| 発明の名称 |
ユニット建物とその補強方法 |
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| 発行国 |
日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 |
公開特許公報(A) |
| 公開番号 |
特開平9−296518 |
| 公開日 |
平成9年(1997)11月18日 |
| 出願番号 |
特願平8−112515 |
| 出願日 |
平成8年(1996)5月7日 |
| 代理人 |
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| 発明者 |
余田 泰宏 / 田中 直人 / 島田 直樹 |
| 要約 |
目的
構成
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特許請求の範囲
【請求項1】 柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、建物ユニットとして、柱の省略のない標準建物ユニットと、柱省略のある柱省略建物ユニットを用い、複数の柱省略建物ユニットのそれぞれに少なくとも1個所定めた柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、柱省略接合部の一方側の柱省略建物ユニットの天井梁側から他方側の柱省略建物ユニットの天井梁側に渡る補強梁を設け、柱省略建物ユニットの側傍に標準建物ユニットを配置し、それらの両ユニットを連結手段により連結してなることを特徴とするユニット建物。 【請求項2】 前記連結手段が柱省略建物ユニットの天井梁と標準建物ユニットの天井梁のそれぞれに連結される連結板からなる請求項1記載のユニット建物。 【請求項3】 前記柱省略建物ユニットが、柱省略コーナー部以外の 3個のコーナー部では、相交差する天井梁及び床梁をジョイントピースにより柱に接合し、柱省略コーナー部では、相交差する天井梁及び床梁をジョイントピースにより短柱に接合し、短柱同士を仮柱で着脱自在に接合して構成され、補強梁の両端部はジョイントピースとの接合を介して柱に接続され、補強梁の中央部はジョイントピースとの接合を介して短柱に接続されてなる請求項1又は2記載のユニット建物。 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のユニット建物の補強方法において、前記柱省略建物ユニットとして、柱省略コーナー部に仮柱を着脱してなるものを用い、建物ユニットに補強梁と連結手段が設けられるまでは仮柱を設けておき、補強梁と連結手段が設けられた後に仮柱を取外すことを特徴とするユニット建物の補強方法。
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発明の詳細な説明
【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ユニット建物とその補強方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、ユニット建物において柱省略した広い連続空間を形成するため、図16(A)〜(C)に示す如く、複数の柱省略建物ユニット1のそれぞれに定めた柱省略コーナー部2を柱省略接合部3にて互いに突き合せ配置してなるものがある。柱省略建物ユニット1は、柱1Aと床梁1Bと天井梁1Cを箱形に接合した骨組構造体である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】然しながら、柱省略建物ユニット1にあっては、柱1Aの省略に起因して大きく強度を低下する。これにより、複数の柱省略建物ユニット1からなるユニット建物にあっては、(a) 鉛直荷重により天井構面の沈み込み変形を生じ(図16(B))、(b) 水平荷重により骨組の倒れ込み変形を生ずる(図16(C))。従来技術では、これら(a) 、(b) の強度低下に対する有効な補強方法がないため、やむなく強度低下した建物ユニットの構造上成立し得る組み合せの範囲でユニット建物を構築している。 【0004】尚、本出願人は、複数の柱省略建物ユニットからなるユニット建物の補強構造として、柱省略接合部の一方側の柱省略建物ユニットの天井梁側から他方側の柱省略建物ユニットの天井梁側に渡る補強梁を設けるもの(特願平7-22635 号)を提案し、一定の成果を得ている。但し、複数の柱省略建物ユニットからなるユニット建物にあっては、建物ユニットの強度低下を更に補い、建物ユニットの構造上許容できる組み合せの範囲を拡張し、ユニット建物のプランニングの自由度を拡大することが望まれる。 【0005】本発明の課題は、柱省略した広い連続空間を形成してなるユニット建物において、柱省略に起因する強度低下を十分確実に補強することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明は、柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、建物ユニットとして、柱の省略のない標準建物ユニットと、柱省略のある柱省略建物ユニットを用い、複数の柱省略建物ユニットのそれぞれに少なくとも1個所定めた柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、柱省略接合部の一方側の柱省略建物ユニットの天井梁側から他方側の柱省略建物ユニットの天井梁側に渡る補強梁を設け、柱省略建物ユニットの側傍に標準建物ユニットを配置し、それらの両ユニットを連結手段により連結してなるようにしたものである。 【0007】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記連結手段が柱省略建物ユニットの天井梁と標準建物ユニットの天井梁のそれぞれに連結される連結板からなるようにしたものである。 【0008】請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の本発明において更に、前記柱省略建物ユニットが、柱省略コーナー部以外の 3個のコーナー部では、相交差する天井梁及び床梁をジョイントピースにより柱に接合し、柱省略コーナー部では、相交差する天井梁及び床梁をジョイントピースにより短柱に接合し、短柱同士を仮柱で着脱自在に接合して構成され、補強梁の両端部はジョイントピースとの接合を介して柱に接続され、補強梁の中央部はジョイントピースとの接合を介して短柱に接続されてなるようにしたものである。 【0009】請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のユニット建物の補強方法において、前記柱省略建物ユニットとして、柱省略コーナー部に仮柱を着脱してなるものを用い、建物ユニットに補強梁と連結手段が設けられるまでは仮柱を設けておき、補強梁と連結手段が設けられた後に仮柱を取外すようにしたものである。 【0010】請求項1に記載の本発明によれば下記■の作用がある。 ■ユニット建物の天井構造強度は、(a) 柱省略建物ユニットの天井梁の断面性能を、補強梁の断面性能により補強し、(b) 柱省略建物ユニットの天井構面と標準建物ユニットの天井構面とを連結手段により連結し、鉛直荷重による天井構面の沈み込み変形に抵抗して補強し、(c) 柱省略建物ユニットの骨組と標準建物ユニットの骨組とを連結手段によって連結し、水平荷重による骨組の倒れ込み変形に抵抗して補強するものとなる。このため、柱省略した天井スパンを拡大し、柱省略した広い連続空間を形成できる。 【0011】請求項2に記載の本発明によれば下記■の作用がある。 ■柱省略建物ユニットの天井梁と標準建物ユニットの天井梁とを連結板により連結する簡易な連結構造により、柱省略建物ユニットと標準建物ユニットを確実に連結できる。 【0012】請求項3に記載の本発明によれば下記■の作用がある。 ■柱省略建物ユニットにおいて、補強梁は、天井梁を柱、短柱に接合するためのジョイントピースに接合されることにて、それらの柱、短柱に接続される。従って、補強梁を柱、短柱に接続する構造を簡易且つ確実化できる。 【0013】請求項4に記載の本発明によれば下記■の作用がある。 ■柱省略建物ユニットの柱省略コーナー部に設けた仮柱は、該柱省略建物ユニットの工場製造段階、輸送保管段階を経た現地据付け後、補強梁と連結手段の設置完了まで取外されない。従って、補強梁と連結手段の設置時の柱省略建物ユニットの強度を低下せしめることがなく、施工段階の建物強度も十分に確保でき、施工性は良い。 【0014】 【発明の実施の形態】図1はユニット建物の平面レイアウトを示す模式図、図2は図1のII-II 線に沿う矢視図、図3は連結手段を示す模式図、図4はユニット建物の鉛直荷重に対する変形抵抗状態を示す模式図、図5はユニット建物の水平荷重に対する変形抵抗状態を示す模式図、図6はユニット建物と建物ユニットを示す模式図、図7は下階建物ユニットへの補強梁接続過程を示す模式図、図8は下階補強梁を示す模式図、図9は下階補強構造を示す模式図、図10は下階補強梁の端部接続構造を示す模式図、図11は下階補強梁の中央部接続構造を示す模式図、図12は上階建物ユニットの搭載構造を示す模式図、図13は上階建物ユニットへの補強梁接続過程を示す模式図、図14は上階補強梁を示す模式図、図15はユニット建物の据付工程を示す模式図、図16はユニット建物の変形状態を示す模式図である。 【0015】(第1実施形態)(図1〜図5) 図1、図2(A)のユニット建物10は、 2個の標準建物ユニット11と 4個の柱省略建物ユニット12とで下階部分10Aを構成し、 6個の標準建物ユニット11で上階部分10Bを構成したものである。 【0016】ユニット建物10の下階部分10Aでは、 4個の柱省略建物ユニット12のそれぞれに定めた柱省略コーナー部を柱省略接合部14にて互いに突き合せ配置し、柱省略接合部14の一方側の柱省略建物ユニット12の天井梁23側から他方側の柱省略建物ユニット12の天井梁23側に渡る補強梁30を設けている。そして、柱省略建物ユニット12の側傍に標準建物ユニット11を配置したものである。 【0017】然るに、ユニット建物10において隣接する建物ユニット11、12は、下記(A) 〜(C) のいずれかにより連結される。 (A) 連結構造A(図3(A)) 補強梁30の両端部で、該補強梁30を挟んで相対する柱省略建物ユニット12、12の天井梁23、23と補強梁30とを接合する接合部に適用される。 【0018】(a) 相対する天井梁23、23のフランジ下面に添設される連結板101をボルト102、103により固定するとともに、(b) 相対する天井梁23、23のウエブと補強梁30とを高力ボルト104、105により摩擦接合するものである。 【0019】尚、少なくとも一方の高力ボルト104は天井梁23、23、補強梁30を一対の大径厚肉の補強座金106、106を介して挟圧し、これにより、天井梁23、23、補強梁30に穿設される高力ボルト104の下穴径が許容寸法より大きくなっても、天井梁23、23、補強梁30の内部へのボルト軸力の伝達範囲を拡張し、結果として、天井梁23、23と補強梁30との摩擦接触面積を拡大し、所要の摩擦接合力、締結力を確保可能としている。 【0020】また、連結板101は、補強梁30の設置前に取り付けられ、補強梁30の設置時に該補強梁30を載置できる受板として機能し、補強梁30を天井梁23、23に対する取付位置に容易に設定可能とする。 【0021】(B) 連結構造B(図3(B)) 補強梁30の中央部で、該補強梁30を挟んで相対する柱省略建物ユニット12、12の天井梁23、23と補強梁30とを接合する接合部に適用される。相対する天井梁23、23のウエブと補強梁30とを高力ボルト104、105により摩擦接合するものである。少なくとも一方の高力ボルト104は補強座金106、106を伴っている。 【0022】(C) 連結構造C(図3(C)) 補強梁30を挟まないで相対する柱省略建物ユニット12、12の天井梁23、23を接合する接合部、標準建物ユニット11の天井梁23と柱省略建物ユニット12の天井梁23を接合する接合部、相隣る標準建物ユニット11、11の天井梁23、23を接合する接合部に適用される。相対する天井梁23、23のフランジ下面に添設される連結板101をボルト102、103により固定するものである。 【0023】従って、本実施形態によれば下記■、■の作用がある。 ■ユニット建物10の天井構造強度は、(a) 柱省略建物ユニット12の天井梁23の断面性能を、補強梁30の断面性能により補強し、(b) 柱省略建物ユニット12の天井構面と標準建物ユニット11の天井構面とを連結板101により連結し、鉛直荷重による天井構面の沈み込み変形に抵抗して補強し(図4(A))、(c) 柱省略建物ユニット12の骨組と標準建物ユニット11の骨組とを連結板101によって連結し、水平荷重による骨組の倒れ込み変形に抵抗して補強するものとなる(図5(A))。このため、柱省略した天井スパンを拡大し、柱省略した広い連続空間を形成できる。 【0024】■柱省略建物ユニット12の天井梁23と標準建物ユニット11の天井梁23とを連結板101により連結する簡易な連結構造により、柱省略建物ユニット12と標準建物ユニット11を確実に連結できる。 【0025】尚、ユニット建物10は、図2(A)の下階部分のみからなるものであってもよく、その場合には、図4(B)に示す如くの鉛直荷重に対する変形抵抗を示し、図5(B)に示す如くの水平荷重に対する変形抵抗を示す。 【0026】また、ユニット建物10は、図2(B)に示す如く、下階部分10Aのうちで4個の柱省略建物ユニット12からなる部分の上に、 4個の同じく柱省略建物ユニット12を搭載して上階部分10Bの一部を構成するものであってもよい。 【0027】また、ユニット建物10は、図2(C)に示す如く、下階部分10Aの全部を6個の標準建物ユニット11で構成し、上階部分10Bを 2個の標準建物ユニット11と 4個の柱省略建物ユニット12で構成するものであってもよい。 【0028】(第2実施形態)(図6〜図15) 本発明を適用したユニット建物10について詳細に説明する。 (ユニット建物と建物ユニット)(図6) ユニット建物10は、図6(A)に示す如く、工場生産した複数の標準建物ユニット11、柱省略建物ユニット12を建築現場に輸送し、予め設置してある基礎13の上にて水平、鉛直方向に隣接設置して下階部分10A、上階部分10Bが構築される。 【0029】標準建物ユニット11は、図6(B)に示す如く、 4本の角鋼管製柱21と、4本の型鋼製床梁22と、 4本の型鋼製天井梁23とを箱形に接合した骨組構造体である。建物ユニット11は、 4個のコーナー部で、相交差する床梁22をジョイントピース22Aにより柱21の下端部に接続し、相交差する天井梁23をジョイントピース23Aにより柱21の上端部に接合して構成される。 【0030】柱省略建物ユニット12は、図6(C)に示す如く、標準建物ユニット11の4本の柱21のうちの 1本の柱21を省略したものである。柱省略建物ユニット12は、柱省略コーナー部以外の 3個のコーナー部では、相交差する床梁22をジョイントピース22Aにより柱21の下端部に接合し、相交差する天井梁23をジョイントピース23Aにより柱21の上端部に接合するとともに、柱省略コーナー部では、相交差する床梁22をジョイントピース22Bにより短柱24に接合し、相交差する天井梁23をジョイントピース23Bにより短柱25に接合して構成される。そして、柱省略建物ユニット12では、柱省略コーナー部に仮柱26を着脱自在としている。仮柱26は、ボルト、ピン等の着脱手段により、上述の短柱24と短柱25とに着脱自在に結合される。 【0031】(ユニット建物10の下階部分10A)(図7〜図11) 然るに、ユニット建物10は、下階部分10Aの一部にて、図7に示す如く、4個の柱省略建物ユニット12それぞれの柱省略コーナー部を柱省略接合部14にて互いに突き合せ載置し、それら 4個の柱省略建物ユニット12によって柱21に遮られることのない広く連続した居室空間を形成するものとしている。以下、 4個の柱省略建物ユニット12の接合構造について説明する。 【0032】ユニット建物10の下階部分10Aにおいて、 4個の柱省略建物ユニット12の柱省略接合部14は、下階補強梁30にて補強される。下階補強梁30は、図8に示す如く、長尺板材からなり、図7、図9に示す如く、柱省略接合部14の左右の一方側にて相隣る 2個の建物ユニット12の天井梁23、23の間から、左右の他方側にて相隣る他の 2個の建物ユニット12の天井梁23、23の間に渡って設けられる。図9において、15は下階天井板、16は上階床板である。 【0033】然るに、図10に示す如く、下階補強梁30の両端部で、該補強梁30を挟んで相対することとなる柱省略建物ユニット12、12の相対する天井梁23、23のフランジ下面には連結板101が添設され、ボルト102、103により固定される。この連設板101は下階補強梁30の設置前に取り付けられ、補強梁30の設置時に該補強梁30を載置できる受板として機能し、補強梁30を天井梁23、23に対する取付位置に容易に設定可能とする。 【0034】下階補強梁30の両端部は、図10に示す如く、柱省略接合部14の左右の一方側にて相隣る 2個の建物ユニット12の各柱21と、柱省略接合部14の他方側にて相隣る 2個の建物ユニット12の各柱21のそれぞれに接続される。このとき、補強梁30の両端部は、高力ボルト104、105を用いた天井梁23、ジョイントピース23Aとの高力ボルト接合(摩擦接合)を介して柱21に接続される。一方の高力ボルト104は補強座金106を伴っている。 【0035】尚、本発明の実施において、補強梁の上述の接合は、高力ボルトに限らず、単なる一般のボルトによることもできる。 【0036】補強梁30の中央部には、図11に示す如く、 4個の建物ユニット12の各柱省略コーナー部が接続される。このとき、補強梁30の中央部は、高力ボルト104、105を用いた天井梁23、ジョイントピース23Bとの接合を介して短柱25に接続される。一方の高力ボルト104は補強座金106を伴っている。 【0037】補強梁30が上述の如くにて柱21、短柱25に接続されるとき、各建物ユニット12の柱省略コーナー部には短柱25に着脱自在の仮柱26が未だ接合されている。そして、補強梁30が柱21、短柱25に接続完了した後、仮柱26は短柱25から取外される。 【0038】尚、補強梁30は、補強梁30を挟んで相隣る 2個の建物ユニット12、12の相接する天井梁23、23と、ジョイントピース23A、23Bのない部分でも、ボルト等を用いて接合されて良い。 【0039】また、下階補強梁30を挟まないで相対する柱省略建物ユニット12、12は、図11に示す如く、相対する天井梁23、23のフランジ下面に添設される連結板101をボルト102、103により固定されて接合される。尚、図10、図11において、201は水平ブレースである。 【0040】(ユニット建物10の下階部分10Aへの上階部分10Bの搭載)(図12) ユニット建物10は、下階部分10Aの上に上階部分10Bを搭載するに際し、下階部分10Aの一部を構成している 4個の下階柱省略建物ユニット12の上に 4個の上階標準建物ユニット11を搭載することができる(図12(A))。このとき、 4個の上階建物ユニット11は、 4個の下階建物ユニット12の柱省略コーナー部以外の 3個のコーナー部においては上階建物ユニット11の 3個の柱21の下端面を下階建物ユニット12の 3個の柱21の上端面に載置して結合し、下階建物ユニット12の柱省略コーナー部においては上階建物ユニット11の 1個の柱21の下端面を下階建物ユニット12の短柱25の上端面に載置して結合する(図12(B))。 【0041】このとき、図12(C)に示す如く、 4個の下階建物ユニット12を補強している下階補強梁30の成の高さを上階建物ユニット11の相隣る床梁22、22の間にまで延在し、下階補強梁30がこの延在部分で上階建物ユニット11の床梁22、ジョイントピース22Aにも高力ボルト104、105により接続されるものとすることができる。 【0042】尚、 4個の下階建物ユニット12を補強している下階補強梁30の成の高さを単に上階建物ユニット11の相隣る床梁22、22の間にまで延在するだけとしても良い。このとき、下階補強梁30の上述の延在部分は上階建物ユニット11の床梁22、ジョイントピース22Aに単に挟まれ、高力ボルト104、105は用いられない。 【0043】(下階部分10Aの上の上階部分10Bの補強)(図13、図14) 4個の下階柱省略建物ユニット12の上に 4個の上階標準建物ユニット11を上述の如くに搭載したとき、図13に示す如く、下階建物ユニット12の補強梁30を設けた天井梁23、23間と同一面上に位置する、上階建物ユニット11の天井梁23、23間にも上階補強梁40を設けることができる。 【0044】上階補強梁40は、図14に示す如く、断面T字状の如くの長尺T形材からなり、左右の一方側にて相隣る 2個の建物ユニット11の天井梁23、23の間から、左右の他方側にて相隣る 2個の建物ユニット11の天井梁23、23の間に渡って設けられる。 【0045】上階補強梁40の両端部、中央部のそれぞれは、図10に示した下階補強梁30の両端部と同様に、相隣る 2個の建物ユニット11の各柱21に、高力ボルト104、105を用いた天井梁23、ジョイントピース23Aとの接合を介して接続される。 【0046】尚、上階補強梁40は、補強梁40を挟んで相隣る 2個の建物ユニット11、11の相接する天井梁23、23と、ジョイントピース23Aのない部分でも、ボルト等を用いて接合されて良い。 【0047】これによれば、相隣る建物ユニット11が上階補強梁40によって一体化され、 4個の建物ユニット11の中央部の柱21を介して上階床を吊る如くになり、4個の下階建物ユニット12の柱省略中央部への上階荷重を低減するものとなる。 【0048】ユニット建物10は、下記(1) 〜(8) により据付けられる(図15)。 (1) 標準建物ユニット11、柱省略建物ユニット12により下階部分10Aを構築する。前述連結構造Aの連結板101を設置する。 【0049】(2) 相隣る柱省略建物ユニット12、12の天井梁23、23間に補強梁30を設置する。補強梁30は連結板101の上に載せる。 【0050】(3) 前述連結構造A、Bにより相対する天井梁23、23と下階補強梁30とを、高力ボルト104、105により摩擦接合する。 【0051】(4) 標準建物ユニット11により上階部分10Bを構築する。前述連結構造Aの連結板101を設置する。 【0052】(5) 相隣る標準建物ユニット11、11の天井梁23、23間に上階補強梁40を設置する。上階補強梁40は連結板101の上に載せる。 【0053】(6) 前述連結構造A、Bにより相対する天井梁23、23と上階補強梁40とを、高力ボルト104、105により摩擦接合する。 【0054】(7) 上階の仮柱26を撤去する。 (8) 下階の仮柱26を撤去する。 【0055】従って、本実施形態によれば下記■〜■の作用がある。 ■ユニット建物10の天井構造強度は、(a) 柱省略建物ユニット12の天井梁23の断面性能を、補強梁30の断面性能により補強し、(b) 柱省略建物ユニット12の天井構面と標準建物ユニット11の天井構面とを連結板101により連結し、鉛直荷重による天井構面の沈み込み変形に抵抗して補強し、(c) 柱省略建物ユニット12の骨組と標準建物ユニット11の骨組とを連結板101によって連結し、水平荷重による骨組の倒れ込み変形に抵抗して補強するものとなる。このため、柱省略した天井スパンを拡大し、柱省略した広い連続空間を形成できる。 【0056】■柱省略建物ユニット12の天井梁23と標準建物ユニット11の天井梁23とを連結板101により連結する簡易な連結構造により、柱省略建物ユニット12と標準建物ユニット11を確実に連結できる。 【0057】■柱省略建物ユニット12において、補強梁30は、天井梁23を柱21、短柱24に接合するためのジョイントピースに接合されることにて、それらの柱21、短柱24に接続される。従って、補強梁30を柱21、短柱24に接続する構造を簡易且つ確実化できる。 【0058】■柱省略建物ユニット12の柱21省略コーナー部に設けた仮柱21は、該柱省略建物ユニット12の工場製造段階、輸送保管段階を経て現地据付け後、補強梁30と連結板101の設置完了まで取外されない。従って、補強梁30と連結板101の設置時の柱省略建物ユニット12の強度を低下せしめることがなく、施工段階の建物強度も十分に確保でき、施工性は良い。 【0059】以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。 【0060】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、柱省略した広い連続空間を形成してなるユニット建物において、柱省略に起因する強度低下を十分確実に補強することができる。
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