発火に伴い導爆薬(17)及び伝爆薬(7)が順次発火し、爆轟波が波面成形機構(18)により前面に進行する平面爆轟波に成形され、爆薬(15)も同様の平面爆轟波(W)を生成する。各外殻(22)は、後方に向かって径が拡大するテーパ面(23)を後面に有する外殻部(22a)と、該外殻部(22a)の内端に連続して破片生成構造(A)の中心(O)側に突出され、上記平面爆轟波(W)の波面と平行な後面(24)を有する突起部(22b)とを備えているので、上記平面爆轟波(W)は各外殻(22)内側の突起部(22b)の後面(24)に当たり、このことにより図7に拡大詳示するように、外殻(22)(破片)に前方への力が伝達される。一方、上記爆薬(15)の起爆に伴って半径方向外側に広がる力も生じるので、この外方向の力と前方への力とが合成され、各外殻(22)にはこの合成力が作用して破片が斜め前方に散飛し、よって上記実施例1と同様に、破片の前方への偏向が促進される。
【0033】尚、このときには、上記実施例1とは異なり、各外殻(22)からSFFは生成されないものの、各外殻(22)の外殻部(22a)外周面に所定数のスリット(12),(12),…が形成されているので、爆轟波(W)の力を受けた各外殻(22)がスムーズに破片に分割される。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明では、底板とカバーとの間に、周面に所定数のスリットを有しかつ前方に傾斜した薄肉リング状の複数の外殻と、複数の厚肉の防御リングとを交互に同心状に繋いで配置して、それら内部に爆薬室を形成し、爆薬室における爆薬の起爆時、各防御リングで逆向きの力を防止しながら、各外殻をそのスリットによりスムーズに多数の自己鍛造破片にして前方へ飛しょうさせるように構成した。また、請求項2の発明では、底板とカバーとの間に複数の外殻を同心状に繋いで爆薬室を形成し、カバー側には、爆薬の起爆により前方に進行する平面爆轟波を生成する波面成形機構を設ける一方、各外殻の内端には平面爆轟波の波面と平行な後面を有する突起部を設け、平面爆轟波の突起部後面への作用により各外殻を破片として前方へ飛しょうさせるようにした。従って、これら発明によると、前方指向性破片生成構造における破片数のピークを従来の3倍の30°程度まで集中して偏向させることができ、外殻の取付角度等を変えれば、さらに前方への偏向が可能となり、外殻の前方への指向性、集中性を向上させることができる。




 

 


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