米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 車両 -> トヨタ自動車株式会社

発明の名称 車両の液圧ブレーキ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−39765
公開日 平成9年(1997)2月10日
出願番号 特願平7−191959
出願日 平成7年(1995)7月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】牧野 剛博 (外2名)
発明者 清水 聡 / 酒井 朗
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】マスタシリンダによって発生される液圧及び液圧源によって発生される液圧を、適宜に組合せてホイールシリンダに供給し得るように構成した車両の液圧ブレーキ装置において、前記マスタシリンダ及び液圧源に接続され、液圧源の液圧をマスタシリンダの液圧に応じた高さに調圧する液圧制御弁と、該液圧制御弁と接続された第1液路及び前記マスタシリンダと接続された第2液路と、前記第1液路と接続された第1入力ポートと、前記第2液路と接続された第2入力ポートと、該第2入力ポートと接続可能とされた出力ポートと、フリーピストンとを有し、前記第1液路の液圧を受けて摺動する前記フリーピストンによって第2入力ポートと出力ポートとの接続を遮断すると共に、第1液路の液圧相当の液圧を出力ポートに出力可能な構成とされたチェンジバルブと、前記第2液路中に、前記チェンジバルブから前記マスタシリンダへの流れのみを許容する第1逆止弁と、前記マスタシリングから前記チェンジバルブへの所定圧以上の流れのみを許容する第2逆止弁とを並列に備え、且つ、前記第1液路が全ホイールシリンダのうちの一部のホイールシリンダ側と接続されると共に、前記チェンジバルブの出力ポートが残りのホイールシリンダ側に接続されたことを特徴とする車両の液圧ブレーキ装置。
【請求項2】請求項1において、更にストロークシミュレータが前記第2液路中のマスタシリンダとチェンジバルブとの間に設けられ、且つ第2液路から該ストロークシミュレータに至る液路中に、前記液圧源の失陥時に前記第2液路と前記ストロークシミュレータとの連通を遮断する開閉弁を設けたことを特徴とする車両の液圧ブレーキ装置。
【請求項3】請求項2において、前記開閉弁が、前記チェンジバルブのフリーピストンの動きに連動して開閉されるようにしたことを特徴とする車両の液圧ブレーキ装置。
【請求項4】請求項2おいて、前記開閉弁を、2つの液室を有し、一方の液室が前記第1液路に接続されると共に前記ストロークシミュレータに接続され、他方の液室が前記第2液路に接続された差圧弁としたことを特徴とする車両の液圧ブレーキ装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスタシリンダによって発生される液圧及び液圧源によって発生される液圧を、適宜に組合せてホイールシリンダに供給し得るように構成した車両の液圧ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マスタシリンダによって発生される液圧及び液圧源によって発生される液圧を、適宜に組合せてホイールシリンダに供給し得るように構成し、ブレーキ液圧を車両の制動状態に応じて自動的に制御することのできる液圧ブレーキ装置が知られている。例えば、車輪のスキッド状態を監視しつつその車輪のホイールシリンダに供給されるブレーキ液圧を制御し、スキッドの発生を防止しながら車両を効率良く制動するアンチスキッド機能を有する液圧ブレーキ装置があり、その液圧ブレーキ装置の簡易化の例として、特開昭60−33160号公報及び特開平3−143761号公報に記載の技術が知られている。
【0003】特開昭60−33160号公報記載の液圧ブレーキ装置には、通常制動時にはマスタシリンダの液圧をホイールシリンダに伝達し、アンチスキッド制御時にはポンプを有する液圧源から供給されるブレーキ液の液圧をマスタシリンダの液圧に等しい高さに制御してホイールシリンダに伝達する液圧伝達装置が備えられている。
【0004】特開平3−143761号公報記載の液圧ブレーキ装置には外部の液圧源が設けられていない。アンチスキッド制御時に液圧源としてホイールシリンダにブレーキ液を供給するポンプ等が備えられていないのである。
【0005】この液圧ブレーキ装置では、ブレーキ操作時に過剰にブレーキペダルが踏み込まれて車輪と路面とのスリップ率が適正範囲より大きくなると、ホイールシリンダ内のブレーキ液がマスタシリンダに接続されたリザーバに排出されてホイールシリンダの液圧が低減させられることによりスリップ率が低下させられ、逆に、スリップ率が低下しすぎて適正範囲より小さくなるとマスタシリンダ内のブレーキ液がホイールシリンダに供給されてスリップ率が増加させられる。
【0006】この繰り返しにより、ブレーキペダルが過剰に踏み込まれた場合の制動力が適正に制御される。この際、マスタシリンダからホイールシリンダへのブレーキ液の供給量が多くなり、マスタシリンダ内のブレーキ液が所定量より少なくなると、ホイールシリンダの液圧の制御が中止されてマスタシリンダ内に所定のブレーキ液量が確保されて、マスタシリンダにおけるピストンのボトミングが回避される。そのため、アンチスキッド制御用のポンプ等の装備がなくても一定以上の制動力が確保された状態で液圧ブレーキ装置の簡易化が達成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記2つの公報記載の液圧ブレーキ装置には、それぞれ改善の余地がある。
【0008】特開昭60−33160号公報記載の液圧ブレーキ装置では、マスタシリンダからのブレーキ液は通常制動時にのみホイールシリンダへ供給され、液圧源からのブレーキ液はアンチスキッド制御時にのみホイールシリンダへ供給される。即ち、2つの液圧源の機能発揮時期が判然と区別されているのである。
【0009】そのため、アンチスキッド制御中の増圧時にホイールシリンダの液圧を十分な勾配で増大させることのできる大吐出容量のポンプを装備するか、あるいは予め液圧を貯えておくアキュムレータが必要となり、その分コストが上昇し、余分なスペースが必要となる。
【0010】又、液圧制御装置と電磁式方向切換弁とが一体に形成されているため、各車輪毎にその装置が設けられることとなり、液圧ブレーキ装置全体としては構造が複雑となり、簡易化が不十分となる。
【0011】特開平3−143761号公報記載の液圧ブレーキ装置では、アンチスキッド制御状態が長く続きマスタシリンダ内のブレーキ液が所定量を下回って(ボトミング直前が検出されて)アンチスキッド制御が中止されると、制動力が急増してスキッド状態となる場合があるため好ましくない。
【0012】又、特に、アンチスキッド制御がブレーキ液圧配管系統の全て、例えば、前後輪2系統のブレーキ液圧配管であればその両方の配管系統で行われる場合には、アンチスキッド制御が行われるとマスタシリンダ内のブレーキ液の減少程度が大きくなってブレーキペダルの踏込量が長くなり過ぎ、ブレーキペダルの操作性が低下する。
【0013】そこで、このような従来の問題を解決するべく、出願人は先に、ブレーキペダルの操作性を損なうことなく装置全体を簡易化することのできる液圧ブレーキ装置を特願平6−266991号において提案した。
【0014】この液圧ブレーキ装置によれば、液圧源のポンプにそれ程大容量のポンプを用いなくても応答遅れ無く制動制御を実行でき、且つマスタシリンダのボトミング等の発生を未然に回避でき、該制動制御の操作性を向上できる。
【0015】しかしながら、この特願平6−266991号に係る液圧ブレーキ装置は、4輪のうち2輪のみを液圧源からの液圧によってその制動を補佐し、残りの2輪についてはマスタシリンダにより直接発生させる液圧によって制動がなされる構成とされていたため、なお制動の補佐が不十分であるという問題があった。
【0016】又、構造上液圧源によって補佐される側の液圧とマスタシリンダによって直接発生される液圧は、必ずしも同一にはならないため、これをダイアゴナル2系統システムの車両(いわゆるX配管の車両)に適用しようとすると、車両の左右の車輪間で液圧差が発生してしまうことから、事実上X配管車両には適さない構造であるという問題もあった。
【0017】そこで、これらの問題を解決するべく、再び出願人は、液圧源からの液圧によって全ての車輪の制動を補佐し得るようにすると共に(いわゆる4輪フルパワーの構成とすると共に)、X配管車両にも良好に適用し得るような車両の液圧ブレーキ装置を特願平7−78009号において提案した。
【0018】この液圧ブレーキ装置は、2系統の内、1系統に液圧源の液圧をブレーキ操作部材の操作力に応じた液圧に制御して、ホイールシリンダに供給すると共に、両系統を連結する通路にチェンジバルブを介在させて、他系統にも前記制御された液圧を供給できるようにしたものである。
【0019】しかしながら、この特願平7−78009号に係る液圧ブレーキ装置は、制動時にチェンジバルブがマスタシリンダの連通状態を切換える際、応答遅れがあるため制動初期にマスタシリンダの液圧がホイールシリンダに供給されてしまい、ブレーキペダルのペダルストロークが大となるという問題がある。
【0020】本発明は、このような事情に鑑み、特願平7−78009号に係る発明を更に改良し、制動初期におけるペダルストロークの増大を低減し、適切な制動フィーリングを得ることのできる車両の液圧ブレーキ装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、マスタシリンダによって発生される液圧及び液圧源によって発生される液圧を、適宜に組合せてホイールシリンダに供給し得るように構成した車両の液圧ブレーキ装置において、前記マスタシリンダ及び液圧源に接続され、液圧源の液圧をマスタシリンダの液圧に応じた高さに調圧する液圧制御弁と、該液圧制御弁と接続された第1液路及び前記マスタシリンダと接続された第2液路と、前記第1液路と接続された第1入力ポートと、前記第2液路と接続された第2入力ポートと、該第2入力ポートと接続可能とされた出力ポートと、フリーピストンとを有し、前記第1液路の液圧を受けて摺動する前記フリーピストンによって第2入力ポートと出力ポートとの接続を遮断すると共に、第1液路の液圧相当の液圧を出力ポートに出力可能な構成とされたチェンジバルブと、前記第2液路中に、前記チェンジバルブから前記マスタシリンダへの流れのみを許容する第1逆止弁と、前記マスタシリングから前記チェンジバルブへの所定圧以上の流れのみを許容する第2逆止弁とを並列に備え、且つ、前記第1液路が全ホイールシリンダのうちの一部のホイールシリンダ側と接続されると共に、前記チェンジバルブの出力ポートが残りのホイールシリンダ側に接続されたことにより、前記目的を達成したものである。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明においては、ブレーキ操作部材が操作されてマスタシリンダに液圧(マスタシリンダ液圧)が発生すると、このマスタシリンダ液圧は液圧制御弁及びチェンジバルブに伝達される。液圧制御弁では、ポンプ等によって発生された液圧源の液圧をマスタシリンダ液圧に応じた液圧(調整マスタシリンダ液圧)に調圧する。
【0023】この液圧制御弁には第1液路が、マスタシリンダには第2液路がそれぞれ接続されている。又、この第1、第2液路の間にはチェンジバルブが配置されている。このチェンジバルブは、第1液路に接続された第1入力ポート、第2液路に接続された第2入力ポート及び出力ポートを備え、基本的には第2入力ポートより入力される第2液路のマスタシリンダ液圧を出力ポートに出力可能とする。
【0024】しかしながら、その一方で第1入力ポートから第1液路の調整マスタシリンダ液圧が入力されると、この液圧を受けてフリーピントンが摺動し第2入力ポートと出力ポートとの接続を遮断し、代わって該第1液路の調整マスタシリンダ液圧に相当する液圧(再生マスタシリンダ液圧)を出力ポートから出力する。
【0025】このとき、制動初期においては、液圧制御弁側の液圧の応答は、マスタシリンダ液圧よりも遅れる。これに対して本発明では、第2液路中に設けられた第2逆止弁の働きにより、液圧制御弁側の液圧がある程度上昇するまではマスタシリンダからチェンジバルブへ液圧が伝達されないようにしている。又、ブレーキ操作部材の操作をやめた場合には、該第2逆止弁と並列に配置された第1逆止弁を介してブレーキ液がマスタシリンダへ戻され、ホイールシリンダ側に液圧が残らないようにしている。これにより、マスタシリンダの液圧がチェンジバルブを介して直接ホイールシリンダに伝達されることによって生じるペダルストロークの増大を防止することができる。
【0026】好ましい実施の形態は、更にストロークシミュレータが前記第2液路中のマスタシリンダとチェンジバルブとの間に設けられ、且つ第2液路から該ストロークシミュレータに至る液路中に、前記液圧源の失陥時に前記第2液路と前記ストロークシミュータとの連通を遮断する開閉弁を設けることである。
【0027】他の好ましい実施の形態は、前記開閉弁が、前記チェンジバルブのフリーピストンの動きに連動して開閉されるようにすることである。
【0028】更に他の好ましい実施の形態は、前記開閉弁を、2つの液室を有し、一方の液室が前記第1液路に接続されると共に、前記ストロークシミュレータに接続され、他方の液室が前記第2液路に接続された差圧弁とすることである。
【0029】以下図面に基づいて、より具体的な実施の形態の例を詳細に説明する。
【0030】図1に本発明が適用された車両の液圧ブレーキ装置の第1実施形態を示す。
【0031】この第1実施形態は、マスタシリンダ10によって発生される液圧(マスタシリンダ液圧)Pm及び液圧源12によって発生される液圧Peを、適宜に組合せてホイールシリンダFL、RR、RL、FRに供給し得るように構成した車両の液圧ブレーキ装置において、マスタシリンダ10及び液圧源12に接続された液圧制御弁14と、該液圧制御弁14と接続された第1液路16及びマスタシリンダ10と接続された第2液路18と、チェンジバルブ20と、該第2液路18中に並列に設けられた、第1逆止弁24及び第2逆止弁26と、を備えたものである。
【0032】ここにおいてチェンジバルブ20は、第1液路16と接続された第1入力ポート21、第2液路18と接続された第2入力ポート22、及び該第2入力ポート22と接続可能とされた出力ポート23を備えている。
【0033】又、第1逆止弁24は、前記チェンジバルブ20からマスタシリンダ10への流れのみを許容し、第2逆止弁26は、前記マスタシリンダ10からチェンジバルブ20への所定圧以上の流れのみを許容するようにばね26aが設定されている。
【0034】又、第1液路16は、全ホイールシリンダFL、RR、RL、FRのうちの左後輪のホイールシリンダRL及び右前輪のホイールシリンダFR側と接続されており、チェンジバルブ20の出力ポート23は、(残りの)左前輪のホイールシリンダFL及び右後輪のホイールシリンダRR側に接続されている。なおこの車両は前輪駆動の車両である。
【0035】以下より詳細に説明する。
【0036】ブレーキペダル28はブースタ30を介してマスタシリンダ10に接続されている。ブレーキペダル28の踏込みはブレーキスイッチ29によって検出され、制御装置31に伝達される。
【0037】マスタシリンダ10はブースタ30によって図中右方向に移動させられる加圧ピストン32と、該加圧ピストン32の移動によってマスタシリンダ液圧Pmが発生する加圧室34と、リザーバ36とを備える。
【0038】又、第2液路18中の、第1逆止弁24及び第2逆止弁26とマスタシリンダ10との間にストロークシミュレータ38が接続されている。
【0039】このストロークシミュレータ38は、マスタシリンダ液圧Pmに応じて、ブレーキ液を消費し、比較的ブレーキペダル30の踏み力が小さいときにストロークを大きく確保し、大きいときに小さなストロークとなるように調整するものである。
【0040】なお、図の符号42は液圧制御弁14の受圧ピストン40を図の右方向に付勢するためのばねである。この受圧ピストン40及びばね42の機能については後述する。
【0041】前記液圧源12は、ポンプ44、モータ45、アキュムレータ46、圧力センサ47、圧力スイッチ48、及びリリーフ弁49とから主に構成され、制御装置31の指令に基づいて作動するモータ45によってポンプ44が駆動され、アキュムレータ46によって所定の液圧Peにまで蓄圧される構成とされている。又、その上限がリリーフ弁49によって規定されている。
【0042】なお、制御装置31によるモータ45への指令は、圧力センサ48と圧力スイッチ47により液圧源12の圧力が所定圧Pfよりも下回って検出されたときに出力されるようになっている。
【0043】次に、液圧制御弁14について説明する。この液圧制御弁14は、液圧源12の液圧Peを、マスタシリンダ液圧Pmに応じた高さの調整マスタシリンダ液圧Pem1に調圧するものである。従って、これ自体は公知の種々の圧力制御弁を利用可能である。
【0044】しかしながら、本第1実施形態においては、特に最良と思われる液圧制御弁14を新たに開発し、別途出願している。未公知の構成であるため、少し詳細に説明する。
【0045】図2に示すように、液圧制御弁14は(マスタシリンダ10と一体の)ハウジング50を備える。ハウジング50の内部には、弁室51が形成されており、ハウジング50の内側に突出して形成された仕切り壁52で仕切られている。
【0046】仕切り壁52の弁室51側の壁面にはテーパが形成され、弁座53とされており、この弁座53の中央に円形断面の貫通孔54が形成されている。
【0047】一方、弁室51には、ばね55によって貫通孔54の方向に付勢された弁子としてのボール56が備えられている。貫通孔54を通してボール56を押圧するように延びている受圧ピストン40の小径部40aの先端は、ボール56の球面形状に沿って形成されており、その中央部から受圧ピストン40の外周部に形成された円環溝57に至る液路58が形成されている。
【0048】又、ハウジング50の内周には加圧室34において発生するマスタシリンダ液圧Pmを受ける前記受圧ピストン40が摺動可能に嵌合されている。この受圧ピストン40と仕切り壁52の間には制御圧室59が形成されている。受圧ピストン40の加圧室34側の受圧面積S1は、制御圧室59側の受圧面積S2より大きく設計されている(S1>S2)。又弁室51側へ延びている小径部40aの断面積S3は無視し得る程に微小である。この受圧ピストン40は貫通孔54の方向に前記ばね42で付勢されており、逆の方向にばね60で付勢されている。付勢力は、ばね42>ばね60である。受圧ピストン40とハウジング50との間の液密はシール部材40b、40cによって保たれている。
【0049】ハウジング50の側壁にはリザーバ36と円環溝57とを連通させるポート50aと、第1液路16と接続されたポート50bとが設けられており、弁室51には液圧源12側からの液路13と接続されたポート50cが設けられている。又、加圧室34には、リザーバ36と連通しブレーキ液を加圧室34に供給するためのポート50d、及び第2液路18と接続されたポート50eが設けられている。
【0050】ブレーキペダル28が踏み込まれておらず、ポンプ44からのブレーキ液の供給もない状態では、図2で示すように受圧ピストン40がばね42に付勢されて、ばね60、55の付勢力に抗してボール56を弁座53から押し離している。
【0051】ブレーキペダル28の踏み込みが開始されると、圧力センサ48と圧力スイッチ47の信号を受けた制御装置31の指令により直ちにポンプ44が作動を開始し、液路13を介しポート50cから弁室51にブレーキ液が供給される。又、ブレーキペダル28の踏み込みに伴ってマスタシリンダ10の加圧室34にマスタシリンダ液圧Pmが発生する。
【0052】弁室51内の(液圧源12側からの)液圧Peが上昇し、受圧ピストン40の制御圧室59側に加わる力(Pe×S2)が、加圧室34側に加わる力(Pm×S1)より大きくなると、受圧ピストン40は図の左方向に移動し、ボール56が弁座53に着座する。但し、受圧ピストン40の小径部40aの先端はまだボール56に接している。
【0053】この際、受圧ピストン40の制御圧室59側に加わる力Pe×S2は、加圧室34側に加わる力Pm×S1に等しい大きさとなり、次の式が成り立つ。
【0054】Pe:Pm=S1:S2Pe=Pm×(S1/S2)
【0055】従って、制御圧室59の液圧(調整マスタシリンダ液圧)Pem1は、マスタシリンダ液圧Pmより一定数(S1/S2)倍だけ大きくなる。
【0056】なお、厳密には制御圧室59側には、ばね60の付勢力が加わり、加圧室34側には、ばね42の付勢力が加わる。従って、調整マスタシリンダ液圧Pem1には、「ばね42の付勢力−ばね60の付勢力」に対応する分もプラスされている。
【0057】ボール56が弁座53に着座すると、液圧源12側の液圧Peは受圧ピストン40にはそれ以上作用しなくなる。従って、マスタシリンダ液圧Pmの上昇が止まっている限り、系はそこで動きがなくなり釣り合うが、例えばアンチスキッド制御の実行によってホイールシリンダRL、FRのブレーキ液の一部がリザーバ36に戻されたりして、制御圧室59のブレーキ液が少しでも減小すると、加圧室36側の押圧力の方が相対的に強くなるため、受圧ピストン40は図の右方向に移動して再び図2の状態に戻り、ボール56が弁座53から離れる。すると、再び液圧源12側の液圧Peが受圧ピストン40に作用するようになり、結局制御圧室59はマスタシリンダ液圧Pmに(ばね42の付勢力−ばね60の付勢力)分だけプラスした圧力を一定数(S1/S2)倍した調整マスタシリンダ液圧Pem1に常に調圧されるようになる。
【0058】この圧力増大分により、制動初期の調整マスタシリンダ液圧Pem1の立ち上がりを速めることができ、チェンジバルブ20でのマスタシリンダ液圧Pmの遮断が速やかに行えるようになる。その結果、加圧室34のブレーキ液の流出を抑えることができ、ブレーキ操作フィーリングを向上させることができる。
【0059】ブレーキペダル30が弛められてマスタシリンダ液圧Pmが低下すると、受圧ピストン40の加圧室34側に加わる力の方が制御圧室59側に加わる力よりも小さくなるため、受圧ピストン40が更に図の左へ移動し、ボール56が弁座53に着座したままの状態で受圧ピストン40の小径部40aの先端がボール56から離れ、制御圧室59とリザーバ36とが液路58を通じて連通させられる。
【0060】そのため、制御圧室59内のブレーキ液が液路58を介してリザーバ36に排出され、制御圧室59の液圧が低下し、受圧ピストン40の制御圧室59側に加わる力が小さくなり、該受圧ピストン40が再び図の右方向に移動する。その結果、小径部40aの先端がボール56と当接する。
【0061】小径部40aの先端がボール56と当接すると、制御圧室59からリザーバ36へのブレーキ液の排出が中止され、それでも受圧ピストン40の制御圧室59側に加わる力が小されけば該受圧ピストン40はボール56を図の右側に押し出し、該制御圧室59に液圧Peを導入する。従って結局この場合も制御圧室59はマスタシリンダ液圧Pmに一定数(S1/S2)をかけた分だけ増圧された調整マスタシリンダ液圧Pem1に調圧されるようになる。
【0062】このようにして、制御圧室59の液圧がマスタシリンダ液圧Pmに比例した高さを有する調整マスタシリンダ液圧Pem1に常に調圧され、これがポート50bから第1液路16へと出力される。
【0063】続いて、チェンジバルブ20について詳細に説明する。
【0064】このチェンジバルブ20は、図1及び図3(拡大図)に示すように、基本的に密閉されたハウジング61によって構成されている。このハウジング61には、既に述べたように、第1液路16と接続された第1入力ポート21、第2液路18と接続された第2入力ポート22、及び第2入力ポート22と接続可能とされた出力ポート23の3つのポートが形成されている。
【0065】ハウジング61の内部は、第1ピストン62によって第1入力ポート21側の第1液室63と第2入力ポート22側の第2液室64とに分離されている。この第1ピストン62は、ばね65によって図の右方向(第1液室63の方向)に付勢されている。
【0066】又、ハウジング61内には第1ピストン62が図の左方向に移動してきたときに左方向に移動し、第2入力ポート22を閉塞可能とする第2ピストン(フリーピストン)66が設けられている。
【0067】なお、図の符号67、68は、第2ピストン66が軸方向に必要以上に動かないように規制するための支持部材である。支持部材67の内部には第2ピストン66を図の左方向に付勢するばね69が設けられている。
【0068】通常は、支持部材67は図のハウジング61の左壁面に接触しており、ばね65の付勢力によって第1ピストン62はハウジング61の右壁面に押付けられている。そのため、第1ピストン62と一体となった支持部材68によって第2ピストン66は右側へ引張られ、ばね69は圧縮され第2ポート22は開いている。
【0069】図1の説明に戻る。図1において、符号70は、加速スリップ制御(TRC制御)及び車両安定性制御(VSC制御)を実行する際に切換えられる電磁切換弁である。この電磁切換弁70は、通常制動時及びアンチスキッド制御(ABS制御)時には図のP1で示された切換え位置とされるが、TRC及びVSC制御時には図のP2で示された切換え位置に切換えられ、液圧源12で発生された液圧Peが供給される。
【0070】又、図1の符号71、72はABS、TRC、VSC制御時に切換えられる電磁切換弁である。この電磁切換弁71、72は、通常制動時にはそれぞれ図1のP1で示された切換え位置とされ、第1液路16及び出力ポート23からのブレーキ液が電磁制御弁73に供給されるようになっている。しかしながら、ABS、TRC、VSC等の制御が実行されるときには、図1のP2で示された切換え位置とされる。これにより、ABS制御時には液圧制御弁によって調圧された調整マスタシリンダ液圧Pem1が、TRC及びVSC制御時には液圧源12によって発生された液圧Peが、それぞれ電磁制御弁73に供給されるようになっている。
【0071】なお、ABS制御時に、各ホイールシリンダFL、RR、RL、FRの液圧が減圧されたときには、液路74を経由してマスタシリンダ10上のリザーバ36にブレーキ液が戻される。
【0072】電磁制御弁73は、これ自体は公知のもので、スリップ率等をパラメータとして、ホイールシリンダFL、RR、RL、FRに現に係る液圧を制御するためのものである。
【0073】なお、図1の符号75は、公知のPバルブ(プロポーショニングバルブ)である。
【0074】次に、この第1実施形態の作用を説明する。
【0075】ブレーキペダル28が踏み込まれ、ブースタ30を介して加圧ピストン32が図1の右方向に移動されると、加圧室34にマスタシリンダ液圧Pmが発生する。又、圧力センサ48と圧力スイッチ47により液圧源12の圧力が所定圧Pfよりも下回ったことが検出されると、液圧源12に液圧Peを発生させるべく、制御装置31によりモータ45が駆動される。
【0076】発生したマスタシリンダ液圧Pmは、液圧制御弁14の受圧ピストン40に伝達されると共に、第2液路18を介してチェンジバルブ20に伝達される。
【0077】液圧制御弁14では、既に詳述したような作用により、このマスタシリンダ液圧Pmを元に液圧源12によって発生した液圧Peを調整マスタシリンダ液圧Pem1に調圧する。
【0078】液圧制御弁14において発生された調整マスタシリンダ液圧Pem1は、第1液路16を介してチェンジバルブ20の第1ポート21に入力されると共に、左後輪のホイールシリンダRL、及び右前輪のホイールシリンダFR側に伝達される(X配管のうちの1系統)。
【0079】このとき、チェンジバルブ20では、第1入力ポート21から第1液路16の調整マスタシリンダ液圧Pem1が第1液室63に入力される。この調整マスタシリンダ液圧Pem1により第1ピストン62は、図3において左方向へ押圧され左へ移動する。第1ピストン62が左へ移動すると、今まで支持部材68によって右へ引張られ支持されていた第2ピストン66は、今まで縮んでいたばね69の左への付勢力により同じく左に移動する。ブレーキペダル28の踏込みによるマスタシリンダ液圧Pmの増大に対応して調整マスタシリンダ液圧Pem1が次第に大きくなると、第1ピストン62は更に左に移動する。これに伴ない第2ピストン66も更に左に移動し、ついには第2入力ポート22を遮断する。
【0080】しかし、当初第2入力ポート22がまだ空いているうちに、ここからマスタシリンダ液圧Pmが入力され、出力ポート23からそのままホイールシリンダFL、RRへ出力されると、ブレーキペダル28のペダルストロークが増大してしまう。
【0081】そこで、本第1実施形態では、第2液路18中にマスタシリンダ10からチェンジバルブ20への所定圧以上の液圧のみを流すことのできる第2逆止弁26を設けたため、マスタシリンダ10とチェンジバルブ20の連通を確実に遮断し、ペダルストロールの増加を防止することができる。
【0082】即ち、第2逆止弁26は、ばね26aの力により所定圧以上でないと弁が開かないように設定されている。従って、制動初期において、まだマスタシリンダ液圧Pmが低く、これに対応する調整マスタシリンダ液圧Pem1も低く、第2入力ポート22が開いているうちは、第2逆止弁26によってマスタシリンダ液圧Pmのチェンジバルブ20への流入が阻止される。そして、マスタシリンダ液圧Pmがある程度大きくなり、これに対応する調整マスタシリンダ液圧Pem1も大きくなると、第1ピストン62及び第2ピストン66が左へ移動し、第2入力ポート22がシール(遮断)される。
【0083】その後、更に、第1ピストン62が図の左方向に移動すると、(第2入力ポート22がシールされていることから)第2液室64に第1液室63とほぼ同圧の再生マスタシリンダ液圧Pem2が発生し、この再生マスタシリンダ液圧Pem2が出力ポート23を介して左前輪のホイールシリンダFL、及び右後輪のホイールシリンダRR側に伝達される(X配管のうちの残りの1系統)。
【0084】なお、ブレーキペダル28を離した場合には、第2逆止弁26とチェンジバルブ20間のブレーキ液圧を第1逆止弁24を介して円滑にマスタシリンダ10側へ戻すことができ、ホイールシリンダFL、RR側に液圧が残らないようにすることができる。
【0085】なお、何らかの原因により液圧源12側の調整マスタシリンダ液圧Pem1が発生しなかったときは、マスタシリンダ液圧Pmによりチェンジバルブ20の第2入力ポート22が押し開けられ、該マスタシリンダ液圧Pmが直接出力ポート23から出力されるようになっている。
【0086】以上のように本第1実施形態によれば、チェンジバルブ20の切換わりの遅れのためにマスタシリンダ液圧PmがホイールシリンダFL、RRに流れてしまうのを抑制でき、ペダルストロークの増大を低減することができる。
【0087】この効果を、以下グラフを用いて説明する。
【0088】図4は、マスタシリンダ液圧Pmと液圧制御弁14の出力である調整マスタシリンダ液圧Pem1との関係及び第2逆止弁26がある場合とない場合のペダルストローク量を示したグラフである。
【0089】図4において、一点鎖線の右下側部分Aは第2逆止弁26がない場合のマスタシリンダ液圧Pmの出力領域を表わし、実線Bは液圧制御弁14の入出力特性を表わし、交点Cはチェンジバルブ20の切換えポイントを示している。従って、図の矢印Dで示す範囲がマスタシリンダ液圧Pm流出域となる。
【0090】このとき第2逆止弁26を設けて、マスタシリンダ液圧Pmが所定圧以上にならないとチェンジバルブ20へ流入しないようにオフセット液圧Eを設定すると、第2逆止弁26を有する場合のマスタシリンダ液圧Pmの出力領域は図の斜線部分Fのようにオフセット液圧Eの分だけ右へ移動する。従って、マスタシリンダ液圧Pmは制動当初に直ちに遮断状態とされ、マスタシリンダ液圧Pmの流出が防止される。
【0091】このとき、図4下方に示すように、第2逆止弁26がないときに比較して、第2逆止弁26がある場合には、ペダルストローク量の増大が低減される。
【0092】次に本発明の第2実施形態ついて説明する。
【0093】図5に本第2実施形態に係る車両の液圧ブレーキ装置の概略構成を示す。この第2実施形態は、上記第1実施形態と同一又は類似の部材には下2桁が同一の符号を図中で付している。
【0094】第1実施形態においては、第2逆止弁26の働きで、チェンジバルブ20の第2入力ポート22側へ作用する液圧を下げることにより、液圧制御弁14からの出力が発生すると直ちに前記第2入力ポートを閉じ、マスタシリンダ10とホイールシリンダFL、RRとの連通を遮断し、ペダルストロークの増大を防止していた。又、第2液路18中に設けられたストロークシミュレータ38がマスタシリンダ10に生じる液圧に応じてブレーキ液を消費することにより、通常時は適切なペダルフィーリングを得るようにしていた。
【0095】しかし、液圧源12の系統に、例えばポンプ44の不良や液洩れ等の失陥が発生した場合には、チェンジバルブ20が切換わらないため、ストロークシミュレータ38がマスタシリンダ10側のブレーキ液を消費することによりペダルストロークが過大になるなどの不具合があった。
【0096】そこで、本第2実施形態は、図5に示すように、第2液路118とストロークシミュレータ138との間に開閉弁180を設け、液圧弁112側失陥時にはマスタシリンダ110とストロークシミュレータ138との連通を遮断するようにして、液圧弁112側失陥時においてもペダルストロークの増大を防止して、良好なペダルフィーリングを維持するようにしたものである。
【0097】開閉弁180は、仕切り壁181により第1弁室182と第2弁室183に分けられており、第1弁室182はマスタシリンダ110と連通し、第2弁室183はストロークシミュレータ138と連通している。又、仕切り壁181を閉じて第1弁室182と第2弁室183との連通を遮断する連部材184をその左端に有するコネクティングロッド185は、チェンジバルブ120の第2ピストン166と連結されており、更に、ばね186によって図の右方向に付勢されている。
【0098】図5に示すように、失陥のない通常の状態で、ブレーキペダル118が踏まれたとき、チェンジバルブ122は、液圧制御弁114から出力れさる調整マスタシリンダ液圧Pem1が第1入力ポート121より、又マスタシリンダ液圧Pmが第2入力ポート122により入力されるが、第1実施形態で説明したように、液圧制御弁114及び第2逆止弁126の働きにより、調整マスタシリンダ液圧Pem1の方が大きくなっているため、第1ピストン162及び第2ピストン166は図の左に移動し、第2入力ポート122は遮断される。
【0099】このとき、コネクティングロッド185も図の左に移動し、開閉弁180は開き、第1弁室182と第2弁室183は連通する。従って、マスタシリンダ110とストロークシミュレータ138も連通し、ストロークシミュレータ138は作動する。
【0100】又、図6に示すように液圧源112側、例えば第1液路116等に失陥があった場合、チェンジバルブ120の第1入力ポート121側に入力されるPem1は0となるため第2入力ポート122側から入力される液圧Pmにより第1ピストン162及び第2ピストン166が右へ移動し、第2入力ポート122が開く。
【0101】すると、ばね186の付勢力によりコネクティングロッド185も右に移動し、仕切り壁181を塞いで、第1弁室182と第2弁室183を遮断し、開閉弁180は閉じられる。これによりマスタシリンダ110とストロークシミュレータ138との連通が遮断され、ストロークシミュレータ138は作動しない。従って、マスタシリンダ液圧Pmは、その全量が第2入力ポート122よりホイールシリンダFL、RRへ伝達され、ストロークシミュレータ138によってブレーキ液を消費されることがないので、ペダルストロークの増大を招くことがない。
【0102】更に、本第2実施形態によれば、消費するブレーキ液量の減少に伴ない、マスタシリンダ径の縮小やブースタ130の廃止も可能となる。
【0103】なお、その他の構成・作用は前記第1実施形態と同様である。
【0104】次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0105】図7に、本第3実施形態に係る車両の液圧ブレーキ装置の概略構成を示す。全体構成については以前の第1、第2実施形態と同様であるので、ここでは主要部のみを簡単に表わしている。なお、以前の実施形態と同一又は類似の部材については図中下2桁が同一の符号を付している。
【0106】第3実施形態も第2実施形態と同様、液圧源212側の失陥時におけるペダルストロークの増大を防止するものである。
【0107】即ち、図7に示すように差圧弁290を第2液路218とストロークシミュレータ238の間に接続したものである。この差圧弁290は、第2液路218と接続しているマスタシリンダ側液室292と、第2液路216と接続すると共にストロークシミュレータ238とも接続する液圧制御弁側液室293の2つの液室292、293を有している。
【0108】差圧弁290の拡大図を図8に示す。
【0109】マスタシリンダ側液室292と液圧制御弁側液室293は、ハウジング291の内側に突出して形成された仕切り壁294で仕切られている。仕切り壁294のマスタシリンダ側液室292側の壁面にはテーパが形成され弁座294aとされており、この弁座294aの中央に円形断面の貫通孔294bが形成されている。
【0110】又、液圧制御弁側液室293内には、第1液路216より調整マスタシリンダ液圧Pem1を受けるピストン295が摺動可能に嵌合されている。このピストン295とハウジング291内面との液密はシール部材297によって保たれている。
【0111】又、マスタシリンダ側液室292には、貫通孔294bを通じてピストン295と一体化して形成されたボール状部材296が設けられている。ばね298によってピストン295は図の左方向へ付勢されており、ボール状部材296と弁座294aとの間は開いている。このとき、ピストン295内に設けられた液路295aによって、マスタシリンダ側液室292とストロークシミュレータ238側とが連通している。
【0112】システム正常時においては、マスタシリンダ側液室292に働くマスタシリンダ液圧Pmより液圧制御弁側液室293に働く調整マスタシリンダ液圧Pem1の方が高いのでピストン295及びボール状部材296は図のように左へ押圧されており、マスタシリンダ210とストロークシミュレータ238との連通が保たれて、ストロークシミュレータ238が作動し、適切なペダルフィーリングが確保される。
【0113】又図9に示すように液圧源212側、例えば第1液路216に失陥が発生したときには、ピストン295の右側に働く液圧Pem1がないので、左側から働くマスタシリンダ液圧Pmによってピストン295は右へ移動し、ボール状部材296が弁座294aに着座し、マスタシリンダ210とストロークシミュレータ238との連通が遮断される。
【0114】これによって、ストロークシミュレータ238によって消費されるマスタシリンダ210側のブレーキ液が大幅に減少するので、ペダルストロークの増加が防止され、良好なペダルフィーリングを得ることができる。
【0115】又、本第3実施形態の差圧弁290は第2実施形態の開閉弁180のようにチェンジバルブ120とコネクティングロッド185で連結する必要はないので、チェンジバルブ220と別体設計が可能となり、装置の搭載・設計時における自由度が増すという利点もある。更に、失陥時に消費されるブレーキ液量が少ないため、マスタシリンダ210、ブースタ230等を小型化することも可能である。
【0116】又、本第3実施形態における差圧弁290は図8に示すものに限定されるものではなく、例えば図10に示す差圧弁390のように、ピストン395とボール(状部材)396を別体として、ボール396をばね396aによって右側へ付勢するようにしてもよい。
【0117】なお、これまで述べた各実施形態におけるチェンジバルブ20、120、220も、図3に示すものに限定されるものではなく、例えば図11に示すように、ばね69、169、269を省略し、代りに第2ピストン466を左へ付勢するばね500を支持部材468の内部に設け、前述した各実施形態と同様の作用が実行されるようにしたものであってもよい。
【0118】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明によれば、チェンジバルブの切換りの遅れによるマスタシリンダ液圧のホイールシリンダへの流出を抑制し、ペダルストロークの増大を低減することができ、良好なペダルフィーリングを確保することができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013