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発明の名称 小屋裏部屋付建物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−287280
公開日 平成9年(1997)11月4日
出願番号 特願平8−98370
出願日 平成8年(1996)4月19日
代理人
発明者 小林 清貴
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 最上階の天井下に小屋裏部屋が設けられ、この小屋裏部屋の側壁が最上階の居室に露出し、前記小屋裏部屋の床もしくは側壁に人が出入り可能な出入口が設けられ、この出入口に人が昇降可能な昇降手段が設けられている小屋裏部屋付建物において、前記小屋裏部屋が、仕切り壁によって仕切られた2つ以上の居室と連通していることを特徴とする小屋裏部屋付建物。
【請求項2】 小屋裏部屋の側壁の居室に露出している部分が腰壁の高さに形成されていて、小屋裏部屋は、この側壁と天井との間で居室に開放されている請求項1記載の小屋裏部屋付建物。
【請求項3】 最上階の天井上に小屋裏部屋が設けられ、この小屋裏部屋の床に人が出入り可能な出入口が設けられ、この出入口に人が昇降可能な昇降手段が設けられている小屋裏部屋付建物において、前記小屋裏部屋が、仕切り壁によって仕切られた2つ以上の居室と連通していることを特徴とする小屋裏部屋付建物。
【請求項4】 前記小屋裏部屋と連通している各居室に、屋外に開口した開口部が設けられている請求項1ないし3記載の小屋裏部屋付建物。
【請求項5】 前記出入口ならびに前記昇降手段が複数設けられていて、複数の居室から小屋裏部屋に出入り可能である請求項1ないし4記載の小屋裏部屋付建物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、小屋裏部屋付建物に関する。
【0002】
【従来の技術】 収納スペースの確保を目的として、従来より、小屋裏空間を収納スペースにした建物が知られている(特開平5−118126号公報や特開平5−118127号公報参照)。収納スペースとして使用できる小屋裏空間を一般的に小屋裏部屋と称するが、最も一般的な小屋裏部屋は、最上階の居室の天井の上に設けられており、この天井の一箇所に人が出入り可能な出入口が設けられ、この出入口に人が昇降可能な昇降手段が設けられた構造になっている。
【0003】近年では、収納スペースの確保に加えて空間の演出も目的として、図5に示すように、最上階の居室の天井10の下に小屋裏部屋LOを設けた建物も知られている。この建物の場合、小屋裏部屋LOの側壁が最上階の居室(リビングダイニング)LDに露出しており、その側壁のひとつが腰壁の高さになっていて、この側壁よりも上の部分が居室LDに開放された構造になっている。また、この腰壁の高さの側壁には人が出入り可能な出入口20が設けられ、この出入口20には人が昇降可能な梯子などの昇降手段30が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、前者のタイプの小屋裏部屋付建物は、建物の屋根等に窓や換気口等の開口部を設けない限り小屋裏部屋の換気がほとんど行われないが、屋根等に開口部を設けるためには多くのコストがかかるという問題があった。
【0005】後者のタイプの小屋裏部屋付建物は、建物の屋根に窓や換気口等の開口部を設けない限り小屋裏部屋の換気量を十分に確保できず、その結果、小屋裏部屋が開放している居室で発生した煙やガス、そして暖気等が上昇して小屋裏部屋にこもり易いという問題があった。
【0006】そこで、本発明は、上記のような問題に着目し、コスト高にならないようにして小屋裏部屋の換気量を十分に確保することができる小屋裏部屋付建物を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、請求項1記載の小屋裏部屋付建物では、最上階の天井下に小屋裏部屋が設けられ、この小屋裏部屋の側壁が最上階の居室に露出し、前記小屋裏部屋の床もしくは側壁に人が出入り可能な出入口が設けられ、この出入口に人が昇降可能な昇降手段が設けられている小屋裏部屋付建物において、前記小屋裏部屋が、仕切り壁によって仕切られた2つ以上の居室と連通している構成とし、請求項2記載の小屋裏部屋付建物では、小屋裏部屋の側壁の居室に露出している部分が腰壁の高さに形成されていて、小屋裏部屋は、この側壁と天井との間で居室に開放されている構成とし、請求項3記載の小屋裏部屋付建物では、最上階の天井上に小屋裏部屋が設けられ、この小屋裏部屋の床に人が出入り可能な出入口が設けられ、この出入口に人が昇降可能な昇降手段が設けられている小屋裏部屋付建物において、前記小屋裏部屋が、仕切り壁によって仕切られた2つ以上の居室と連通している構成とし、請求項4記載の小屋裏部屋付建物では、前記小屋裏部屋と連通している各居室に、屋外に開口した開口部が設けられている構成とし、請求項5記載の小屋裏部屋付建物では、前記出入口ならびに前記昇降手段が複数設けられていて、複数の居室から小屋裏部屋に出入り可能である構成とした。なお、前記小屋裏部屋は、収納空間としてのみ使用される天井の低い部屋と、人が立って歩ける程度の天井高に形成されていて、居室としても使用できる部屋の両方を含む意味で使用している。
【0008】
【作用】 請求項1記載の小屋裏部屋付建物ならびに請求項3記載の小屋裏部屋付建物では、小屋裏部屋が、仕切り壁によって仕切られた2つ以上の居室と連通しているので、小屋裏部屋が風の通路となり、小屋裏部屋ならびに小屋裏部屋と連通している各居室では通風による換気が行われる。
【0009】請求項2記載の小屋裏部屋付建物では、小屋裏部屋が広く居室に開放されているので、小屋裏部屋を通る風量が多くなり、それだけ小屋裏部屋ならびに居室の換気量も多く確保できる。
【0010】請求項4記載の小屋裏部屋付建物では、小屋裏部屋と連通している各居室に、屋外に開口した開口部が設けられているので、小屋裏部屋内の空気ならびに小屋裏部屋と連通している各居室内の空気を、屋外の新鮮な空気と迅速に入れ換えることができる。
【0011】請求項5記載の小屋裏部屋付建物では、出入口ならびに昇降手段が複数設けられていて、複数の居室から小屋裏部屋に出入り可能であるので、小屋裏部屋への出入りが容易になると共に、用途も拡がる。
【0012】
【発明の実施の形態】 まず、図1〜図3に基づいて、実施の形態1の小屋裏部屋付建物について詳述する。図1は実施の形態1の小屋裏部屋付建物の立面図、図2は実施の形態1の小屋裏部屋付建物の平面図、図3は実施の形態1の小屋裏部屋付建物の2階部分の通風状態を示す図である。
【0013】本実施の形態1の建物は、図2の(イ)に示すように、1階部分に主寝室MBと2つの子供室CR1,CR2と浴室BRとが設けられ、図2の(ロ)に示すように、2階部分にキッチンKとダイニングDとリビングLと納戸Sが設けられている。1階の主寝室MBと浴室BRは仕切り壁W1を隔てて隣り合わせに配置され、2つの子供室CR1,CR2同士も仕切り壁W2を隔てて隣り合わせに配置されており、主寝室MBと一方の子供室CR1との間には玄関ホールEHが設けられ、浴室BRともう一方の子供部屋CR2との間には階段室STが設けられている。なお、玄関ホールEHの上方は一部が吹き抜けSWになっている。2階のキッチンKは浴室BRの上に設けられ、ダイニングDは主寝室MBの上方に設けられ、リビングLと納戸Sは子供部屋CR1,CR2の上方に設けられており、ダイニングDとリビングL間は、玄関ホールEHの上方に設けられている通路PWで行き来できるようになっており、通路PW以外の部分では、吹き抜けSWを挟んだ一対の仕切り壁W3,W4によって仕切られている。前記通路PWの上方には小屋裏部屋LOが設けられている。
【0014】前記小屋裏部屋LOは、2階の天井6の下に設けられており、側壁1がダイニングDとリビングLと階段室STに露出している。前記側壁1の階段室STに露出した部分は天井6にまで到達していて、小屋裏部屋LOと階段室STとの間はこの側壁1によって完全に仕切られている。また、前記側壁1のダイニングDに露出した部分とリビングLに露出した部分は腰壁の高さに形成されていて、小屋裏部屋LOは、側壁1と天井6との間がダイニングDとリビングLに対して開放されている。また、前記小屋裏部屋LOの側壁1のダイニングDに露出した部分とリビングLに露出した部分のそれぞれには人が出入り可能な出入口2が設けられ(ダイニングD側の出入口は図示省略)、これらの出入口2には人が昇降可能な昇降手段として梯子3a,3bがそれぞれ設けられている。
【0015】なお、小屋裏部屋LOの床4から天井6までの高さ、すなわち、天井高Hは、1.4 m以下に抑えられている。これは小屋裏部屋LOを納戸Sとしているためであるが、天井高Hをそれ以上高くして居室として使用できるようにしてもよい。ただし、天井高Hを2.1 m以上にする場合には、建築基準法により定められた固定式階段を設ける必要がある。
【0016】また、前記ダイニングDならびにリビングLのそれぞれには、屋外に開口した窓5a,5bが2方向に設けられている。
【0017】つまり、実施の形態1の小屋裏部屋付建物では、小屋裏部屋LOが、仕切り壁W3,W4によって仕切られたダイニングDならびにリビングLと連通しているので、図2ならびに図3に示すように、小屋裏部屋LOが風の通路となり、小屋裏部屋LOならびにダイニングDとリビングLでは通風による換気が行われる。しかも、小屋裏部屋LOの側壁1b,1cが腰壁の高さに形成されていて、小屋裏部屋LOが広くダイニングDとリビングLとに開放されているので、小屋裏部屋LOを通る風量も多く、それだけ小屋裏部屋LOならびにダイニングDとリビングLの換気量も十分に確保できる。また、小屋裏部屋LOに煙やガスや暖気がこもるといったことがなくなり、特に、小屋裏部屋LOにおける快適性が非常に高くなる。
【0018】また、ダイニングDとリビングLには、屋外に開口した窓5a,5bが2方向に設けられているので、小屋裏部屋LO内の空気ならびにダイニングDとリビングL内の空気を、屋外の新鮮な空気と迅速に入れ換えることができる。
【0019】更に、ダイニングDとリビングLの両方から小屋裏部屋LOに出入り可能であるので、小屋裏部屋LOへの出入りが容易になると共に、用途も拡がり、小屋裏部屋LOを有効利用できるようになる。
【0020】次に、図4に基づいて、実施の形態2の小屋裏部屋付建物の構成を説明する。なお、実施の形態2の小屋裏部屋付建物を説明するにあたり、実施の形態1の小屋裏部屋付建物と同一の構成については図面に実施の形態1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0021】本実施の形態2の小屋裏部屋付建物は、小屋裏部屋LOが2階の天井6の上に設けられていて、2階の天井6が小屋裏部屋LOの床を兼ねている。また、前記小屋裏部屋LOは、2階のダイニングDとリビングLと通路PWの上方に連続的に形成されており、ダイニングDの天井6とリビングLの天井6のそれぞれには人が出入り可能な出入口7a,7bが設けられ、これらの出入口7a,7bには人が昇降可能な梯子8a,8bが設けられている。すなわち、前記小屋裏部屋LOは、これらの出入口7a,7bを通してダイニングDとリビングLの両方と連通している。なお、ダイニングDの出入口7aとリビングLの出入口7bは、小屋裏部屋LOの最も離れた位置に設けられている。
【0022】つまり、実施の形態2の小屋裏部屋付建物では、小屋裏部屋LOが、仕切り壁W3,W4によって仕切られたダイニングDならびにリビングLと連通しているので、小屋裏部屋LOが風の通路となり、小屋裏部屋LOならびにダイニングDとリビングLでは通風による換気が行われる。更に、ダイニングDとリビングLの両方から小屋裏部屋LOに出入り可能であるので、小屋裏部屋LOへの出入りが容易になると共に、用途も拡がり、小屋裏部屋LOを有効利用できるようになる。
【0023】以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、実施の形態では、2階建の建物を示したが、3階建以上の建物に適用してもよい。また、実施の形態ではダイニングとリビングとが最上階に設けられていて、これら2室の間に小屋裏部屋が設けられている建物を示したが、小屋裏部屋は、居室と居室の間であればダイニングとリビングとの間に限らず、子供室と子供室との間や、子供室と主寝室との間等に設けてもよい。また、実施の形態では、小屋裏部屋が2つの居室と連通している例を示したが、小屋裏部屋を3つ以上の部屋に連通させてもよい。また、実施の形態では、小屋裏部屋の出入口が常に居室に対して開口しており、出入口を通して小屋裏部屋と居室とが連通している建物を示したが、出入口以外に連通用の開口部や隙間を確保すれば、出入口を扉で閉じることができるようにしてもよい。また、実施の形態では、小屋裏部屋と連通している居室からのみ小屋裏部屋に出入りできるようにしたが、小屋裏部屋と連通していない居室あるいは通路等からも小屋裏部屋に出入りできるようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】 以上説明したように、請求項1〜3記載の小屋裏部屋付建物にあっては、居室間の仕切り壁に開口部を設けなくても通風による換気が行われるようになるので、各居室のプライバシーを保持し、コスト高にならないようにしながら、小屋裏部屋の換気量ならびに小屋裏部屋と連通している各居室の換気量を十分に確保することができる。そして、それにより、小屋裏部屋に煙やガスや暖気がこもるといったことがなくなり、小屋裏部屋における快適性が高まるという効果が得られる。
【0025】請求項4記載の小屋裏部屋付建物にあっては、小屋裏部屋と連通している居室に直接屋外の空気を取り入れることができるので、小屋裏部屋内の空気ならびに小屋裏部屋と連通している各居室内の空気を、屋外の新鮮な空気と迅速に入れ換えることができるという効果が得られる。
【0026】請求項5記載の小屋裏部屋付建物にあっては、複数の居室から小屋裏部屋に出入りすることができるので、小屋裏部屋への出入りが容易になると共に、用途も拡がり、小屋裏部屋を有効利用できるようになるという効果が得られる。
 

 
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