| 発明の名称 |
ユニット建物及び施工方法 |
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| 発行国 |
日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 |
公開特許公報(A) |
| 公開番号 |
特開平9−296517 |
| 公開日 |
平成9年(1997)11月18日 |
| 出願番号 |
特願平8−112520 |
| 出願日 |
平成8年(1996)5月7日 |
| 代理人 |
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| 発明者 |
田中 勝哉 |
| 要約 |
目的
構成
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特許請求の範囲
【請求項1】 四隅に柱を有する箱形の建物ユニットを上下左右に複数個組み立てたユニット建物において、最上階の建物ユニットの上端面にほぼ水平な防水シートが設けられ、この最上階の建物ユニットの上端面と隣接する建物ユニットの上端面との間に溝が設けられ、建物ユニットと隣接する建物ユニットとの柱間に竪樋が設けられ、この竪樋の上端が上記溝に接続されていることを特徴とするユニット建物。 【請求項2】 四隅に柱を有する箱形の建物ユニットを上下左右に複数個組み立てたユニット建物の施工方法において、工場で上端面にほぼ水平な屋根スラブと、この屋根スラブの上に防水シートが取り付けられた建物ユニットを製造し、施工現場でこの建物ユニットを最上階に据え付け、断面U字形本体の両側に取付片が延設された長尺体からなる金属板を、この最上階の建物ユニットの上端面と隣接する建物ユニットの上端面との間に架け渡して、この金属板で建物ユニットと隣接する建物ユニットとの間に溝を形成し、建物ユニットの上端面に設けられた防水シートの周縁部を金属板に取り付け、建物ユニットと隣接する建物ユニットとの柱間に竪樋を設け、この竪樋の上端を前記溝に接続することを特徴とするユニット建物の施工方法。
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発明の詳細な説明
【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はユニット建物及びこのユニット建物の施工方法に関する。 【0002】 【従来の技術】ユニット建物は、特公昭62−62224号公報に記載あるように、運搬可能な一定の大きさの箱形の、且つ、内部、外部の仕上げられた建物ユニットを、予め、工場で生産し、その複数個を施工現場に運搬し、施工現場で組み立てたものである。このユニット建物は、施工期間が短く、且つ、寸法精度の良い標準化された建物となる特徴があることから、広く採用されている。 【0003】このユニット建物の上に降った雨水を竪樋を通して地上に導く排水構造としては、特開平3−172427号公報記載の構造が知られている。このユニット建物は最上階の建物ユニットの上端面に傾斜した屋根を設け、建物ユニットと隣接する建物ユニットとの間に竪樋を設けて、屋根の上に降った雨水を建物ユニットと隣接する建物ユニットとの間の竪樋を通して地上に導くようにしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、この最上階の建物ユニットの上端面に傾斜した屋根を設けることは、現場施工がそれだけ多くなる。従って、施工期間が短いというユニット建物の特徴が損なうし、この傾斜屋根を設けるためには、長さの異なる支持材で屋根を支持する必要があるため、施工が極めて困難である。又、工場で予め傾斜屋根を製造し、この傾斜屋根を施工現場で組み立てるようにすると、傾斜屋根を別のトラックで運搬する必要があり運搬費用が高価になるという問題がある。そのため、この傾斜した屋根を設けない排水構造を望む施工業者の要求が多い。そこで、本発明の目的は、建物ユニットの上端面に傾斜屋根を設けないユニット建物及びこのユニット建物の施工方法を提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するためになしたものであって、請求項1記載の発明は、四隅に柱を有する箱形の建物ユニットを上下左右に複数個組み立てたユニット建物において、最上階の建物ユニットの上端面にほぼ水平な防水シートが設けられ、この最上階の建物ユニットの上端面と隣接する建物ユニットの上端面との間に溝が設けられ、建物ユニットと隣接する建物ユニットとの柱間に竪樋が設けられ、この竪樋の上端が上記溝に接続されているものである。 【0006】又、請求項2記載の発明は、四隅に柱を有する箱形の建物ユニットを上下左右に複数個組み立てたユニット建物の施工方法において、工場で上端面にほぼ水平な屋根スラブと、この屋根スラブの上に防水シートが取り付けられた建物ユニットを製造し、施工現場でこの建物ユニットを最上階に据え付け、断面U字形本体の両側に取付片が延設された長尺体からなる金属板を、この最上階の建物ユニットの上端面と隣接する建物ユニットの上端面との間に架け渡して、この金属板で建物ユニットと隣接する建物ユニットとの間に溝を形成し、建物ユニットの上端面に設けられた防水シートの周縁部を金属板に取り付け、建物ユニットと隣接する建物ユニットとの柱間に竪樋を設け、この竪樋の上端を前記溝に接続するものである。 【0007】本発明における防水シートとは、通常の建物に使用される防水シートが使用できる。例えば、ポリ塩化ビニル樹脂シート等の合成樹脂シート、天然ゴムシートや合成ゴムシート等のゴムシート、紙や布にアスファルトやゴム等の防水材を塗布した防水シート、上記防水シートと金属薄板を貼り合わせた物等が使用できる。特に、耐候性や施工性等からポリ塩化ビニル樹脂シートが最も好適である。 【0008】(作用)請求項1記載の発明のユニット建物では、最上階の建物ユニットの上端面にほぼ水平な防水シートが設けられ、この最上階の建物ユニットの上端面と隣接する建物ユニットの上端面との間に溝が設けられているから、最上階の建物ユニットの上に降った雨水は、建物ユニットの上端面に設けられたほぼ水平な防水シートの上に溜まり、その後、建物ユニットと、この建物ユニットに隣接する建物ユニットとの間に設けられた溝の中に流れてゆく。 【0009】この際、1個の建物ユニットは運搬可能な大きさであるから、この上端面に設けられたほぼ水平な防水シートはそれ程広くない。従って、このほぼ水平な防水シートの上に雨水が溜まっても、この雨水は余り多くならず、建物ユニットと隣接する建物ユニットとの間に設けられた溝の中に流れてゆく。そして、本発明においては建物ユニットと隣接する建物ユニットとの柱間に竪樋が設けられ、この竪樋の上端が前記溝に接続されているから、溝の中に流れた雨水は溝の中から竪樋を通って地上に流れてゆく。 【0010】請求項2記載の発明では、工場で上端面にほぼ水平な屋根スラブと、この屋根スラブの上に防水シートが取り付けられた建物ユニットを製造する。このように建物ユニットの上端面にほぼ水平な屋根スラブを取り付け、この屋根スラブの上に防水シートを取り付けることは、設備の整った工場で行うから簡単に設けることができる。しかも、このように建物ユニットの上端面に防水シートを設けても建物ユニットがそれほど高くならないから、これを施工現場に運搬するときに、通常の建物ユニットとほぼ同じ高さであり、道路交通法に触れることなく簡単に運搬できる。 【0011】次に、施工現場でこれ等の複数個の建物ユニットを最上階に据え付け、断面U字形の本体の両側に取付片が延設された長尺体からなる金属板を、この最上階の建物ユニットの上端面と隣接する建物ユニットの上端面との間に架け渡して、この金属板で建物ユニットと隣接する建物ユニットとの間に溝を形成する。このように、金属板を架け渡すだけで、建物ユニットと隣接する建物ユニットとの間に溝を簡単に形成させることができる。その後、建物ユニットの上端面に設けられた防水シートの周縁部を金属板に取り付ける。すると、建物ユニットの上端面に設けられた防水シートの上に降った雨水はどこにも漏れることなく支障なく溝の中に流れるようになる。 【0012】更に、建物ユニットと隣接する建物ユニットとの柱間に竪樋を設け、この竪樋の上端を溝に接続する。すると、防水シートの上に降った雨水が溝を経て竪樋に流れるようになる。このように、施工現場では金属板を取り付けて溝を設け、工場で取り付けた防水シートの周縁部を溝に取り付け、竪樋を取り付け、この溝と竪樋とを接続するだけであるから、現場施工が極めて簡単であるし、施工現場で作業が少なくなる。従って、施工現場での施工工数が少ないというユニット建物の特徴が発揮できる。 【0013】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を説明する。図1〜図6は本発明ユニット建物の一実施例を示すもので、図1はユニット建物の上端面の一部を示す平面図、図2は図1のX1−X1線における断面図、図3は図1のX2−X2線における断面図、図4は図1のY1−Y1線における断面図、図5は図1のY2−Y2線における断面図、図6は建物ユニットの主要部分を示す説明図である。 【0014】図1〜図6において、Aはユニット建物であり、このユニット建物Aは複数個の建物ユニット1を組み立てたものである。建物ユニット1の骨格は、図6に示すように、短辺と長辺とからなる矩形の四隅に配置された4本の断面四角形筒状の鋼製の柱11、11、11、11と、この4本の柱11の上部を短辺と長辺に沿って連結する4本の断面コ字形の鋼製の天井梁13、13、13、13と、4本の柱11の下部を短辺と長辺に沿って連結する4本の断面コ字形の鋼製の床梁12、12、12、12とからなる。 【0015】この建物ユニット1の骨格の相対する床梁12、12に厚み125mmのALC板からなる床材14が差し渡され、この上に大引板15が取り付けられ、更に、この上に木製の根太16が取り付けられ、この上にパーチクルボードからなる床材17が取り付けられて床が形成される。又、相対する天井梁13、13に断面コ字形の鋼製の天井小梁21が差し渡され、この天井小梁21の下部に木製の吊木22が取り付けられ、この吊木22に石膏ボードからなる天井材23が取り付けられて天井が形成される。尚、最上階の建物ユニット1は更に天井梁13、13の上に厚み75mmのALC板からなる屋根スラブ25が架け渡され、この上に、塩化ビニル樹脂シートからなる防水シート26が取り付けられて、屋根2が形成される。 【0016】又、外壁を設ける場所には、床梁12と天井梁13との間に厚み100mmのALCからなる外壁材32が架け渡されて取り付けられ、外壁材32の内側に石膏ボートからなる内壁材が取り付けられ、この外壁材32と内壁材との間にロックウールからなる断熱材が取り付けられて外壁が形成される。4は、図2および図5に示すように、ポリ塩化ビニル樹脂被覆鋼製の金属板であり、この金属板4は断面U字形の溝部41と、この溝部41の両側に延設された取付片42とからなる長尺体である。 【0017】最上階の建物ユニット1の上端面の屋根スラブ25と隣接する建物ユニット1の上端面の屋根スラブ25との間にこの金属板4を架け渡すと、この金属板4の溝部41が溝5となる。そして、この取付片42の上に、屋根スラブ2の上に取り付けられている防水シート26の周縁部が接着剤で接着されている。このような構造になっているから、防水シート26の上に降った雨水が溝5の中に流れて行くようになっている。尚、この溝5の下にはALCからなる渡しスラブ27が建物ユニット1と隣接する建物ユニット1との間に差し渡されている。6は竪樋であり、この竪樋6は4個の建物ユニット1の柱11が集まって形成する中央空所に取り付けられ、竪樋6の上端が溝5に接続されている。従って、溝5を流れる雨水はこの竪樋6を通って地上に導かれるようになっている。 【0018】次に、この建物の施工方法および作用について説明する。工場で、短辺と長辺とからなる矩形の四隅に4本の断面四角形筒状の鋼製の柱11、11、11、11を配置し、この4本の柱11の上部を短辺と長辺に沿って4本の断面コ字形の鋼製の天井梁13、13、13、13で連結し、4本の柱11の下部を短辺と長辺に沿って4本の断面コ字形の鋼製の床梁12、12、12、12で連結して建物ユニット1の骨格を製造する。 【0019】この建物ユニット1の骨格の相対する床梁12、12に厚み125mmのALC板からなる床材14を差し渡し、この上に大引板15を取り付け、更に、この上に木製の床根太16を取り付け、この上にパーチクルボードからなる床材17を取り付けて床を形成する。又、相対する天井梁13、13に断面コ字形の鋼製の天井小梁21を差し渡し、この天井小梁21の下面に木製の吊木22を取り付け、この吊木22に天井材23を取り付けて天井を形成する。又、外壁を設ける場所には、床梁12と天井梁13との間に厚み100mmのALCからなる外壁材32を架け渡して取り付け、外壁材32の内側に石膏ボートからなる内壁材を取り付け、この外壁材32と内壁材との間にロックウールからなる断熱材を取り付けて外壁を形成する。 【0020】更に、浴槽や押し入れ等の家具を取り付けたり内装や外装を行ったりして建物ユニット1を完成させるる。尚、最上階の建物ユニット1には、天井梁13、13の上に厚み75mmのALC板からなる屋根スラブ25を架け渡し、この上に、塩化ビニル樹脂シートからなる防水シート26を取り付けて、屋根2を形成する。 【0021】このようにして製造した建物ユニット1および最上階の建物ユニット1を施工現場に運搬する。この際、最上階の建物ユニット1は通常の建物ユニット1に75mmのALC板からなる屋根スラブ25が取り付けられているだけであるから、高さが通常の建物ユニット1とほとんど同じで、これを施工現場に運搬するのになんら支障がない。施工現場では、予め設けている土台の上に建物ユニット1を複数個据え付ける。この際、最上階には最上階の建物ユニット1を取り付ける。その後、建物ユニット1と隣接する建物ユニット1との接続部の仕上げや内作、外作等の仕上げ、屋根部分の仕上げ等の排水構造、電気・ガス・水道等の接続をしてユニット建物を完成する。 【0022】この際の屋根部分の仕上げ等の排水構造について詳細に説明する。先ず、4個の建物ユニット1の柱11が集まって形成する中央空所に竪樋6を取り付ける。又、ロックウールからなる断熱材27を最上階の建物ユニット1と隣接する建物ユニット1との間に差し渡して取り付ける。次に、最上階の建物ユニット1の上端面の屋根スラブ25と隣接する建物ユニット1の上端面の屋根スラブ25との間に金属板4を架け渡す。すると、この金属板4の溝部41が溝5となる。この金属板4の溝部41に通孔を設け、この通孔の周縁部に竪樋6の上端を接続する。 【0023】次に、この金属板4の取付片42の上面に、屋根スラブ25の上に取り付けられている防水シート26の側縁部を接着剤で接着する。すると、防水シート26の上に降った雨水が溝5を経て竪樋6を通って地上に流れてゆくようになる。尚、1個の建物ユニット1は運搬可能な大きさであるから、この上端面に設けられたほぼ水平な防水シート26はそれ程広くない。従って、このほぼ水平な防水シート26の上に雨水が溜まっても、この雨水は余り多くならず、建物ユニット1と隣接する建物ユニット1との間に設けられた溝5の中に流れてゆく。 【0024】このように、施工現場では金属板4を取り付けて溝5を設け、工場で取り付けた防水シート26の縁部を金属板4に取り付け、竪樋6を取り付け、この溝5と竪樋6とを接続するだけであるから、現場施工が極めて簡単であるし、施工現場の作業が少なくなる。従って、施工現場での施工工数が少ないというユニット建物の特徴が発揮でき、極めて価値がある。 【0025】 【発明の効果】請求項1記載の発明のユニット建物では、最上階の建物ユニットの上端面にほぼ水平な防水シートが設けられ、この最上階の建物ユニットの上端面と隣接する建物ユニットの上端面との間に溝が設けられているから、最上階の建物ユニットの上に降った雨水は、建物ユニットの上端面に設けられたほぼ水平な防水シートの上に溜まり、その後、建物ユニットと、この建物ユニットに隣接する建物ユニットとの間に設けられた溝の中に流れてゆく。そして、本発明においては建物ユニットとこの建物ユニットに隣接する建物ユニットとの柱間にこの溝に接続されている竪樋が設けられているから、溝の中に流れた雨水は溝の中から竪樋を通って地上に流れてゆく。このように、本発明では、雨水が支障なく竪樋を通って地上に流れてゆくので安心である。 【0026】請求項2記載の発明では、工場で上端面にほぼ水平な屋根スラブと、この屋根スラブの上に防水シートが取り付けられた建物ユニットを製造する。この防水シートを設けることは設備の整った工場で行うから簡単に設けることができる。しかも、このように建物ユニットの上端面に防水シートを設けても建物ユニットがそれほど高くならず、簡単に施工現場に運搬できる。次に、施工現場でこれ等の複数個の建物ユニットを最上階に据え付け、断面コ字形の本体の両側に取付片が延設された長尺体からなる金属板を、この最上階の建物ユニットの上端面と隣接する建物ユニットの上端面との間に架け渡してこの金属板で建物ユニットと隣接する建物ユニットとの間に溝を形成するから、建物ユニットと隣接する建物ユニットとの間に溝を簡単に設けることができる。 【0027】その後、建物ユニットの上端面に設けられた防水シートの周縁部を金属板の上面に取り付け、建物ユニットと隣接する建物ユニットとの柱間に竪樋を設け、この竪樋の上端を溝に接続するから、防水シートの上に降った雨水が溝を経て竪樋に流れるようになる。このように、施工現場では金属板を取り付けて溝を設け、工場で取り付けた防水シートの周縁部を溝に取り付け、竪樋を取り付け、この溝と竪樋とを接続するだけであるから、現場施工が極めて簡単であるし、施工現場で作業が少なくなるので、施工現場での施工工数が少ないというユニット建物の特徴が発揮でき、極めて価値がある。
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