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発明の名称 原動機とモータとを搭載した車両
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−46819
公開日 平成9年(1997)2月14日
出願番号 特願平7−215269
出願日 平成7年(1995)7月31日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 孝雄 (外3名)
発明者 川端 康己
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 原動機から取り出されたエネルギを発電機により一旦電力に変換し、該変換された電力を二次電池に蓄えると共に、前記発電された電力および前記二次電池に蓄えられた電力を利用してモータを駆動することにより車軸を回転させる車両であって、前記原動機の運転状態によって生じる音の増減に応じて、車室内における音の増減を抑制するよう所定の音源からの音量を制御する原動機とモータとを搭載した車両。
【請求項2】 請求項1記載の原動機とモータとを搭載した車両であって、前記原動機から生じる音の大きさの変動に対応したパラメータを検出する検出手段と、発生する音の状態を調整可能な音発生手段と、前記検出したパラメータに応じて、前記音発生手段を制御して、車室内の音の状態を制御する音制御手段とを備えた原動機とモータとを搭載した車両。
【請求項3】 原動機から取り出されたエネルギを発電機により一旦電力に変換し、該変換された電力を二次電池に蓄えると共に、前記発電された電力および前記二次電池に蓄えられた電力を利用してモータを駆動することにより車軸を回転させる車両であって、アクセル操作量を検出し、該検出したアクセル操作量に応じて、車室内における音を増減する原動機とモータとを搭載した車両。
【請求項4】 請求項3記載の原動機とモータとを搭載した車両であって、発生する音の状態を調整可能な音発生手段と、前記検出されたアクセル操作量に応じて、前記音発生手段を制御して、車室内の音の状態を、前記アクセル操作量に応じて制御する音制御手段とを備えた原動機とモータとを搭載した車両。
【請求項5】 前記モータを駆動するインバータ回路を備え、該インバータ回路を前記音発生手段として用い、前記音制御手段が、該インバータ回路のキャリア周波数を変更することで発生する音の状態を変更する手段である請求項2または4記載の原動機とモータとを備えた車両。
【請求項6】 請求項1ないし5記載の原動機とモータとを備えた車両であって、前記モータは、原動機の出力軸に結合され、ロータおよびステータが共に回転可能な第1のモータと、該第1のモータおよび前記車軸に結合された第2のモータとからなり、前記原動機が停止したとき、前記車軸のトルク変動を要請するよう、前記第1もしくは第2のモータを駆動するモータ駆動手段を備える原動機とモータと備えた車両。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原動機とモータとを搭載した車両に関し、詳しくは原動機から取り出されたエネルギを発電機により一旦電力に変換し、該変換された電力を二次電池に蓄えると共に、前記発電された電力および前記二次電池に蓄えられた電力を利用してモータを駆動することにより車軸を回転させる車両に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の原動機とモータとを搭載した車両は、原動機の運転状態とアクセルの操作量とを切り離し、内燃機関などの原動機を効率の良い運転状態で運転し、内燃機関により発電機を回してエネルギを取り出している。発電機により発電された電力は、一部はモータに供給され、モータの回転により車軸を回して車両を駆動するのに用いられる。発電機の発電量が、車両を駆動するのに必要なエネルギを上回れば残余の電力は二次電池に蓄積し、他方発電量が不足すれば二次電池から補って、モータを駆動することもなされている。こうした原動機とモータとを搭載した車両(以下、ハイブリッド車と呼ぶ)では、原動機の運転状態とアクセルの操作量との一対一の関係はとられていないので、例えば車両の駆動に要するエネルギが小さい場合には、二次電池の充電が完了すると、車両の運転中であっても原動機を停止することもなされている(例えば特開平4−29504号公報の「電気自動車」)。
【0003】また、こうした原動機とモータとを搭載した車両では、原動機による発電機の発電量を種々の条件に基づいて制御することもなされている(例えば、特開平6−245320号公報の「電気自動車用エンジン駆動発電機の制御装置」)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の原動機とモータとを搭載した車両では、原動機の運転は運転者の意図とは無関係ないし緩い相関を持ってしかなされないから、原動機の運転音が聞こえる場合、運転者が違和感を持つという問題があった。例えば、原動機が定常状態で運転されて発電機を回している場合、あるいは二次電池の充電量などに応じて走行中に間欠的に運転される場合、運転者が加速しようとアクセルを踏み込んでも原動機の運転状態は一定に保たれ、あるいはアクセルの操作とは無関係に運転・停止を繰り返すから、原動機の音量により従来体感されていた車両の加速感は全く生じない。
【0005】逆に、アクセルを操作していない時にも原動機が運転を開始し、あるいは運転状態が高まり、その音の変動が車室内の運転者に聴取される場合がある。こうした場合には、運転者は違和感を覚えてしまう可能性がある。
【0006】本発明は、上記問題点を解決するためになされ、電動機とモータとを備えた車両において原動機の運転音の状態と運転者の体感との違和感を解消することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】かかる目的を達成するためになされた本発明の原動機とモータとを搭載した車両が採用した手段は、次の通りである。まず、第一発明の原動機とモータとを備えた車両は、原動機から取り出されたエネルギを発電機により一旦電力に変換し、該変換された電力を二次電池に蓄えると共に、前記発電された電力および前記二次電池に蓄えられた電力を利用してモータを駆動することにより車軸を回転させる車両であって、前記原動機の運転状態によって生じる音の増減に応じて、車室内における音の増減を抑制するよう所定の音源からの音量を制御することを要旨とする。
【0008】かかる車両は、原動機から取り出されたエネルギで直接車軸を駆動するのでなく、一旦電力に変換し、発電した電力を二次電池に蓄えると共に、発電した電力および二次電池に蓄えた電力を用いてモータを駆動することで車軸を回転させる。従って、原動機の運転状態と車両の走行状態あるいは運転者の意図とは一対一に対応しないのが通常である。この結果、原動機を音源として運転室内で聴取される音の状態も、車両の走行状態や運転者の意図とは必ずしも一致しない。第一発明の車両によれば、原動機の運転状態によって生じる音の増減に応じて、車室内における音の増減を抑制するよう所定の音源からの音量を制御するから、車室内の音の増減は抑制され、運転者の違和感は軽減される。
【0009】かかる発明の実施の態様としては、原動機から生じる音の大きさの変動に対応したパラメータを検出する検出手段と、発生する音の状態を調整可能な音発生手段と、該検出したパラメータに応じて、音発生手段を制御して、車室内の音の状態を制御する音制御手段とを備える原動機とモータとを搭載した車両の構成を考えることができる。
【0010】原動機から生じる音の大きさの変動は、直接検出しても良いし、原動機の制御状態、例えば内燃機関の燃料噴射量などから検出することもできる。これらが音の大きさの変動に対応したパラメータに相当する。このパラメータに応じて、音発生手段を制御し、車室内の音の状態を制御する。音の状態とは、音量や音程、音質などが含まれる。したがって、音制御手段により、原動機の音が大きく変動する際には、音発生手段を制御して、車室内における音の増減を抑制、更には解消することができる。音の増減の抑制は、音発生手段からの音量を調整することによっても、あるいは音発生手段からの音の高さを調整することによっても、体感上は可能である。
【0011】音発生手段として、電気的に音を発生する手段(例えば、発振器とスピーカ)を設けてもよく、あるいはモータを駆動するインバータ回路で発信音のある回路構成を用いても良い。あるいは、車両に搭載された音源であれば、その他の音源も利用可能である。
【0012】本発明の第2の車両は、原動機から取り出されたエネルギを発電機により一旦電力に変換し、該変換された電力を二次電池に蓄えると共に、前記発電された電力および前記二次電池に蓄えられた電力を利用してモータを駆動することにより車軸を回転させる車両であって、アクセル操作量を検出し、該検出したアクセル操作量に応じて、車室内における音を増減することを要旨とする。
【0013】原動機とモータとを搭載したこの車両は、アクセル操作量を検出しており、アクセル操作量に応じて車室内における音を増減するから、運転者は、自己の意図に対応した音を聞くことになり、違和感を持つことがない。
【0014】かかる発明の実施の態様として、使用者によるアクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、発生する音の状態を調整可能な音発生手段と、前記検出されたアクセル操作量に応じて、前記音発生手段を制御して、車室内の音の状態を、前記アクセル操作量に応じて制御する音量制御手段とを備えた構成を考えることができる。
【0015】アクセル操作量は、直接アクセルペダルなどの移動量を検出することで容易に検出することができる。検出したアクセス操作量に応じて、音発生手段を制御し、車室内の音の状態を制御する。音の状態とは、音量や音程、音質などが含まれる。したがって、検出したアクセル操作量に応じて、音発生手段を制御して、車室内における音を制御、好ましくは増減する。アクセル操作量と車室内の音の大きさの対応は、音発生手段からの音量を調整することのみならず、音発生手段からの音の高さや音質を調整することによっても、体感上は可能である。
【0016】更に、これらの車両において、モータを駆動するインバータ回路を備え、インバータ回路を前記音発生手段として用いる構成を採用することも可能である。モータの駆動回路としてインバータ回路は広く用いられており、その発振周波数を変えることでインバータから発生する音の状態を調整することができる。この場合には、音発生手段を別途設ける必要がないので、構成を簡易なものとすることができる。なお、音発生手段を別途設け、より細かくまた実際の車両の動作音に近い音で、音を制御することも好適である。
【0017】以上説明した各発明において、原動機とは、内燃機関など自然のエネルギを機械的な運動に変換するものであって車両に搭載できるものであれば良く、ガソリンエンジン,ディーゼルエンジン,レシプロエンジン,ロータリエンジンなどの別を問わない。更に、外燃機関であっても差し支えない。これらの原動機は、車両に搭載されたモータのための発電機として動作しているが、原動機の出力軸に滑り回転可能なモータを設け、原動機の出力軸の回転の一部は直接車軸に伝達し、滑り回転に応じたエネルギを電気エネルギとして取り出す仕様であっても差し支えない。この場合には、例えば、前記モータを、原動機の出力軸に結合され、ロータおよびステータが共に回転可能な第1のモータと、該第1のモータおよび前記車軸に結合された第2のモータとから構成し、原動機が停止したとき、前記車軸のトルク変動を抑制するよう、前記第1もしくは第2のモータを駆動するモータ駆動手段を備える構成とし、原動機の運転・停止に応じて、前記の音発生手段を制御するものとすればよい。また、原動機の出力軸に遊星歯車を設置し、原動機の回転の一部を車軸に直接伝達し、差分の回転数を別途取り出して、発電機を回転する構成とすることも可能である。車軸にはトルクを付加するアシストモータを設けておき、発電した電力でアシストモータを駆動する構成とすれば、原動機の発生するエネルギをトルク×回転数として自由に制御でき、好適である。
【0018】
【発明の他の態様】以上説明した本発明の第1の車両,第2の車両において、音の発生および/または車室内における音の状態の制御を行なうか行なわないかを設定する設定手段を設け、設定手段の状態に応じて音発生手段による音の発生および/または音制御手段による制御を行なったり、停止したりする構成とすることも可能である。こうした場合には、車室内の音の制御を行なった方が望ましい場合には、制御を行ない、制御が不要な場合には、音発生などを行なわないから、無用なエネルギ消費などを生じないと言う利点がある。
【0019】また、第1,第2の車両において、車両に搭載された音源、例えば内燃機関やダイナモあるいはコンプレッサなどから車室内に音を導く音導入手段を設け、この音導入手段による音の伝導の状態を制御することで、車室内の音の状態を制御する制御手段を設ける構成とすることも可能である。音の伝導の状態を制御することは、音が伝わる経路に固さを可変できるダンパを設け、このダンパの固さを調整することにより実現することができる。また、音の伝導経路を複数の部材に分割し、部材間の接合の強さを変えることで音の伝導の状態を可変することも可能である。こうした場合には、音の発生を制御することなく、車室内の音の状態を制御することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、以上説明した本発明の構成、作用、効果を一層明らかにするために、本発明に係る原動機とモータとを搭載した車両について、その実施の形態を、実施例を挙げて、図面に基づき説明する。図1は、本発明の一実施例としての車両の全体構成図、図2は、この車両に搭載されたトルク伝達装置20の概略構成図、図3はトルク伝達装置20を構成するクラッチモータ30およびアシストモータ40の構造を示す断面図である。
【0021】図1に示すように、この車両には、動力源としてガソリンにより運転される内燃機関50が備えられている。この内燃機関50は、吸気系から吸入した空気と燃料噴射弁51から噴射されたガソリンとの混合気を燃焼室52に吸入し、この混合気の爆発により押し下げられるピストン54の運動をクランクシャフト56の回転運動に変換する。混合気は、イグナイタ58からディストリビュータ60を介して導かれた高電圧により点火プラグ62に形成された電気火花により点火され、爆発燃焼する。この内燃機関50の運転は、電子制御ユニット(以下、EFIECUと呼ぶ)70により制御されている。EFIECU70には、内燃機関50の運転状態を示す種々のセンサが接続されている。例えば、内燃機関の50の負荷を検出する吸気管負圧センサ72、内燃機関50の水温を検出する水温センサ74、ディストリビュータ60に設けられクランクシャフト56の回転数と回転角度を検出する回転数センサ76および回転角度センサ78などである。なお、EFIECU70には、この他、例えばイグニッションキーの状態STを検出するスタータスイッチ79なども接続されているが、その他のセンサ,スイッチなどの図示は省略した。このEFIECU70には、吸気ポートへの燃料噴射量を調整する燃料噴射弁51とスロットルバルブ66の開度を調整するスロットルモータ68とが接続されており、EFIECU70は、これらのアクチュエータを制御することで、内燃機関(エンジンともいう)50の運転状態を、運転の停止・再開を含めて自由に制御することができる。
【0022】内燃機関50のクランクシャフト56には、トルク伝達装置20が結合されている。トルク伝達装置20の駆動軸22は、ディファレンシャルギヤ24に結合されており、トルク伝達装置20からのトルクは最終的に左右の駆動輪26,28に伝達される。このトルク伝達装置20は、制御装置80により、制御されている。制御装置80の構成は後で詳述するが、内部には制御CPUが備えられており、アクセルペダル64の操作量ACを検出するアクセルペダルポジションセンサ65や、シフトレバー82に設けられたシフトポジションセンサ84なども接続されている。また、制御装置80は、上述したEFIECU70と通信により、種々の情報をやり取りしている。これらの情報のやり取りを含む制御については、後述する。
【0023】トルク伝達装置20の構成について説明する。図2に示すように、内燃機関50のクランクシャフト56の一端に取り付けられたトルク伝達装置20は、大きくは、クランクシャフト56にアウタロータ32が結合されたクラッチモータ30、このクラッチモータ30のインナロータ34に結合されたロータ42を有するアシストモータ40、およびクラッチモータ30とアシストモータ40を駆動・制御する制御装置80から構成されている。
【0024】各モータの概略構成について、図2により説明する。クラッチモータ30は、図2に示すように、アウタロータ32の内周面に永久磁石35を備え、インナロータ34に形成されたスロットに三相のコイル36を巻回する同期電動機として構成されている。この三相コイル36への電力は、回転トランス38を介して供給される。インナロータ34において三相コイル36用のスロットおよびティースを形成する部分は、無方向性電磁鋼板の薄板を積層することで構成されている。なお、クランクシャフト56には、その回転角度θeを検出するレゾルバ39が設けられているが、このレゾルバ39は、ディストリビュータ60に設けられた回転角度センサ78と兼用することも可能である。
【0025】他方、アシストモータ40も同期電動機として構成されているが、回転磁界を形成する三相コイル44は、ケース45に固定された固定子43に巻回されている。この固定子43も、無方向性電磁鋼板の薄板を積層することで形成されている。ロータ42の外周面には、複数個の永久磁石46が設けられている。アシストモータ40では、この永久磁石46により磁界と三相コイル44が形成する磁界との相互作用により、ロータ42が回転する。ロータ42が結合された軸は、トルク伝達装置20のトルクの出力軸である駆動軸22であり、駆動軸22には、その回転角度θdを検出するレゾルバ48が設けられている。また、駆動軸22は、ケース45に設けられたベアリング49により軸支されている。
【0026】係るクラッチモータ30のロータ34は、アシストモータ40のロータ42、延いては駆動軸22に結合されている。従って、内燃機関50と両モータ30,40の関係を簡略を言えば、内燃機関50のクランクシャフト56の回転および軸トルクが、クラッチモータ30のアウタロータ32からロータ34に伝達され、これにアシストモータ40による回転とトルクとが加減算されて、最終的な駆動軸22の回転とトルクとになっている。
【0027】アシストモータ40は、通常の永久磁石型三相同期モータとして構成されているが、クラッチモータ30は、永久磁石35を有する部材も三相コイル36を備えた部材も、共に回転するよう構成されている。そこで、クラッチモータ30の構成の詳細について、図3を用いて補足する。クラッチモータ30のアウタロータ32は、クランクシャフト56に嵌合されたホイール57の外周端に圧入ピン59aおよびネジ59bにより取り付けられている。ホイール57の中心部は、軸形状に突設されており、ここにベアリング37A,37Bを用いてインナロータ34が回転自在に取り付けられている。また、インナロータ34には、駆動軸22の一端が固定されている。
【0028】アウタロータ32に永久磁石35が設けられていることは既に説明した。この永久磁石35は、実施例では4個設けられており、アウタロータ32の内周面に貼付されている。その磁化方向はクラッチモータ30の軸中心に向かう方向であり、一つおき磁極の方向は逆向きになっている。この永久磁石35と僅かなギャップにより対向するインナロータ34の三相コイル36は、インナロータ34に設けられた計24個のスロット(図示せず)に巻回されており、各コイルに通電すると、スロットを隔てるティースを通る磁束を形成する。各コイルに三相交流を流すと、この磁界は回転する。三相コイル36の各々は、回転トランス38から電力の供給を受けるよう接続されている。この回転トランス38は、ケース45に固定された一次巻線38Aとインナロータ34が固定された駆動軸22に取り付けられた二次巻線38Bとからなり、電磁誘導により、一次巻線38Aと二次巻線38Bとの間で、双方向に電力をやり取りすることができる。なお、三相(U,V,W相)の電流をやり取りするために、回転トランス38には三相分の巻線が用意されている。回転トランス38に代えてスリップリング等の接触型の装置を用いることも可能である。
【0029】隣接する一組の永久磁石35が形成する磁界と、インナロータ34に設けられた三相コイル36が形成する回転磁界との相互作用により、アウタロータ32とインナロータ34とは種々の振る舞いを示す。通常は、三相コイル36に流す三相交流の周波数は、クランクシャフト56に直結されたアウタロータ32の回転数(1秒間の回転数)とインナロータ34の回転数との偏差の周波数としている。この結果、両者の回転には滑りを生じることになる。クラッチモータ30およびアシストモータ40の制御の詳細については、後でフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0030】次に、クラッチモータ30およびアシストモータ40を駆動・制御する制御装置80について説明する。制御装置80は、図2に示すように、クラッチモータ30を駆動する第1の駆動回路91、アシストモータ40を駆動する第2の駆動回路92、両駆動回路91,92を制御する制御CPU90、二次電池であるバッテリ94から構成されている。制御CPU90は、1チップマイクロプロセッサであり、内部に、ワーク用のRAM90a、処理プログラムを記憶したROM90b、入出力ポート(図示せず)およびEFIECU70と通信を行なうシリアル通信ポート(図示せず)を備える。この制御CPU90には、レゾルバ39からのエンジン回転角度θe、レゾルバ48からの駆動軸回転角度θd、シフトポジションセンサ84からのシフトポジションSP、アクセルペダルポジションセンサ65からのアクセルペダル64の操作量AC、第1の駆動回路91に設けられた2つの電流検出器95,96からのクラッチ電流値Iuc,Ivc、第2の駆動回路に設けられた2つの電流検出器97,98からのアシスト電流値Iua,Iva、バッテリ94の残容量(充放電の状態)を検出する残容量検出器99からの残容量BRMなどが、入力ポートを介して入力されている。なお、残容量検出器99は、バッテリ94の電解液の比重を測定して残容量を検出するものや、充電・放電の電流値と時間を演算して残容量を検出するものなどが知られている。
【0031】また、制御CPU90からは、第1の駆動回路91に設けられたスイッチング素子である6個のトランジスタTr1ないしTr6を駆動する制御信号SW1と、第2の駆動回路92に設けられたスイッチング素子としての6個のトランジスタTr11ないしTr16を駆動する制御信号SW2とが出力されている。第1の駆動回路91の6個のトランジスタTr1ないしTr6は、対をなす電源ラインP1,P2に対してソース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置され、その接続点に、クラッチモータ30の三相コイル(UVW)36の各々が、回転トランス38を介して接続されている。電源ラインP1,P2は、バッテリ94のプラス側とマイナス側に、それぞれ接続されているから、制御CPU90により、対をなすトランジスタTr1ないしTr6のオン時間の割合を制御信号SW1により順次制御し、各コイル36に流れる電流を、PWM制御によって擬似的な正弦波にすると、三相コイル36により、滑らかな回転磁界が形成される。
【0032】他方、第2の駆動回路92の6個のトランジスタTr11ないしTr16も、第1の駆動回路91と同様に配置されており、対をなすトランジスタの接続点は、アシストモータ40の三相コイル44の各々に接続されている。従って、制御CPU90により、対をなすトランジスタTr11ないしTr16のオン時間を制御信号SW2により順次制御し、各コイル44に流れる電流を、PWM制御によって擬似的な正弦波にすると、三相コイル44により、滑らかな回転磁界が形成される。なお、以上の説明では、クラッチモータ30およびアシストモータ40をいずれも駆動するものとして記述したが、外部のトルクによりモータが回転している場合には、これらのモータから電流を回生することが可能である。回生の場合の電流の流れ方および各トランジスタのオン・オフの制御の様子は、駆動の場合と、電力の入出力の関係をちょうど逆にしたものとなっている。
【0033】以上構成を説明したトルク伝達装置20の動作について説明する。トルク伝達装置20の動作原理、特にトルク変換の原理は以下の通りである。内燃機関50がEFIECU70により運転され、所定の回転数N1で回転しているとする。このとき、制御装置80が回転トランス38を介してクラッチモータ30の三相コイル36に何等電流を流していないとすれば、即ち第1の駆動回路91のトランジスタTr1ないしTr6が常時オフ状態であれば、三相コイル36には何等の電流も流れないから、クラッチモータ30のアウタロータ32とインナロータ34とは全く結合されていない状態となり、内燃機関50のクランクシャフト56は空回りしている状態となる。この状態では、トランジスタTr1ないしTr6がオフとなっているから、三相コイル36からの回生も行なわれない。即ち、内燃機関50はアイドル回転をしていることになる。
【0034】制御装置80の制御CPU90が制御信号SW1を出力してトランジスタをオンオフ制御すると、内燃機関50のクランクシャフト56の回転数と駆動軸22の回転数との偏差に応じて、クラッチモータ30の三相コイル36に一定の電流が流れる。即ち、クラッチモータ30は発電機として機能し、電流が第1の駆動回路91を介して回生され、バッテリ94が充電される。この時、アウタロータ32とインナロータ34とは一定の滑りが存在する結合状態となる。即ち、内燃機関50のクランクシャフト56の回転数よりは低い回転数でインナロータ34は回転する。この状態で、回生された電気エネルギと等しいエネルギがアシストモータ40で消費されるように、制御CPU90が第2の駆動回路92を制御すると、アシストモータ40の三相コイル44に電流が流れ、アシストモータ40においてトルクが発生する。
【0035】図12にこのトルク伝達装置20の動作原理を示した。図示するように、クランクシャフト56が回転数N1,トルクT1で運転しているとき、領域G1のエネルギをクラッチモータ30から回生し、これをアシストモータ40に付与することで、駆動軸22を回転数N2,トルクT2で回転するのである。こうして、クラッチモータ30における滑り(回転数差)に応じたエネルギがトルクとして駆動軸22に付与され、トルクの変換が行なわれることになる。
【0036】このように、本実施例では、クラッチモータ30で内燃機関50のエネルギの一部を電力の形態で取り出し、これをアシストモータ40により駆動軸22に付与してトルクアップ(回転数は内燃機関50の回転数より低い)を行なうことが可能であるが、エネルギの変換はこの形態に限らない。即ち、クラッチモータ30を駆動するか回生するか、アシストモータ40を駆動するか回生するか、回生した電力をバッテリ94の充電に用いるか、バッテリ94に蓄えられた電力によりモータを駆動するか、などの組み合わせは、多岐に亘る。更に、内燃機関50の出力も、内燃機関50がもっとも効率よく運転される運転条件を中心に種々選択することができ、これら種々の装置を制御しつつ、全体として必要なエネルギを駆動軸22に付与してゆく制御が実行されるのである。
【0037】以下、制御装置80における制御および本発明の特徴に対応した音の制御について詳しく説明する。図4は、制御CPU90におけるトルク制御の処理の概要を示すフローチャートである。図示するように、この処理ルーチンが起動されると、まず駆動軸22の回転数Ndを読み込む処理を行なう(ステップS100)。駆動軸22の回転数は、レゾルバ48から読み込んだ駆動軸22の回転角度θdから求めることができる。次に、アクセルペダルポジションAPをアクセルペダルポジションセンサ65から読み込む処理を行ない(ステップS101)、このアクセルペダルポジションAPに基づいて、駆動軸22に付与すべき伝達トルクの目標値(伝達トルク指令とも言う)Td*を求める処理を行なう(ステップS102)。この結果、駆動軸22の回転数Ndとから、駆動軸22に出力されるエネルギPdを求めることができる(ステップS103)。即ち、Pd=Td*×Ndを演算するのである。
【0038】こうして駆動軸22に出力されるエネルギPdを求めた後、今度は内燃機関50を間欠運転する領域か否かの判断を行なう(ステップS104)。内燃機関50を間欠運転するのは、内燃機関50の運転領域を、その効率などを考えて所定の範囲に限定しているからである。駆動軸22に出力すべきエネルギは車両の運転状態に基づいて連続的な値を取る。一方、内燃機関50にとって高効率かつエミッションに優れた運転領域は、比較的狭い。そこで、内燃機関50の運転領域をある幅に制限しておき、駆動軸22に必要なエネルギ(回転数×トルク)がこの運転領域に入っている場合には、必要な運転状態で、内燃機関50を連続運転するものとし、次に内燃機関(エンジン)の制御を行なう(ステップS105)。このとき、エンジントルクTeと回転数Neから計算されるその出力エネルギは、効率などを無視すれば、駆動軸22の出力エネルギPd(ステップS103で演算)と等しくしておくことができる。もとより、バッテリ94が放電した状態にあり、充電が必要な場合には、内燃機関50を、駆動軸22の回転に必要なエネルギ以上のエネルギで運転し、余剰の電力を回生して充電に充てることも可能である。内燃機関50の制御は、実際には、制御CPU90から通信によりEFIECU70に必要な指令を出力することにより行なわれる。
【0039】他方、駆動軸22に要求されているエネルギから見て内燃機関50を連続運転することが困難な場合には、内燃機関50は間欠運転領域にあると判断し、続いてバッテリ94の容量が十分か否かの判断を行なう(ステップS106)。バッテリ94がほぼフル充電されているか否かを判断するのである。内燃機関50の運転により得られるエネルギと駆動軸22が必要とするエネルギとの差は、電力としてクラッチモータ30から回生され、バッテリ94に充電されるから、バッテリ94がある程度放電した状態であれば、回生を行なって充電すべきと判断して、内燃機関50を所定の運転状態で運転する。なお、図4では、この場合もステップS105で内燃機関50を制御するものとして説明したが、この場合の内燃機関50の運転状態は、駆動軸22が必要とするエネルギとはバランスしないので、駆動軸22が必要とするエネルギPdにもっとも近い状態(Pd′=Ne′×Te′で運転される。
【0040】内燃機関50が運転される場合には、次にクラッチモータ30のトルク指令値Tc*を設定する処理を行なう(ステップS108)。図12に示したように、トルク変換が行なわれる場合、クラッチモータ30は内燃機関50の回転数Neと駆動軸22の回転数Ndとの偏差△Nに内燃機関50の出力トルクTeとを乗算した△N×Teに相当するエネルギを回生し、これをアシストモータ40側で消費して駆動軸22のトルクの増大に利用している。したがって、クラッチモータ30の出力トルク自体は、最終的には、内燃機関50のトルクと等しくなる。
【0041】以上の処理により、駆動軸22が最終的に必要とする出力トルクTd*やその回転数Ndが決まり、内燃機関50の最終的な運転状態が決まるから、クラッチモータ30のトルク指令Tc*やアシストモータ40の目標トルクTa*なども決定可能となる。そこで、続いて、インバータ周波数の制御を行なった後(ステップS109)、クラッチモータ30の制御(ステップS110)およびアシストモータ40の制御(ステップS130)を行なう。インバータの周波数制御とは、インバータである第1の駆動回路91および第2の駆動回路92のキャリア周波数を変更する制御である。インバータ周波数制御や各モータの制御の詳細については、後述する。
【0042】他方、内燃機関50が間欠運転領域にあり、バッテリ94がフル充電に近い状態であれば、内燃機関50を運転して電力を回生しても充電することができない。そこで、この場合には、内燃機関50を停止する(ステップS107)。この場合にも、インバータである第1,第2の駆動回路91,92のキャリア周波数を変更する制御を行ない(ステップS109)、その後、クラッチモータ30の制御(ステップS110)およびアシストモータ40の制御(ステップS130)を行なう。なお、図示の都合上、クラッチモータ30の制御とアシストモータ40の制御は別々のステップとして記載したが、実際には、制御CPU90は割り込み処理を利用してこれらの制御を同時に実行する。また、クラッチモータ30およびアシストモータ40の制御に合わせて、EFIECU70とデータをやり取りし、内燃機関50の運転も同時に制御している。
【0043】クラッチモータ30の制御(図4ステップS110)では、図5に示したように、まず駆動軸22の回転角度θdをレゾルバ48から読み込む処理(ステップS112)が、行なわれる。次に、レゾルバ39から内燃機関50のクランクシャフト56の回転角度θeを入力し(ステップS114)、両軸の相対角度θcを求める処理を行なう(ステップS116)。即ち、θc=θe−θdを演算するのである。
【0044】次に、電流検出器95,96により、クラッチモータ30の三相コイル36のU相とV相に流れている電流Iuc,Ivcを検出する処理を行なう(ステップS118)。電流はU,V,Wの三相に流れているが、その総和はゼロなので、二つの相に流れる電流を測定すれば足りる。こうして得られた三相の電流を用いて座標変換(三相−二相変換)を行なう(ステップS120)。座標変換は、永久磁石型の同期電動機のd軸,q軸の電流値に変換することであり、次式(1)を演算することにより行なわれる。
【0045】
【数1】

【0046】ここで座標変換を行なうのは、永久磁石型の同期電動機においては、d軸およびq軸の電流が、トルクを制御する上で本質的な量だからである。もとより、三相のまま制御することも可能である。2軸の電流値に変換した後、クラッチモータ30におけるトルク指令値から求められる各軸の電流指令値Idc*,Iqc*と実際各軸に流れた電流Idc,Iqcと偏差を求め、各軸の電圧指令値Vdc,Vqcを求める処理を行なう(ステップS122)。即ち、まず以下の式(2)の演算を行ない、次に次式(3)の演算を行なうのである。
【0047】
【数2】

【0048】
【数3】

【0049】ここで、Kp1,2およびKi1,2は、各々係数である。これらの係数は、適用するモータの特性に適合するよう調整されている。
【0050】ここで、電圧指令値Vdc,Vqcは、電流指令値I*との偏差△Iに比例する部分(上式(3)右辺第1項)と偏差△Iのi回分の過去の累積分(右辺第2項)とから求められる。その後、こうして求めた電圧指令値をステップS120で行なった変換の逆変換に相当する座標変換(二相−三相変換)を行ない(ステップS124)、実際に三相コイル36に印加する電圧Vuc,Vvc,Vwcを求める処理を行なう。各電圧は、次式(4)により求める。
【0051】
【数4】

【0052】実際の電圧制御は、第1の駆動回路91のトランジスタTr1ないしTr6のオンオフ時間によりなされるから、式(4)によって求めた各電圧指令値となるよう各トランジスタTr1ないしTr6のオン時間をPWM制御する(ステップS126)。以上の処理により、クラッチモータ30が機械的に駆動軸22に伝達するトルクを目標トルクにする制御が行なわれることになる。
【0053】次にアシストモータ40によるトルク制御(図4、ステップS130)の詳細について説明する。アシストモータ40の制御は、図6に示すように、まずクラッチモータ30側で発電される電力を演算する処理(ステップS132)から開始される。即ち、回生される電力(エネルギ)Pcを、Pc=Ks×Nc×Tcとして演算するのである。ここで、Tcはクラッチモータ30において実際に伝達されたトルクであり、Ncは回転数差であるから、Nc×Tcは、図12における領域G1に相当するエネルギを求めることに相当する。Ksは発電(回生)の効率である。
【0054】続いてアシストモータ40により付与されるトルク指令値Ta*を、Ta*=Td*−Tc*として演算する(ステップS134)。なお、この場合、アシストモータ40自身の効率をKasとすると、PP=Pc−(Nd×Ta)/Kasが、バッテリ94に充電される余剰の電力となる。
【0055】次にステップS134で求めたトルク指令値Ta*がアシストモータ40によって付与し得る最大トルクTamaxを越えているか否かの判断を行ない(ステップS136)、越えている場合には、最大値に制限する処理を行なう(ステップS138)。
【0056】次に、駆動軸22の角度θdをレゾルバ48を用いて検出し(ステップS140)、更にアシストモータ40の各相電流を電流検出器97,98を用いて検出する処理(ステップS142)を行なう。その後、クラッチモータ30と同様座標変換(ステップS144)および電圧指令値Vda,Vqaの演算を行ない(ステップS146)、更に電圧指令値の逆座標変換(ステップS148)を行なって、アシストモータ40の第2の駆動回路92のトランジスタTr11ないしTr16のオンオフ制御時間を求め、PWM制御を行なう(ステップS150)。これらの処理は、クラッチモータ30について行なったものと全く同一である。
【0057】以上の処理により、クラッチモータ30により所定の効率Ksで電力に変換されたトルク、即ち内燃機関50のクランクシャフト56の回転数とクラッチモータ30のインナロータ34の回転数の偏差に比例してクラッチモータ30で回生された電力Pcの少なくとも一部は、アシストモータ40において駆動軸22にトルクとして付与される。バッテリ94への充電が行なわれない状態では、アシストモータ40が駆動軸22に付与するトルクは、クラッチモータ30により電力に変換されたトルクに一致している。この結果、図12において、領域G1のエネルギを領域G2に移して、トルク変換を行なうことができる。
【0058】もとより、クラッチモータ30やアシストモータ40あるいは第1の駆動回路91,第2の駆動回路92でも損失は幾らか存在するから、領域G1で示されたエネルギと領域G2で示されたエネルギが完全に一致することは現実には困難であるが、同期電動機自体は効率が1に極めて近いものが得られているので、両モータにおける損失は比較的小さい。また、トランジスタTr1ないしTr16のオン抵抗も、GTOなど極めて小さいものが知られているから、第1の駆動回路91,第2の駆動回路92での損失も十分に小さなものとし得る。従って、両軸の回転数の偏差、即ち両軸間の回転の滑りの大部分は、三相コイル36において発電のエネルギに変換され、アシストモータ40においてトルクとして駆動軸22に伝達される。
【0059】次に、インバータ周波数の制御を行なう処理(図4、ステップS109に相当する処理)について説明する。図7は、インバータ周波数切換ルーチンを示すフローチャートである。図示するように、この処理が開始されると、まず内燃機関50が停止されているか否かの判断を行ない(ステップS200)、内燃機関50が停止していると判断された場合には、インバータである第1,第2の駆動回路91,92のキャリア周波数Ifreqを第1の周波数I1に設定する処理を行なう(ステップS210)。他方、内燃機関50が停止していないと判断された場合には、キャリア周波数Ifreqを第2の周波数I2(第1の周波数I1よりは低い周波数)に設定する処理を行ない(ステップS220)、本ルーチンを終了する。
【0060】以上の処理がなされた場合の内燃機関50,インバータ周波数などの振る舞いの実際について例示する。例えば図8に示すように、アクセルペダルが踏み込まれて車両が加速され、その後定常走行するような場合を考える。加速中には、内燃機関50は高い出力が要求されるから、内燃機関50の運転可能領域の一定の範囲内のうち、出力の大きな運転状態で運転される(図8、領域A)。車両が定常走行状態になり、そのとき要求される内燃機関50の出力が間欠運転領域に該当しているとする(図8、領域B)。この場合、内燃機関50は、バッテリ94の容量に基づいて間欠運転されることになる。内燃機関50が運転される場合(図8、領域b1)、内燃機関50は、高効率で運転可能な運転領域で運転される。
【0061】この実施例では、アクセルペダルポジションセンサ65が検出したアクセルペダルポジションAPに基づき、EFIECU70の制御の下、内燃機関50の出力が制御され、この出力と、駆動軸22に必要なトルクTdと、バッテリ94の充電状態とに基づいて、クラッチモータ30およびアシストモータ40が制御される。例示ではあるが、図8の場合には、領域Aでは、バッテリ94の充電は行なわれず、クラッチモータ30により回生された電力はすべてアシストモータ40で消費され、駆動軸22のトルクを大きくするのに用いられる。また、領域Bでは、バッテリ94の残容量により内燃機関50は間欠運転される。内燃機関50が停止されている場合には(領域b2)、バッテリ94からの電力によってアシストモータ40が駆動されて、駆動軸22に要求されるトルクが出力される。この場合、バッテリ94の残容量は低下してゆく。また、この場合には、インバータを構成している第1,第2の駆動回路91,92のキャリア周波数Ifreqは、第1の周波数I1に設定される。他方、内燃機関50が運転されている領域(b1)では、クラッチモータ30により回生された電力のうち、アシストモータ40で消費されなかった部分PPは、バッテリ94に充電される。この場合には、インバータを構成している第1,第2の駆動回路91,92のキャリア周波数Ifreqは、第2の周波数I2に設定される。インバータ周波数の切換の様子を、図8(C)に記載した。
【0062】インバータのキャリア周波数が、図9に例示したように、内燃機関50の停止中に、運転中の周波数I2より高い周波数I1に切り替えられると、インバータ回路から発せられる音の周波数も高くなる。このため、車室内外にいる乗員や歩行者が体感する車両の音は、内燃機関50が停止したことによる音量の低下を、インバータからのノイズが打ち消して、音量の変動を小さくする効果が得られる。例えば、領域Bでは、アクセルペダルポジションAPが一定でも、内燃機関50が停止・運転を繰り返すから、図7に示したインバータ周波数切換の処理を行なわなければ、体感される音の大きさは、内燃機関50の運転に応じて変動する。しかし、本実施例では、内燃機関50の運転に対応してインバータ周波数を切り替えているので、全体としての運転者や歩行者が体感する車両の音の変動は抑制される。この結果、運転者等にとって、内燃機関50が間欠運転される場合、車両音が運転状態に対して著しくそぐわないという問題を解決することができる。
【0063】次に、本発明の他の実施の形態について、第2実施例により説明する。第2実施例では、第1実施例における図7のインバータ周波数切換ルーチンに代えて、図10に示すインバータ周波数制御ルーチンを実行する。この処理では、まずアクセルペダルポジションセンサ65から、現在のアクセルペダルポジションAPを読み込み(ステップS300)、次に内燃機関50が停止中か否かの判断を行なう(ステップS305)。内燃機関50が停止中であると判断されると、次にインバータを構成する第1,第2の駆動回路91,92のキャリア周波数を、検出したアクセルペダルポジションAPに基づいて求める処理を行なう(ステップS310)。すなわち、アクセルペダルポジションAPから関数g1(AP)として、キャリア周波数Ifreqを設定するのである。他方、内燃機関50が停止中でなければ、関数g1とは異なる関数g2を用いて、アクセルペダルポジションAPからキャリア周波数Ifreqを求める処理を行なう(ステップS320)。この結果、第1の実施例では、単にキャリア周波数を高低に切り替えていたに過ぎなかったのに対して(図8(C)参照)、本実施例では、図8(D)に示すように、インバータを構成する第1,第2の駆動回路91,92のキャリア周波数は、アクセルペダルポジションAPに応じて可変される。
【0064】この実施例によれば、内燃機関50が間欠運転されると、これに応じて、インバータのキャリア周波数が切り替えられ、しかもアクセルペダルポジションAPに応じて可変されるので、運転者にとっての音の体感とアクセルペダルの操作量とが良く対応し、運転感覚に優れるという利点が得られる。
【0065】更に、第三の実施の形態について実施例を挙げて説明する。この実施例では、図11に示すように、第1実施例のハードウェア構成に加えて、EFIECU70には、スピーカなど音を発生する音発生装置SPが接続されている。この音発生装置SPは、車室内に設けても良いし、エンジンルームに設置してもよい。車両内であって、少なくとも車室内に音の伝達される箇所であればいずれの場所に設置することも可能である。この実施例では、内燃機関50を間欠運転すると、内燃機関50の停止に合わせて、音発生装置SPから、内燃機関50の運転音に近い音を発生する。この結果、少なくとも運転者にとっては、アクセルペダル64の操作量に応じた運転を聴取可能となり、運転感覚にずれを生じることがない。もとより、第2実施例のように、音発生装置SPから発生する音の音量を、アクセルペダルポジションAPに比例するものとすることも可能である。更に、第1もしくは第2実施例と、この第3実施例とを組み合わせて実施することも差し支えない。
【0066】以上、本発明のいくつかの実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の態様で実施されることはもちろんである。




 

 


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