| 発明の名称 |
ユニット建物とその施工方法 |
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| 発行国 |
日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 |
公開特許公報(A) |
| 公開番号 |
特開平9−317021 |
| 公開日 |
平成9年(1997)12月9日 |
| 出願番号 |
特願平8−154808 |
| 出願日 |
平成8年(1996)5月28日 |
| 代理人 |
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| 発明者 |
田中 直人 / 余田 泰宏 / 島田 直樹 |
| 要約 |
目的
構成
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特許請求の範囲
【請求項1】 柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、隣接する建物ユニットの互いに同一面内に位置する一方側の天井梁の側面から他方側の天井梁の側面に渡る補強梁を添設してなり、上記補強梁が天井梁に添設される梁本体部を備え、該梁本体部が非平板状であることを特徴とするユニット建物。 【請求項2】 柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、複数の建物ユニットそれぞれに定めた少なくとも 1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せて隣接配置し、上記隣接する建物ユニットの柱省略接合部を含む同一面内に位置する一方側の天井梁の側面から他方側の天井梁の側面に渡る補強梁を添設してなり、上記補強梁が天井梁に添設される梁本体部を備え、該梁本体部が非平板状であることを特徴とするユニット建物。 【請求項3】 前記補強梁の梁本体部が形鋼からなる請求項1又は2記載のユニット建物。 【請求項4】 前記補強梁が、梁本体部の上端及び/又は下端に設けられて側方に張出る張出し部を備えてなる請求項3記載のユニット建物。 【請求項5】 前記補強梁の張出し部にリブを備えてなる請求項4記載のユニット建物。 【請求項6】 請求項1に記載のユニット建物の施工方法において、前記隣接する建物ユニットを設置し、前記補強梁を各天井梁に添設することを特徴とするユニット建物の施工方法。 【請求項7】 請求項2に記載のユニット建物の施工方法において、柱が省略される建物ユニットとして、柱省略コーナー部に仮柱を着脱自在としてなるものを用い、前記隣接する建物ユニットを設置し、前記補強梁を各天井梁に添設し、上記仮柱を取外すことを特徴とするユニット建物の施工方法。
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発明の詳細な説明
【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はユニット建物とその施工方法に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、ユニット建物は、柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築される。従って、一般のユニット建物では、各建物ユニットの4個のコーナー部に必ず柱があり、結果として、複数の建物ユニットのコーナー部を互いに突き合せ配置したユニット建物の中央部には必ず柱(複数本の柱)が立ち、柱に遮られることのない広く連続した居室空間を形成することができない。 【0003】これに対し、建物ユニットの突き合せ部で柱を省略し得るユニット建物として、特開平4-136341号公報(従来例1)、或いは特開平6-185122号公報(従来例2)に記載のものがある。 【0004】従来例1は、建物ユニットに定めた 1個の柱省略コーナー部に仮柱を設けておき、 2個の建物ユニットの仮柱部分を互いに突き合せ配置した後、それらの仮柱を取外す。そして、 2個の建物ユニットの仮柱を取外された突き合せ部の両側に位置する柱に、それら柱間に架け渡されている天井梁の下方に沿って延在する補強フレームを架設するものである。 【0005】従来例2は、 4個の建物ユニットそれぞれに定めた 1個の柱省略コーナー部のそれぞれに仮柱を設けておき、それら 4個の建物ユニットの仮柱部分を互いに突き合せ配置し、その柱省略接合部で相交差する 4個の天井梁を 1個の補強連結具により一体に連結し、その後、それらの仮柱を取外す。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来例1には、以下の如くの問題点がある。 ■仮柱を取外してからでないと、補強フレームを架設できない。このため、仮柱を取外してから補強フレームを架設完了するまでの間、建物ユニットの強度が極端に低下し、天井梁が仮柱を取外された柱省略コーナー部から崩落する虞れがある。即ち、施工性が悪い。 【0007】■補強フレームが天井梁の下方に沿って延在する。従って、補強フレームが天井梁の下に突き出るものとなり、梁下天井高が低くなる。 【0008】また、従来例2には、以下の如くの問題点がある。 ■ 4個の建物ユニットの突き合せ部で柱を省略し、その柱省略接合部で相交差する天井梁を補強連結具により一体に連結するに過ぎない。このため、このユニット建物の天井構造強度は、相隣る建物ユニットの相接する 2個の天井梁の断面性能の和以上のものとすることができない。従って、柱省略した天井スパンの拡大に限界があり、柱省略した広い連続空間の拡張に限界がある。 【0009】そこで、本出願人は、複数の建物ユニットからなるユニット建物の全体的な強度を向上せしめるために、隣接する建物ユニットの互いに同一面内に位置する一方側の天井梁の側面から他方側の天井梁の側面に渡る補強梁を添設し、補強梁を天井梁にボルト接合してなるものを提案している(従来例3)。 【0010】これによれば、ユニット建物において、梁下天井高を低くすることなく、柱省略した広い連続空間を形成し、施工性も良好とすることができる。 【0011】ところが、従来例3では、補強梁を矩形平板状としており、その断面性能の向上に限界がある。特に、屋根下直下や上階建物ユニットの床梁直下における天井梁回りの限られたスペースにおいて、補強梁の梁せいを大きくとることが困難であるため、その断面性能の向上に限界があり、補強梁が負担できる荷重に限界を生じ、ユニット建物の全体的な強度向上に限界がある。 【0012】本発明の課題は、建物ユニットの天井梁に補強梁を添設するに際し、補強梁の断面性能を向上することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明は、柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、隣接する建物ユニットの互いに同一面内に位置する一方側の天井梁の側面から他方側の天井梁の側面に渡る補強梁を添設してなり、上記補強梁が天井梁に添設される梁本体部を備え、該梁本体部が非平板状であるようにしたものである。 【0014】請求項2に記載の本発明は、柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、複数の建物ユニットそれぞれに定めた少なくとも 1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せて隣接配置し、上記隣接する建物ユニットの柱省略接合部を含む同一面内に位置する一方側の天井梁の側面から他方側の天井梁の側面に渡る補強梁を添設してなり、上記補強梁が天井梁に添設される梁本体部を備え、該梁本体部が非平板状であるようにしたものである。 【0015】請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の本発明において更に、前記補強梁の梁本体部が形鋼からなるようにしたものである。 【0016】請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の本発明において更に、前記補強梁が、梁本体部の上端及び/又は下端に設けられて側方に張出る張出し部を備えてなるようにしたものである。 【0017】請求項5に記載の本発明は、請求項4に記載の本発明において更に、前記補強梁の張出し部にリブを備えてなるようにしたものである。 【0018】請求項6に記載の本発明は、請求項1に記載のユニット建物の施工方法において、前記隣接する建物ユニットを設置し、前記補強梁を各天井梁に添設するようにしたものである。 【0019】請求項7に記載の本発明は、請求項2に記載のユニット建物の施工方法において、柱が省略される建物ユニットとして、柱省略コーナー部に仮柱を着脱自在としてなるものを用い、前記隣接する建物ユニットを設置し、前記補強梁を各天井梁に添設し、上記仮柱を取外すようにしたものである。 【0020】請求項1〜7の本発明によれば下記■の作用がある。 ■補強梁の梁本体部を形鋼等の非平板状としたので、その断面性能を向上できる。特に、屋根下直下や上階建物ユニットの床梁直下における天井梁回りの限られたスペースにおいて、補強梁の梁せいを大きくとることが困難である場合にも、その断面性能を向上できる。これにより、補強梁は、鉛直方向の荷重に対する剛性を増して鉛直方向の変形を抑制するとともに、水平方向の荷重に対する剛性も増して水平方向の変形(横座屈)を抑制することができ、ユニット建物の全体的な強度を向上できる。 【0021】請求項4に記載の本発明によれば下記■の作用がある。 ■補強梁が梁本体部の上端及び/又は下端に側方に張出る張出し部を備えたから限られた梁せいの範囲で補強梁の断面性能を向上できる。これにより、補強梁は、鉛直方向の荷重に対する剛性を増して鉛直方向の変形を抑制するとともに、水平方向の荷重に対する剛性も増して水平方向の変形(横座屈)を抑制することができ、ユニット建物の全体的な強度を向上できる。 【0022】請求項5に記載の本発明によれば下記■の作用がある。 ■補強梁の張出し部にリブを備えたから、補強梁の断面性能をより向上できる。これにより、補強梁は、更に、鉛直方向の荷重に対する剛性を増して鉛直方向の変形を抑制するとともに、水平方向の荷重に対する剛性も増して水平方向の変形(横座屈)を抑制することができ、ユニット建物の全体的な強度を向上できる。 【0023】 【発明の実施の形態】図1はユニット建物と建物ユニットを示す模式図、図2は柱省略ユニット建物の接合位置を示す模式図、図3はユニット建物の接合構造を示す模式図、図4は水平ブレース取付部材を示す模式図、図5は下階建物ユニットへの補強梁接続過程を示す模式図、図6は下階補強梁を示す模式図、図7は下階補強構造を示す模式図、図8は下階補強梁の端部接続構造を示す模式図、図9は下階補強梁の支持構造を示す模式図、図10は下階補強梁の中央部接続構造を示す模式図、図11は下階補強梁の中央部接続構造を示す模式図、図12は上階建物ユニットの搭載構造を示す模式図、図13は上階建物ユニットへの補強梁接続過程を示す模式図、図14は上階補強梁を示す模式図、図15は補強梁の屋根下納まりを示す模式図、図16はユニット建物の据付工程を示す模式図、図17は補強梁の屋根下納まりの他の実施形態を示す模式図、図18は補強梁の変形例を示す模式図である。 【0024】(第1実施形態)(図1〜図16) (ユニット建物と建物ユニット)(図1〜図4) ユニット建物10は、図1(A)、図2に示す如く、工場生産した複数の標準建物ユニット11、柱省略建物ユニット12を建築現場に輸送し、予め設置してある基礎13の上にて水平、鉛直方向に隣接設置して下階部分10A、上階部分10Bが構築される。 【0025】標準建物ユニット11は、図1(B)に示す如く、4本の角鋼管製柱21と、4本の型鋼製床梁22と、4本の型鋼製天井梁23とを箱形に接合した骨組構造体である。建物ユニット11は、 4個のコーナー部で、相交差する床梁22をジョイントピース22Aにより柱21の下端部に接続し、相交差する天井梁23をジョイントピース23Aにより柱21の上端部に接合して構成される。 【0026】柱省略建物ユニット12は、図1(C)に示す如く、標準建物ユニット11の4本の柱21のうちの1本の柱21を省略したものである。柱省略建物ユニット12は、柱省略コーナー部以外の 3個のコーナー部では、相交差する床梁22をジョイントピース22Aにより柱21の下端部に接合し、相交差する天井梁23をジョイントピース23Aにより柱21の上端部に接合するとともに、柱省略コーナー部では、相交差する床梁22をジョイントピース22Bにより短柱24に接合し、相交差する天井梁23をジョイントピース23Bにより短柱25に接合して構成される。そして、柱省略建物ユニット12では、柱省略コーナー部に仮柱26を着脱自在としている。仮柱26は、ボルト、ピン等の着脱手段により、上述の短柱24と短柱25とに着脱自在に結合される。 【0027】標準建物ユニット11、柱省略建物ユニット12はともに、天井水平構面の対角線上に位置する柱21(短柱25)の頭部間に水平ブレース50を設け、建物ユニット11、12の骨組強度を向上せしめている。このとき、水平ブレース50は下記(1) 、(2) の如くに取付けられている。 【0028】(1) 水平ブレース50の取付部材51は、柱固定板52とブレース固定板53とを溶接等による一体化構造にて構成している(図4)。柱固定板52は、ボルト下穴54Aを備えた2枚の矩形状板を溶接等により直角に一体化し、柱21(短柱25)の頭部側面に添設されてボルト54Bにより固定される(図8、図10)。柱21(短柱25)の頭部内面には、ボルト54Bのためのナット54Cが予め溶接等により設置されている。ブレース固定板53は、柱固定板52に切欠きを介して溶接等により一体化され、その板面を水平面内に配置され、ブレース取付孔55を備えている。 【0029】(2) 水平ブレース50の取付片50Aは水平ブレース取付部材51を構成している上記ブレース固定板53のブレース取付孔55にボルト56により取付けられる。このとき、水平ブレース50の延長線が柱21(短柱25)の柱芯にほぼ一致するように設定される。 【0030】また、ユニット建物10の下階部分10Aでは、図2に示す如く、 4個の柱省略建物ユニット12のそれぞれに定めた柱省略コーナー部を柱省略接合部14にて互いに突き合せ配置し、柱省略接合部14の一方側の柱省略建物ユニット12の天井梁23側から他方側の柱省略建物ユニット12の天井梁23側に渡る補強梁30を設けている。そして、柱省略建物ユニット12の側傍に標準建物ユニット11を配置している。 【0031】然るに、ユニット建物10において隣接する建物ユニット11、12は、下記(A) 〜(C) のいずれかにより連結される。 (A) 連結構造A(図3(A)) 補強梁30の両端部で、該補強梁30を挟んで相対する柱省略建物ユニット12、12の天井梁23、23と補強梁30とを接合する接合部に適用される。 【0032】(a) 相対する天井梁23、23のフランジ下面に添設される連結板101(支持部材)をボルト102、103により固定するとともに、(b) 相対する天井梁23、23のウエブと補強梁30とを高力ボルト104、105により摩擦接合するものである。 【0033】尚、少なくとも一方の高力ボルト104は天井梁23、23、補強梁30を一対の大径厚肉の補強座金106、106を介して挟圧し、これにより、天井梁23、23、補強梁30に穿設される高力ボルト104の下穴径が許容寸法より大きくなっても、天井梁23、23、補強梁30の内部へのボルト軸力の伝達範囲を拡張し、結果として、天井梁23、23と補強梁30との摩擦接触面積を拡大し、所要の摩擦接合力、締結力を確保可能としている。 【0034】また、連結板101は、補強梁30の設置前に取り付けられ、補強梁30の設置時に該補強梁30を載置できる受板として機能し、補強梁30に設けてある高力ボルト104、105の下穴位置と天井梁23、23に設けてある高力ボルト104、105の下穴位置とを容易に一致させることを可能とする。 【0035】(B) 連結構造B(図3(B)) 補強梁30の中央部で、該補強梁30を挟んで相対する柱省略建物ユニット12、12の天井梁23、23と補強梁30とを接合する接合部に適用される。相対する天井梁23、23のウエブと補強梁30とを高力ボルト104、105により摩擦接合するものである。少なくとも一方の高力ボルト104は補強座金106、106を伴っている。 【0036】(C) 連結構造C(図3(C)) 補強梁30を挟まないで相対する柱省略建物ユニット12、12の天井梁23、23を接合する接合部、標準建物ユニット11の天井梁23と柱省略建物ユニット12の天井梁23を接合する接合部、相隣る標準建物ユニット11、11の天井梁23、23を接合する接合部に適用される。相対する天井梁23、23のフランジ下面に添設される連結板101をボルト102、103により固定するものである。 【0037】尚、ユニット建物10は、上階部分10Bの上に勾配屋根301を設けている。勾配屋根301は、上階部分10Bを構成する標準建物ユニット11の天井梁23に設けられるタイトフレーム302の取付金物303に、折版屋根材304を取付けて形成される(図15)。 【0038】以下、ユニット建物10の下階部分10Aと上階部分10Bの詳細構造について説明する。 (ユニット建物10の下階部分10A)(図5〜図11) ユニット建物10は、下階部分10Aの一部にて、前述した如く、 4個の柱省略建物ユニット12それぞれの柱省略コーナー部を柱省略接合部14にて互いに突き合せ載置し、それら 4個の柱省略建物ユニット12によって柱21に遮られることのない広く連続した居室空間を形成するものとしている(図5)。以下、4個の柱省略建物ユニット12の接合構造について説明する。 【0039】ユニット建物10の下階部分10Aにおいて、 4個の柱省略建物ユニット12の柱省略接合部14は、下階補強梁30にて補強される。下階補強梁30は、図6、図18(A)に示す如く、長尺角鋼管からなる梁本体部31を天井梁23に添設してなり、図5、図7に示す如く、柱省略接合部14の左右の一方側にて相隣る 2個の建物ユニット12の天井梁23、23の間から、左右の他方側にて相隣る他の 2個の建物ユニット12の天井梁23、23の間に渡って設けられる。図7において、15は下階天井板、16は上階床板である。 【0040】下階補強梁30の両端部は、図8に示す如く、柱省略接合部14の左右の一方側にて相隣る 2個の建物ユニット12の各柱21と、柱省略接合部14の他方側にて相隣る 2個の建物ユニット12の各柱21のそれぞれに接続される。このとき、補強梁30の両端部は、前述した連結構造A(図3(A))の高力ボルト104、105を用いた天井梁23、ジョイントピース23Aとの高力ボルト接合(摩擦接合)を介して柱21に接続される。 【0041】尚、本発明の実施において、補強梁の上述の接合は、高力ボルトに限らず、単なる一般のボルトによることもできる。 【0042】補強梁30の中央部には、図10、図11に示す如く、 4個の建物ユニット12の各柱省略コーナー部が接続される。このとき、補強梁30の中央部は、前述した連結構造B(図3(B))の高力ボルト104、105を用いた天井梁23、ジョイントピース23Bとの接合を介して短柱25に接続される。 【0043】然るに、図9に示す如く、下階補強梁30の両端部で、該補強梁30を挟んで相対することとなる柱省略建物ユニット12、12の相対する天井梁23、23のフランジ下面には前述した連結構造A(図3(A))の連結板101が添設され、ボルト102、103により固定される。この連結板101は補強梁30の設置前に取付けられ、補強梁30の設置時に該補強梁30を載置できる受板として機能し、補強梁30に設けてある高力ボルト104、105の下穴位置と天井梁23、23に設けてある高力ボルト104、105の下穴位置とを容易に一致させることを可能とする。 【0044】尚、下階補強梁30の上記連結板101に支持される部分には、図9(A)に示す如く、切欠き30Aを設け、補強梁30の切欠き30Aを設けた下面を連結板101に支持させるとき、補強梁30に設けてある高力ボルト104、105の下穴位置104A、105Aと天井梁23、23に設けてある高力ボルト104、105の下穴位置104B、105Bとを確実に一致せしめるものとしている。 【0045】補強梁30が上述の如くにて柱21、短柱25に接続されるとき、各建物ユニット12の柱省略コーナー部には短柱25に着脱自在の仮柱26が未だ接合されている。そして、補強梁30が柱21、短柱25に接続完了した後、仮柱26は短柱25から取外される。 【0046】尚、補強梁30は、補強梁30を挟んで相隣る 2個の建物ユニット12、12の相接する天井梁23、23と、ジョイントピース23A、23Bのない部分でも、ボルト等を用いて接合されて良い。 【0047】(ユニット建物10の下階部分10Aへの上階部分10Bの搭載)(図12) ユニット建物10は、下階部分10Aの上に上階部分10Bを搭載するに際し、下階部分10Aの一部を構成している 4個の下階柱省略建物ユニット12の上に 4個の上階標準建物ユニット11を搭載することができる(図12(A))。このとき、 4個の上階建物ユニット11は、 4個の下階建物ユニット12の柱省略コーナー部以外の 3個のコーナー部においては上階建物ユニット11の 3個の柱21の下端面を下階建物ユニット12の 3個の柱21の上端面に載置して結合し、下階建物ユニット12の柱省略コーナー部においては上階建物ユニット11の 1個の柱21の下端面を下階建物ユニット12の短柱25の上端面に載置して結合する(図12(B))。 【0048】このとき、図12(C)に示す如く、 4個の下階建物ユニット12を補強している下階補強梁30の成の高さを上階建物ユニット11の相隣る床梁22、22の間にまで延在し、下階補強梁30がこの延在部分で上階建物ユニット11の床梁22、ジョイントピース22Aにも前述した連結構造A(図3(A))の支持板101、高力ボルト104、105により接続されるものとすることができる。 【0049】尚、 4個の下階建物ユニット12を補強している下階補強梁30の成の高さを単に上階建物ユニット11の相隣る床梁22、22の間にまで延在するだけとしても良い。この時、下階補強梁30の上述の延在部分は上階建物ユニット11の床梁22、ジョイントピース22Aに単に挟まれ、高力ボルト104、105は用いられない。 【0050】(下階部分10Aの上の上階部分10Bの補強)(図13、図14) 4個の下階柱省略建物ユニット12の上に 4個の上階標準建物ユニット11を上述の如くに搭載したとき、図13に示す如く、下階建物ユニット12の補強梁30を設けた天井梁23、23間と同一面上に位置する、上階建物ユニット11の天井梁23、23間にも上階補強梁40を設けることができる。 【0051】上階補強梁40は、図14に示す如く、断面T字状の如くの長尺T形材からなり、左右の一方側にて相隣る 2個の建物ユニット11の天井梁23、23の間から、左右の他方側にて相隣る 2個の建物ユニット11の天井梁23、23の間に渡って設けられる。 【0052】即ち、上階補強梁40は、角鋼管状の梁本体部41と、梁本体部41の上端に設けられて両側方に張出る張出し部42を備える。そして、補強梁40は屋根301の直下にて天井梁23に添設され、張出し部42を天井梁23と屋根材304との間隙に設置している。 【0053】上階補強梁40の両端部、中央部のそれぞれは、図8に示した下階補強梁30の両端部と同様に、相隣る 2個の建物ユニット11の各柱21に、前述した連結構造A(図3(A))の支持板101、高力ボルト104、105を用いた天井梁23、ジョイントピース23Aとの接合を介して接続される。 【0054】尚、上階補強梁40は、補強梁40を挟んで相隣る 2個の建物ユニット11、11の相接する天井梁23、23と、ジョイントピース23Aのない部分でも、ボルト等を用いて接合されて良い。 【0055】これによれば、相隣る建物ユニット11が上階補強梁40によって一体化され、 4個の建物ユニット11の中央部の柱21を介して上階床を吊る如くになり 4個の下階建物ユニット12の柱省略中央部への上階荷重を低減するものとなる。 【0056】ユニット建物10は、下記(1) 〜(8) により据付けられる(図16)。 (1) 標準建物ユニット11、柱省略建物ユニット12により下階部分10Aを構築する。前述連結構造Aの連結板101を設置する。 【0057】(2) 相隣る柱省略建物ユニット12、12の天井梁23、23間に補強梁30を設置する。補強梁30は連結板101の上に載せる。 【0058】(3) 前述連結構造A、Bにより相対する天井梁23、23と下階補強梁30とを、高力ボルト104、105により摩擦接合する。 【0059】(4) 標準建物ユニット11により上階部分10Bを構築する。前述連結構造Aの連結板101を設置する。 【0060】(5) 相隣る標準建物ユニット11、11の天井梁23、23間に上階補強梁40を設置する。上階補強梁40は連結板101の上に載せる。 【0061】(6) 前述連結構造A、Bにより相対する天井梁23、23と上階補強梁40とを、高力ボルト104、105により摩擦接合する。 【0062】(7) 上階の仮柱26を撤去する。 (8) 下階の仮柱26を撤去する。 【0063】従って、本実施形態によれば、下記■、■の作用がある。 ■補強梁の梁本体部31、41を形鋼等の非平板状としたので、その断面性能を向上できる。特に、屋根下直下や上階建物ユニット11の床梁直下における天井梁23回りの限られたスペースにおいて、補強梁の梁せいを大きくとることが困難である場合にも、その断面性能を向上できる。これにより、補強梁は、鉛直方向の荷重に対する剛性を増して鉛直方向の変形を抑制するとともに、水平方向の荷重に対する剛性も増して水平方向の変形(横座屈)を抑制することができ、ユニット建物の全体的な強度を向上できる。 【0064】■補強梁が梁本体部41の上端に側方に張出る張出し部42を備えたから限られた梁せいの範囲で補強梁の断面性能を向上できる。これにより、補強梁は、鉛直方向の荷重に対する剛性を増して鉛直方向の変形を抑制するとともに、水平方向の荷重に対する剛性も増して水平方向の変形(横座屈)を抑制することができ、ユニット建物の全体的な強度を向上できる。 【0065】(第2実施形態)(図17) 第2実施形態のユニット建物10が第1実施形態のユニット建物10と異なる点は、第1実施形態の上階補強梁40に代えて上階補強梁50を用いたことにある。上階補強梁50は、上階建物ユニット11の天井梁23に添設される梁本体部51と、梁本体部51の上端に設けられて両側方に張出る張出し部52とを有し、更に、張出し部52の両側縁部に立上げリブ53を備えている。補強梁50は、屋根301の直下にて天井梁23に添設され、張出し部52、リブ53を天井梁23と屋根材304との間隙に設けている。 【0066】従って、本実施形態によれば、第1実施形態における作用■、■に加え、以下の如くの作用がある。即ち、補強梁50の張出し部52にリブ53を備えたから、補強梁50の断面性能をより向上できる。これにより、補強梁50は、更に、鉛直方向の荷重に対する剛性を増して鉛直方向の変形を抑制するとともに、水平方向の荷重に対する剛性も増して水平方向の変形(横座屈)を抑制することができ、ユニット建物10の全体的な強度を向上できる。 【0067】(補強梁の変形例)(図18) 本発明の補強梁は、図18(A)の角鋼管状のものに限らず、I型鋼状(図18(B)、H型鋼状(図18(C))、 2個のC型鋼を溶接にて合体させたもの(図18(D))、C型鋼状(図18(E))、Z型鋼状(図18(F))等であっても良い。 【0068】補強梁が管状の如くに中空状のものにあっては、その中空部につぶれ防止用詰め物を充填しておくことが良い。 【0069】尚、本発明にあっては、補強梁の張出し部を梁本体部の下端もしくは上端と下端の両方に設けてなるものであっても良い。 【0070】また、本発明にあっては、補強梁の張出し部を下階建物ユニットの天井梁の上方及び/又は下方にて側方に張出し配置するものであっても良い。 【0071】以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明が適用されるユニット建物は、複数の標準建物ユニットのみからなるもの(柱省略建物ユニットを有さない)であっても良い。このとき、補強梁は左右の一方側に配置される標準建物ユニットの天井梁から左右の他方側に配置される標準建物ユニットの天井梁に渡って設けられる。これにおいても、ユニット建物全体の強度を向上できる。 【0072】また、補強梁は、相対する建物ユニットの天井梁の間隙に配置されるものに限らず、建物の外縁に位置する建物ユニットの外壁が設けられる天井梁の側面に添設されるものであっても良い。 【0073】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、建物ユニットの天井梁に補強梁を添設するに際し、補強梁の断面性能を向上することができる。
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