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発明の名称 ドア密閉構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−291748
公開日 平成9年(1997)11月11日
出願番号 特願平8−95596
出願日 平成8年(1996)4月17日
代理人
発明者 酒田 義雄
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ドアが蝶番によりドア枠体に開閉自在に取り付けられ、ドアを開ける時にはドアを上昇させ、ドアを閉じる時にはドアを降下させてドアを床面に密着させるドア密閉構造において、前記蝶番は、ドアの開閉操作に連動してドアを昇降させる手段を備えていることを特徴とするドア密閉構造。
【請求項2】 蝶番は、ドア側に取り付けられるドア取付片と、ドア枠体側に取り付けられる枠体取付片と、結合軸とからなり、ドア取付片の側縁には、下部が傾斜面になされた上部結合部が設けられ、枠体取付片の側縁には、上部が傾斜面になされた下部結合部が設けられ、上部結合部と下部結合部とは、上部結合部を上にして、少なくともいずれか一方に挿嵌された結合軸を介して上下に結合され、ドアを閉めた時に両傾斜面は合致するようになされ、ドア取付片と枠体取付片が回動自在になされていることを特徴とする請求項1記載のドア密閉構造。
【請求項3】 蝶番の下部結合部の上部が、軸芯に対して傾斜した傾斜面と軸芯に対して略直交した水平面とで形成されていることを特徴とする請求項2記載のドア密閉構造。
【請求項4】 下部結合部の傾斜面から水平面への移行部が、曲面になされていることを特徴とする請求項3記載のドア密閉構造。
【請求項5】 蝶番は、ドア側に取り付けられるドア取付片と、ドア枠体側に取り付けられる枠体取付片と、外周面にネジが螺刻された結合軸とからなり、ドア取付片と枠体取付片の側縁には、それぞれ結合部が設けられ、両結合部は結合軸を介して、いずれか一方を上にして上下に結合され、ドアが左開きで結合軸のネジが右ネジの場合、あるいはドアが右開きで結合軸のネジが左ネジの場合、結合軸の一端がドア取付片の結合部に固着され、他端が枠体取付片の結合部に螺入され、ドアが右開きで結合軸のネジが右ネジの場合、あるいはドアが左開きで結合軸のネジが左ネジの場合、結合軸の一端が枠体取付片の結合部に固着され、他端がドア取付片の結合部に螺入され、ドア取付片と枠体取付片が回動自在になされていることを特徴とする請求項1記載のドア密閉構造。
【請求項6】 ドア枠体の戸当たり面と、床面と接するドアの底面とに密封用シール材が止着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のドア密閉構造。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドア開閉操作時にドアを上下に昇降させ、ドアを床面に密着させるドア密閉構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のドア密閉構造としては、例えば、特開昭62−273387号公報に記載されているものが知られている。前記公報記載のドア密閉構造は、ドアを上下させる昇降装置を取り付けたものであって、ドアを開ける時には昇降装置でドアを上昇させ、ドアを閉じる時には昇降装置でドアを降下させてドアと床面とを密封用シール材で密着させ、ドアの密閉性を確実にし、隙間風の発生防止と遮音性の向上が計れると同時に、ドアの開閉を容易にしたものである。
【0003】また、ドア開閉操作時にドアを上下に昇降させ、開いたドアを自然に閉じるためのドア自然閉じ蝶番が、特開平7−102849号公報に記載されて知られている。このドア自然閉じ蝶番は、ドア側に取り付けられるドア取付片と、ドア枠体側に取り付けられる枠体取付片と、結合軸とからなり、ドア取付片の側縁には、軸孔を形成しつつ下端面が螺旋面になされた上部結合部が設けられ、枠体取付片の側縁には、軸孔を形成しつつ上端面が螺旋面になされた下部結合部が設けられ、両螺旋面を密着摺動し得るように組み付け、軸孔に結合軸を嵌挿させてなるものである。上記ドア自然閉じ蝶番によって取り付けられたドアを開けると、螺旋面に沿って上部結合部が回動し、これによりドアが上昇する。また、開けられたドアを放置すると、螺旋面に沿って逆回動し、これによりドアが降下しながら自然に閉まるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の公報記載の従来のドア密閉構造においては、昇降装置が露出して取り付けられているものであるから、建物のドア等に取り付けると外観が悪くなるという問題と、昇降装置やその取付に費用がかかるという問題がある。さらにまた、使用時において、昇降装置のハンドルを手で回してドアを昇降させなければならないので、ドアの開閉に手間がかかるという問題がある。
【0005】また、後者の公報記載のドア自然閉じ蝶番においては、螺旋面に沿って上部結合部が回動するので、ドアは比較的ゆっくり上昇する。このため、ドアを開けるときドアの底面で床面を擦るため、ドアが開けにくいという問題がある。また、開けられたドアを放置すると、自然に閉まるようになっているので、夏期等の高温時にドアを開放したいときには不便である。
【0006】本発明は、上記従来技術の諸問題を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、外観がよく、装置や取付に要する費用が少なく、開閉操作が容易で手間のかからないドア密閉構造を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、請求項1記載のドア密閉構造は、ドアが蝶番によりドア枠体に開閉自在に取り付けられ、ドアを開ける時にはドアを上昇させ、ドアを閉じる時にはドアを降下させてドアを床面に密着させるものにおいて、前記蝶番が、ドアの開閉操作に連動してドアを昇降させる手段を備えているものである。このため、従来のドア密閉構造のように、ドア昇降装置が露出しないので外観がよくなり、装置や取付に要する費用も少なくて済む。また、ドアの開閉操作にも手間がかからない。
【0008】上記ドア密閉構造において、ドアの開閉操作によりドアを昇降させる手段を備えている蝶番とは、ドアの回転運動に連動して上下動し、これによってドアを昇降させるものである。
【0009】請求項2記載のドア密閉構造は、請求項1記載の蝶番が以下のものになされているものである。即ち、蝶番が、ドア側に取り付けられるドア取付片と、ドア枠体側に取り付けられる枠体取付片と、結合軸とからなり、ドア取付片の側縁には、下部が傾斜面になされた上部結合部が設けられ、枠体取付片の側縁には、上部が傾斜面になされた下部結合部が設けられ、上部結合部と下部結合部とは、上部結合部を上にして、少なくともいずれか一方に挿嵌された結合軸を介して上下に結合され、ドアを閉めた時に両傾斜面は合致するようになされ、ドア取付片と枠体取付片が回動自在になされているものである。
【0010】上記蝶番のドア取付片をドア側に取り付け、枠体取付片をドア枠体に取り付け、ドアを開けると、上部結合部の傾斜面が下部結合部の傾斜面に沿って登り、ドア取付片に取り付けられたドアを上昇させる。逆に、ドアを閉じると、上部結合部の傾斜面が下部結合部の傾斜面に沿って下がり、ドアを降下させてドアと床面とを密着させる。従って、蝶番だけでドアが開閉時に昇降し、ドアの密閉性がよくなり、開閉も容易となる。
【0011】請求項3記載のドア密閉構造は、請求項2記載のものにおいて、蝶番の下部結合部の上部が、軸芯に対して傾斜した傾斜面と軸芯に対して略直交した水平面とで形成されているものである。
【0012】従って、ドアの開き始めに、ドア取付片に設けられている上部結合部の傾斜面先端が下部結合部の傾斜面に沿って回動するので、このドア取付片に取り付けられたドアが急上昇する。この結果、ドアが即座に床面から離れ、ドアの底面で床面を擦ることはない。また、ドアを開ききる直前では、ドア取付片が下部結合部の水平面に沿って回動するので、ドアを開けきった状態に放置しても自然に閉まることはない。
【0013】請求項4記載のドア密閉構造は、請求項3記載のものにおいて、下部結合部の傾斜面から水平面への移行部が、曲面になされているものである。すると、上部結合部の傾斜面先端が、下部結合部の傾斜面から水平面にスムースに移行でき、これによりドアの開閉が滑らかになる。
【0014】また、請求項5記載のドア密閉構造は、請求項1記載のドア密閉構造において、蝶番が、以下のものになされているものである。即ち、請求項5記載のドア密閉構造において、蝶番は、ドア側に取り付けられるドア取付片と、ドア枠体側に取り付けられる枠体取付片と、外周面にネジが螺刻された結合軸とからなり、ドア取付片と枠体取付片の側縁には、それぞれ結合部が設けられ、両結合部は結合軸を介して、いずれか一方を上にして上下に結合され、ドアが左開きで結合軸のネジが右ネジの場合、あるいはドアが右開きで結合軸のネジが左ネジの場合、結合軸の一端がドア取付片の結合部に固着され、他端が枠体取付片の結合部に螺入され、ドアが右開きで結合軸のネジが右ネジの場合、あるいはドアが左開きで結合軸のネジが左ネジの場合、結合軸の一端が枠体取付片の結合部に固着され、他端がドア取付片の結合部に螺入され、ドア取付片と枠体取付片が回動自在になされているものである。
【0015】上記蝶番において、ドアが左開きで結合軸のネジが右ネジの場合を例にとると、外周面にネジが螺刻された結合軸の一端がドア取付片の結合部に固着され、他端が枠体取付片の結合部に螺入されているものであるから、左開きのドアを開けると、このドア取付片の結合部に固着されている結合軸が平面視左回転してドアを上昇させる。逆に、ドアを閉じると、ドアの結合部に固着されている結合軸が平面視右回転してドアを降下させ、ドアと床面とを密着させる。従って、前記蝶番と同様、蝶番だけでドアが開閉時に昇降し、ドアの密閉性がよくなり、開閉が容易となる。
【0016】尚、ドアが右開きで結合軸のネジが左ネジの場合や、ドアが右開きで結合軸のネジが右ネジの場合、あるいはドアが左開きで結合軸のネジが左ネジの場合についても、蝶番だけでドアが開閉時に昇降し、ドアの密閉性がよくなり、開閉が容易となる。
【0017】請求項6記載のドア密閉構造は、請求項1〜5のいずれか1項記載のものにおいて、ドア枠体の戸当たり面と、床面と接するドアの底面とに密封用シール材が止着されているものがよい。すると、ドアの密閉性が一層確実となる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図1〜図5に、本発明の第2の実施の形態を図6〜図9に、本発明の第3の実施の形態を図10に、本発明の第4の実施の形態を図11と図12に示す。図1は、ドアを取り外して示したドア密閉構造の要部斜視図であり、図2は図1のドア密閉構造の要部側面図、図3は分解して示す蝶番の正面図、図4(イ)はドアを閉めた時の蝶番の正面図、(ロ)は(イ)図に示す蝶番の平面図、図5(イ)はドアを開けた時の蝶番の正面図、(ロ)は(イ)図に示す蝶番の平面図である。
【0019】図6は本発明の第2の実施の形態における蝶番を分解して示したものであって、(イ)図はドア取付片の正面図、(ロ)図は枠体取付片の正面図、(ハ)図は結合軸の正面図である。図7はドアを閉めたときの図6に示す蝶番であって、(イ)図は蝶番の正面図、(ロ)図は蝶番の平面図、図8はドアを90°回転して開けたときの蝶番であって、(イ)図は蝶番の正面図、(ロ)図は蝶番の平面図、図9はドアを180°回転して開けたときの蝶番であって、(イ)図は蝶番の正面図、(ロ)図は蝶番の平面図である。図10は第3の実施の形態を示すもので、枠体取付片の正面図である。
【0020】図11は第4の実施の形態における蝶番の部品を示すものであって、(イ)図は枠体取付片の正面図、(ロ)図はドア取付片の正面図、(ハ)図は結合軸であり、図12は図11の蝶番を使用したドア密閉構造の要部斜視図である。
【0021】図1〜図12において、1はドア、2はドア枠体、3、3a、3Aは蝶番、4、4a、4Aはドア取付片、5、5a、5Aは枠体取付片、6、6a、6Aは結合軸、8、9はシール材、10は床面であり、Cはドア底面と床面との隙間を示す。
【0022】まず、本発明の第1の実施の形態を図1〜図5を参照して説明する。ドア1は、建物の室内に設置されているものであって、蝶番3によりドア枠体2に開閉自在に取り付けられ、左開きになされている。ドア枠体2の周囲3方に取り付けられている戸当たり面21には、密封用シール材9が取り付けられ、床面10と接するドア1の底面にも密封用シール材8が取り付けられている。この密封用シール材8、9は、いずれもポリエチレン発泡シート製である。
【0023】上記ドア1を開ける時にはドア1が上昇し、ドア1の底面と床面10との間に隙間Cが形成されるようになされているので、ドア1の開閉が容易になる。また、ドア1を閉じる時にはドア1が降下し、ドア1の底面に取り付けられている密封シール材8が床面10に密着し、戸当たり面21には密封シール材9が取り付けられているので、ドア1が戸当たり面21に密着するので、ドア1が確実に密閉されるドア密閉構造となっている。
【0024】上記のドア密閉構造は、蝶番3が、ドア1の開閉操作によりドア1を昇降させる手段を備えているものとすることにより達成される。そこで、蝶番3について詳しく説明する。
【0025】蝶番3は、図3に示すように、ドア1側に取り付けられるドア取付片4と、ドア枠体2側に取り付けられる枠体取付片5とからなっている。ドア取付片4の側縁上方には、円柱形状の上部結合部41が設けられ、この上部結合部41の下部は傾斜した平面で切断された傾斜面42になされ、この傾斜面42から下方に向かって同軸上に、上部結合部41の直径より小さくなされた断面円形の結合軸6が垂設されている。この結合軸6は、上部結合部41と一体になされていてもよいし、あるいは上部結合部41の中に挿入されて取り付けられていてもよい。43はビス孔であって、ドア取付片4をビス7でドア1に取り付けることができるようになされている。
【0026】枠体取付片5の側縁下方には、円筒形状の下部結合部51が設けられている。この下部結合部51の外径は、前記上部結合部41の外径とほぼ同じになされ、下部結合部51の内径は、結合軸6の外径より僅かに大きくなされ、結合軸6が下部結合部51の中に挿嵌可能になされている。下部結合部51の上部は、前記傾斜面41と同じ傾斜角度で傾斜した傾斜面52になされている。53はビス孔であって、枠体取付片5をビス7でドア枠体2に取り付けることができるようになされている。
【0027】蝶番3は、図4に示すように、組立時において上部結合部41を上にして上部結合部41と下部結合部51とが上下に配置され、ドア1を閉めた時に傾斜面42、52が合致するようになされ、結合軸6が下部結合部51の中に挿嵌されて結合され、ドア取付片4と枠体取付片5とが回動自在になされている。
【0028】上記蝶番3の取付方法は、従来から使用されている従来の蝶番と同様にして取り付けることができる。結合軸6を下部結合部51に挿入してドア取付片4と枠体取付片5を組み立てて蝶番3となし、この蝶番3のドア取付片4をドア1の上側部と下側部の2か所にビス7で取り付け、枠体取付片5をドア枠体2にビス7で取り付ける。
【0029】この蝶番3が取り付けられたドア1を開けると、上部結合部41の傾斜面42が下部結合部51の傾斜面52に沿って登り、ドア取付片4に取り付けられたドア1を上昇させる。逆に、ドア1を閉じると、上部結合部41の傾斜面42が下部結合部51の傾斜面52に沿って下がり、ドア1を降下させてドア1と床面10とを密着させる。従って、蝶番3だけでドア1が開閉時に昇降し、ドア1が密閉され、開閉も容易となるので、従来のドア密閉構造のように、ドア昇降装置が露出しないので外観がよくなり、設備や取付に要する費用も少なくて済む。また、ドア1の開閉操作にも手間がかからない。
【0030】つぎに、本発明の第2の実施の形態を図6〜図9を参照して説明する。本発明に係る蝶番3aは、前記の実施の形態と同様、建物の室内に設置されているドア1をドア枠体2に開閉自在に取り付けるものであって、このドア1は左開きになされている。
【0031】蝶番3aは、ドア1を開ける時にはドア1を上昇させ、ドア1の底面と床面との間に隙間を形成させ、ドア1の開閉を容易にし、また、ドア1を閉じる時にはドア1を降下させ、ドア1の底面を床面に密着させるようにするものである。
【0032】蝶番3aは、図6に示すように、ドア1側に取り付けられる長方形のドア取付片4aと、ドア枠体2側に取り付けられる長方形の枠体取付片5aと、結合軸6aとからなっている。ドア取付片4aは、長辺側に、円筒形状の上部結合部41aが設けられている。この上部結合部41aの下端面は、軸芯に対して傾斜した平面で切断された傾斜面42aと、軸芯に対して略直交した平面で切断された水平面42bとで形成されている。43aはビス孔であって、ドア取付片4aをビスでドア1に取り付けることができるようになされている。
【0033】枠体取付片5aは、長辺側に、円筒形状の下部結合部51aが設けられている。この下部結合部51aの外径は、前記上部結合部41aの外径とほぼ同じになされている。下部結合部51aの上端面は、前記上部結合部41aの傾斜面42aと同じ傾斜角度で傾斜した傾斜面52aと水平面52bとで形成されている。53aはビス孔であって、枠体取付片5aをビスでドア枠体2に取り付けることができるようになされている。
【0034】結合軸6aは、一端が頭部61a付きになされ、頭部61aが上部結合部41aに係止され、上部結合部41aと下部結合部51aの中に挿入可能な外径になされている。
【0035】蝶番3aは、図7に示すように、上部結合部41aと下部結合部51aとが、上部結合部41aを上にして、結合軸6aを介して上下に結合され、ドア1を閉めた時に上部結合部41aの下端面と下部結合部51aの上端面とが合致するようになされ、ドア取付片4aと枠体取付片5aとが回動自在になされている。
【0036】上記蝶番3aを使用して、ドア1をドア枠体2に取り付ける方法は、前記の蝶番1と同様にして取り付けることができる。結合軸6aを上部結合部41aと下部結合部51aに挿入して蝶番3aを組み立て、この蝶番3aのドア取付片4aをドア1にビスで取り付け、枠体取付片5aをドア枠体2にビスで取り付ける。
【0037】この蝶番3aが取り付けられたドア1を開けると、開閉角度が0〜90°の範囲においては、図8に示すように、上部結合部41aの傾斜面42aが下部結合部51aの傾斜面52aに沿って回動するので、ドア取付片4aに取り付けられたドア1が急上昇する。さらに、ドア1をさらに開けて、開閉角度が90°〜180°の範囲になると、図9に示すように、上部結合部41aの傾斜面42aが下部結合部51aの水平面52bに沿って回動するので、ドア1はこれ以上上昇することはなく、ドア1を開けきった状態に放置しても自然に閉まることはない。
【0038】逆に、ドア1を閉じると、上部結合部41aの傾斜面42aが下部結合部51aの水平面52bを経て傾斜面52aに沿って回動するので、ドア1が降下し、ドア1と床面10とを密着させる。
【0039】つぎに、本発明の第3の実施の形態を、図10を参照して説明する。本実施の形態における蝶番が、前記第2の実施の形態に示した蝶番3aと異なるところは、枠体取付片5aの側縁に設けられた下部結合部51aの上部だけであって、他は同じになされている。従って、異なるところだけ別符号をつけて説明し、同符号のところは説明を省略する。
【0040】図10に示す枠体取付片5aの下部結合部51aにおいて、傾斜面52aから水平面52bへの移行部52cが曲面になされているものである。
【0041】従って、上部結合部41aの傾斜面42aが、下部結合部51aの傾斜面52aから曲面になされた移行部52cを経て水平面52bへと回動するので、ドア1の開閉がスムースとなる。
【0042】つぎに、本発明の第4の実施の形態を、図11と図12を参照して説明する。本実施の形態は、前記実施の形態と同様、ドア1が、建物の室内に設置されているものであって、蝶番3、3aの替わりに蝶番3Aによりドア枠体2に開閉自在に取り付けられ、左開きになされている。
【0043】本発明に係るドア密閉構造は、蝶番3Aが、ドア1の開閉操作によりドア1を昇降させる手段を備えているものとすることにより達成される。そこで、蝶番3Aについて詳細に説明する。
【0044】蝶番3Aは、図11に示すように、ドア1側に取り付けられるドア取付片4Aと、ドア枠体2側に取り付けられる枠体取付片5Aと、外周面に右ネジが螺刻された結合軸6Aとからなっている。結合軸6Aは、頭付きのネジ棒であって、先端61Aの外径が先細になされている。
【0045】上記ドア取付片4Aと枠体取付片5Aの側縁には、それぞれ結合部41Aと51Aとが設けられでいる。結合部41Aは、内径が結合軸6Aの外径より小さい内径を有する円筒形状になされ、結合軸51Aは、内周面に結合軸6Aを螺入可能な雌ネジ52Aが螺刻された円筒形状になされている。なお、43Aと53Aは、ドア1及びドア枠体2に取り付けるためのビス孔である。
【0046】蝶番3Aの組み立て状態において、結合部51Aは上になされ、結合部51Aと結合部41Aとは結合軸6Aを介して上下に間隔をあけて結合されている。これによって、蝶番3Aのドア取付片4Aと枠体取付片5Aが回動自在に取り付けられている。この際、結合軸6Aは、結合部51Aの内周面に螺刻された雌ネジ52Aの中を貫通して螺入され、結合軸6Aの先端側は、接着剤が塗布され、結合部41Aの内周面に螺刻しながら挿入され、固着されている。
【0047】上記蝶番3Aの取付方法は、従来から使用されている従来の蝶番と同様にして取り付けることができる。結合軸6Aを結合部51Aに挿入してドア取付片4Aと枠体取付片5Aを組み立てて蝶番3Aとなし、この蝶番3Aのドア取付片4Aをドア1の上側部と下側部の2か所にビス7で取り付け、枠体取付片5をドア枠体2にビス7で取り付ける。
【0048】上記蝶番3Aにおいて、ドア1が左開きで結合軸6Aのネジが右ネジになされ、外周面にネジが螺刻された結合軸6Aの先端側がドア取付片4Aの結合部41Aに接着剤で固着され、他端が枠体取付片5Aの結合部51Aに螺入されているものであるから、左開きのドア1を開けると、このドア取付片4Aの結合部41Aに固着されている結合軸6Aが平面視左回転してドア1を上昇させる。逆に、ドア1を閉じると、ドア1の結合部41Aに固着されている結合軸6Aが平面視右回転してドア1を降下させ、ドア1と床面とを密着させる。従って、蝶番3Aだけでドア1を開閉時に昇降させ、ドア1の密閉と開閉を容易にさせることができる。
【0049】なお、上記蝶番3Aにおいて、枠体取付片5Aの結合部51Aを上にして両結合部51Aと41Aとが上下に結合されたものとしたが、これとは逆に、ドア取付片4Aの結合部41Aを上にして両結合部41Aと51Aとが上下に結合されたものとしてもよい。
【0050】
【発明の効果】請求項1のドア密閉構造は、蝶番が、ドアの開閉操作によりドアを昇降させる手段を備えているものであるから、従来のドア密閉構造のように、ドア昇降装置が露出しないので外観がよくなるという意匠面の効果と、装置や取付に要する費用も少なくて済むという経済面の効果がある。また、ドアの開閉操作にも手間がかからないので、使用に便利であるという効果もある。
【0051】請求項2のドア密閉構造は、ドアを開けると、蝶番の上部結合部の傾斜面が下部結合部の傾斜面に沿って登り、ドア取付片に取り付けられたドアを上昇させるので、ドアの開閉操作に手間がかからないので、使用に便利である。逆に、ドアを閉じると、蝶番の上部結合部の傾斜面が下部結合部の傾斜面に沿って下がり、ドアを降下させてドアと床面とを密着させるので、ドアの密閉性がよくなる。
【0052】請求項3のドア密閉構造は、ドアの開き始めにドア取付片が枠体取付片の傾斜面に沿って回動するので、ドア取付片に取り付けられたドアが急上昇して、ドアが即座に床面から離れ、ドアの底面で床面を擦ることがなくなり、ドアの開閉操作が容易となると同時に、床面の損傷を少なくできる。また、ドアを開ききる直前では、ドア取付片が枠体取付片の水平面に沿って回動するので、ドアを開ききった状態にほうちしても自然に閉まることはない。
【0053】請求項4のドア密閉構造は、下部結合部の上部の傾斜面から水平面への移行部が曲面になされているので、ドアの開閉が滑らかになる。
【0054】請求項5のドア密閉構造は、ドアが左開きで結合軸のネジが右ネジの場合、外周面にネジが螺刻された結合軸の一端がドア取付片の結合部に固着され、他端が枠体取付片の結合部に螺入されているものであるから、ドアを開けると、このドア取付片の結合部に固着されている結合軸が平面視左回転してドアを上昇させるので、ドアの開閉操作に手間がかからないので、使用に便利である。逆に、ドアを閉じると、ドアの結合部に固着されている結合軸が平面視右回転してドアを降下させ、ドアと床面とを密着させるので、ドアの密閉性がよくなる。
【0055】請求項6のドア密閉構造においては、ドア枠体の戸当たり面と、床面と接するドアの底面とに密封用シール材が止着されているので、ドアの密閉を一層確実にすることができる。
 

 
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