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発明の名称 セルフポンピング式ショックアブソーバ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−30233
公開日 平成9年(1997)2月4日
出願番号 特願平7−201785
出願日 平成7年(1995)7月17日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
発明者 小林 敏行
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 シリンダと、該シリンダ内に滑動可能に配置されてシリンダ内を上方の液室と下方の液室とに仕切る、減衰力発生機構を有するピストンと、一方の端部で前記ピストンに結合され、他方の端部が前記シリンダから外部へ突出する、前記他方の端部を塞いだ円筒状のピストンロッドと、該ピストンロッド内に配置されるポンプシリンダと、該ポンプシリンダに相対移動可能に挿入され、ポンプシリンダと相まってポンプ室を画定する、軸線方向へ伸びる通路を有するポンプロッドと、該ポンプロッドの前記通路に連通する低圧室と、前記上方の液室に連通する高圧室と、前記低圧室から前記通路、前記ポンプ室および前記上方の液室を経て前記高圧室に液体を流すための弁と、前記ポンプロッドの前記通路を前記上方の液室に連通可能な、前記ポンプロッドに設けられた制御通路と、前記ポンプロッドを取り囲んで軸線方向へ移動可能に配置され、前記制御通路の前記上方の液室への連通位置を調整するスリーブとを備え、該スリーブは、前記上方の液室に働く圧力が高くなるとき、前記連通位置を下げるように形成されている、セルフポンピング式ショックアブソーバ。
【請求項2】 シリンダと、該シリンダ内に滑動可能に配置されてシリンダ内を上方の液室と下方の液室とに仕切る、減衰力発生機構を有する第1のピストンと、一方の端部で前記ピストンに結合され、他方の端部が前記シリンダから外部へ突出する、前記他方の端部を塞いだ円筒状のピストンロッドと、該ピストンロッドに相対移動可能に挿入される、軸線方向へ伸びる通路を有するポンプロッドと、該ポンプロッドに取り付けられて前記ピストンロッド内に滑動可能に配置され、前記ピストンロッド内を上方のポンプ室と下方のポンプ室とに仕切る第2のピストンと、前記ポンプロッドの前記通路に連通する低圧室と、前記上方の液室に連通する高圧室と、前記低圧室から前記通路を経て前記下方のポンプ室に液体を流すための第1の逆止め弁と、前記下方のポンプ室から前記上方のポンプ室および前記上方の液室を経て前記高圧室に液体を流すための第2の逆止め弁と、前記ポンプロッドの前記通路を前記上方の液室に連通可能な、前記ポンプロッドに設けられた制御通路と、前記ポンプロッドを取り囲んで軸線方向へ移動可能に配置され、前記制御通路の前記上方の液室への連通位置を調整するスリーブとを備え、該スリーブは、前記上方の液室に働く圧力が高くなるとき、前記連通位置を下げるように形成されている、セルフポンピング式ショックアブソーバ。
【請求項3】 前記スリーブは補助のシリンダ内を滑動する補助のピストンを有し、前記高圧室の圧力が絞りを経て前記ピストンの一方側に、前記低圧室の圧力が前記ピストンの他方側に加わるように形成された、請求項1または2に記載のセルフポンピング式ショックアブソーバ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用セルフポンピング式ショックアブソーバに関し、特に、本来の振動減衰ないし振動吸収機能に加えてポンプ機能を有し、このポンプ機能によって車高を自動的に調整する、セルフポンピング式ショックアブソーバに関する。
【0002】
【従来の技術】シリンダと、シリンダ内に滑動可能に配置される、減衰力発生機構を有するピストンと、ピストンに一方の端部で結合され、他方の端部がシリンダから外部へ突出するピストンロッドとからなり、振動吸収機能を果たすショックアブソーバにポンプ機能を持たせ、このポンプ機能によって車高を自動的に調整するセルフポンピング式ショックアブソーバが提案されている(特開昭59-159441 号公報)。
【0003】前記セルフポンピング式ショックアブソーバでは、ピストンロッドのピストンと結合される端部から軸線方向へ伸びるくり抜き穴をピストンロッドに開けると共に、ポンプシリンダを前記くり抜き穴内に配置し、前記ピストンロッドが突出する端部とは反対側の前記シリンダの端部から伸びているポンプロッドを前記ポンプシリンダに相対移動可能に挿入し、ポンプシリンダとポンプロッドとによってポンプ室を画定している。ポンプロッドは軸線方向へ伸びる通路を有し、液体のリザーバである低圧室が前記通路に連通している。前記低圧室の他に高圧室が設けられ、この高圧室はピストンによって仕切られた2つの液室のうちの上方の液室を経て前記ポンプ室に連通する。
【0004】車高が下がったとき、ピストンロッドが伸縮を繰り返すと、低圧室から通路を経てポンプ室に吸い込まれた液体が弁の作用によってポンプ室から上方の液室に押し出される。その結果、上方の液室内および高圧室内の液体量が増えて圧力が上昇し、これによってピストンが押し下げられてピストンロッドが伸長し、車高を調整する。所定の車高に達すると、前記ポンプロッドに設けられた、前記通路と前記上方の液室とを連通する制御通路が開き、上方の液室内の液体が低圧室に逃げる。このようにして、所定の車高が維持される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、車高は制御通路の開閉で制御されるが、ショックアブソーバは絶えず振動をしているため、車高が目標高さ付近になったとき、制御通路は開閉を繰り返すこととなる。この目標高さ付近では、輪荷重が大きいときと、輪荷重が小さいときとでは異なる挙動をする。すなわち、輪荷重が大きいときには、輪荷重が小さいときと比べて、ピストンの上方の液室内の圧力が高いため、制御通路が開いているときの流量が増加し、車高の低下速度が速くなる。逆に、制御通路が閉じているときのポンプ室からの流量が減少し、車高の上昇速度が遅くなる。その結果、制御通路が開いている時間が短くなり、輪荷重が小さいときよりも低い車高で安定する傾向がある。
【0006】本発明は、輪荷重の増加に伴う車高の低下傾向を補正することができる、セルフポンピング式ショックアブソーバを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るセルフポンピング式ショックアブソーバは、シリンダと、該シリンダ内に滑動可能に配置されてシリンダ内を上方の液室と下方の液室とに仕切る、減衰力発生機構を有するピストンと、一方の端部で前記ピストンに結合され、他方の端部が前記シリンダから外部へ突出する、前記他方の端部を塞いだ円筒状のピストンロッドと、該ピストンロッド内に配置されるポンプシリンダと、該ポンプシリンダに相対移動可能に挿入され、ポンプシリンダと相まってポンプ室を画定する、軸線方向へ伸びる通路を有するポンプロッドと、該ポンプロッドの前記通路に連通する低圧室と、前記上方の液室に連通する高圧室と、前記低圧室から前記通路、前記ポンプ室および前記上方の液室を経て前記高圧室に液体を流すための弁と、前記ポンプロッドの前記通路を前記上方の液室に連通可能な、前記ポンプロッドに設けられた制御通路と、前記ポンプロッドを取り囲んで軸線方向へ移動可能に配置され、前記制御通路の前記上方の液室への連通位置を調整するスリーブとを備える。スリーブは、前記上方の液室に働く圧力が高くなるとき、前記連通位置を下げるように形成されている。
【0008】本発明に係るセルフポンピング式ショックアブソーバはまた、シリンダと、該シリンダ内に滑動可能に配置されてシリンダ内を上方の液室と下方の液室とに仕切る、減衰力発生機構を有する第1のピストンと、一方の端部で前記ピストンに結合され、他方の端部が前記シリンダから外部へ突出する、前記他方の端部を塞いだ円筒状のピストンロッドと、該ピストンロッドに相対移動可能に挿入される、軸線方向へ伸びる通路を有するポンプロッドと、該ポンプロッドに取り付けられて前記ピストンロッド内に滑動可能に配置され、前記ピストンロッド内を上方のポンプ室と下方のポンプ室とに仕切る第2のピストンと、前記ポンプロッドの前記通路に連通する低圧室と、前記上方の液室に連通する高圧室と、前記低圧室から前記通路を経て前記下方のポンプ室に液体を流すための第1の逆止め弁と、前記下方のポンプ室から前記上方のポンプ室および前記上方の液室を経て前記高圧室に液体を流すための第2の逆止め弁と、前記ポンプロッドの前記通路を前記上方の液室に連通可能な、前記ポンプロッドに設けられた制御通路と、前記ポンプロッドを取り囲んで軸線方向へ移動可能に配置され、前記制御通路の前記上方の液室への連通位置を調整するスリーブとを備える。スリーブは、前記上方の液室に働く圧力が高くなるとき、前記連通位置を下げるように形成されている。
【0009】前記いずれの発明においても、前記スリーブには補助のシリンダ内を滑動する補助のピストンを備えさせ、前記高圧室の圧力が絞りを経て前記ピストンの一方側に、前記低圧室の圧力が前記ピストンの他方側に加わるように形成することができる。
【0010】
【作用および効果】自動車の走行時、ピストンに設けられた減衰力発生機構によって減衰力が発生し、振動を吸収する。車高が所定高さから変動すると、ポンプ作用によって自動的に車高を所定高さに維持するように働くが、このとき、輪荷重が大きいと、ポンプロッドの制御通路は、スリーブによって下げられた連通位置で上方の液室に連通する。一方、輪荷重が小さいと、制御通路は、スリーブによって上げられた連通位置で上方の液室に連通する。
【0011】ポンプロッドの制御通路は、輪荷重が大きいとき、標準の輪荷重のときに上方の液室に連通することとなる連通位置より低い連通位置で上方の液室に連通する。これは、ポンプロッドの制御通路に対して、ピストンロッドが下方へ押し出されたことであり、これによって、車高が目標高さ付近になり、制御通路の開閉が繰り返される場合の車高の低下傾向を補正し、車高の変動を抑えることができる。
【0012】請求項1に記載の発明では、ピストンロッドの縮み行程でポンプ作用をする。これに対し、請求項2に記載の発明では、ピストンロッドの伸び行程と縮み行程とでポンプ作用をする。これによって、ショックアブソーバに働くエネルギを有効に利用して車高調整に要する時間を短縮することができる。
【0013】請求項3に記載の発明によれば、スリーブが補助のシリンダ内を滑動する補助のピストンを有し、高圧室の圧力が絞りを経てピストンの一方側に働いているため、高圧室の圧力が繰り返し変動しても、ピストンの一方側に働く圧力の変動を抑えることができる。したがって、車高が目標高さ付近になったとき、制御通路が開閉を繰り返すことによる頻繁なポンプ作用を避けることができ、乗り心地への影響を抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】ショックアブソーバは、シリンダと、シリンダ内に滑動可能に配置されてシリンダ内を上方の液室と下方の液室とに仕切る、減衰力発生機構を有するピストンと、一方の端部で前記ピストンに結合され、他方の端部が前記シリンダから外部へ突出する、前記他方の端部を塞いだ円筒状のピストンロッドとによって形成する。
【0015】1の発明では、ピストンロッド内にポンプシリンダを配置し、ポンプシリンダと相まってポンプ室を画定する、軸線方向へ伸びる通路を有するポンプロッドを前記ポンプシリンダに相対移動可能に挿入する。液体のリザーバ室となる低圧室を前記ポンプロッドの前記通路に連通させ、高圧気体室に隣接する高圧室を前記上方の液室に連通させる。前記低圧室、高圧室および高圧気体室は、前記シリンダを取り巻くように形成することが便宜である。前記低圧室から前記通路を経て前記ポンプ室に液体を流すための第1の逆止め弁と、前記ポンプ室から上方の液室を経て前記高圧室に液体を流すための第2の逆止め弁とを前記ポンプ室に配置する。前記ポンプロッドの前記通路を前記上方の液室に連通可能な制御通路を前記ポンプロッドに設け、前記制御通路の前記上方の液室への連通位置を調整するスリーブを、前記ポンプロッドを取り囲んで軸線方向へ移動可能に配置する。前記スリーブは、前記上方の液室すなわち前記高圧室に働く圧力が高くなるとき、前記連通位置を下げるように形成する。
【0016】別の発明では、軸線方向へ伸びる通路を有するポンプロッドを前記ピストンロッドに相対移動可能に挿入する。ピストンを前記ポンプロッドに取り付けて前記ピストンロッド内に滑動可能に配置し、前記ピストンロッド内を上方のポンプ室と下方のポンプ室とに仕切る。低圧室を前記ポンプロッドの前記通路に連通させ、高圧室を前記上方の液室に連通させる。前記低圧室から前記通路を経て前記下方のポンプ室に液体を流すための第1の逆止め弁を下方のポンプ室に配置し、前記下方のポンプ室から前記上方のポンプ室および前記上方の液室を経て前記高圧室に液体を流すための第2の逆止め弁を上方のポンプ室に配置する。前記ポンプロッドの前記通路を前記上方の液室に連通可能な制御通路を前記ポンプロッドに設け、前記制御通路の前記上方の液室への連通位置を調整するスリーブを、前記ポンプロッドを取り囲んで軸線方向へ移動可能に配置する。前記スリーブは、前記上方の液室すなわち高圧室に働く圧力が高くなるとき、前記連通位置を下げるように形成する。
【0017】前記いずれの発明においても、補助のシリンダを前記シリンダの上方に設けると共に、補助のシリンダ内を滑動する補助のピストンを前記スリーブに一体に取り付け、高圧室の圧力を補助のピストンの上側に、低圧室の圧力を補助のピストンの下側に働かせ、これによって、上方の液室に働く圧力が高くなるとき、前記制御通路の連通位置を下げさせることが便宜である。この場合、高圧室から補助のピストンの上側に至る通路に絞りを取り付けることが好ましい。
【0018】
【実施例】セルフポンピング式ショックアブソーバは、部分的に拡大した図1および全体を示す図2を参照するに、シリンダ10と、ピストン12と、ピストンロッド14とを備える。
【0019】図示の実施例では、シリンダ10は、円筒状の第1シリンダ部分16と、第1シリンダ部分16をわずかなすきまをおいて取り巻き、第1シリンダ部分16の上方に位置する、円筒状の第2シリンダ部分17とからなる。第1シリンダ部分16の上方の端部は内方へ向けて湾曲されている。第1シリンダ部分16の下方の端部はシールキャップ18に結合され、第2シリンダ部分17の上方の端部はエンドキャップ20と一体になっている。第1シリンダ部分16と第2シリンダ部分17との間の前記わずかなすきま19は、後述するように、ポンプ作用時の液体の通路となる。
【0020】ピストン12は、シリンダ10の第1シリンダ部分16内に液密状態で滑動可能に配置され、シリンダ10内を2つの液室22、24に仕切っている。ピストン12は、それ自体公知の減衰力発生機構、すなわち、後述のピストンロッド14が伸びるときに減衰力を発生する通路および弁26と、ピストンロッド14が縮むときに減衰力を発生する通路および弁28とを有する。
【0021】ピストンロッド14は一方の端部でピストン12に結合されている。ピストンロッド14の他方の端部は、シリンダ10の第1シリンダ部分16のシールキャップ18を通って外部へ突出している。ピストンロッド14は、シールキャップ18に装着したOリング30によって液密に保持され、シールキャップ18に対して相対移動可能である。ピストンロッド14は、ピストン12に結合された端部から軸線方向へ伸びるくり抜き穴32を有する。すなわち、ピストンロッド14は円筒状であるが、シリンダ10から突出する端部は塞がれている。
【0022】ポンプシリンダ34がピストンロッド14のくり抜き穴32内にすきま35をおいて配置されている。すきま35は、後述するように、ポンプ作用時の液体の通路となる。ポンプシリンダ34は、下方の端部を閉じた円筒状のものである。詳細を示す図4を参照するに、ポンプシリンダ34の閉じた端部に有底の円筒部材36をCクリップ38で固定し、シム40とコイルばね42とを介在してポンプシリンダ34をピストンロッド14のくり抜き穴32内に挿入し、ナット44をピストンロッド14のピストン側の端部にねじ込んで(図1参照)、ポンプシリンダ34の上方の開口した端部をナット44に固定し、ポンプシリンダ34をピストンロッド14のくり抜き穴32に組み付けてある。この組付けによれば、シム40によって加工誤差を吸収でき、コイルばね42によってポンプシリンダ34をナット44とピストンロッド14とに押し付けているため、ポンプシリンダ34のがたつきを防止できる。
【0023】ポンプロッド46は、ピストンロッド14が突出する端部とは反対側のシリンダ10の端部からポンプシリンダ34に向けて伸び、ポンプシリンダ34と相まってポンプ室48を画定している。ポンプロッド46は、軸線方向へ伸びる通路50を有する。
【0024】図示の実施例では、ポンプロッド46は上方の端部に環状のマウント52を有し、このマウント52によってシリンダの第2シリンダ部分17のエンドキャップ20に取り付けられている。ポンプロッド46は、エンドキャップ20から下方へ伸び、ポンプシリンダ34内にすきま47をおいて挿入され、ポンプシリンダ34に対して相対移動可能である。すきま47には、後述するスリーブが進入する。ポンプロッド46の通路50は軸線方向へ貫通している。
【0025】低圧室54がポンプロッド46の通路50に連通するように形成され、液体のリザーバとなる。低圧室54の上方には空気その他の気体が封入される。図示の実施例では、エンドキャップ58を一体に有する円筒状のシリンダ56を、シリンダ10を取り囲むようにシリンダ10の外側に配置し、一方、シリンダ10の第2シリンダ部分17の下方の端部に環状の仕切り60を取り付け、これによって低圧室54が画定される。仕切り60は、所定の取付け位置となったとき、シリンダ10の第1シリンダ部分16との間にすきま61をおく内径を有する。このすきま61は、ポンプ作用時に液体の通路となる。全体に筒状のゴム製のダイアフラム62の2つの端部を仕切り60と下方のエンドキャップ64(図1参照)とにそれぞれ嵌合し、シリンダ56をシリンダ10に被せる。このように被せて、シリンダ56のエンドキャップ58がシリンダ10の第2シリンダ部分17のエンドキャップ20に突き当たったとき、両者の間に中間室66ができるように寸法決めしておく。エンドキャップ58をエンドキャップ20に突き当て、シリンダ56の下方の端部にエンドキャップ64をかしめ付けする。その結果、低圧室54がシリンダ10と、シリンダ56と、仕切り60とによって形成されている。低圧室54は、シリンダ10のエンドキャップ20から仕切り60の近傍まで伸びているパイプ68によって中間室66に連通し、中間室66を経てポンプロッド46の通路50に連通する。
【0026】ダイアフラム62を仕切り60とエンドキャップ64とに取り付けた結果、高圧ガス室70がダイアフラム62とシリンダ56とによって画定され、さらに、高圧液体室72がダイアフラム62とシリンダ10の第1シリンダ部分16とによって画定されている。高圧ガス室70には、たとえば980kPa(10kgf/cm2) 以上の、空気、窒素ガスまたはその他の不活性ガスを封入する。高圧液体室72は、高圧ガス室70内のガス圧力を受けてその圧力と実質的に等しい圧力に保持される。高圧液体室72は、すきま61およびすきま19を経て上方の液室22に連通する。
【0027】低圧室54からポンプロッド46の通路50、ポンプ室48および上方の液室22を経て高圧液体室72に向けて液体を流すための弁が設けられる。図示の実施例では、弁は、ポンプロッド46の下方の端部に配置した吸入用の逆止め弁76と、ポンプシリンダ34の下方の端部に配置した吐出用の逆止め弁78とからなる。逆止め弁76は、ポンプロッド46の通路50からポンプ室48に向く液体の流れのみを許容し、逆止め弁78は、ポンプ室48からすきま35に向く液体の流れのみを許容する。
【0028】逆止め弁76は、詳細を示す図3を参照するに、ポンプロッド46の下端に接する円形の弁板80と、弁板80をポンプロッド46に押し付けるコイルばね82と、コイルばね82をポンプロッド46に取り付けるキャップ84とからなり、キャップ84は複数のスリット86を円周方向に間隔をおいて有する。逆止め弁76は、ポンプ室48に発生する負圧とポンプロッド46の通路50内の液体の圧力とがコイルばね82により設定した圧力を上回るとき、弁板80がポンプロッド46から離れることによって通路50を開き、通路50からキャップのスリット86を経てポンプ室48に向けて液体を流れさせる。
【0029】一方、逆止め弁78は、詳細を示す図4を参照するに、ポンプシリンダ34の下端に接する円形の弁板90と、弁板90をポンプシリンダ34に押し付けるコイルばね92と、コイルばね92をポンプシリンダ34に取り付ける円筒部材36とからなる。ポンプシリンダ34の底部に穴94を開け、円筒部材36には複数の溝96を円周方向に間隔をおいて設けてある。したがって、逆止め弁78は、ポンプ室48内の圧力がコイルばね92により設定した圧力を上回るとき、弁板90がポンプシリンダ34から離れることによってポンプ室48を開き、ポンプ室48から穴94および円筒部材の溝96を経てすきま35に向けて液体を流れさせる。
【0030】ポンプロッド46には、図1に示すように、通路50を上方の液室22に連通可能な制御通路100が設けられている。図示の実施例では、制御通路100は、ポンプロッド46に半径方向へ開けた第1通路部分101と、ポンプロッド46の外周面に軸線方向へ溝状に設けた第2通路部分102とからなる。第2通路部分102は、第1通路部分101に中央で連通している。
【0031】制御通路100の上方の液室22への連通位置を調整するスリーブ104がポンプロッド46に軸線方向へ移動可能に配置されている。スリーブ104は円筒状の部材で形成され、ポンプシリンダ34とポンプロッド46との間のすきま47に進入可能であり、わずかなすきまをおいてポンプシリンダ34の内側に位置している。スリーブ104とポンプシリンダ34との間のわずかなすきまは、液体の漏れを実質的に阻止する。スリーブ104は、ポンプロッド46の制御通路100の第2通路部分102に連通する、半径方向へ開けた穴106を有する。そのため、スリーブ104の穴106が第2通路部分102の軸線方向の長さにわたる範囲内にあるとき、制御通路100は穴106を経て液室22に連通することができる。
【0032】スリーブ104は、標準の輪荷重で上方の液室22に働く圧力のとき、標準の連通位置となるように、すなわち、スリーブの穴106が制御通路100の第1通路部分101に対応して位置し、かつ、穴106がポンプシリンダ34によって塞がれないように形成される。さらに、上方の液室22に働く圧力が高くなるとき、連通位置を下げるように、すなわちスリーブの穴106のレベルが下がるが、上方の液室22の圧力が上がる結果、ピストン12と共にポンプシリンダ34が押し下げられ、穴106がポンプシリンダ34によって塞がれないように形成される。
【0033】図示の実施例では、スリーブ104は補助のシリンダ110内を滑動する補助のピストン112を有し、上方の液室22の圧力がピストン112の上方に加わり、低圧室54の圧力がピストン112の下方に加わっている。シリンダ110は有底の円筒状部材で形成され、その底部111が下側に位置するように、テーパワッシャ114を介在してシリンダ10の第1シリンダ部分17に嵌合され、Oリング116によって液密に保たれている。一方、ピストン112はスリーブ104の上端に一体に形成されたもので、シリンダ110内に滑動可能に配置され、スリーブ104がシリンダ110の底部111を貫通し、Oリング118によって液密に保たれている。通路120がシリンダ110に設けられており、液室22とピストン112の上方の液室122とを連通している。さらに、通路124がシリンダ110に、また通路124に連通する通路126が第1シリンダ部分17に設けられており、ピストン112の下方の液室128と低圧室54とを連通している。コイルばね130を下方の液室128内に配置してピストン112に上向きの力を及ぼし、ピストン112を上方へ偏倚している。
【0034】さらに、図示の実施例では、オリフィスからなる絞り132が通路120に設けられている。この絞り132によって通路120を通過する液体に抵抗を与え、液室22内の圧力変動が直ちに液室122に及ぼされるのを防止する。
【0035】セルフポンピング式ショックアブソーバは、それ自体公知のように、シリンダ56から上方へ突出するロッド150の上方の端部を車体に取り付け、ピスロンロッド14の下方の端部をサスペンションアームに取り付けて使用する。自動車の走行時、バウンド状態になると、ピストンロッド14が縮み、ピストン12に設けられた減衰力発生機構28によって減衰力が発生し、振動を吸収する。また、リバウンド状態になると、ピストンロッド14が伸び、ピストン12に設けられた減衰力発生機構26によって減衰力が発生し、振動を吸収する。
【0036】輪荷重が大きいとき、上方の液室22内の圧力は高く、したがって、補助のピストン112に加わる下向きの圧力は大きい。そのため、ピストン112がコイルばね130を圧縮して下方へ移動し、スリーブ104を押し下げて穴106が低いレベルにあることから、ポンプロッド46の制御通路100は、スリーブ104によって下げられた連通位置で上方の液室22に連通する。
【0037】このとき、車高が所定高さから変動し、車高が低くなると、ポンプシリンダ34とスリーブ104とが相対変位し、ポンプシリンダ34がスリーブ104の穴106を塞ぐこととなる。この状態で、ピストンロッド14が伸びると、ポンプ室48内の圧力が低下し、逆止め弁76は開くが逆止め弁78は閉じているため、低圧室54内の液体がパイプ68から中間室66を経て通路50に達し、ポンプ室48に流入する。その後、ピストンロッド14が縮むと、ポンプ室48内の圧力が高くなり、逆止め弁78は開くが逆止め弁76が閉じているため、ポンプ室48内の液体は、すきま35を経て上方の液室22に流入し、液室22内の流体量が増加する。その結果、液室22内の液体がすきま19およびすきま61を通って高圧室72に流入し、同時に、ピストン12を押し下げる。以上の操作を繰り返し、スリーブ104の穴106が液室22に連通するようになると、液室22内の液体は穴106から制御通路100に至り、通路50および中間室66を経て低圧室54に逃げるため、液室22内の液体量と圧力とは輪荷重と平衡するようになり、車高を所定の高さに維持する。
【0038】前記操作の間、輪荷重が大きいため、ポンプロッド46の制御通路100は、標準の輪荷重のときに上方の液室22に連通することとなる連通位置より低い連通位置で上方の液室22に連通し、ピストンロッド14が押し出されたのと同じ状態になる。したがって、車高が目標高さ付近になり、制御通路100の開閉が繰り返される場合の車高の低下傾向を補正し、車高の変動を抑えることができる。
【0039】逆に、車高が所定高さから変動し、車高が高くなると、ポンプシリンダ34とスリーブ104とが相対変位し、スリーブ104の穴106が液室22に連通することとなる。この状態で、ピストンロッド14が伸びると、ポンプ室48内の圧力が低下し、逆止め弁76は開くが逆止め弁78は閉じているため、低圧室54内の液体がパイプ68から中間室66を経て通路50に達し、ポンプ室48に流入する。その後、ピストンロッド14が縮むと、ポンプ室48内の圧力が高くなり、逆止め弁78は開くが逆止め弁76が閉じているため、ポンプ室48内の液体は、すきま35を経て上方の液室22に流入する。しかし、液室22はスリーブ104の穴106、制御通路100、ポンプロッド46の通路50、中間室66およびパイプ68を介して低圧室54に連通しているため、液室22内に流入した液体は低圧室54に逃げ、ピストン12の押下げには寄与しない。以上の操作を繰り返し、スリーブ104の穴106がポンプシリンダ34の上端に達すると、液室22内の液体量と圧力とは輪荷重と平衡するようになり、車高を所定の高さに維持する。
【0040】輪荷重が小さいとき、上方の液室22内の圧力は低く、したがって、補助のピストン112に加わる下向きの圧力は小さい。そのため、ピストン112がコイルばね130によって上方へ移動され、スリーブ104を押し上げて穴106が高いレベルにあることから、ポンプロッド46の制御通路100は、スリーブ104によって上げられた連通位置で上方の液室22に連通する。
【0041】このとき、車高が所定高さから変動し、車高が低くなると、前記操作と同様の操作を繰り返して車高を所定の高さに維持するが、輪荷重が小さく、ピストンの上方の液室内の圧力が低いため、制御通路が開いているときの流量が減少し、車高の低下速度が遅くなる。逆に、制御通路が閉じているときのポンプ室からの流量が増加し、車高の上昇速度が速くなる。その結果、制御通路が開いている時間が長くなる。これによって、車高が目標高さ付近になり、制御通路100の開閉が繰り返される場合の車高の変動を抑えることができる。
【0042】図示の実施例のように、液室22と液室122とを連通する通路120に絞り132がある場合、液室122内の圧力は液室22の圧力変動に追従せず、液室122には圧力変動が実質的に発生しない。そのため、シリンダ126が頻繁に上下し、これによってスリーブ104が頻繁に上下し、制御通路100の開閉を頻繁に繰り返す動作の発生を抑えることができ、乗り心地への影響を排除できる。
【0043】図5ないし図7に示すセルフポンピング式ショックアブソーバは、一部の構成を除いて、図1ないし図4に示した実施例と同じである。したがって、実質的に同じ構成のものに同じ符号を付け、同じ構成についての説明は省略する。
【0044】ピストンロッド14のくり抜き穴32内にポンプロッド46が相対移動可能に挿入され、ピストン200がポンプロッド46に取り付けられている。ピストン200はピストンロッド14内に滑動可能に配置され、ピストンロッド14内を上方のポンプ室202と、下方のポンプ室204とに仕切っている。ピストン200は複数の貫通した通路201を有し、逆止め弁206がピストン200の上側に取り付けられている。逆止め弁206は、下方のポンプ室204から上方のポンプ室202に向く液体の流れのみを許容する。
【0045】ポンプロッド46の制御通路100は、第1通路部分101と第2通路部分102とからなるが、この実施例では、第2通路部分102はポンプロッド46の全周にわたる環状の溝である。
【0046】スリーブ104の穴106は、一方では制御通路100の第2通路部分102に連通可能であり、他方ではスリーブバルブ208によって開閉される。スリーブバルブ208は、スリーブ104の外側面を相対滑動可能な、上端が末広状になった円筒からなる。スリーブバルブ208は、ばね受け214で下方の端部を受け止められたコイルばね210によって上方向へ押し上げられており、ピストンロッド14の開口端部に設けた環状のつば212に突き当たってその位置に保持される。この状態のとき、スリーブ104の穴106がスリーブバルブ208の半径方向の内方に位置すると、穴106はスリーブバルブ208によって閉じられる。したがって、スリーブバルブ208の軸線方向の長さの範囲では、スリーブ104の穴106が制御通路100の第2通路部分102に連通しても、ポンピング作用は起こらない。
【0047】ショックアブソーバの使用時、輪荷重が大きいとき、上方の液室22内の圧力は高く、したがって、補助のピストン112に加わる下向きの圧力は大きい。そのため、ピストン112がコイルばね130を圧縮して下方へ移動し、スリーブ104を押し下げる。スリーブ104の穴106がスリーブバルブ208を越えて低いレベルに達すると、ポンプロッド46の制御通路100は、スリーブ104によって下げられた連通位置で上方の液室22に連通する。
【0048】ピストンロッド14の伸び行程では、ピストンロッド14とポンプロッド46とが相対移動するため、上方のポンプ室202内の液体がピストン200によって上方の液室22に押し出され、すきま19を通って高圧室72に流れ込む。液体が高圧室72に流れ込むと、ダイアフラム62を圧縮する結果、高圧空気室70の圧力が上昇し、上方の液室22の圧力が上昇する。これによって、ピストン12を介してピストンロッド14を押し下げるため、車高が高くなる。同時に、下方のポンプ室204の圧力が低下するため、低圧室54内の液体は、パイプ68から中間室66、通路50を通り、逆止め弁76を押し開いてポンプ室204に流入する。
【0049】ピストンロッド14の縮み行程では、ポンプ室204内の液体が通路201を通り、逆止め弁206を押し開いて上方のポンプ室202に押し出され、さらに、上方の液室22に押し出され、すきま19を通って高圧室72に流れ込む。その結果、伸び行程と同様に、車高が高くなる。このように、伸び行程と縮み行程との両方でポンピング作用が行われる。
【0050】車高が所定高さより高くなると、ピストンロッド14のつめ212がコイルばね210のばね力に抗してスリーブバルブ208を押し下げる結果、ピストンの上方の液室22内の液体は、スリーブ104の穴106から制御通路100および通路50を通って中間室66に達し、パイプ68を通って低圧室54に流れ込む。そのため、高圧室72内の液体がすきま19を通って液室22へ流れ、高圧空気室70の体積が膨張して圧力が下がり、液室22の圧力が下がる。これによってピストンロッド14が縮むこととなり、車高が下がる。




 

 


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