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発明の名称 プロピレン系樹脂組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−302165
公開日 平成9年(1997)11月25日
出願番号 特願平8−125036
出願日 平成8年(1996)5月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外2名)
発明者 高田 富夫 / 中島 武 / 山本 邦生 / 山本 秀夫 / 浅井 邦彦
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 成分(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体を有したポリプロピレン系重合体と、成分(B)エチレン−プロピレンゴムと、成分(C)トリブロック共重合体と、成分(D)水酸基を有する変性ポリオレフィン重合体と、成分(E)タルクとを含有し、成分(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体を有したポリプロピレン系重合体は、その230℃に於ける荷重2.16 kg の条件で測定したメルトフローレートが5-100 g/10分であり、20℃におけるキシレン抽出成分の割合が15-60重量%であり、該キシレン抽出成分に於けるプロピレン含有量が40-60重量%であり、140℃に於けるデカリン中での極限粘度が2.0-5.0 g/dlであり、成分(B)エチレン−プロピレンゴムは、そのプロピレン含有量が40-60重量%であり、成分(C)トリブロック共重合体は、その230℃に於ける荷重2.16 kg の条件で測定したメルトフローレートが5-40 g/10分であり、230℃に於いて粘度が角周波数が1 rad/秒以下の領域で一定なゼロシェア粘度となり、そのゼロシェア粘度が2000-10000ポイズであり、該トリブロック共重合体と(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体の100℃におけるキシレン不溶成分との間の平らな界面の位相角が-2°〜-12°のときの臨界エネルギー解放率が30 J/m2以上であり、全体に占める成分(C)の含有割合が2-10重量%であり、成分(D)水酸基を有する変性ポリオレフィン重合体の全体に占める含有割合が、0.5-10 phrであり、成分(E)タルクは、その平均粒径が5μm以下であり、全体に占める含有割合が5-25重量%であることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物。
【請求項2】 前記成分(C)がスチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体の水素添加物であり、スチレンの含有量が12-25重量%であることを特徴とする請求項1記載のプロピレン系樹脂組成物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐衝撃性、塗装性に優れ、フローマークが発生しない樹脂組成物に関するもので、例えば、自動車バンパーや自動車内外装部品等の素材として好適な樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のバンパーや内外装部品用材料の耐衝撃性を改善する手法としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレンランダム共重合体等のプロピレン系重合体とエチレン−プロピレン共重合体(特公昭60-3420号公報)、エチレン−αオレフィン共重合体(特開平4-372637号公報、特開平5-331348号公報、特開平6-192500号公報、特開平6-192506号公報)、スチレンとジエンのブロック共重合体の水素添加物(特開平7-53842号公報)等をブレンドすることが報告されている。
【0003】上記の組成物に塗装性を付与するため、一般的には極低分子量のEPRを添加する方法が用いられる。この他にも極性基を有する化合物で変性したポリオレフィンを添加する方法(特開平5-1657838号公報)、特に不飽和ヒドロキシル基を有する化合物で変性されたポリオレフィンを添加する方法(特開平5-39383号公報)、末端に極性基を有するオリゴマーを添加する方法(特開平3-157168号公報、特開平5-117458号公報、特開平5-320442号公報)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の手法からなる材料では、十分な塗膜耐溶剤を発現するためには、多量の極低分子量のEPRや化学的に変性した化合物を添加する必要があり、耐衝撃性をはじめとする機械的諸物性が大きく低下する傾向にある。また塗装性と耐衝撃性のバランスが良い材料を得たとしても、自動車のバンパー等の大型の成形品ではフローマークが発生しやすく不良品となるという欠点を有している。
【0005】本発明はこうした不具合を解決するためになされたもので、優れた耐衝撃性、塗装性を有し、且つ、フローマークの発生が抑制された、プロピレン系樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発明のプロピレン系樹脂組成物は、成分(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体を有したポリプロピレン系重合体と、成分(B)エチレン−プロピレンゴムと、成分(C)トリブロック共重合体と、成分(D)水酸基を有する変性ポリオレフィン重合体と、成分(E)タルクとを含有し、成分(A)のプロピレン−エチレンブロック共重合体を有したポリプロピレン系重合体は、その230℃に於ける荷重2.16 kg の条件で測定したメルトフローレートが5-100 g/10分であり、20℃におけるキシレン抽出成分の割合が15-60重量%でありかつ、該キシレン抽出成分に於けるプロピレン含有量が40-60重量%であり、140℃に於けるデカリン中での極限粘度が2.0-5.0 g/dlであり、成分(B)のエチレン−プロピレンゴムは、そのプロピレン含有量が40-60重量%であり、成分(C)のトリブロック共重合体は、その230℃に於ける荷重2.16 kg の条件で測定したメルトフローレートが5-40 g/10分であり、230℃に於いて粘度が角周波数が1 rad/秒以下の領域で一定(ゼロシェア粘度と呼ぶ)となり、そのゼロシェア粘度が2000-10000ポイズであり、該トリブロック共重合体と(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体の100℃におけるキシレン不溶成分との間の平らな界面の位相角が-2°〜-12°のときの臨界エネルギー解放率が30 J/m2以上であり、プロピレン系樹脂組成物に於ける含有割合が2-10重量%であり、成分(D)の水酸基を有する変性ポリオレフィン重合体のプロピレン系樹脂組成物に於ける含有割合が、0.5-10 phrであり、成分(E)のタルクは、その平均粒径が5μm以下であり、プロピレン系樹脂組成物に於ける含有割合が5-25重量%であることを特徴とするものである。
【0007】この際、前記成分(C)がスチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体の水素添加物であり、スチレンの含有量が12-25重量%であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
〔成分(A):ポリプロピレン系重合体〕本発明におけるポリプロピレン系重合体には、その成分中に少なくともプロピレン−エチレンブロック共重合体が含まれていることが必要である。すなわち、本発明でのポリプロピレン系重合体は、このプロピレン−エチレンブロック共重合体単独であっても良いが、さらにこのプロピレン−エチレンブロック共重合体に加えて、ランダム共重合体またはプロピレンの単独重合体(ホモポリプロピレン)を組み合わせて使用することもできる。
【0009】ランダム共重合体のコモノマーとしては、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1等のプロピレン以外のα−オレフィン類が好ましく、中でもエチレンが特に好ましい。
【0010】α−オレフィンとしてエチレンを用いたブロック共重合体、すなわちプロピレン−エチレンブロック共重合体に於いては、分子内のエチレン−プロピレン成分がホモポリプロピレン中に分散して、ゴム成分として耐衝撃性の発現に寄与する。
【0011】該ポリプロピレン系重合体のメルトフローレート(JIS K7210条件14に準ずる。以下MFRと称する。)は、5-100 g/10分が好ましく、15-50 g/10分が好適である。MFRが、5 g/10分未満では得られる樹脂組成物の流動性が劣り、成形性が悪化し、特にフローマークの発生が顕著になる。一方、MFRが、100 g/10分 を超えるならば、樹脂組成物の耐衝撃性、及び塗装性が低下するという問題が生じる。該ポリプロピレン系重合体は、MFRが低い物(例えば、MFRが0.5 g/10分)を有機過酸化物の存在下で溶融混練(ビスブレイク)することによって、MFRを上記範囲内としたものを用いることもできる。
【0012】該ポリプロピレン系重合体の、20℃におけるキシレン抽出成分の割合が15-60重量%であることが好ましい。さらには25-50重量%であることが好適である。該成分はゴム成分に相当する。該ポリプロピレン系重合体の、20℃におけるキシレン抽出成分の割合が15重量%未満であるならば、耐衝撃性を発現させるために多量のゴム成分を追添加する必要があるために、コストアップ、分散不良等の問題がある。一方、60重量%を超えるならば、該ポリプロピレン系重合体の製造時に互着しやすくトラブルになり易いという問題点がある。
【0013】また、該ポリプロピレン系重合体の20℃におけるキシレン抽出成分に於けるプロピレン含有量が40-60重量%であることが好ましい。さらには45-58重量%であることが好適である。該キシレン抽出成分に於けるプロピレン含有量が40重量%未満ならば、得られる樹脂組成物の耐衝撃性が発現しないという問題がある。一方、60重量%を超えるならば、耐熱性、表面硬度が低下する。
【0014】さらに、ポリプロピレン系重合体の20℃におけるキシレン抽出成分の140℃に於けるデカリン中での極限粘度が2.0-5.0 g/dlであることが好ましい。さらには、2.0-3.5 g/dlであることが好適である。該成分の極限粘度が2.0 g/dl未満であるならば、得られる樹脂組成物の耐衝撃性が発現しない。一方、5.0 g/dlを超えるならば、得られる樹脂組成物の塗装性が劣るのみならず、分散不良を起こしやすく、耐衝撃性の低下を招くという問題がある。
【0015】さらに、ポリプロピレン系重合体の樹脂組成物中における含有量は、55-85重量%であることが好ましい。さらには、60-80重量%であることが好適である。含有量が55重量%未満であるならば、結果的に、追添するゴム量が多くなり、コストアップにつながる。一方、85重量%を超えるならば、得られる樹脂組成物の塗装性が劣る傾向にある。
【0016】〔成分(B):エチレン−プロピレン系ゴム〕本発明に於いて使用されるエチレン−プロピレン系ゴムのプロピレン含有量が40-60重量%であることが好ましい。プロピレン含有量が40重量%未満では、低温の耐衝撃性が発現しないという問題がある。一方、60重量%を超えるならば、耐熱性、表面硬度が低下する。
【0017】また、該エチレン−プロピレン系ゴムの230℃におけるMFRは0.5-10 g/10分であることが好ましい。さらには、0.7-8 g/10分が好適である。MFRが0.5 g/10分未満であるならば、分散不良を起し、成形品の表面外観が悪化するとともに、力学的性能も低下する。一方、10 g/10分を超えるならば、耐衝撃性が発現しないという問題がある。
【0018】該エチレン−プロピレン系ゴムの樹脂組成物中における含有量は5-20重量%であることが好ましい。含有量が5重量%未満であるならば、耐衝撃性、及び塗装性が低下する。一方、20重量%を超えるならば、コストアップになる。
【0019】該エチレン−プロピレン系ゴムは、Ti系触媒、V系触媒、メタロセン系触媒を用いて製造することが可能である。
【0020】〔成分(C):トリブロック共重合体〕本発明に於いて使用されるトリブロック共重合体は、成形時のフローマークを改良する効果がある。該トリブロック共重合体の230℃に於ける荷重2.16 kg の条件で測定したMFRが5-40 g/10分であることが好ましい。MFRが5 g/10分未満であるならば、成形時のフローマークを改良する効果が劣る。一方、40 g/10分を超えるならば、耐衝撃性、引っ張り伸び等が低下するという問題がある。
【0021】また、該トリブロック共重合体の230℃に於ける粘度が角周波数が1 rad/秒以下の領域で一定(ゼロシェア粘度と呼ぶ)となり、そのときのゼロシェア粘度が2000-10000ポイズであることが好ましい。230℃に於ける粘度が角周波数が1 rad/秒以下の領域で一定とならない、すなわち、粘度が角周波数の減少とともに20%以上増加するならば、フローマークの改良効果は劣り、塗装性も悪化するという問題点がある。また、そのときのゼロシェア粘度が、2000-10000ポイズであることが好ましい。ゼロシェア粘度が、2000ポイズ未満ならば耐衝撃性、引っ張り伸び等が低下するという問題がある。一方、10000ポイズを超えるならば、フローマークの改良効果は劣り、塗装性も悪化するという問題点がある。
【0022】さらに、該トリブロック共重合体と(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体の100℃におけるキシレン不溶成分との間の平らな界面の位相角が-2°〜-12°のときの臨界エネルギー解放率(以下Gcと称する。)が30 J/m2以上であることが好ましい。Gcが、30 J/m2未満であるならば、得られる樹脂組成物の耐衝撃性等が低下するという問題がある。
【0023】それに加え、該トリブロック共重合体の樹脂組成物に於ける含有割合が2-10重量%であることが好ましい。さらには、2-5重量%が好適である。該トリブロック共重合体の樹脂組成物に於ける含有割合が2重量%未満ならば、フローマークの改良効果は小さいという問題がある。一方、10重量%を超えるならば、樹脂組成物は高価な物になり、コストの割には諸物性の改良は見込めないという問題がある。
【0024】さらに、該トリブロック共重合体がスチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体の水素添加物であり(以下SEBSと称する)、スチレンの含有量が12-25重量%であることが好ましい。この場合、スチレンの含有量が12重量%未満ならば、耐衝撃性、耐熱性の低下が起こるという問題点がある。一方、25重量%を超えるならば、フローマークの改良効果は小さいという問題がある。
【0025】これらのトリブロック共重合体は、一般的に行われている、アニオンリビング重合法で製造することができる。これには、逐次的にスチレン、ブタジエン、スチレンを重合し、トリブロック共重合体を製造した後に、水添する方法と、スチレン−ブタジエンのジブロック共重合体をはじめに製造した後、カップリング剤を用いてトリブロック共重合体にした後に、水添する方法、さらには2官能性の開始剤を用いて、ブタジエン、スチレンを逐次重合した後、水添する方法等がある。いずれの場合も、ジブロック共重合体、ホモポリマー等が生成するが、これらの含有量は、トリブロック共重合体全体の10重量%未満であることが必要である。ジブロック共重合体、ホモポリマーの含有量が10重量%を超えるならば、剛性が低下するという問題がある。
【0026】〔成分(D):水酸基を有する変性ポリオレフィン重合体〕本発明で使用される水酸基を有する変性ポリオレフィン重合体は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合体を、有機過酸化物と水酸基を有する不飽和化合物の存在下で加熱反応させることによって得られるものが好ましい。
【0027】該変性ポリオレフィン重合体に使用される、水酸基を有する不飽和化合物は、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等が使用される。
【0028】該変性ポリオレフィン重合体に使用される、水酸基を有する変性ポリオレフィン重合体の樹脂組成物中における含有割合は、0.5-10 phrが好ましい。含有割合が0.5 phr未満ならば塗装性を十分に発現させるために、高価な追添のゴムをより多く使用せねばならず、コストアップになる。一方、10 phrを超えるならば、耐衝撃性、剛性等が低下するという問題がある。
【0029】〔成分(E):タルク〕本発明で使用されるタルクの平均粒径は5μm以下であることが好ましい。平均粒径が5μmを超えるならば、耐衝撃性、引っ張り伸び等が低下するという問題がある。またタルクの該樹脂組成物に於ける含有割合が5-25重量%である。この範囲を逸脱するならば、自動車用材料として好適な、弾性率、耐衝撃性等を満足することは困難である。
【0030】〔Gc測定法〕本発明において、Gcはトリブロック共重合体とプロピレン−エチレンブロック共重合体の、100℃におけるキシレン不溶成分との間の平らな界面に存在するクラックの臨界エネルギー解放率で定義される。Gcを測定するためには、非対称ダブルカンティレバービーム法(以下、ADCB法と称す。参照:「クローズドループ(Closed Loop)」,1990年23巻第3929頁)を用いる。これはクラックを界面に沿って成長させるためである。従来から使用されているピールテストでは、クラックを界面に沿って成長させることが出来ない。このため、クラックはより柔らかい材料中(すなわちトリブロック共重合体中)に侵入してしまい、界面のGcを正確に測定することはできない。
【0031】クラックの成長方向を決定するパラメータは次式で定義される位相角Ψである。
Ψ=tan-1(KII/KI)ここで、KI、KIIはそれぞれモードI(引っ張り)、及びモードII(面内せん断)に対応する応力拡大係数である。ΨはADCB法のジオメトリー、各材料の弾性率、ポアソン比、クラック長に依存する。実際には境界要素法(BEM法)、有限要素法(FEM法)によって評価される。
【0032】本発明では、GcをΨが-2°〜-12°の範囲で測定することが必要である。ここでクラックが薄いビームの方向に進行するとき、Ψが負であると定義する。Ψが-12°より小さいと、界面のクラックは、薄いビームに進入し、正確に界面のGcを測定することができないという問題がある。一方、Ψが-2°〜0°ならば、界面でのクラックの成長は不安定であり、先と同様に、正確に界面のGcを測定することができないという問題がある。さらに、Ψが0°を超えるならば、クラックはトリブロック共重合体中に進入し、正確に界面のGcを測定することができないという問題がある。
【0033】本発明の樹脂組成物を製造するにあたり、合成樹脂、及び合成ゴムの分野において広く利用されている、熱、酸素、及び光に対する安定剤、難燃剤、充填剤、着色剤、滑剤、可塑剤、ならびに帯電防止剤の如き添加剤を使用目的に応じて本発明の樹脂組成の特性を本質的に損なわない範囲で添加してもよい。
【0034】例えば、酸化防止剤としては、以下のものが挙げられる。ジブチルヒドロキシトルエン、アルキル化フェノール、4、4'−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4、4'−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2、2'−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2、2'−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2、6−ジ−t−4−エチルフェノール)、1、1、3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、n−オクタデシル・3−(4−ヒドロキシ−3、5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチリルチオプロピオネート。またヒンダードフェノール系のものとしては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1、6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2、4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3、5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1、3、5−トリアジン、ペンタエリスリル−テトラキス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2、2−チオ−ジエチレンビス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N、N'−ヘキサメチレンビス(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3、5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1、3、5−トリメチル−2、4、6−トリス(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、オクチル化ジフェニルアミン、2、4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾールがある。またヒドラジン系としては、N、N'−ビス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンなどがある。また他にも、フェノール系抗酸化剤、ホスファイト系抗酸化剤、チオエーテル系抗酸化剤、重金属不活性化剤等が適用できる。
【0035】紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'、5'−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、サリチル酸フェニル、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3、5−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3、5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3、5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3、5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体などがある。または、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ{[6−(1、1、3、3、−テトラメチルブチル)アミノ−1、3、5−トリアジン−2、4−ジイル][(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]}、N、N'−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2、4−ビス[N−ブチル−N−(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1、3、5−トリアジン縮合物、ビス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、2、4−ジ−t−ブチルフェニル−3、5−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等がある。
【0036】また、難燃剤としては、例えば以下のものが適用できる。ポリブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモビスフェノールA、臭素化エポキシヘキサブロモシクロドデカン、 エチレンビステトラブロモフタルイミド、臭素化ポリスチレンデクロラン、臭素化ポリカーボネート、ポリホスホナート化合物、ハロゲン化ポリホスホナート、トリアジン、赤リン、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェートクレジフェニルホスフェート、トリアリルホスフェート、トリキシリルホスフェート、トリアルキルホスフェート、トリスクロロエチルホスフェート、トリスクロロプロピルホスフェート、トリス(ジクロロプロピルホスフェート)、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが例示される。さらには、シリコーンオイル、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、カーボンブラック、二酸化チタン、シリカ、マイカ、モンモリロナイト等も添加してもよい。
【0037】これらの添加剤の他にも、無機充填剤を加えてもよい。無機充填剤としては、チタン酸バリウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカー、ボロン系ウィスカー、炭素繊維、ガラス繊維等の繊維状物、あるいは、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の粒子状物が挙げられる。
【0038】〔製造方法〕本発明の樹脂組成物は上述した各成分、及び添加剤等を均一に混合させることによって製造される。その混合方法については特に制限はなく、合成樹脂の分野において一般的に行われている方法を適用すればよい。混合方法としては、一般に行われている、ヘンシェルミキサー、タンブラー、及びリボンミキサーの如き混合機を使用して、ドライブレンドする方法、ならびにオープンロール、押し出し混合機、ニーダー、及びバンバリーの如き混合機を用いて溶融させながら混合させる方法が挙げられる。
【0039】これらの方法のうち、よりいっそう均一な樹脂組成物を得るためには、これらの混合方法を2種以上併用させるとよい。例えば、あらかじめドライブレンドさせた後、その混合物を溶融混合させる。ドライブレンドを併用する場合でも、溶融混合させる方法を1種または2種以上併用する場合でも、後述する成形方法によって成形物を製造するに当たって、ペレタイザーを使用して、ペレットに製造してから用いることが特に好ましい。
【0040】以上の混合方法のうち、溶融混合させる場合でも、後述する成形方法によって成形する場合でも、使用される樹脂が溶融する温度で実施しなければならない。しかし、高い温度で実施すると、樹脂が熱分解や劣化を起こすため、一般には180〜350℃、好ましくは190〜260℃で実施される。
【0041】本発明の樹脂組成物は、合成樹脂の分野で一般に実施されている射出成形法、押し出し成形法、圧縮成形法及び中空成形法等を用いて所望の形状に成形させてもよい。また、押し出し成形機を用いて、シート状に成形した後、このシートを真空成形法、圧空成形法等の二次加工法によって所望の形状に成形させてもよい。
【0042】
【実施例】以下、実施例を用いて詳細に説明する。表1〜4に示す(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体、(B)エチレン−プロピレンゴム、(C)トリブロック共重合体、(E)タルク及び下記の(D)水酸基を有する変性ポリオレフィン重合体を使用してプロピレン系樹脂組成物を製造した。
【0043】表1,3中、MFRはJIS K7210条件14(g/10分)に従って測定した。表1,2中、NMRによって測定したプロピレン含有量(重量%)をFpで示した。表1中、(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体のキシレン抽出量をCE/P(重量%)、、該キシレン抽出成分の極限粘度を[η]E/P(dl/g)で示した。
【0044】
【表1】

【0045】
【表2】

【0046】
【表3】

表3中、トリブロック共重合体の種類は、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体の水素添加物をSEBS、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体の水素添加物をSEPS、1,4-ブタジエン−1,2-ブタジエン−1,4-ブタジエントリブロック共重合体の水素添加物をCEBCと略記した。また、これらトリブロック共重合体の230℃におけるゼロシェア粘度(η。)は、レオメトリックス社製RSAIIによって角周波数(ω)が0.1〜10 rad/秒の領域で測定し、ω=0に外挿することによって求めた。単位はポイズである。また、表5中に示したトリブロック共重合体と(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体の100℃におけるキシレン不溶成分との間の平らな界面の臨界エネルギー解放率(Gc(J/m2))は、特開平7-286088号公報、特開平7-292175号公報に記載の非対称ダブルカンティレバービーム法によって測定した。すなわち、トリブロック共重合体と、プロピレン−エチレンブロック共重合体の100℃におけるキシレン不溶成分をそれぞれプレス成形して約1mm厚のシートを作成し、それらを重ね合わせて200℃で10分間プレス成形機で加熱圧着した。その後、その界面に厚さ0.25mmのカミソリ刃でクラックをいれ、ADCB法により臨界エネルギー解放率を測定した。このときのΨを−7°になるように境界要素法で両ビームの厚みの比を計算し設定した。
【0047】成分(D)水酸基を有する変性ポリオレフィン重合体は、MFR=0.5 g/10分のホモプロピレンを100重量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレートを4重量部、2,5-ビス(t−ブチルパーオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン1重量部を、ヘンシェルミキサーでドライブレンドした後、20mm同方向二軸押出し機を用いて180℃で混練し、変性した。得られた変性ポリプロピレンの水酸基含有量を、赤外線スペクトル法で測定したところ、0.09mmol/gであり、重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)で測定したところ11万であった。
【表4】

成分(E)タルクの粒径は、レーザー沈降法を用いて測定した。
【0048】上記成分(A)〜(E)を表5に示す処方で配合した。尚、成分(D)の水酸基を有する変性ポリオレフィン重合体については、実施例1〜4及び比較例1〜9に対してのみ1.0 phrを添加した。混練は、ヘンシェルミキサーを用いて3分間ドライブレンドした後、210℃に設定された同方向2軸押出機(径30mm)を用い、樹脂組成物のペレットを製造した。得られた各樹脂組成物のペレットを210℃に設定された射出成形機を用いて成形を行い、諸物性測定用の試験片を作製した。
【0049】
【表5】

【0050】表5中の各物性は次の試験によるものである。
(1) 低温耐衝撃試験(IZOD)
アイゾット衝撃強度はASTM D265に準じ、-30℃の温度においてノッチ付で測定した。単位は(J/m)である。
【0051】(2) フローマーク試験(マーク)
また、80mm×240mm×3mmの平板を成形し、フローマークの様子を目視で観察し評価した。○はフローマークが無いもの、△はフローマークが若干見られるもの、×はフローマークが著しく発生するものとする。
【0052】(3) 塗装性試験塗装性は、先に成形した平板をイオン交換水で洗浄・乾燥させる。塩素化ポリプロピレン系プライマーを10μm塗付し、80℃で30分間乾燥させた。その後、2液性ウレタン塗料を30μm塗付し、80℃で30分間焼き付けた。塗装された試料を等しく断面が出るように短冊状にしたものを20℃のガソリン/エタノール混合液(90/10容量%)に浸し、塗膜が剥離するまでの時間(分)を測定した。
【0053】表5に示す結果から、実施例1〜4の樹脂組成物であれば、いずれも、低温耐衝撃性、フローマーク性、塗装性に優れた成形品を得ることができている。しかしながら、極限粘度が大きい成分(A)を配合している比較例1においてはフローマーク多く発生し、極限粘度が小さい成分(A)を配合している比較例2においては耐衝撃性が低く、プロピレン含有量が少ない成分(A)を配合している比較例3は耐衝撃性が低い上にフローマークが発生している。また、プロピレン含有量が少ない成分(B)を配合している比較例4は耐衝撃性が低く、成分(C)の配合量が少ない比較例5はフローマークが多く発生してしまっている。また、ゼロシェア粘度が大きいまたは無い成分(C)を配合している比較例6〜8ではフローマークが多く発生し、平均粒径が大きいタルクを使用している比較例9では耐衝撃性が低く、成分(D)を含有していない比較例10は実施例1〜4のものよりは塗装性が十分でない。
【0054】
【発明の効果】本発明によって、低温耐衝撃性、フローマーク性、塗装性に優れた樹脂組成物を提供することができ、自動車内装、バンパー、家電といった幅広い分野で利用できる。


 

 


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