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発明の名称 建物の配管構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−291569
公開日 平成9年(1997)11月11日
出願番号 特願平8−105337
出願日 平成8年(1996)4月25日
代理人
発明者 長谷川 祥子
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 室内の壁際に板材を立てて壁と板材との間に配管スペースを形成し、この配管スペースに配管シャフトを配設させている建物の配管構造において、前記配管スペースの前方に化粧板が前記板材を覆い隠すようにして設けられ、前記配管スペースの横に隣接して収納キャビネットが設けられ、前記化粧板の前面と前記収納キャビネットの前面がほぼ面一に配設されていることを特徴とする建物の配管構造。
【請求項2】 前記収納キャビネットの前面に、前記化粧板と形状ならびに材質が同一の前板が設けられている請求項1記載の建物の配管構造。
【請求項3】 前記化粧板と前記収納キャビネットの前板との間に、前方に開口した収納空間が設けられている請求項2記載の建物の配管構造。
【請求項4】 前記化粧板と前記板材との間に収納スペースが設けられている請求項1ないし3記載の建物の配管構造。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、建物の配管構造に関する。
【0002】
【従来の技術】 多層建物では、給水管,排水管,ガス管,給湯管等の配管シャフトが複数の階に亘って上下に設けられており、一般的には、これらの配管シャフトは室内の壁際等に配設されている。従って、配管シャフトを室内に剥き出しのままにしておくと、室内の美観が損なわれるし、配管シャフト内を流れる水の音が室内に響くため、室内の壁際に板材を立てて壁と板材との間に配管スペースを設け、この配管スペースに配管シャフトを配設させるのが一般的になっている。ところが、配管シャフトは必ずしも部屋の隅等の目立たない場所に配設できるとは限らず、目立ってしまう場合がある。そこで、従来は、建物の外壁内に配管シャフトを設ける構造が提案されている(特開昭63−138071号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、このような従来の配管構造にあっては、建物の外壁を薄くすることができなくなるし、配管工事を済ませてからでなければ建物の内装工事を行うことができず施工手順が制約されるという問題があった。
【0004】そこで、本発明は、上記のような問題に着目し、室内の美観を損なわずに配管シャフトを配設することができると共に、建物の内装を済ませてからでも配管工事を行うことができる建物の配管構造を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、請求項1記載の建物の配管構造では、室内の壁際に板材を立てて壁と板材との間に配管スペースを形成し、この配管スペースに配管シャフトを配設させている建物の配管構造において、前記配管スペースの前方に化粧板が前記板材を覆い隠すようにして設けられ、前記配管スペースの横に隣接して収納キャビネットが設けられ、前記化粧板の前面と前記収納キャビネットの前面がほぼ面一に配設されている構成とした。なお、請求項2記載の建物の配管構造のように、前記収納キャビネットの前面には、前記化粧板と形状ならびに材質が同一の前板を設けるのが望ましい。また、請求項3記載の建物の配管構造のように、前記化粧板と前記収納キャビネットの前板との間には、前方に開口した開放収納部を設けるのが望ましい。更に、請求項4記載の建物の配管構造のように、前記化粧板と前記板材との間に収納スペースを設けてもよい。なお、前記収納キャビネットの前板とは、収納キャビネットの収納スペースを開閉するための扉であってもよいし、収納キャビネットの収納スペースに設けられている引き出しの前部であってもよいし、収納キャビネットに固定されている化粧板であってもよい。
【0006】
【作用】 請求項1記載の建物の配管構造では、配管スペースの前方に化粧板が設けられ、配管スペースの横に隣接して収納キャビネットが設けられ、前記化粧板の前面と前記収納キャビネットの前面がほぼ面一に配設されているので、前記化粧板と前記収納キャビネットが連続したひとつの収納キャビネットに見える。また、配管シャフトを配設するための配管スペースが室内に設けられているので、建物の内装を済ませてからでも配管工事を行うことができる。
【0007】請求項2記載の建物の配管構造では、収納キャビネットの前面に、配管スペースの前方に設けられている化粧板と形状ならびに材質が同一の前板が設けられているので、前記化粧板と前記収納キャビネットの一体感がより強くなる。
【0008】請求項3記載の建物の配管構造では、化粧板と前記収納キャビネットの前板との間に、前方に開口した収納スペースが設けられているので、この収納スペースに装飾品等を置いて室内を演出することができる。
【0009】請求項4記載の建物の配管構造では、配管スペースを形成している板材と、配管スペースの前方に設けられている化粧板との間に収納スペースが設けられているので、収納容量の拡大を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】 以下、図1〜図5に基づいて、実施の形態1の建物の配管構造について詳述する。図1は実施の形態1の建物の配管構造を示す正面図、図2は実施の形態1の建物の配管構造を示すA−A断面図、図3は実施の形態1の建物の配管構造を示すB−B断面図、図4は実施の形態1の建物の配管構造を示すC−C断面図、図5は実施の形態1の建物の配管構造を示すD−D断面図である。
【0011】図中1は建物の壁、2a,2b,2cは配管シャフトで、これらの配管シャフト2a,2b,2cは、室内の壁1際に形成されている配管スペースPS内に上下方向に配設されている。
【0012】前記配管スペースPSは、前記壁1と、その壁1際に設けられた板材3a,3b,3cとの間に形成されている。前記板材3a,3b,3cは、配管シャフト2a,2b,2cを左右両側方ならびに前方から取り囲むようにして設けられており、左右の板材3a,3bは、その内側に木枠4a,4bが固定され、強度が保持されている。
【0013】図中5は収納キャビネットで、この収納キャビネット5は、配管スペースPSの右横に壁1に沿って設置されており、前記配管スペースPSよりも奥行き寸法が大きい右キャビネット6と左キャビネット7で構成されている。
【0014】また、前記右キャビネット6ならびに前記左キャビネット7は、それぞれ、台枠61,71と下キャビネット72,72と上キャビネット63,73で構成されており、前記右キャビネット6の上キャビネット63内は5枚の棚板64によって6つの収納スペースに仕切られている。また、前記左キャビネット7の上キャビネット73の上部には仕切り板74が横向きに設けられていて、左キャビネット7の上部に照明器具用の収納スペースを形成しており、その前記仕切り板74よりも下の空間は、3枚の棚板75によって4つの収納スペースに仕切られている。更に、前記左キャビネット7の下キャビネット72の上部には引き出し76が設けられている。なお、前記左キャビネット7の仕切り板74には、照明器具取付用の孔741が設けられている。
【0015】また、前記右キャビネット6の前面には、上キャビネット63の一番上の収納スペースを開閉する上扉65と、上キャビネット63の残りの収納部分を開閉する中扉66と、下キャビネット62の収納スペースを開閉する下扉67とが面一に設けられている。更に、前記左キャビネット7の前面には、照明器具用の収納スペースを閉じる化粧板77と、前記引き出し76の前板761と、下キャビネット72の引き出し76以外の収納スペースを開閉する下扉78とが面一に設けられている。すなわち、前記収納キャビネット5は、左キャビネット7の上キャビネット73の仕切り板74よりも下の収納スペースのみ前方に開口したままになっている。
【0016】図中10は上化粧板、11は中化粧板、12は下化粧板で、これらは前記配管スペースPSの前方に面一に設けられている。そして、前記上化粧板10は、前記右キャビネット6の上扉65と形状ならびに材質が同一になっており、前記中化粧板11は、前記右キャビネット6の中扉66と形状ならびに材質が同一になっており、前記下化粧板12は、前記右キャビネット7の下扉67と形状ならびに材質が同一になっており、これにより、上化粧板10,中化粧板11,下化粧板12と前記収納キャビネット5の一体感が強くなっている。また、上化粧板10,中化粧板11,下化粧板12の前面と、右キャビネット6の上扉65,中扉66,下扉67の前面と、左キャビネット7の化粧板77,引き出し76の前板761,下扉78の前面は、面一になっており、これにより、上化粧板10,中化粧板11,下化粧板12と前記収納キャビネット5の一体感がより一層強くなっている。なお、上化粧板10,中化粧板11,下化粧板12は、木枠13を介して前方の板材3cに固定されている。また、下化粧板12の下には幕板14が設けられており、この幕板14は、右キャビネット6の台枠61ならびに左キャビネット7の台枠71と形状ならびに材質が同一であると共に、これらの台枠61,71と前面が面一になっており、これにより、幕板14と台枠61,71との一体感が強くなっている。
【0017】前記収納キャビネット5の高さ寸法は、床Fから天井Rまでの寸法よりもやや小さく形成されており、収納キャビネット5と天井Rとの間に生じる隙間は、前記収納キャビネット5の上面に固定された目隠し板8と、天井Rに固定された飾り縁9とで閉じられている。なお、前記目隠し板8と前記飾り縁9は、収納キャビネット5の上方だけでなく、上化粧板10と天井Rとの間にまで延長されていて、これにより、上化粧板10,中化粧板11,下化粧板12と前記収納キャビネット5の一体感がより強くなっている。
【0018】つまり、本実施の形態1の建物の配管構造にあっては、配管スペースPSの前方に設けられている上化粧板10,中化粧板11,下化粧板12と収納キャビネット5が連続したひとつの収納キャビネットに見えるので、室内の美観を損なわずに配管シャフト2a,2b,2cを配設することができる。しかも、配管シャフト2a,2b,2cを配設するための配管スペースPSが室内に設けられているので、建物の内装を済ませてからでも配管工事を行うことができる。また、左キャビネット7に、前方に開口した収納スペースが設けられているので、この収納スペースに絵や花等の装飾品を置いて室内を演出することもできる。
【0019】次に、図6に基づいて、実施の形態2の建物の配管構造について説明する。
【0020】実施の形態2の配管構造では、配管スペースPSを形成している前方の板材3cと、上化粧板10,中化粧板(図示省略)、下化粧板(図示省略)との間の間隔が広くなっていると共に、前記上化粧板10,中化粧板、下化粧板と壁1との間に側板15a,15bが設けられていて、それらの間に収納スペースが設けられている。また、前記上化粧板10,中化粧板、下化粧板は、扉と同様に開閉動作できるようになっている。更に、右キャビネット6Aならびに左キャビネット7Aは、前面が前記上化粧板10,中化粧板、下化粧板の前面と面一になるように奥行き寸法が設定されている。つまり、実施の形態1に比べて、右キャビネット6Aならびに左キャビネット7Aの奥行き寸法が大きくなると共に、板材3cと上化粧板10,中化粧板、下化粧板との間との間に収納スペースが形成されるので、収納容量が格段に大きくなる。
【0021】以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、実施の形態では、収納キャビネットが複数のキャビネットで構成されている例を示したが、収納キャビネットはひとつのキャビネットで構成されていてもよい。
【0022】
【発明の効果】 以上説明したように、請求項1記載の建物の配管構造にあっては、配管スペースの前方に設けられている化粧板と収納キャビネットが連続したひとつの収納キャビネットに見えるので、室内の美観を損なわずに配管シャフトを配設することができ、しかも、配管シャフトを配設するための配管スペースが室内に設けられているので、建物の内装を済ませてからでも配管工事を行うことができるという効果が得られる。
【0023】請求項2記載の建物の配管構造にあっては、収納キャビネットの前面に、配管スペースの前方に設けられている化粧板と形状ならびに材質が同一の前板が設けられているので、前記化粧板と前記収納キャビネットの一体感がより強くなるという効果が得られる。
【0024】請求項3記載の建物の配管構造にあっては、化粧板と前記前板との間に、前方に開口した収納スペースが設けられているので、この収納スペースに装飾品等を置いて室内を演出することができるという効果が得られる。
【0025】請求項4記載の建物の配管構造にあっては、配管スペースを形成している板材と、配管スペースの前方に設けられている化粧板との間に収納スペースが設けられているので、収納容量の拡大を図ることができるという効果が得られる。
 

 
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