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発明の名称 取付管付き地中管路の施工方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−302755
公開日 平成9年(1997)11月25日
出願番号 特願平8−123311
出願日 平成8年(1996)5月17日
代理人
発明者 東 俊司 / 矢野 博彦 / 平山 弘三
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】シ−ルド工法により施工された一次覆工隧道内に、二次覆工用の本管を布設し、その本管路途中の所定の本管材に支管を取付け、本管材外面と一次覆工内面との間の間隙を中込材で充填固化する方法において、上記所定の本管材の支管取付用孔に支管を挿入し、その孔と支管との間を流体封入バッグで仮閉塞し、上記中込材による本管材外面と一次覆工内面との間の間隙の充填固化後に流体封入バッグを取外し、その取外し跡に接合剤を充填することを特徴とする地中取付管付き管路の施工方法。
【請求項2】本管材内から支管端をジャッキで支えた状態で中込材による本管材外面と一次覆工内面との間の間隙の充填固化を行う請求項1記載の地中取付管付き管路の施工方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は都市流域下水道等の取付管付き地中管路の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市流域下水道の施工においては、本管路の途中から分岐管路が取り出されており、本管路用隧道をシ−ルド工法により、分岐管路用鞘管を推進工法によりそれぞれ施工し、この本管路用隧道には二次覆工用の本管材を、分岐管路用鞘管には取付管をそれぞれ布設し、所定の本管材と取付管との間を支管を介して接続し、本管材と一次覆工との間の間隙をセメントモルタル等の中込材で充填固化することがある。
【0003】図5はかかる下水道における本管路と分岐管路との交叉部近傍を示している。図5において、1’はシ−ルド工法により掘削された本管路用隧道であり、セグメント11’による一次覆工が施されている。2’は分岐管路用鞘管であり、推進工法により埋設されている。3’は本管路用隧道1’内に布設された本管、4’は分岐管路用鞘管2’内に布設された取付管である。5’は所定の本管材31’と取付管4’とを接続している支管であり、該支管5’の一端が取付管4’に受口・挿口方式で接続され、他端が取付管31’の支管取付用孔に接合剤6’により固定されている。
【0004】7’は本管路用隧道1’内面と本管3’外面との間の間隙に充填固化された中込材、例えばセメントモルタルであり、この中込材7’と本管3’とで上記本管路用隧道1’の二次覆工が構成され、水流の滑性化とセグメントの錆化防止が図られている。図6及び図7の(イ)乃至図7の(ホ)は図5に示す下水道の施工手順を示している。
【0005】図6の(イ)及び図6の(ロ)〔図6の(イ)のそロ−ロ断面図〕は、取付管4’と本管路3’との接続を行う前の段階を示し、取付管4’の全布設が終了し、本管3’については取付管4’が接続される所定の本管材(図5の31’)よりも手前の本管材310’までの布設が終了している。本管路3’と取付管4’とを接続するには、まず、既設本管材310’の接続端(受口奥端)から取付管中心軸までの距離x’及び取付管軸心の角度θをそれぞれ測定し、図6における支管4’が取付けられる所定本管材31’のその支管取付け位置を特定する。
【0006】次いで、立坑外で、図7の(イ)に示すように所定の本管材31’に支管外径よりもやや大きい径の支管取付用孔311’を上記特定した支管取付け位置を中心として穿設し、支管外径よりもやや小さい孔径の孔81’を穿設したゴム板8’を所定本管材31’の外面の取付用孔311’周囲に接着剤で接着する。更に、図7の(ロ)に示すように、そのゴム板8’に支管5’を差し込み、この支管付き本管材31’を坑内に搬入し、図7の(ハ)に示すように、既設本管路310’に受口・挿口方式に接続する。
【0007】更に、図7の(ニ)に示すように、本管材31’内部から支管5’を押し込んでゴム板8’を外に折り返して図7の(ホ)に示すように、支管5’と既設取付管4’との間を受口・挿口方式により接続し、本管材内面から突出している支管端部を切断する。更に、図7の(ホ)に示すように、折り返したゴム板8’内にエポキシ樹脂等の接合剤6’を充填し、この接合剤6’の硬化によって支管5’を所定の本管材31’に固定する。
【0008】図5における本管材3’と一次覆工隧道1’との間の間隙への中込材7’(通常、セメントモルタル)の充填は、通常本管材の接続長さが40m程度に達したときに行なわれ、上記支管5’を固定した本管材31’に後続の本管材を接続していき、中込材未充填の本管材接続長さが40m程度になったときに、中込材の充填を行い、この充填時に上記所定の本管材31’と一次覆工隧道1’との間の間隙への中込材の充填も行なわれる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来施工法において、所定本管材の支管取付用孔と支管端との間を閉塞するゴム板8’は、接合剤の充填上不可欠である(ゴム板がない場合、接合剤が本管材の裏側に逃げてしまい、接合剤の充填が困難となる)。而るに、このゴム板8’の支管挿通孔81’を支管5’の外径より余り小さくすると、支管5’を取付管4’に受口・挿口方式により接合する際の支管の移動に大きな力を必要とし、しかもその作業を本管路内の比較的狭いスペ−スで行わなければならたいために、作業が至難となる。
【0010】他方、ゴム板の支管挿通孔と支管外径との差を小さくすると、中込材の漏洩が生じ易く、仕上げ作業に時間がかかり作業性の低下が懸念される。更に、接合剤6’が硬化してから中込材7’の充填を行なわないと、ゴム板8’を介して作用する中込材の充填圧力のために接合剤が押し出される畏れがあり、接合剤の硬化待ちのために中込材充填作業を行い得ずに接合剤による接着作業のために、作業全体の円滑な進行にとなることもある。
【0011】本発明の目的は、シ−ルド工法による一次覆工隧道内に二次覆工用の本管路を布設し、この本管路の所定の本管材に取付管接続用の支管を接合剤により取付け、一次覆工隧道と本管との間を中込材で充填する場合、支管の接合剤による固定を容易に、かつその固定箇所からの中込材の漏洩を確実に防止して行い得、更に、接合剤の硬化待ちを必要とすることなく次の作業に移行できる取付管付き地中管路の施工方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る取付管付き地中管路の施工方法は、シ−ルド工法により施工された一次覆工隧道内に、二次覆工用の本管を布設し、その本管路途中の所定の本管材に支管を取付け、本管材外面と一次覆工内面との間の間隙を中込材で充填固化する方法において、上記所定の本管材の支管取付用孔に支管を挿入し、その孔と支管との間を流体封入バッグで仮閉塞し、上記中込材による本管材外面と一次覆工内面との間の間隙の充填固化後に流体封入バッグを取外し、その取外し跡に接合剤を充填することを特徴とする構成であり、本管材内から支管端をジャッキで支えた状態で中込材による本管材外面と一次覆工内面との間の間隙の充填固化を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明に係る方法により施工される取付管付き地中管路の一例を示している。図1において、1はシ−ルド工法により開削された本管路用隧道であり、鋼製、コンクリ−ト製またはダクタイル製セグメント等による一次覆工11で外圧に対する補強が施されている。2は分岐管路用鞘管であり、推進工法により埋設され、この推進工法には圧入工法(先導管またはパイロット管を押し込んだのちに、これをガイドとして鞘管を圧入または掘削しながら推進する工法)、ア−スオガ−工法(管内にオ−ガヘッド、スクリュ−コンベア装置を設け、それを回転させながら掘削推進し、先導管の直後に鞘管を接続する1工程方式または先導管及びガイド管で到達立坑まで掘削したのちに、先導管と同一外径の鞘管を推進し置換する2工程方式とがある)、水平ボ−リング工法(鋼管の先端に刃先を取付け、鋼管を回転させながら推進させる一重ケ−シング回転方式または二重の鋼管で内管を回転させながら推進する二重ケ−シング回転方式とがある)或るいは泥水加圧工法(掘削を回転面盤のカッタ−で行い、掘削された土砂を泥水と混合し、管内のパイプにより立坑外まで輸送し、泥水処理設備で土砂を分離する方式)等を使用できる。
【0014】3は一次覆工隧道1内に布設された本管であり、例えば、本管材が台車またはコロにより搬入され、ジャッキ等で芯合わせのうえ油圧プッシャ−で受口・挿口方式により接続されて布設されている。この本管材には、一端にカラ−を接着剤により取付けて受口に形成した繊維強化合成樹脂管を使用できる。4は分岐管路用鞘管2内に布設された取付管であり、例えば、発進坑から油圧プッシャ−で取付管を受口・挿口方式により接続しつつ挿入していくパイプインパイプ方式により布設されている。この取付管材には、一端を拡径により受口に成形した塩化ビニル樹脂管を使用できる。
【0015】5は支管であり、一端が取付管端40に受口・挿口方式方式により接続され、他端が所定の本管材31の支管取付用孔311にエポキシ樹脂等の接合剤6で固定されている。この支管5には、塩化ビニル樹脂製品を使用できる。7は本管路用隧道内面と本管外面との間の間隙に充填固化された中込材、例えばセメントモルタルであり、この中込材7と本管11とで上記本管路用隧道1の二次覆工が構成されている。この中込材の充填は、本管材の接続長さが30〜50mに達するごとに行われる。
【0016】本発明に係る施工方法により図1に示す下水道を施工するには、図2の(イ)及び図2の(ロ)〔図2の(イ)に示すように、分岐管路用鞘管2内に取付管4を布設すると共に支管取付用の所定の本管材(図1の31)の手前までの本管材310を布設したのち、既設本管材310の接続端(受口奥端)から取付管4の中心軸までの距離x及び取付管軸心の角度θをそれぞれ測定し、図1における支管5が取付けられる所定本管材31のその支管取付け位置を特定する。
【0017】次いで、立坑上の作業場で、支管取付用の所定の本管材31に上記測定位置を孔中心として支管取付用孔をホルソ−またはダイヤモンドカッタ−で穿孔する。この穿孔位置が所定の本管材31の受口にかからないように当該本管材31の長さを調整してある。このようにして所定の本管材に支管取付用孔を穿孔したのちは、図3の(イ)に示すように、この支管取付孔穿設本管材31を坑1内に搬入し、既設本管材310と受口・挿口方式方式により接続する。この支管取付孔穿設本管材31の搬入時の向きは、上記取付管軸心の測定角度θで規制してあり、支管取付孔穿設本管材31が既設本管材310に接続されると、取付管4の軸心a−aが支管取付孔穿設本管材31の孔331の中心を通り、支管取付孔穿設本管材31の孔311と取付管4との芯合わせが自ずから行われる。
【0018】このようにして支管取付孔穿設本管材31を既設本管材310に接続したのちは、図3の(ロ)に示すように、所定の本管材31内から支管取付用孔311に支管を挿入し、支管5と取付管端40を受口・挿口方式により接続し、更に、支管の本管路内面からの突出端部を切断する(この突出が生じないように、支管の長さを設定しておくこともできる)。この場合、支管取付用孔311の内径を支管5の外径より大きくすることにより、受口・挿口接続が良好に行なわたことを外面観察により確認でき、その接続作業の信頼性を保証できる。この受口・挿口方式を小さな挿入力で行い得るように、受口内面及び挿口外面に滑材を塗布しておくことが好ましい。
【0019】このようにして支管5と取付管端40を接続したのちは、図3の(ハ)に示すように、本管材31の支管取付用孔311と支管端50との間に流体封入バッグ8、例えばゴム製エア−バッグを空気を抜いて萎めた状態で差し込み、而るのち、空気の圧入によりバッグを膨張させ、支管端40と支管取付用孔311との間を膨張バッグ8で仮閉塞する。
【0020】この支管端40と支管取付用孔311との間の膨張バッグ8による閉塞は、ごく短時間で行うことができ、その後、本管路用隧道の一次覆工と本管との間に中込材7、例えばコンクリ−トモルタルを充填し、前記所定の本管材の裏面側の充填中込材が硬化すると、膨張バツクをエア−抜きにより萎めて取外し、図1に示すように、その取外し跡にエポキシ樹脂等の接合剤6を充填する。
【0021】上記において、所定の本管材と支管取付用孔と支管端との間の膨張バッグによる閉塞後、後続の本管材の搬入・接続を進め、本管路用隧道の一次覆工と本管との間の中込材未充填長さが所定の長さに達すると、その間隙に所定の本管材の裏面側をも含めて中込材、例えばコンクリ−トモルタルを充填し、この中込材の充填後も、後続の本管材の搬入・接続を行い、この間、前記所定の本管材の裏面側の充填中込材が硬化すると、膨張バツクをエア−抜きにより萎めて取外し、その取外し跡にエポキシ樹脂等の接合剤を充填すること、または、上記支管取付用の所定の本管材を既設本管材に接続したときに、本管路用隧道と本管との間の中込材未充填長さが上記所定の長さ(30m〜50m程度)に達していれば、当該本管材と取付管との接続に引き続いて、当該本管材の裏面を含めた中込材の充填を行い、この中込材の充填後も、後続の本管材の搬入・接続を行い、この間、前記所定の本管材の裏面側の充填中込材が硬化すると、膨張バツクをエア−抜きにより萎めて取外し、その取外し跡にエポキシ樹脂等の接合剤を充填すること等が可能である。
【0022】上記の施工方法は、従来工法とは異なり、接合剤の硬化を待って中込材の充填を行わなければならないという制約がなく、取付管に支管を介して接続した所定の本管材の裏面に充填された中込材が硬化していない間でも後続の本管材の布設を続行し、その続行中に当該所定の本管材の裏面側の中込材が硬化した時点でその後続作業と並行して膨張バックの取外し、その取外し跡への接合剤の充填を行うことができ、従来工法とは異なり、接合剤の硬化待ちのために作業の進捗が阻害されるようなことがない。
【0023】上記において、中込材充填時の圧力に対し、膨張バツグを安定に保持するために、図3の(ハ)に示すように、膨張バック8をジャッキ9のヘッド91で押えつつ中込材7の充填、硬化を行うことが好ましい。また、図4に示すように、膨張バッグ8に押板(例えば、塩化ビニル樹脂板)92を当て、押板92と支管端50との間にスペ−サ93(例えば、滑りの良いシリコンスペ−サ)を介在させ、押板92の周囲に接着剤94を塗布した状態で押板92をジャッキ9のヘッド92で押えつつ中込材7の充填、硬化を行い、中込材7の硬化後、ジャッキ9を解除し、スペ−サ93を脱離し膨張バッグ8をエア−を抜いて取り出せば、蟻溝形の接合剤充填空間を形成でき、接合剤の充填に有利である。
【0024】なお、図示の実施形態では、取付管端部を受口とし、支管先端を挿口としてあるが、取付管端部を挿口とし、支管先端を受口とすることもできる。
【0025】
【発明の効果】本発明に係る取付管付き地中管路の施工方法によれば、支管取付孔穿設本管材と支管との間を流体封入バッグで仮閉塞した状態で中込材を充填し、中込材の硬化後に流体封入バッグを取外し、その跡に接合剤を充填してその本管材と支管との間を固定しており、接合剤の充填時には中込材が既に硬化しているので、接合剤が中込材の充填圧力で押出されることがない。また、流体封入バッグ使用のために接合剤の充填空間を、その間口を絞った蟻溝形に形成でき、接合剤を垂れ下がりなく充分にボイドレスで充填できる。更に、流体封入バッグは従来法のゴム板とは異なり、被シ−ル面との接触面積を広く、かつ封入エア−圧を高くして接触圧を高くでき、中込材の漏洩もよく防止できる。
【0026】従って、本発明によれば、シ−ルド工法による一次覆工隧道内に二次覆工用の本管路を布設し、この本管路の所定の本管材に取付管接続用の支管を接合剤により取付け、一次覆工隧道と本管路との間を中込材で充填する場合、支管の接合剤による固定を容易に、かつその固定箇所からの中込材の漏洩を確実に防止して強固に行い得る。
【0027】また、接合剤の硬化を待って中込材の充填を行わなければならないという制約がなく、接合剤の硬化待ちで作業の進捗が阻害されるようなこともなく、作業全体を円滑に進行できる。
 

 
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