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発明の名称 車両用盗難防止装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−58414
公開日 平成9年(1997)3月4日
出願番号 特願平7−215009
出願日 平成7年(1995)8月23日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
発明者 山本 圭司 / 大西 徳靖 / 福田 吉宏
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 記録手段に記録される判別コードと、外部から供給される判別コードとが一致する場合に車両の動作禁止状態を解除する車両用盗難防止装置において、前記記録手段が接続されているか否かを判定する接続判定手段と、前記記録手段が接続されていない場合に車両の動作禁止状態の解除を禁止する解除禁止手段と、を備えることを特徴とする車両用盗難防止装置。
【請求項2】 請求項1記載の車両用盗難防止装置において、トランスポンダから送信される判別コードを受信する受信手段を備えると共に、前記解除禁止手段は、前記記録手段が接続されていない場合に、前記受信手段と、前記トランスポンダとの通信を禁止する通信禁止手段を備えることを特徴とする車両用盗難防止装置。
【請求項3】 記録手段に記録される判別コードと、外部から供給される判別コードとが一致する場合に車両の動作禁止状態を解除する車両用盗難防止装置において、判別コードと共にIDコードを記録する記録手段と、該記録手段に付与されたIDコードを記録する第2記録手段と、前記記録手段に記録されるIDコードと、前記第2記録手段に記録されるIDコードとが一致する場合に、車両の動作禁止状態の解除を許可する禁止解除許可手段と、を備えることを特徴とする車両用盗難防止装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用盗難防止装置に係り、特に、記録手段に記録される判別コードと、外部から供給される判別コードとが一致する場合に車両の動作禁止状態を解除する車両用盗難防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平3−12563号に開示される如く、車両のキー、及び車両に予め判別コードを付与し、キーに付与された判別コードと、車両に付与された判別コードとが一致する場合にのみ車両の動作禁止状態を解除する装置が知られている。かかる装置が搭載されている場合、正規のキーを用いずに車両を始動させることは困難であり、車両の盗難を未然に防止することができる。
【0003】ところで、車両用盗難防止装置が、破壊等により正常に機能しない場合、正規のキーが用いられていないにも関わらず、車両が始動可能となる場合がある。このため、盗難に対する安全性を高めるためには、装置の異常を検出して、異常が検出された際には車両を非可動状態に維持することが適切である。
【0004】かかる観点より、上記従来の装置は、定期的に装置の電気回路を検査し、異常時には、キーの判別コードと車両の判別コードとが一致すると判断されても、車両を動作禁止状態に維持することとしている。車両用盗難防止装置において、かかる制御が実行された場合、装置を破壊しても車両を始動させることができず、車両の盗難に対する安全性を更に向上させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の盗難防止装置は、判別コードを記録したメモリを装置内に備えている。キーから盗難防止装置に対して判別コードが送信されると、盗難防止装置の内部でメモリから判別コードが読みだされ、キーから送信された判別コードとの同一性が判断される。
【0006】ところで、上記従来の装置においては、メモリの状態が監視されていない。従って、盗難防止装置からメモリが除去されても、その状態が異常として検出されることはない。一方、盗難防止装置からメモリが除去されると、全てのビットが“0”に固定された判別コード(以下、0コードと称す)、又は全てのビットが“1”に固定された判別コード(以下、1コードと称す)が記録されているのと同様の事態が生じ得る。
【0007】従って、上記従来の盗難防止装置からメモリが除去され、かつ、判別コードとして0コード、又は1コードが付与されたキーが用いられた場合には、車両が始動可能な状態となる場合がある。また、予め判別コードが一致する偽メモリと偽キーとが準備され、盗難防止装置のメモリが偽メモリに交換された後、偽キーにより始動が行われた場合にも、車両が始動可能な状態となる。
【0008】このように、上記従来の盗難防止装置は、装置に内蔵されるメモリの状態についての監視を行っていないことから、メモリが除去、又は交換された場合には、不正な車両の始動を禁止し得ない場合があるという問題を有していた。本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、盗難防止装置に内蔵されるメモリの状態を監視し、メモリの正規の状態でないと判別される場合には車両を非可動状態に維持することにより、上記の課題を解決する車両用盗難防止装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1に記載する如く、記録手段に記録される判別コードと、外部から供給される判別コードとが一致する場合に車両の動作禁止状態を解除する車両用盗難防止装置において、前記記録手段が接続されているか否かを判定する接続判定手段と、前記記録手段が接続されていない場合に車両の動作禁止状態の解除を禁止する解除禁止手段と、を備える車両用盗難防止装置により達成される。
【0010】本発明において、前記記録手段には、予め車両に付与された判別コードが記録されている。記録手段に記録される判別コードと、外部から供給される判別コードとが一致する場合は、正規の方法で車両の始動が図られていると判断できる。かかる場合には、車両の動作禁止状態が解除され、車両の始動が許容される。前記接続判定手段は、装置内に適正に記録手段が接続されているか否かを判定する。記録手段が接続されていない場合、装置に異常が生じていると判断できる。この場合、前記解除禁止手段によって、車両が動作禁止状態に維持される。
【0011】上記の目的は、請求項2に記載する如く、上記請求項1記載の車両用盗難防止装置において、トランスポンダから送信される判別コードを受信する受信手段を備えると共に、前記解除禁止手段は、前記記録手段が接続されていない場合に、前記受信手段と、前記トランスポンダとの通信を禁止する通信禁止手段を備える車両用盗難防止装置によっても達成される。
【0012】本発明において解除禁止手段が備える通信禁止手段は、車両用盗難防止装置に記録手段が接続されていない場合に、トランスポンダと受信手段との通信を禁止する。車両用盗難防止装置への判別コードの供給は、トランスポンダから受信手段に向けて判別コードを送信することにより行われる。従って、上記の如く、トランスポンダと受信手段との通信が禁止されると、車両は動作禁止状態に維持される。
【0013】上記の目的は、請求項3に記載する如く、記録手段に記録される判別コードと、外部から供給される判別コードとが一致する場合に車両の動作禁止状態を解除する車両用盗難防止装置において、判別コードと共にIDコードを記録する記録手段と、該記録手段に付与されたIDコードを記録する第2記録手段と、前記記録手段に記録されるIDコードと、前記第2記録手段に記録されるIDコードとが一致する場合に、車両の動作禁止状態の解除を許可する禁止解除許可手段と、を備える車両用盗難防止装置によっても達成される。
【0014】本発明において、記録手段には、車両に対して予め付与された判別コードと共に、記録手段に対して付与されたIDコードが記録されている。記録手段に対して付与されたIDコードは、車両用盗難防止装置に内蔵される第2記録手段にも記録されている。前記禁止解除許可手段は、記録手段に記録されているIDコードと、第2記録手段に記録されているIDコードが一致する場合に車両を可動状態とすることを許容し、一方、両者が一致しない場合は、判別コードが一致しても車両の動作禁止状態の解除を許可しない。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である車両用盗難防止装置のシステム構成図を示す。本実施例のシステムは、キーシリンダ10の先端(図1において右端)に配設されるアンテナコイル12、アンテナコイル12と接続される通信回路14、通信回路14と接続される電子制御ユニット(以下、ECUと称す)16、ECU16と接続されるエンジンコントロールコンピュータ(以下、EFIコンピュータと称す)18、及び、キー20に内蔵されるトランスポンダ22により構成される。
【0016】図2は、通信回路14、及びECU16の内部構成を表す車両用盗難防止装置のシステム構成図を示す。図2に示す如く、アンテナコイル12には、通信回路14に内蔵されるドライブ回路24、及び検波/復調回路26が接続されている。ドライブ回路24は、所定の振幅を有する電圧信号を所定周波数で出力する。ドライブ回路24から上記の電圧信号が出力されると、アンテナコイル12の両端電圧は、所定振幅および所定周波数で変動する。
【0017】検波/復調回路26は、アンテナコイル12の一端に生ずる電圧変動の振幅を検出し、その振幅に応じた信号を出力する。後述の如く、キー20に内蔵されるトランスポンダ22は、アンテナコイル12へ向けて、複数の2値化信号を組み合わせて構成した判別コードを含む信号をシリアル送信する。トランスポンダ22から、上記信号が送信されると、アンテナコイル12の端部に生ずる電圧変動の振幅が振幅変調される。検波/復調回路26は、かかる電圧変動の振幅変化を復調し、トランスポンダ22から送信された判別コード等の各ビット値に対応するハイ出力またはロー出力を発生する。
【0018】検波/復調回路26から出力される電圧信号は、ECU16に内蔵されるマイクロコンピュータ28に供給される。マイクロコンピュータ28には、揮発性メモリであるRAM30、および読み出し専用のメモリであるROM32が内蔵されている。マイクロコンピュータ28は、後述の如く、検波/復調回路26から出力される信号の一部をトランスポンダ22から発せられた判別コードとして把握し、そのコードをRAM30内に記録する。
【0019】マイクロコンピュータ28には、不揮発性メモリであるEEPROM34、電源回路36、およびEFIコンピュータ18が接続されている。EEPROM34には、車両に対して予め設定された判別コードが記録されている。マイクロコンピュータ28は、上述の如くRAM30に記録したコードと、EEPROM34に記録されている判別コードとが一致するか否かを判別する。判別の結果、双方のコードが一致する場合は、マイクロコンピュータ28からEFIコンピュータ18に対して、車両を可動状態とすべき旨の指令、具体的には、イグニッションがオンとなること、及び、燃料噴射が可能となることを許容すべき旨の指令が発せられる。一方、双方のコードが一致しない場合は、マイクロコンピュータ28からEFIコンピュータ18に対して車両を可動状態とすべき旨の指令は発せられない。この場合、イグニッションがオンとならず、かつ、燃料噴射が実行されないため、車両を始動することはできない。
【0020】電源回路36は、マイクロコンピュータ28に対して駆動電力を供給する回路であり、電源電圧(+B)が供給されている場合に5Vの電圧を発生する。電源回路36は、キースイッチ38を介して電源電圧(+B)に接続されている。キースイッチ38は、キーシリンダ10にキー20が挿入されることによりオン状態となる。従って、キー20がキーシリンダ10に挿入されていない場合は、電源回路36が5V電圧を発生しないためマイクロコンピュータ28は停止状態となる。この場合、通信回路14も停止状態に維持される。キー20がキーシリンダ10に挿入されると、電源回路36からマイクロコンピュータ28への電力供給が開始され、マイクロコンピュータ28および通信回路14が作動状態となる。
【0021】次に、図3を参照して、トランスポンダ22の構成について説明する。図3は、トランスポンダ22の回路構成図を示す。トランスポンダ22は、コイル40を備えている。アンテナコイル12の両端電圧が、上述の如く所定周期で変動すると、アンテナコイル12の周辺には交流磁界が発生する。コイル40は、キー20がキーシリンダ10に挿入される際に、上記の交流磁界を検出することができるようにトランスポンダ22内に配設されている。
【0022】コイル40の一端(図3に示す上端)には、コンデンサ42の一方の電極、電源回路44の一方の端子、及びスイッチ回路46が接続されている。また、コイル40の他端(図3に示す下端)には、コンデンサ42の他方の電極、電源回路44の他方の端子、および2つの負荷回路48,50が接続されている。
【0023】コイル40及びコンデンサ42の諸元は、上述したアンテナコイル12が所定周期の交流磁界を発した際に、コイル40およびコンデンサ42よりなるLC回路に、共振が生ずるように設定されている。また、電源回路44には、コイル40およびコンデンサ42からなるLC回路に共振が生じた際に、その共振信号を整流して所定の直流電圧を発生する回路が内蔵されている。
【0024】電源回路44で生成された直流電圧は、制御回路52に供給される。制御回路52には、メモリ54が接続されている。メモリ54には、上記図2に示すEEPROM34内に記録されている判別コードと同一の判別コードが記録されている。制御回路52は、電源回路44から電力が供給されると、メモリ54に記録されている判別コードに従って、スイッチ回路46に対して適当な駆動信号を供給する。
【0025】負荷回路48と50とには、異なる負荷Z1 及びZ2 がそれぞれ付与されている。制御回路52からスイッチ回路46に対して負荷回路48を接続状態とする旨の駆動信号が供給されると、コイル40とコンデンサ42とからなる回路に負荷Z1 が接続される。以下、この状態を第1状態と称す。一方、制御回路52からスイッチ回路46に対して負荷回路50を接続状態とする旨の駆動信号が供給されると、コイル40とコンデンサ42とからなる回路に負荷Z2 が接続される。以下、この状態を第2状態と称す。
【0026】コイル40およびコンデンサ42に負荷Z1 が接続される第1状態と、コイル40およびコンデンサ42に負荷Z2 が接続される第2状態とでは、コイル40を含む回路の共振条件に差異が生ずる。本実施例においては、第1状態が実現された場合に、コイル40を含む回路の共振周波数とアンテナコイル12から発せられる交流磁界の周波数とがほぼ一致するように、また、第2状態が実現された場合に、コイル40を含む回路の共振周波数とアンテナコイル12から発せられる交流磁界の周波数とにずれが生ずるように、負荷Z1 およびZ2 の値が設定されている。従って、コイル40の両端には、スイッチ回路46が第1状態を実現しているか、或いは第2状態を実現しているかに応じて、振幅の異なる電圧信号が生成される。
【0027】このように、トランスポンダ22によれば、スイッチ回路46を負荷回路48又は50の何れに接続させるかに応じて、コイル40の両端に生ずる電圧の振幅を変更することができる。制御回路52は、送信すべき信号のビット値が“1”であるか“0”であるかに応じて、スイッチ回路46を負荷回路48,50の何れかに接続させる。制御回路52が上記の如くスイッチ回路46を駆動すると、コイル40の両端には、送信すべき信号のビット値に対応した振幅が表れることになる。
【0028】制御回路52は、電源回路44から電力が供給され始めた後、スタート信号に対応する一連の駆動信号を順次スイッチ回路46に供給する。次に、制御回路52は、メモリ54に記録されている判別コードに対応する一連の駆動信号、及びストップ信号に対応する一連の駆動信号を、順次スイッチ回路46に供給する。従って、トランスポンダ22のコイル40の両端には、トランスポンダ22が作動状態となった後、■スタート信号に対応する電圧振幅の変動、■判別コードに対応する電圧振幅の変動、■ストップ信号に対応する電圧振幅の変動が時間の経過に伴って表れる。
【0029】キー20がキーシリンダ10に差し込まれる過程で、アンテナコイル12とトランスポンダ22とが近接すると、アンテナコイル12とコイル40との相互インダクタンスMが無視できなくなり、アンテナコイル12のインダクタンス特性が、コイル40の状態に影響される状態となる。かかる状況下では、アンテナコイル12の両端に生ずる電圧の振幅が、コイル40の両端に生ずる電圧の振幅に影響される。このため、アンテナコイル12の両端には、コイル40の両端に表れる電圧の振幅、すなわち、トランスポンダ22からアンテナコイル12に向けて送信すべき信号のビット値に対応した振幅が表れる。
【0030】従って、トランスポンダ22のコイル40に、スタート信号、判別コード、およびストップ信号の各ビット値に対応した電圧振幅が順次表れると、アンテナコイル12の両端にも、経時的に、スタート信号、判別コード、およびストップ信号のビット値に対応した電圧振幅が表れる。上述した検波/復調回路26は、かかる電圧振幅の変動を2値化信号に復調してマイクロコンピュータ28に供給する。
【0031】マイクロコンピュータ28は、スタート信号と認識される2値化信号と、ストップ信号と認識される2値化信号とに挟まれる所定ビット数の信号を、トランスポンダ22から送信された判別コードとして認識する。以後、マイクロコンピュータ28は、上述の如く、受信した判別コードをRAM30に記録して、車両の動作禁止状態を解除又は維持するための処理を行う。
【0032】上述した車両用盗難防止装置から、EEPROM34が除去されると、EEPROM34からマイクロコンピュータ28に対して、全てのビット値が“0”に固定された判別コードが出力されているのと同様の状態が形成される。この場合、全てのビット値が“0”に固定された判別コードを送信するトランスポンダ22を用いることで、判別コードを不正に一致させることが可能である。
【0033】本実施例のシステムは、上述の手法により、不正に車両の動作禁止状態の解除が図られた場合に、車両を動作禁止状態に維持し得る点に特徴を有している。以下、図4を参照して、かかる特徴的機能について説明する。図4は、上記の機能を実現すべくECU16で実行されるルーチンの一例のフローチャートを示す。
【0034】キーシリンダ10にキー20が挿入されると、キースイッチ38がオンとなり、本ルーチンが開始される(ステップ100)。本ルーチンが開始されると、ステップ102において、マイクロコンピュータ28が起動され、次いでステップ104でマイクロコンピュータ28の初期化が行われる。
【0035】上記の処理が終了したら、次に、ステップ106において、EEPROM34に記録されている判別コードの読み出しを可能とすべく、判別コードが記録されているEEPROM34のアドレス設定が行われる。アドレスの設定は、マイクロコンピュータ28からEEPROM34へ向けて、読み出しを実行すべきアドレスに対応する信号を送信することにより行われる。
【0036】EEPROM34にアドレス信号が供給されると、EEPROM34は、その信号を受信したことを示すためマイクロコンピュータ28に対して所定の信号を返信する。マイクロコンピュータ28は、ステップ108において、EEPROM34から送信される上記の返信信号を受信するための待機状態とされる。
【0037】所定期間が経過した後、ステップ110において、EEPROM34の返信信号が受信されたか否かが判別される。所定の期間内にEEPROM34からの返信信号が受信されていない場合は、ECU16からEEPROM34が除去されていると判断され、以後、車両の動作禁止状態を解除するための処理が続行されることなく今回のルーチンが終了される。この場合、EFIコンピュータ18は、エンジンの始動を禁止するモードに維持され、車両は確実に動作禁止状態に維持される。
【0038】一方、上記ステップ110において、所定期間内にEEPROM34からの返信信号が受信されていると判別された場合は、ステップ112において、EEPROM34に記録されている判別コードを読み込み、そのコードをRAM30に記録する処理が実行される。
【0039】上記の処理の後、ステップ114において、トランスポンダ22との通信が実行され、続くステップ116で、通信により得られた信号をコード化する処理が実行される。そして、次に、ステップ118において、EEPROM34から読み出した判別コードと、トランスポンダ22から送信された判別コードとが一致しているか否かが判別される。
【0040】上記ステップ118において、双方の判別コードが一致すると判別された場合は、ステップ120において、エンジンの始動を許可するための処理が実行された後、今回のルーチンが終了される。ステップ120では、具体的には、EFIコンピュータ18に対して、イグニッションをオンとすること、および燃料噴射を実行することを許可する旨の指令が発せられる。この結果、エンジンが始動可能な状態となり、車両の動作禁止状態が解除される。一方、上記ステップ118で、双方の判別コードが一致しないと判別された場合は、車両を動作禁止状態に維持すべく、上記ステップ120の処理が実行されることなく今回のルーチンが終了される。
【0041】上述の如く、本実施例の車両用盗難防止装置によれば、EEPROM34に記録されている判別コードと、トランスポンダ22に記録されている判別コードとが一致しない場合に車両を動作禁止状態に維持することができると共に、EEPROM34がECU16から除去されている場合においても、同様に車両を動作禁止状態に維持することができる。従って、本実施例の車両盗難防止装置によれば、EEPROM34を除去することによる不正な動作禁止状態の解除を阻止することができ、盗難防止に対して高い安全性を得ることができる。
【0042】尚、上記の実施例においては、EEPROM34が前記請求項1記載の記録手段に相当する。また、マイクロコンピュータ28が上記ステップ108の処理を実行することにより前記請求項1記載の接続判定手段が、上記ステップ110の処理を実行することにより前記請求項1記載の解除禁止手段および前記請求項2記載の通信禁止手段が、それぞれ実現される。
【0043】図5は、本発明の第2実施例である車両用盗難防止装置のシステム構成図を示す。尚、図5において、上記図2に示す構成部分と同一の構成部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施例のシステムにおいて、キースイッチ38は直接マイクロコンピュータ28に接続されている。また、電源回路37には直接電源電圧(+B)が供給されている。この電源回路37は内部に2次電池を備えており、+B断線時にもRAMに記録されたIDコードが消去されないように構成されている。かかる構成によれば、マイクロコンピュータ28が、キースイッチ38の状態に関わらず作動可能な状態に維持されると共に、RAM30の記録内容が、キースイッチ38の状態に関わらず維持される。
【0044】EEPROM34には、車両に対して付与された判別コードと共に、EEPROM34自身に付与されたIDコードが記録されている。EEPROM34に記録されているIDコードは、RAM30にも記録されている。従って、本実施例のシステムによれば、EEPROM34に記録されているIDコードと、RAM30に記録されているIDコードとが一致するか否かに基づいて、ECU16に正規のEEPROM34が搭載されているか否かを判別することができる。
【0045】上述した第1実施例のシステムは、EEPROM34が除去された場合に、車両の動作禁止状態が解除されるのを阻止することを目的として構成されている。かかる構成によれば、上述の如く、車両の盗難に対して高い安全性を得ることができる。しかしながら、上述した第1実施例のシステムによっては、EEPROM34が偽のEEPROMに付け替えられた場合に、車両の動作禁止状態が解除されるのを阻止することはできない。つまり、予め判別コードの一致した偽EEPROMと偽トランスポンダとを準備して、EEPROM34を偽EEPROMに交換した後に、偽トランスポンダを用いて車両の始動を図れば、上記第1実施例のシステムを搭載する車両の動作禁止状態を解除することは可能である。
【0046】本実施例のシステムは、かかる不正な動作禁止状態の解除を阻止し得る点に特徴を有している。以下、図6及び図7を参照して、かかる特徴的機能を実現すべくマイクロコンピュータ28が実行する処理の内容について説明する。図6は、上記の機能を実現すべくマイクロコンピュータ28で実行されるメインルーチンの一例のフローチャートを示す。本ルーチンは、ECU16に電源電圧が供給され、マイクロコンピュータ28がパワーオンリセットされることにより起動される(ステップ200)。本ルーチンが起動されると、ステップ202において、キースイッチ38がオンであるかが判別される。
【0047】キースイッチ38がオンでないと判別された場合は、キー20がキーシリンダ10に挿入されていない、すなわち、車両の始動が要求されていないと判断され、次いでEEPROM監視サブルーチン(ステップ300)が実行される。尚、EEPROM監視サブルーチンの内容については、後に図7を参照して詳説する。一方、キースイッチ38がオンであると判別された場合は、ステップ204において、マイクロコンピュータ28の初期化が実行される。
【0048】マイクロコンピュータ28の初期化が終了すると、次にステップ206において、EEPROM34に記録されているIDコードが読み込まれる。次いで、ステップ208において、上記の如く読みだしたIDコードと、RAM30に記録されているIDコードとの比較が行われる。
【0049】ステップ210では、双方のIDコードが一致しているか否かが判別される。上記の判別の結果、双方のIDコードが一致している場合は、ステップ212でトランスポンダ22との通信が実行された後、ステップ214で、トランスポンダ22から送信された判別コードと、EEPROM34に記録されている判別コードとが一致するか否かが判別される。その結果、双方の判別コードが一致すると判別される場合は、ステップ216において、エンジンの始動を許可する処理が実行される。
【0050】一方、上記ステップ210において、EEPROM34に記録されているIDコードと、RAM30内に記録されているIDコードとが一致しないと判別された場合、及び、上記ステップ214において、EEPROM34に記録されている判別コードと、トランスポンダ22から送信された判別コードとが一致しないと判別された場合は、共にステップ216がジャンプされ、次にステップ218の処理が実行される。この場合、EFIコンピュータ18が、エンジンの始動を禁止するモードに維持されるため、車両は確実に動作禁止状態に維持される。
【0051】上述の如く、本実施例のシステムによれば、EEPROM34に記録されている判別コードとトランスポンダ22に記録されている判別コードとが一致するのみならず、EEPROM34に記録されているIDコードと、RAM30に記録されているIDコードとが一致しなければ、車両の動作禁止状態を解除することはできない。このため、本実施例のシステムによれば、EEPROM34が偽のEEPROMに付け替えられ、偽のトランスポンダを用いて車両の始動が図られた場合においても、確実に車両を動作禁止状態に維持することができる。
【0052】ステップ218では、キースイッチ38がオフとされているか否か、すなわち、キーシリンダ10からキー20が抜き取られたか否かが判別される。その結果、キースイッチ38がオフであると判別された場合は、次いで上記ステップ202の処理が実行される。この場合、ステップ202ではキースイッチ38がオンではないと判別されるため、EEPROM監視サブルーチン(ステップ300)が開始される。以後、キースイッチ38がオンとされるまで、ステップ202の処理と、EEPROM監視サブルーチンの処理とが繰り返し実行される。
【0053】一方、上記ステップ218においてキースイッチ38がオフではないと判別された場合は、その後、即座にEEPROM監視サブルーチン(ステップ300)が開始される。以後、キースイッチ38がオフとされるまで、ステップ218の処理と、EEPROM監視サブルーチンの処理とが繰り返し実行される。
【0054】図7は、EEPROM監視サブルーチンの一例のフローチャートを示す。以下、図7を参照して、EEPROM監視サブルーチンの内容について詳説する。EEPROM監視サブルーチンが起動されると、先ずステップ302において、一定時間が経過したか否かが判別される。その結果、未だ一定時間が経過していない場合には、後の処理を進めることなく今回のルーチンが終了される。一方、既に一定時間が経過していると判別された場合は、次にステップ304の処理が実行される。
【0055】ステップ304では、EEPROM34に記録されているIDコードが、マイクロコンピュータ28に読み込まれる。マイクロコンピュータ28は、次いで、ステップ306において、RAM30に記録されているIDコードと、EEPROM34から読み込んだIDコードとが一致するか否かを判別する。
【0056】双方のIDコードが一致する場合は、ECU16に正規のEEPROM34が搭載されていると判断することができる。この場合、ステップ308において、乱数により新しいIDコードが作成される。以後、作成された新IDコードが、ステップ310でRAM30に格納され、また、ステップ312でEEPROM34に登録されて、今回のEEPROM監視サブルーチンが終了される。
【0057】一方、上記ステップ306において、RAM30に記録されているIDコードと、EEPROM34から読み込んだIDコードとが一致していないと判別された場合は、ECU16に搭載されているEEPROM34が、正規のEEPROMではないと判断することができる。この場合、ステップ314で、EEPROMのコードデータを消去する処理が実行され、更に、ステップ316で警告用アラームを作動させるための処理が実行された後、今回のEEPROM監視ルーチンが終了される。
【0058】上述の如く、マイクロコンピュータ28は、キースイッチ38がオン状態で維持された場合、及びオフ状態で維持された場合に、EEPROM監視サブルーチンを繰り返し実行する。EEPROM監視ルーチンが繰り返し実行されると、一定時間毎にECU16に搭載されているEEPROMが正規のEEPROMであるか否かが判別される。
【0059】そして、正規のEEPROMが搭載されていると判別された場合は、IDコードの更新が行われる。このため、本実施例のシステムに搭載される正規のEEPROM34のIDコードを複製することは極めて困難である。更に、IDコードの異なる偽のEEPROMが搭載されていると判別された場合は、警告用アラームが作動される。このため、本実施例のシステムに搭載されるEEPROM34を偽のEEPROMに付け替えることは事実上不可能である。
【0060】このように、本実施例のシステムによれば、EEPROMを付け替えて不正に車両の動作禁止状態を解除しようとする行為を、確実に阻止することができる。この意味で、本実施例のシステムは、単に判別コードの同一性のみに基づいて車両の動作禁止状態を解除又は維持する装置に比して、車両の盗難に対して更に高い安全性を備えていることになる。
【0061】尚、上記の実施例においては、EEPROM34が前記請求項3記載の記録手段に、RAM30が前記請求項3記載の第2記録手段に、それぞれ相当する。また、マイクロコンピュータ28が上記ステップ206〜210の処理を実行することにより、前記請求項3記載の禁止解除許可手段が実現される。
【0062】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれば、車両用盗難用防止装置内に判別コードの記録された記録手段が接続されていない場合には、車両の動作禁止状態が解除されるのを阻止することができる。従って、本発明に係る車両用盗難防止装置によれば、記録手段が取外された場合においても、確実に車両を非可動状態に維持することができ、車両の盗難を有効に防止することができる。
【0063】また、請求項2記載の発明によれば、車両用盗難用防止装置内に判別コードの記録された記録手段が接続されていない場合には、トランスポンダと受信手段との通信を禁止することができる。トランスポンダと受信手段との通信が禁止されると、車両は動作禁止状態に維持される。従って、本発明に係る車両用盗難防止装置によれば、記録手段が取外された場合においても、確実に車両を非可動状態に維持することができ、車両の盗難を有効に防止することができる。
【0064】更に、請求項3記載の発明によれば、記録手段に記録されるIDコードと、第2記録手段に記録されるIDコードとが一致する場合にのみ車両を可動状態とすることが許可される。従って、本発明に係る車両用盗難防止装置によれば、記録手段が交換された場合においても、確実に車両を非可動状態に維持することができ、車両の盗難を有効に防止することができる。




 

 


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