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発明の名称 熱可塑性樹脂製容器への接続管接合方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−302759
公開日 平成9年(1997)11月25日
出願番号 特願平8−123313
出願日 平成8年(1996)5月17日
代理人
発明者 久保 善央
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】熱可塑性樹脂製の容器の側壁に設けられた接続孔に、熱可塑性樹脂製の接続管を嵌合し接合一体化する熱可塑性樹脂製容器への接続管接合方法において、前記接続孔の内壁面が容器の内側に向かってテーパ状に縮径し、接続管の接続孔嵌合部外壁面が接続管の先端に向かってテーパ状に縮径するとともに、接続孔の内壁面および接続管の接続孔嵌合部外壁面が加熱溶融した状態で、接続管の接続孔嵌合部を接続孔に嵌合し、溶融部を冷却固化させて接続管と熱可塑性樹脂製容器とを接合一体化することを特徴とする熱可塑性樹脂製容器への接続管接合方法。
【請求項2】嵌合時の接続孔の内壁面および接続管の接続孔嵌合部外壁面の縮径角を一致させる請求項1に記載の熱可塑性樹脂製容器への接続管接合方法。
【請求項3】接続孔嵌合部の先端縁形状が接続孔の容器内壁面側の端縁形状に一致する接続管を接合一体化する請求項1または請求項2に記載の熱可塑性樹脂製容器への接続管接合方法。
【請求項4】段付きホルソーで階段状に縮径するように予備接続孔を熱可塑性樹脂製容器に穿孔し、この予備接続孔に接続孔形状の外形を備えた加熱体を挿入し、予備接続孔を溶融し接続孔を形成する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂製容器への接続管接合方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂製容器への接続管接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、排水管を流れる排水等は、排水管が接続される排水枡やマンホールを中継して所定の方向に流されるようになっている。排水枡やマンホールとしては、従来、コンクリート製のものが用いられているが、コンクリート製のものの場合、重量があり、現場でモルタル施工をしなければならないなど、施工性が悪いため、最近では、本発明の発明者が先に提案したインバート付きのマンホール(特願平7−187078号参照)などの軽量で、耐蝕性、耐磨耗性に優れた合成樹脂製のものに代わってきている。
【0003】これら合成樹脂製の排水枡やマンホールのうち、排水枡のように排水管を接続する位置が予め判っているものの場合は、排水管をこの排水枡に受け差し可能なように、排水枡の成形時に同時に枡の所定位置に接続管を一体成形しておき、現場でこの接続管に排水管を接続する方法が採られている。一方、マンホールのように、あらかじめ排水管を接続する位置が決まっていない場合、マンホールの排水管を接続する位置に現場で接続孔を穿孔し、この接続孔に接続される排水管(以下、「接続管」と記す)の管端部を嵌合し、接続管を接着剤で仮固定して位置決めを行ったのち、溶接によってマンホールと接続管とを一体化するようにしている。
【0004】しかし、上記のように溶接を用いてマンホールと接続管とを接合一体化する方法は、接着剤で接続管を仮止めして位置決めを行うようになっているが、接着剤による位置決めは、接着剤が硬化するまで位置決め状態を保持しなければならず、時間がかかるとともに、位置決め精度に問題がある。また、溶接一体化される部分の面積が少ないため、接合強度にも問題がある。さらに、接合作業場所が狭い場合などは、溶接用のホットガン等でうまく溶接箇所を加熱することができず、溶接不良を起こす恐れもある。
【0005】そこで、本発明の発明者は、容器の壁面に接続管の管端と同径の接続孔をホルソーで穿孔し、この接続孔内壁面および接続管の管端外壁面を加熱溶融したのち、接続孔に接続管の管端を嵌合させて接続管の内壁面および接続管の管端外壁面を融着によって接合一体化すれば、上記問題が解消されるのではないかと考えた。
【0006】しかし、この方法では、接続管の内壁面と接続管の管端外壁面とを隙間なく融着させるのに、かなりの精度で接続孔を穿孔しなければならず、現場でのホルソーの穿孔では非常に難しいことが分かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような事情に鑑みて、簡単にかつ精度良くしっかりと接続管をマンホール等の熱可塑性樹脂製容器に接合一体化することができる熱可塑性樹脂製容器への接続管接合方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明にかかる熱可塑性樹脂製容器への接続管接合方法は、熱可塑性樹脂製の容器の側壁に設けられた接続孔に、熱可塑性樹脂製の接続管を嵌合し接合一体化する熱可塑性樹脂製容器への接続管接合方法において、前記接続孔の内壁面が容器の内側に向かってテーパ状に縮径し、接続管の接続孔嵌合部外壁面が接続管の先端に向かってテーパ状に縮径するとともに、接続孔の内壁面および接続管の接続孔嵌合部外壁面の少なくともいずれか一方が加熱溶融した状態で、接続管を接続孔に嵌合し、溶融部を冷却固化させて接続管と熱可塑性樹脂製容器とを融着によって接合一体化するようにした。
【0009】上記構成において、請求項2のように、嵌合時の接続孔の内壁面および接続管の接続孔嵌合部外壁面の縮径角を一致させておくこと、請求項3のように、接続孔の容器内壁面側の端縁形状に一致する形状の端縁形状を有する接続管を用いること、請求項4のように、段付きホルソーで階段状に縮径するように熱可塑性樹脂製容器に予備接続孔を穿孔し、この予備接続孔に接続孔形状の外形を備えた加熱体を挿入し、予備接続孔を溶融し接続孔を形成することがより好ましい。
【0010】容器および接続管の材質は、熱可塑性を備えた樹脂材料であれば特に限定されないが、たとえば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、および、熱硬化性樹脂が混合されたポリエチレン等が挙げられ、融着性を考慮すれば、容器と接続管とが同材質であることが好ましい。因に、40重量%の熱硬化性樹脂混入のポリエチレンを用いた場合、加熱溶融温度は、200℃程度が好ましい。
【0011】また、接続管の接続孔嵌合部は、あらかじめテーパ状に縮径されていても構わないし、筒状の接続管の端部を現場で切削加工等によって加工して接続孔嵌合部テーパ状に形成するようしても構わない。なお、接続孔の内壁面および接続管の接続孔嵌合部外壁面の縮径角は、特に限定されないが、接続孔の中心軸または接続管の中心軸に対して2.5°以上が好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ詳しく説明する。図1および図2は、本発明にかかる熱可塑性樹脂製容器への接続管接合方法の実施の形態である容器としてのインバート付きマンホールの底部材(以下、「底部材」と記す)への接続管の接合方法を工程順にあらわしている。
【0013】この接合方法は、まず、図1(a)に示すように、底部材1の曲面になった内底面1aに向かって段付きホルソーを用いて階段状に縮径する予備接続孔11を底部材1の壁面に穿孔する。そして、図1(b)に示すように、予備接続孔11の平均縮径角と略同じ縮径角を有する凸部21とこの凸部21と同じ縮径角を有する凹部22とを備えた加熱体(ヒーターフェイス)2を加熱状態にし、凸部21を予備接続孔11に嵌合するとともに、凹部21と同じ縮径角を有する接続管3の接続孔嵌合部31を凹部21に嵌合して加熱体によって予備接続孔11の内壁面および接続孔嵌合部31の外壁面を加熱する。
【0014】すなわち、この加熱体2による加熱によって、予備接続孔11は、その内壁面が溶融状態となり凸部21の外面形状に沿うように変形し、図1(c)に示すように内壁面が溶融状態の接続孔12となる。また、接続孔嵌合部31の外壁面も溶融状態となる。
【0015】つぎに、加熱体2を取り除き、溶融状態を保持したまま、図2に示すように、接続管3の接続孔嵌合部31を接続孔12に嵌合させ、溶融部を冷却固化させることによって、接続管3を底部材1に融着によって接合一体化するようになっている。なお、接続管2の接続孔嵌合部31は、その先端縁31aが予め接続孔12の内底面1a側の開口縁12aに一致する形状に形成されているため、嵌合に際しては、接続孔嵌合部31の先端縁31aと接続孔12の開口縁12aとが一致するように嵌合させるようになっている。
【0016】すなわち、この接合方法は、上記のように、接合時に、接続孔12の縮径角と、接続管3の接続孔嵌合部31の縮径角が一致しているので、嵌合するだけで接続管3の位置および角度が正確に決まるとともに、その状態で冷却するだけで接続管3を底部材1に接合一体化することができる。したがって、芯だしや仮固定の作業が不要になり、作業性が向上するとともに、取付角度等の精度も向上する。
【0017】また、接続孔12の縮径角と、接続管3の接続孔嵌合部31の縮径角が一致しているので、接続孔12の内壁面と接続孔嵌合部31の外壁面とが、接続孔12の全長に渡って面接合されるため、充分な接合強度および接合部の止水性を確保することができるとともに、乱流になるようなビードが底部材1の内底面1aに形成されない。
【0018】さらに、段付きホルソーで階段状の予備接続孔11を穿孔し、この予備接続孔11に加熱体2の凸部21を嵌合させて、加熱溶融すると同時に接続孔12を形成するようにしたので、ホルソーでの穿孔時の負荷が少なく、作業性がよい。
【0019】すなわち、接続孔を限り無くテーパー状に穿孔できるようなホルソーは、その製作が困難であるとともに、接続孔を穿孔する際にホルソーの刃面の底部材1への接触面積が大きいため、切削時の抵抗が大きい。特に底部材1が熱硬化性樹脂混入の熱可塑性樹脂材料で形成されている場合などは、刃の磨耗が激しくコストがかかりすぎる恐れがある。
【0020】しかし、上記のように段付きホルソーを用いて穿孔すれば、刃面の底部材1への接触面積が小さく、しかも、図3に示すように、予備接続孔11が階段状に縮径するように底部材1に穿孔され、切削残部11aが階段状に残るため、より穿孔時の抵抗が少ない。
【0021】また、上記の接合方法では、接続孔嵌合部31の先端縁31aと接続孔12の開口縁12aとが一致する形状をしていて、しかも、接続孔嵌合部31の先端縁31aと接続孔12の開口縁12aとを一致するように嵌合させるため、底部材1内に接続孔嵌合部31の一部が突出することがない。すなわち、底部材1内に流れ等の障害部を全く生じさせることがない。
【0022】本発明にかかる熱可塑性樹脂製容器への接続管接合方法は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、上記の実施の形態では、段付きホルソーでまず予備接続孔11を穿孔し、加熱体2の凸部21で予備接続孔11内壁面を加熱溶融させて溶融状態の接続孔12を成形するようにしているが、予備接続孔11を切削加工して予め接続孔を形成しておいても構わない。
【0023】また、上記の実施の形態では、接続孔嵌合部31が加熱体2の凹部22と同じ縮径角で縮径していたが、接続孔嵌合部が管端に形成されていない接続管を用い、この接続管の管端を凹部22に直接嵌合し、接続管の管端を溶融させると同時に接続孔嵌合部を成形するようにしても構わない。
【0024】
【発明の効果】本発明にかかる熱可塑性樹脂製容器への接続管接合方法は、以上のように、接続孔の内壁面が容器の内側に向かってテーパ状に縮径し、接続管の接続孔嵌合部外壁面が接続管の先端に向かってテーパ状に縮径するとともに、接続孔の内壁面および接続管の接続孔嵌合部外壁面が加熱溶融した状態で、接続管の接続孔嵌合部を接続孔に嵌合するようにしたので、接続孔の穿孔精度が悪くても、必ず、何れかの部分で全周に渡って接続孔の内壁面と接続孔嵌合部の外壁面とがリング状に接触して接合一体化される。したがって、充分な接合強度および止水性を確保することができる。しかも、位置決めや仮固定の必要もなく作業性がよい。
【0025】また、請求項2のようにすれば、接続孔の内壁面と接続孔嵌合部の外壁面と全面に渡って融着されるので、より強固な接合および止水性を得ることができる。また、位置決めもより正確に行えるとともに、嵌合部の挿入割合を調整することによって接合の面圧も調整することができる。
【0026】一方、請求項3のようにすれば、上記効果に加えて容器内に接合管の端縁が突出することがなくなり、流れを邪魔する障害部がまったく生じないと言う効果を奏する。他方、請求項4のようにすれば、上記効果に加えて容器への接続孔の穿孔作業がより容易になると言う効果を奏する。
 

 
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