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発明の名称 断熱・遮音材及び構造部材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−302797
公開日 平成9年(1997)11月25日
出願番号 特願平8−121718
出願日 平成8年(1996)5月16日
代理人
発明者 高野 昭二
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 両面に薄膜電極が貼着され、両端に抵抗器が取り付けられた圧電性高分子フィルムが、グラスウール材の両面に当接して設けられ、その外周面が包材によりパッケージされていることを特徴とする断熱・遮音材。
【請求項2】 両面に薄膜電極が貼着され、両端に抵抗器が取り付けられた圧電性高分子フィルムが、ロックウール材の両面に当接して設けられ、その外周面が包材によりパッケージされていることを特徴とする断熱・遮音材。
【請求項3】 上記請求項1、又は請求項2記載の断熱・遮音材が面材間に挟持されていることを特徴とする壁、床等の建物の構造部材。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、断熱・遮音材、及びこの断熱・遮音材が用いられた建物壁、床等の構造部材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オフィスや家庭内での部屋の温度を調節して、年間を通して快適生活を送るため、エアコンの普及が著しく、このため、床材、壁材、天井材等の建築材料の断熱効果が要求されるようになってきた。又、一般の住宅等におけるエアコン等の運転時に発生する騒音やその他、家庭内で使用される電気機器等の運転音、人の移動に伴う振動音、更には、交通機関や車の発生する屋外の騒音の建物内への侵入等、何かと騒音が社会問題になっている。
【0003】上記のような断熱、防音、更には不燃建材等の社会的ニーズに対して、住宅等の建物や材料のメーカーは、壁、床、サッシ等の吸音、遮音による所謂防音効果のある種々の材料の開発に取り組んでいる。
【0004】このような例としては、例えば、特開昭61−83655号公報に、セメント、骨材、水等のコンクリートを構成する材料の骨材の一部、或いは全部に圧電性材料が使用された防振性コンクリートが記載されている。この考案は、振動による騒音の発生や、騒音の防止効果を目的としたものである。
【0005】又、防音壁の例として、圧電体であるPVDF(ポリフッ化ビニリデン)のフィルムの両面にアルミ薄膜を蒸着して電極を形成し、両電極間を抵抗でつなぎ、これをロックウールの両面に設けたものが考案されている(NIKKEI MECHANICAL 1995.6.26 NO.457 第28頁 参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の従来の防振性コンクリートにおいては、制振性と遮音効果が得られても、低周波域における遮音効果しか得られないといった問題や、コンクリート壁は厚さを厚くすることにより遮音効果は向上するが、一般の住宅等の建物の構築においては、重量と厚さが増大し過ぎるといった問題等がある。
【0007】又、後者の圧電フィルムを設けたロックウールの防音壁の場合には、低周波域から高周波域までの遮音効果が期待されるものではあるが、防音壁の構造が複雑で、部材数が多くなり、その構築に相当の施工工数を必要となり、コストアップとなるなどの問題がある。
【0008】本発明は、従来のこのような上記の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、これらの問題点を解消し、壁や床等を施工する際、薄型、軽量で扱い易く、一体型の断熱・防音材とし、壁や床の施工が簡単で工数がかからず、断熱効果とともに、低周波域から高周波域までの遮音効果がある断熱・遮音材、及び壁、床等の構成部材を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の断熱・防音材においては、両面に薄膜電極が貼着され、両端に抵抗器が取り付けられた圧電性高分子フィルムが、グラスウール材の両面に当接して設けられ、その外周面が包材によりパッケージされていることを特徴とする。
【0010】請求項2記載の断熱・防音材においては、両面に薄膜電極が貼着され、両端に抵抗器が取り付けられた圧電性高分子フィルムが、ロックウール材の両面に当接して設けられ、その外周面が包材によりパッケージされていることを特徴とする。
【0011】請求項3記載の構造部材においては、請求項1、又は請求項2記載の断熱・遮音材が面材間に挟持されていることを特徴とする。
【0012】本発明における断熱・防音材において、上記圧電性高分子フィルムは、音を吸収して振動するが、この振動エネルギーは抵抗器により一旦電気エネルギーに変換され、発熱して放熱されてゆく。この現象により、低周波は発熱により減衰され、一部は高周波に変換されるが、この高周波域はグラスウール材、或いはロックウール材により吸収されることになり、低周波域から高周波域まで効果的な遮音による断熱・防音材とすることが可能である。
【0013】又、本発明の断熱・防音材においては、両面に薄膜電極が貼着され、両端に抵抗器が取り付けられた圧電性高分子フィルムを、グラスウール材の両面に当接させた状態で、その外周面を包材によりパッケージすることにより、薄型、軽量で扱い易く、一体型としてその目的を達成しようとするものである。
【0014】
【作用】請求項1、又は請求項2記載の断熱・防音材においては、両面に薄膜電極が貼着され、両端に抵抗器が取り付けられた圧電性高分子フィルムが、グラスウール材、又はロックウール材の両面に当接して設けられ、その外周面が包材によりパッケージされているので、低周波域から高周波域までの遮音効果があり、壁や床を施工する際、一体型の断熱・防音材として、薄型、軽量で扱い易い。
【0015】請求項3記載の構造部材においては、上記請求項1、又は請求項2記載の一体型の断熱・防音材が面材等に挟持させるのみで壁、床等が形成されるので、施工が簡単で工数がかからない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の断熱・防音材の一例を示す透視斜視図である。図1において、本実施例の断熱・防音材10は、両面に薄膜電極が貼着され、両端に抵抗器12が取り付けられた圧電性高分子フィルム11が、グラスウール材13の両面に当接して設けられ、その外周面が包材14によりパッケージされて構成されている。
【0017】上記圧電性高分子フィルム11には、圧電体であるポリフッ化ビニリデンがその材料として用いられ、又、外周面の包材14には絶縁特性が優れたナイロンフィルムが用いられている。又、上記抵抗器12には、ニクロム材が抵抗体として用いられている。
【0018】このようにして構成された断熱・防音材10が外部より音の振動を受け、この音の振動エネルギーが圧電性高分子フィルム11に伝達されると、圧電性高分子フィルム11は電気エネルギーを発生させる。この電気エネルギーは、両端に設けられた抵抗器12の発熱となって放熱される。
【0019】このようにして、特に音の低周波域は、上記圧電性高分子フィルム11に吸収され、一部は高周波に変換され、又、圧電性高分子フィルム11を透過した高周波域の音はグラスウール13により吸収される。
【0020】従って、断熱・防音材10に侵入してくる外部からの騒音等は、この断熱・防音材10に効率よく吸収されて、所謂遮音効果が優れた特性を有するものとすることができる。
【0021】図2は、本発明の構造部材の一例を示す分解斜視図であり、建物の壁の構築に用いられる壁パネルの例を示すものである。図2において、本実施例の壁パネル20は、縦材21、21と上下に設けられた横材22、23により構成された枠組の内側に挿入された上記実施例に示す断熱・防音材10、及び外壁面材24と内壁面材25とにより形成される。
【0022】即ち、上記壁パネル20の枠組内に断熱・防音材10が挿入され、両側より外壁面材24と内壁面材25とが上記枠組に張設されることにより、断熱・防音材10は外壁面材24と内壁面材25との間に挟持された状態で保持され、構造部材としての壁パネル20が完成される。
【0023】従って、従来のように壁体や、床等を施工するに当たり、断熱・防音材であるロックウール材やグラスウール材の両側に、それぞれに圧電性高分子フィルムの貼り合わせ加工を行い、更にこれらを外装材(包材)でカバーするような幾つもの工程を経て行う必要がなく、本発明のように、パッケージされた一体型の断熱・防音材を用いることにより、壁、床等の施工が簡単で、大幅に工数を削減することが可能である。
【0024】
【発明の効果】請求項1、又は請求項2記載の断熱・防音材においては、両面に薄膜電極が貼着され、両端に抵抗器が取り付けられた圧電性高分子フィルムが、グラスウール材、又はロックウール材の両面に当接して設けられ、その外周面が包材によりパッケージされているので、低周波域から高周波域までの遮音効果があり、壁や床を施工する際、一体型の断熱・防音材として、薄型、軽量で扱い易い。
【0025】請求項3記載の構造部材においては、上記請求項1、又は請求項2記載の一体型の断熱・防音材が面材等に挟持させるのみで壁、床等が形成されるので、施工が簡単で工数がかからない。従って、断熱・防音材及び構造部材として好適である。
 

 
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