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発明の名称 壁パネルの接続構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−302815
公開日 平成9年(1997)11月25日
出願番号 特願平8−123318
出願日 平成8年(1996)5月17日
代理人
発明者 畠中 赳
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 表面材および表面材の裏面の左右端縁にリップ部が外方を向くように取り付けられた補強フレームを少なくとも備えた壁パネルと、この壁パネルの補強フレーム内に固定され、傾斜面を有する勾配スペーサと、隣接する一対の壁パネルにおける対向する補強フレームに嵌挿され、勾配スペーサの傾斜面と係合可能な傾斜面を有するジョイント部材からなり、隣接する一対の壁パネルの補強フレームにジョイント部材を嵌挿して押し下げることにより、ジョイント部材を勾配スペーサに係合させ、隣接する一対の壁パネルを互いに引き寄せて接続することを特徴とする壁パネルの接続構造。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浴室ユニットなどの壁パネルの接続構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、図4に示すような浴室ユニットが知られている。この浴室ユニット1は、浴槽2と、この浴槽2が嵌合される浴槽受け部材3と、この浴槽受け部材3に連結可能な隣接床パン4と、この浴槽受け部材3の、隣接床パン4に面する一辺を除く他辺の周縁および隣接床パン4の、浴槽受け部材3に面する一辺を除く他辺の周縁に立設された壁パネル5と、これらの壁パネル5によって形成される上方開口部を覆う天井パネル(図示せず)から構成されている。
【0003】そして、前述した壁パネル5は、詳細には図示しないが、ケイ酸カルシウム板などの表面材と、アルミなどで形成されて表面材の裏面周縁に取り付けられた補強フレームからなり、隣接して立設された一対の壁パネル5における対向する補強フレームを締め付け金具によって結合することにより、壁パネル5を接続するようにしている(例えば、実公平6−15055号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような壁パネルの接続構造では、その背面側の狭い空間で接続作業を行わなければならず、組立に時間がかかるという問題があった。また、隣接して立設された一対の壁パネルは、それらの補強フレームが締め付け金具によって結合されているだけであるため、壁パネルに外力が作用した場合、締め付け金具による結合状態が変化し、壁パネルがずれるなどの欠点があった。
【0005】なお、実開昭63−85710公報に記載されるように、隣接して立設された一対の壁パネルにおける対向する補強フレームに連結部材を嵌挿し、壁パネルを接続することも提案されているが、この連結部材を用いた壁パネルの接続構造では、前後方向の壁パネルの位置決めはできるものの、その左右方向の位置決めには、別構造の引き寄せ機構が必要となり、作業が複雑となる欠点がある。
【0006】本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、壁パネルをその前後左右の位置決めを行いつつ室内側から簡単かつ強固に接続することのできる壁パネルの接続構造を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面材および表面材の裏面の左右端縁にリップ部が外方を向くように取り付けられた補強フレームを少なくとも備えた壁パネルと、この壁パネルの補強フレーム内に固定され、傾斜面を有する勾配スペーサと、隣接する一対の壁パネルにおける対向する補強フレームに嵌挿され、勾配スペーサの傾斜面と係合可能な傾斜面を有するジョイント部材からなり、隣接する一対の壁パネルの補強フレームにジョイント部材を嵌挿して押し下げることにより、ジョイント部材を勾配スペーサに係合させ、隣接する一対の壁パネルを互いに引き寄せて接続することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例の形態を図面に基づいて説明する。
【0009】図1には、本発明の壁パネルの接続構造が示されている。この実施形態における壁パネル5は、ケイ酸カルシウム板などの表面材51と、この表面材51の裏面周縁に固定された補強フレーム52からなり、補強フレーム52は、鋼材、アルミあるいは樹脂などによって断面略C字状に形成され、そのうち、左右端縁に配設された補強フレーム52については、その一対のリップ部52aが外方に向くように取り付けられている。したがって、壁パネル5を立設した場合、左右端縁に固定された補強フレーム52のリップ部52aは、隣接する壁パネル5の左右端縁に固定された補強フレーム52のリップ部52aと対向し、それらの各リップ部52a間に形成された開口部52b同士が連通するようになっている。
【0010】また、壁パネル5の補強フレーム52の上下方向略中央内部には、勾配スペーサ6がビスを介して固定されている。この勾配スペーサ6は、壁パネル5の補強フレーム52の内面形状よりもわずかに小さく形成されたスペーサ本体61と、このスペーサ本体61から上方に向けて突出してクサビ状に形成された一対の傾斜部材62からなり、各傾斜部材62は、上方に向かって徐々に肉厚が薄くなる傾斜面62aを有するとともに、補強フレーム52のリップ部52aの内面に面接触可能な垂直面62bを有している。
【0011】一方、前述した勾配スペーサ6と係合可能なジョイント部材7は、壁パネル5の補強フレーム52の内面形状よりもわずかに小さく形成された一対のジョイント部材本体71と、このジョイント部材本体71を連結して補強フレーム52の各リップ部52a間に形成された開口部52bを挿通可能な肉厚を有する連結部材72からなり、ジョイント部材本体71における補強フレーム52のリップ部52aの内面と対向する一面は、下方に向かうにしたがって徐々にリップ部52aの内面との間隔を大きくする傾斜面71aを有している。
【0012】なお、隣接する一対の補強フレーム52の対向する補強フレーム52の上端部および下端部には、ブロック材8が嵌め込まれている。このブロック材8は、壁パネル5の補強フレーム52の内面形状に略形成された一対のブロック材本体81と、このブロック材本体81を連結して補強フレーム52の各リップ部52a間に形成された開口部52bを挿通可能な肉厚を有する連結部材82からなり、ブロック材本体81の前後方向(奥行方向)の厚みは、補強フレーム52の前後方向の内面間隔よりわずかに大きく設定されている。したがって、ブロック材8を隣接する一対の補強フレーム52の対向する補強フレーム52の上端部および下端部に嵌め込んだ場合、ブロック材8は、補強フレーム52の補強フレーム52の上端部および下端部に係合するようになっている。
【0013】したがって、ジョイント部材7を用いて壁パネル5,5を接続するには、壁パネル5の補強フレーム52内に勾配スペーサ6を嵌挿し、その上下方向略中央部にビスを介して固定した後、壁パネル5を浴槽受け部材3および隣接床パン4の周縁部に立設する。この際、隣接する一対の壁パネル5において、対向する補強フレーム52の下端部にブロック材8を強制的に嵌め込み、両壁パネル5の下端部を結合しておく。次いで、ジョイント部材7を隣接する一対の壁パネル5における対向する補強フレーム52内に嵌挿し、隣接する一対の壁パネル5,5間に挿入された押し下げ用板材9(図2参照)を介してジョイント部材7を押し下げる。ジョイント部材7が押し下げられると、図2および図3に示すように、ジョイント部材7のジョイント部材本体71の傾斜面71aと勾配スペーサ6の傾斜部材62の傾斜面62aとが面接触し、隣接する壁パネル5,5を互いに接近するように引き寄せる。
【0014】この結果、隣接する一対の壁パネル5,5は、その左右端縁が密着するように位置決めされるとともに、隣接する一対の壁パネル5の補強フレーム52内に嵌挿されたジョイント部材7によって前後方向の移動が規制されることから、合わせて前後方向についても位置決めされるものである。この際、勾配スペーサ6とジョイント部材7が一定長さにわたって補強フレーム52内に配設されることから、隣接する一対の壁パネル5を強固に接続することができ、壁パネル5に外力が作用した場合においても、前後左右の位置決め状態を維持することができる。また、壁パネル5にそりや変形があっても、それらのそりや変形を矯正することができる。
【0015】そして、隣接する一対の壁パネル5の接続が終了すれば、隣接する一対の壁パネル5において、対向する補強フレーム52の上端部にブロック材8を強制的に嵌め込み、両壁パネル5の上端部を結合した後、隣接する一対の壁パネル5,5の突き合わせ部に水密材を嵌挿してシリコンシーリング剤を塗布すればよい。
【0016】このように、隣接する一対の壁パネル5,5の対向する補強フレーム52,52にジョイント部材7を嵌挿し、浴室ユニット1の室内側から押し下げるだけの簡単な作業で壁パネル5をその前後左右の位置決めを行いつつ強固に接続することができる。
【0017】一方、浴室ユニット1を解体する場合、あるいは、補修点検時などにおいて壁パネル5を外す場合は、隣接する一対の壁パネル5,5の左右端縁突き合わせ部に浴室ユニット1の室内側から板材9を差し込み、ジョイント部材7を押し上げて補強フレーム52から取り出すことにより、壁パネル5の接続状態を解除することができる。
【0018】なお、本実施形態においては、浴室ユニット1の壁パネル5を接続する場合について例示したが、浴室ユニットに限らず、シャワーユニットやトイレユニットなどを構成する壁パネルの接続にも利用することができる。
【0019】また、本実施形態においては、補強フレーム52を断面C字状に形成して例示したが、リップ部52aを有して勾配スペーサ6の傾斜部材62の垂直面が接触する形状であればよいことから、その内面形状が鍵型であってもよい。この場合、勾配スペーサ6は、そのリップ部52aに対応して1本の傾斜部材62で対応することができる。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、表面材および表面材の裏面の左右端縁にリップ部が外方を向くように取り付けられた補強フレームを少なくとも備えた壁パネルと、この壁パネルの補強フレーム内に固定され、傾斜面を有する勾配スペーサと、隣接する一対の壁パネルにおける対向する補強フレームに嵌挿され、勾配スペーサの傾斜面と係合可能な傾斜面を有するジョイント部材からなり、隣接する一対の壁パネルの補強フレームにジョイント部材を嵌挿して押し下げることにより、ジョイント部材を勾配スペーサに係合させ、隣接する一対の壁パネルを互いに引き寄せて接続することから、壁パネルを前後左右で位置決めしつつ室内側から簡単にかつ強固に接続することができる。
 

 
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