| 発明の名称 |
ユニット床材の補修方法と補修に便利なユニット床材並びにこれらに装着される接着リング |
|
| 発行国 |
日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 |
公開特許公報(A) |
| 公開番号 |
特開平9−296612 |
| 公開日 |
平成9年(1997)11月18日 |
| 出願番号 |
特願平8−114794 |
| 出願日 |
平成8年(1996)5月9日 |
| 代理人 |
|
| 発明者 |
海内 英和 |
| 要約 |
目的
構成
|
特許請求の範囲
【請求項1】 床板に表面から裏面に通じる注入孔が設けられ、この床板の裏面側から前記注入孔に注入された接着剤によって、方形タイルが床板表面に固着されたユニット床材の補修方法であって、前記ユニット床材のタイルの中で破損したタイルを除去する工程と、このタイルを固着していた接着剤を注入孔より除去して貫通孔を形成する工程と、床板の裏面に係止可能な筒体であって、この筒体の中に注入される接着剤を絡め可能になされた接着リングを、床板の裏面に係止して前記貫通孔に装着する工程と、床板の裏面側から前記接着リングの中に接着剤を注入し、注入された接着剤を接着リングの内面に絡めながら、破損したタイルの替わりに新タイルを設置し、床板表面に固着する工程とからなることを特徴とするユニット床材の補修方法。 【請求項2】 方形タイルが床板の表面に固着されたユニット床材であって、前記床板には表面から裏面に通じる貫通孔が設けられ、床板の裏面に係止可能な筒体であって、この筒体の中に注入される接着剤を絡め可能になされた接着リングが、前記床板の裏面に係止されて前記貫通孔に装着され、床板の裏面側から前記接着リングの中に接着剤が注入され、注入された接着剤を接着リングの内面に絡めながら前記タイルが床板表面に固着されていることを特徴とするユニット床材。 【請求項3】 筒体の中に絡め片が架け渡されていることを特徴とする請求項1または2記載のユニット床材に装着される接着リング。
|
発明の詳細な説明
【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、床板の表面に方形タイルが固着されたユニット床材の補修方法と、補修に便利なユニット床材に関する。 【0002】 【従来の技術】床板の表面に方形タイルが固着されたユニット床材は、例えば、特開平6−262409号公報に記載されている。上記公報記載のユニット床材は、タイルの下面が当接される床板の表面から裏面に貫通する注入孔が形成され、この床板の裏面側から注入孔に注入された接着剤によって、方形タイルが床板表面に固着されているものである。 【0003】上記床板は、方形タイルの周縁が支持される部分を除いて格子状になされ、底面には、水はけをよくするように、支持脚が垂設され、複数枚の方形タイルが載置できる大きさになされている。また、床板は、複数個を連設して使用されるが、このため、隣接する床板の側縁は連結可能になされている。 【0004】床板の表面から裏面に貫通する注入孔には、接着剤を絡めることができる、例えば、Y字形状の絡め片が設けられ、注入された接着剤と床板の注入孔周壁との結合力を高めている。殊に、床板が合成樹脂で形成され、タイルが磁器等の無機材料で形成されていると、合成樹脂と無機材料の両方に接着する接着剤がないので、タイル用の接着剤を上記注入孔の絡め片に絡めて使用している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公報に記載されている従来のユニット床材では、床板表面に固着されたタイルが割れたりして破損したとき、この破損したタイルを取り除くと同時に、注入孔に注入された接着剤を除去する。この際、注入孔に設けられた絡め片が破損したり、変形したりするので、新たに注入した接着剤を絡め片に絡めることができなくなり、ユニット床材の再使用がきかなくなるという問題が生じる。 【0006】本発明は、上記の従来技術の問題を解決するためになされたものであって、本発明の第1目的は、破損したタイルを交換してユニット床材を再使用することができるユニット床材の補修方法を提供することであり、本発明の第2目的は、補修に便利なユニット床材を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記第1と第2の目的を達成するためになされたものであって、第1目的を達成するための請求項1記載の発明は、床板に表面から裏面に通じる注入孔が設けられ、この床板の裏面側から前記注入孔に注入された接着剤によって、方形タイルが床板表面に固着されたユニット床材の補修方法であって、前記ユニット床材のタイルの中で破損したタイルを除去する工程と、このタイルを固着していた接着剤を注入孔より除去して貫通孔を形成する工程と、床板の裏面に係止可能な筒体であって、この筒体の中に注入される接着剤を絡め可能になされた接着リングを、床板の裏面に係止して前記貫通孔に装着する工程と、床板の裏面側から前記接着リングの中に接着剤を注入し、注入された接着剤を接着リングの内面に絡めながら、破損したタイルに替わりに新タイルを設置し、床板表面に固着する工程とからなっている。 【0008】第2目的を達成するための請求項2記載の発明は、方形タイルが床板の表面に固着されたユニット床材であって、前記床板には表面から裏面に通じる貫通孔が設けられ、床板の裏面に係止可能な筒体であって、この筒体の中に注入される接着剤を絡め可能になされた接着リングが、前記床板の裏面に係止されて前記貫通孔に装着され、床板の裏面側から前記接着リングの中に接着剤が注入され、注入された接着剤を接着リングの内面に絡めながら前記タイルが床板表面に固着されているものである。 【0009】請求項3の発明は、上記請求項1または2記載のユニット床材に装着される接着リングの筒体の中に絡め片が架け渡されているものである。上記絡め片の形状は、一字状、Y字状、十字状、O字状等のいずれでもよい。 【0010】本発明の接着リングにおいて、床板の裏面に係止可能な筒体とは、例えば、筒体の一端の外周に鍔が設けられ、この鍔を床板の裏面に係止するものであってもよい。あるいは、床板の裏面の貫通孔の周りに立上り壁を垂設し、立上り壁に嵌合される係止部を筒体の一端に設け、この係止部を立上り壁に嵌合して係止するものであってもよい。 【0011】本発明において、筒体の中に注入される接着剤を絡め可能になされた接着リングとは、請求項3記載のように、筒体の中に絡め片が架け渡されているものの他、例えば、筒体の内周面に突起片が突出されたもの、筒体の内周面に凹溝が形成されているもの、筒体の内面が下方が上方より大になされた段付きになされたもの等を挙げることができる。 【0012】本発明に用いられる床板の材質は、特に限定されないが、成形が容易で、軽量なものが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性合成樹脂が好適に使用できる。 【0013】床板の形状は、特に限定されないが、原料の使用料を節減し、軽量化するために、方形タイルの周縁が支持される部分を除いて、格子形状とされるのが好ましく、床板の底面には、水はけをよくするように、円筒形状等の支持脚を等間隔を置いて垂設するのが好ましい。 【0014】床板の大きさは、特に限定されないが、運搬や敷設工事の際の取扱い易さの点から、表面に1辺100mm程度の正方形状のタイルが3×3ないし5×4枚載置できる程度の大きさとするのが好ましい。 【0015】本発明の床板は、通常複数個が連接して使用されるが、その連結手段は特に限定されず、例えば、隣接する床板の2側壁から連結環を水平方向に突設し、残余の2側壁に形成された連結環に嵌合してもよく、あるいは隣接する2側壁から平面視T字状の連結片を突設し、残余の2側壁に刻設された凹陥部に連結片の根元部を嵌合してもよい。 【0016】(作用)請求項1のユニット床材の補修方法は、床板の裏面に係止可能な筒体であって、この筒体の中に注入される接着剤を絡め可能になされた接着リングを、床板の裏面に係止して前記貫通孔に装着する工程と、床板の裏面側から前記接着リングの中に接着剤を注入し、注入された接着剤を接着リングの内面に絡めながら、破損したタイルの替わりに新タイルを設置し、床板表面に固着する工程とを備えているので、新タイルは、床板に係止された接着リングの内面に絡められた接着剤により、結合力を高めて床板表面に固着され、破損したタイルを新タイルに取り替えるだけでユニット床材を再使用することができる。 【0017】請求項2のユニット床材においては、床板に表面から裏面に通じる貫通孔が設けられ、接着リングが前記貫通孔に装着されているので、破損したタイルを新タイルに取り替えて補修する際、破損したタイルと接着リングを床板から除去した後、貫通孔に別の新しい接着リングを床板の裏面に係止して装着し、床板の裏面側から前記接着リングの中に接着剤を注入し、注入された接着剤を接着リングの内面に絡めながら新タイルを床板表面に固着すれば、破損したタイルと接着リングを新しいものに取り替えるだけでユニット床材を再使用することができる。 【0018】請求項3の接着リングは、筒体の中に絡め片が架け渡されているので、接着リングの中に注入された接着剤がこの絡め片にしっかり絡められ、筒体から抜けるようなことはない。このため、タイルを床板表面に一層強固に固着できる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を基に説明する。本発明の一実施の形態を図1〜図7に示し、本発明の別の実施の形態を図8に示す。 【0020】図1は本発明のユニット床材を示す分解斜視図、図2は図1のユニット床材の組立状態を示す斜視図、図3は図1のユニット床材の裏面側要部を示す拡大斜視図、図4は図1のユニット床材の補修に使用される接着リングであって、(イ)図は斜視図、(ロ)図は断面図、図5は図4に示す接着リングが装着された図1のユニット床材の裏面側要部を示す拡大斜視図、図6は図4に示す接着リングが装着された図1のユニット床材の表面側要部を拡大して示す分解斜視図、図7は補修された図1のユニット床材の要部を拡大して示す断面図である。図8は本発明の別の実施の形態を示すユニット床材であって、接着リングと共に示す裏面側要部の拡大斜視図である。 【0021】まず、本発明に係るユニット床材を図1〜図7を参照して説明する。図1において、1は熱可塑性合成樹脂からなる平面視略正方形状の床板であって、この床板1には直交する2対の幅広のタイル周縁支持部11によって、3段3列の略正方形状の開口部12が形成されている。開口部12は、さらに幅狭の十字状タイル支持片13によって4等分されている。 【0022】床板1の裏面には、敷設後の水捌けをよくするように、多数の支持脚8、8が垂設され、開口部12の四隅付近には、床板1の表面から裏面に通じる円形の注入孔2が設けられている。注入孔2には、図3に示すように、床板の表面と略面一に十字状の接着剤の絡め片21が架け渡され、床板1の裏面側には、注入孔2の周縁から立上り壁22が垂設されている。 【0023】上記床板1の隣接する2側壁の下端からは、連結環4が外方に向かって水平に突設され、残余の2側壁には、連結脚5が突設され、連結脚5を連結環4に嵌合することにより、床板1を四方に連結できるようになされている。 【0024】床板1に磁器タイル3を固着してユニット床材とするには、9枚のタイル3を裏返しにして並列し、その上から床板1を裏返しにして載せ、床板1の裏面側から注入孔2にシリコン樹脂系の弾性接着剤を注入し、絡め片21に接着剤を絡めてタイル3を床板1の表面に固着する。 【0025】上記のユニット床材は、長年使用する間に、図2に示すように、タイル3にひび割れCが入ったりして破損することがある。以下、破損したタイル31を取り替えるユニット床材の補修方法を、図2〜図7を参照して説明する。まず、この破損したタイル31を床板1から除去する。この際、絡め片21が切断したり変形したりするので、注入孔2から接着剤を除去するときに絡め片21も同時に除去し、注入孔2を貫通孔とする。 【0026】つぎに、床板1の連結脚5を連結環4から取り外して、破損したユニット床材を裏返しにして、上記接着剤と絡め片21とが除去されて貫通孔となされた注入孔2に、接着リング6を装着する。接着リング6は、図4に示すように、注入孔2の内径と略同じ外径の筒体61と、この筒体61の一端側に設けられた十字形状の絡め片62と、筒体61の他端側に設けられた係止鍔63とからなっている。この筒体61を上記注入孔2に挿入し、係止鍔63で立上り壁22に係止して接着リング6を装着する(図5参照)。すると、図6に示すように、接着リング6は絡め片62が床板1の表面と略面一になされて装着される。 【0027】つぎに、破損したタイル31の替わりに新タイル32を設置し、床板1の裏面側から接着リング6の中にシリコン樹脂系の弾性接着剤Bを注入して、この接着剤Bを絡め片62に絡めながら、新タイル32を床板1の表面に固着する。このようにして補修されたユニット床材を図7に示す。 【0028】上述の通り、本実施の形態に示したユニット床材の補修方法は、接着リング6を床板1の裏面に係止して前記注入孔2に装着し、床板1の裏面側から前記接着リング6の中に接着剤Bを注入し、注入された接着剤Bを接着リング6の内面に絡めながら、破損したタイル31の替わりに新タイル32を設置し、床板1表面に固着するものであるから、新タイル32は、床板1に係止された接着リング6の内面に絡められた接着剤Bにより、結合力を高めて床板1表面に固着され、破損したタイル31を新タイル32に取り替えるだけでユニット床材を再使用することができる。 【0029】つぎに、本発明の別の実施の形態を図8を参照して説明する。本実施例のユニット床材は、磁器タイル3が床板1Aの表面に固着されたものであって、この床板1Aが、上記第1の実施の形態に使用した床板1と異なるところは、床板1の注入孔2に替えて、貫通孔2Aが設けられているところだけで、他は同じになされている。従って、異なるところだけ別符号を付け、同じ所は同符号で示し、同符号の説明を省略する。 【0030】図8に示すように、貫通孔2Aは、床板1Aの表面から裏面に通じ、床板1Aの裏面側の貫通孔2Aの周縁に立上り壁22Aが設けられている。この貫通孔2Aには、予め、接着リング6が装着され、接着リング6の係止鍔63が立上り壁22Aに係止されている。上記床板1Aに磁器タイル3を固着してユニット床材とするには、9枚のタイル3を裏返しにして並列し、その上から床板1Aを裏返しにして載せ、床板1Aの裏面側から接着リング6にシリコン樹脂系の弾性接着剤を注入し、絡め片21に接着剤を絡めてタイル3を床板1Aの表面に固着する。 【0031】上記ユニット床材のタイル3が破損したときの補修方法は、破損したタイル3と接着リング6を床板1Aから除去した後、貫通孔2Aに別の新しい接着リング6を床板1Aの裏面に係止して装着し、床板1Aの裏面側から前記接着リング6の中に接着剤を注入し、注入された接着剤を接着リングの内面に絡めながら新タイルを床板表面に固着してなされる。従って、破損したタイルと接着リングを新しいものに取り替えるだけでユニット床材を再使用することができる。 【0032】 【発明の効果】請求項1のユニット床材の補修方法は、新タイルが、床板に係止装着された接着リングの内面に絡められた接着剤により、結合力を高めて床板表面に固着されるので、補修前と同等の結合力が維持されるという強度面の効果と同時に、破損したタイルを新タイルに取り替えるだけでユニット床材を再使用することができるという経済効果がある。 【0033】請求項2のユニット床材においては、破損したタイルを新タイルに取り替えて補修する際、破損したタイルと接着リングを新しいものに取り替えるだけで補修できるので、補修工事が簡単となり工期を短縮できるという効果と、ユニット床材を再使用できるという経済効果がある。 【0034】請求項3の接着リングは、筒体の中に絡め片が架け渡されているので、接着リングの中に注入された接着剤がこの絡め片にしっかり絡められ、筒体から抜けるようなことはない。このため、タイルを床板表面に一層強固に固着できる。
|
|