| 発明の名称 |
レール用絶縁継目板の締結具及び締結装置 |
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| 発行国 |
日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 |
公開特許公報(A) |
| 公開番号 |
特開平9−287101 |
| 公開日 |
平成9年(1997)11月4日 |
| 出願番号 |
特願平8−102767 |
| 出願日 |
平成8年(1996)4月24日 |
| 代理人 |
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| 発明者 |
中村 知広 |
| 要約 |
目的
構成
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特許請求の範囲
【請求項1】 レール支持体上に載置されたレールの端部側面間にまたがって配設された熱硬化性樹脂及び強化繊維製の絶縁継目板を、前記レール支持体に対して締め付け固定する締結具であって、この締結具は、熱硬化性樹脂及び強化繊維によって形成されていることを特徴とするレール用絶縁継目板の締結具。 【請求項2】 レール支持体上に載置されたレールの端部側面間にまたがって配設される熱硬化性樹脂及び強化繊維製の絶縁継目板と、この絶縁継目板を前記レール支持体に締め付け固定することによって前記レールを前記レール支持体上に支持固定する締結具とからなる締結装置において、前記締結具は、前記絶縁継目板を押圧する押圧部を備え、前記絶縁継目板と前記締結具の押圧部との当接部分に、熱硬化性樹脂及び強化繊維製の積層体からなる保護板が介挿されたことを特徴とする締結装置。
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発明の詳細な説明
【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、隣接するレールの端部側面間にまたがって配設されるレール用絶縁継目板の締結具及び締結装置に係り、より詳細には、レール用絶縁継目板の性能の低下を防止し得るレール用絶縁継目板の締結具及び締結装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、鉄道用のレールの接続箇所には、隣接するレールの端部側面間にまたがって継目板と呼ばれる部材が配設されており、この継目板によって隣接するレールの端部がレール支持体上に支持固定される構造となっている。 【0003】このような継目板による支持固定構造の一例を図6に示す。 【0004】すなわち、枕木等のレール支持体51上に載置されたレール52の端部側面間にまたがって、左右両側から継目板53を配設し、この継目板53の外面に形成された凹溝部54の底面54aに、金属性のばね体で形成されたクリップ55の先端押圧部55aを当接し、ボルト56とナット57とによってクリップ55をレール支持体51に締め付け固定することにより、レール52の端部をレール支持体51上に支持固定するものである。なお、図中の符号58は軌道パッドである。 【0005】ところで、信号機や踏切警報機の設置箇所に配設されるレールは、その信号機や踏切警報機を含むある一定区間において電気回路を形成する必要がある。そのため、この一定区間のレールを連結する継目板は、絶縁性を有する必要がある。 【0006】このように、電気回路を形成する一定区間のレールを連結する継目板は、絶縁性を必要としないその他の区間のレールを連結する継目板と区別すべく、一般に絶縁継目板と呼ばれている。この絶縁継目板は、絶縁性を持たせるために熱硬化性樹脂及び強化繊維によって形成されるのが一般的である。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱硬化性樹脂及び強化繊維製の絶縁継目板は、圧縮強度、剪断強度、金属との磨耗等において、金属製の継目板よりも劣る。 【0008】このことは、上記した従来の金属製のクリップ55を使用して絶縁継目板を締め付け固定した場合、クリップ55の押圧部55aに接する絶縁継目板の底面が、磨耗により損傷したり、また絶縁継目板全体が圧縮又は剪断によって破壊されるといった問題があった。 【0009】そのため、軌道用継目板としての本来の性能が低下し、保守作業の頻度も増大し、さらには鉄道の安全性にも悪影響を及ぼすことになる。 【0010】本発明はこのような問題点を解決すべく創案されたものであって、その目的は、クリップによる圧縮力、剪断力、摩擦力による性能の低下を防止し得るレール用絶縁継目板の締結具及び締結装置を提供することにある【0011】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明の請求項1記載のレール用絶縁継目板の締付具は、レール支持体上に載置されたレールの端部側面間にまたがって配設された熱硬化性樹脂及び強化繊維製の絶縁継目板を、前記レール支持体に対して締め付け固定するものであって、熱硬化性樹脂及び強化繊維によって形成したものである。 【0012】また、本発明の請求項2記載の締結装置は、レール支持体上に載置されたレールの端部側面間にまたがって配設される熱硬化性樹脂及び強化繊維製の絶縁継目板と、この絶縁継目板を前記レール支持体に締め付け固定することによって前記レールを前記レール支持体上に支持固定する締結具とからなり、前記締結具は、前記絶縁継目板を押圧する押圧部を備え、前記絶縁継目板と前記締結具の押圧部との当接部分に、熱硬化性樹脂及び強化繊維製の積層体からなる保護板が介挿されたものである。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。 【0014】図1は、レールに取り付けた絶縁継目板を締結具によって締結した状態を示す縦断面図であって、本発明の請求項1に対応している。 【0015】レール40は、枕木等のレール支持体31上に載置される部分である底部41と、図示しない列車の車輪が接触する部分である頭部43と、底部41及び頭部43よりも幅狭に形成された胴部42とで構成されている。 【0016】また、熱硬化性樹脂及び強化繊維によって作製された絶縁継目板21は、図示は省略しているが横長の平板形状に形成されており、レール40の胴部42に対向する面22はほぼ平坦面に形成されている。また、対向面22と反対側の面(外面)28には、レール敷設方向に沿う凹溝部29が形成されている。 【0017】また、締結具1は、その中央部に上下方向に貫通する貫通孔14が開設された締込部11と、この締込部11の上部一側縁に形成され、絶縁継目板21の凹溝部29の底面29aに当接して絶縁継目板21を下方に押圧する押圧部12と、締込部11の他側縁の下部に形成され、レール支持体31に当接する支点部13とで構成されている。 【0018】一方、レール支持体31には、その台座部32にボルト部16が立設されており、このボルト部16に締結具1の貫通孔14が挿通されるようになっている。 【0019】すなわち、レール支持体31上に隣接するレール40,40の両端部を所定の間隔を存して載置し、この載置されたレール40,40の端部側面間にまたがって、左右両側から絶縁継目板21,21をそれぞれ配設する。そして後、レール支持体31のボルト部16に締結具1に開設した貫通孔14を挿通して、絶縁継目板21の外面28に形成された凹溝部29の底面29aに、締結具1の押圧部12を当接する。そして、貫通孔14から上方に突出したボルト部16に、座金18を介してナット17を螺着することにより、締結具1によって絶縁継目板21をレール40と共にレール支持体31に締め付け固定するものである。 【0020】このとき、絶縁継目板21は、上側傾斜面23がレール40の頭部43の下面に沿って当接されるとともに、下側傾斜面24がレール40の底部41の上面に沿って当接され、対向面22がレール40の胴部42に対して若干の隙間を存するように配設される。つまり、絶縁継目板21は、上部傾斜面23及び下側傾斜面24のみを介してレール40と接触する構造となっている。 【0021】このような構成において、締結具1は、その全体がマトリックス樹脂と強化繊維とによって形成されている。 【0022】マトリックス樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂などが好適に用いられるが、耐疲労強度、伸び、耐熱性などを考慮すると、成形性にも優れたビニルエステル樹脂が最も好適である。 【0023】また、強化繊維としては、無機繊維であるガラスやカーボン繊維、有機繊維であるアラミド繊維、ポリエステル系繊維などが好適に用いられ、これらを単独で又は任意に組み合わせて使用する。強化繊維の形態としては一方向ロービング、ロービングクロス、チョップドストランドマットやコンティニアスマットなどのマット類が用いられ、これらを単独で又は任意に組み合わせて使用する。ただし、一方向ロービングについては、レール40に対して直角かつ水平方向に配向していることが望ましい。 【0024】なお、締結具1の押圧部12の厚みは、強化繊維の種類によっても異なるが、一般的には5〜15mm程度とし、絶縁継目板21に対し1.5tonの荷重を加えることが可能な厚みであればよい。 【0025】また、図2に示すように、ボルト部16に挿通した座金18を絶縁継目板21の方向に拡大することにより、締結具1の押圧部12の補強が可能である。 【0026】このように、締結具1を熱硬化性樹脂及び強化繊維製とすることにより、絶縁継目板21と締結具1との当接部分(すなわち、絶縁継目板21の外面28に形成された凹溝部29の底面29aと締結具1の押圧部12の下面との当接部分)は、両部材が類似の材料であり表面硬度の差が小さいので、絶縁継目板21の磨耗の進行は遅くなる。そのため、絶縁継目板21への悪影響も小さく、保守点検作業の軽減と鉄道の安全性の確保とに役立つものである。 【0027】図3は、本発明の締結装置によってレール40をレール支持体31上に締結した状態を示す縦断面図であって、本発明の請求項2に対応している。 【0028】本発明の締結装置は、その基本的構成については図6に示す従来の締結装置の構成とほぼ同様である。すなわち、レール支持体31上に載置されたレール40,40の端部側面間にまたがって配設される熱硬化性樹脂及び強化繊維製の絶縁継目板21と、この絶縁継目板21をレール支持体31に締め付け固定する金属性のばね体で形成されたクリップ(締結具)2とで構成されており、クリップ2の先端押圧部2aを絶縁継目板21の外面28に形成された凹溝部29の底面29aに当接し、ボルト3とナット4とによってクリップ2をレール40と共にレール支持体31に締め付け固定するものである。 【0029】このような構成におて、本発明の締結装置では、絶縁継目板21の凹溝部29の底面29aとクリップ2の先端押圧部2aの下面との当接部分に、熱硬化性樹脂及び強化繊維製の積層体からなる保護板5を介挿したものである。 【0030】この保護板5は、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化樹脂マトリックスと、無機繊維であるガラスやカーボン繊維、有機繊維であるアラミド繊維、ポリエステル系繊維、カーボン繊維のいずれかの繊維とからなる熱硬化性樹脂及び強化繊維積層板(図4参照)である。 【0031】この熱硬化性樹脂及び強化繊維積層板は、一種類の樹脂と繊維との組み合わせによるものでもよいが、好ましくは絶縁継目板21に接する層(下層)5aを絶縁継目板21と同種の繊維(例えば、ガラス繊維強化ビニルエステル樹脂)とすることが望ましい。その場合、上層5bは金属性であるクリップ2との磨耗に対して抵抗力のあるアラミド系繊維やカーボン繊維等(例えば、アラミド繊維強化ビニルエステル樹脂)を使用することが望ましい。 【0032】また、図4に示すように、上層5bのさらにその上に、弾性率が低く伸びの大きい樹脂(例えば、ポリエチレン)を重ねて、クリップ2により損傷する層5cを意図的に設け、上層5bの損傷を最低限にくい止めるようにしてもよい。 【0033】また、保護板5の固定方法としては、クリップ2の先端押圧部2aの下面か、又は絶縁継目板21の凹溝部29の底面29aのいずれかに接着すればよい。ただし、接着剤を使用せず、図5に示すように、保護板5の上面にクリップ2の先端押圧部2aを3方向から拘束するリブ片5d,5e,5fを設けることによって、機械的に固定するようにしてもよい。 【0034】このように、絶縁継目板21の凹溝部29の底面29aとクリップ2の先端押圧部2aの下面との当接部分に、熱硬化性樹脂及び強化繊維製の積層体からなる保護板5を介挿することにより、保護板5と絶縁継目板21の凹溝部29の底面29aとの当接部分は、両部材が類似の材料であり表面硬度の差が小さいので、絶縁継目板21の磨耗の進行は、クリップ2と直接接触する場合よりも大幅に低減される。そのため、絶縁継目板21への悪影響も小さく、保守点検作業の軽減と鉄道の安全性の確保とに役立つものである。 【0035】また、磨耗は保護板5に集中し、絶縁継目板21はほとんど磨耗しないことから、保守作業も保護板5の交換のみでよく、しかもクリップ2及び絶縁継目板21は従来のものが使用可能であることから、コスト的にも極めて経済的なものである。 【0036】 【発明の効果】本発明の請求項1記載のレール用絶縁継目板の締付具は、レール支持体上に載置されたレールの端部側面間にまたがって配設された熱硬化性樹脂及び強化繊維製の絶縁継目板を、レール支持体に対して締め付け固定するものであって、熱硬化性樹脂及び強化繊維によって形成したので、絶縁継目板と締結具との当接部分は、両部材が類似の材料であり表面硬度の差が小さいので、絶縁継目板の磨耗の進行は大幅に低減される。そのため、絶縁継目板への悪影響も小さく、保守点検作業の軽減と鉄道の安全性の確保とに役立つものである。 【0037】また、本発明の請求項2記載の締結装置は、レール支持体上に載置されたレールの端部側面間にまたがって配設される熱硬化性樹脂及び強化繊維製の絶縁継目板と、この絶縁継目板をレール支持体に締め付け固定することによってレールをレール支持体に支持固定する締結具とからなり、この締結具は、絶縁継目板を押圧する押圧部を備え、絶縁継目板と締結具の押圧部との当接部分に熱硬化性樹脂及び強化繊維製の積層体からなる保護板を介挿した構成としたので、保護板と絶縁継目板との当接部分は、両部材が類似の材料であり表面硬度の差が小さいので、絶縁継目板の磨耗の進行が大幅に低減される。そのため、絶縁継目板への悪影響も小さく、保守点検作業の軽減と鉄道の安全性の確保とに役立つものである。また、磨耗は保護板に集中し、絶縁継目板はほとんど磨耗しないことから、保守作業も保護板の交換のみでよく、しかも締結具及び絶縁継目板は従来のものが使用可能であることから、コスト的にも極めて経済的なものである。
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