米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 農業 -> 農林水産省東北農業試験場長

発明の名称 洋菓子類用穀粉及び洋菓子類
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−191818
公開日 平成9年(1997)7月29日
出願番号 特願平8−6523
出願日 平成8年(1996)1月18日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 三幸 (外3名)
発明者 星野 次汪 / ▲吉▼川 亮 / 伊藤 誠治 / 八田 浩一 / 中村 俊樹 / 山守 誠 / 早川 克志 / 田中 啓子 / 多胡 征司 / 石神 真二
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 モチ性小麦粉を1〜30重量%含有することを特徴とする洋菓子類用穀粉。
【請求項2】 モチ性小麦粉を1〜20重量%含有することを特徴とする洋菓子類用穀粉。
【請求項3】 モチ性小麦粉がアミロース含量10%以下のものである請求項1又は2記載の洋菓子類用穀粉。
【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項記載の洋菓子類用穀粉を用いて製造された洋菓子類。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な洋菓子類用穀粉、及びこの穀粉を用いて製造後、冷蔵保存後、あるいは冷凍保存後解凍して、喫食したときに、しっとりした良好な食感を有する洋菓子類に関する。
【0002】
【従来の技術】洋菓子類は、小麦粉、就中特に、アメリカ産ウエスタン・ホワイト・ホイート、オーストラリア産ソフト等の低タンパク質含量の軟質小麦から得られる薄力粉を使用して製造されている。
【0003】しかしながら、この薄力粉から製造された洋菓子類を冷蔵庫で保存すると、水分飛散や澱粉の老化を生じやすく、これを喫食すると硬いものとなり、パサパサとした食感及び風味の劣ったものとなることが多かった。また、この薄力粉から製造されたスポンジケーキ等を冷凍保存後、室温あるいは冷蔵庫で解凍したものを喫食すると、ぼそぼそとしたぱさついた食感及び風味の劣ったものとなるという欠点があった。
【0004】かかる欠点を改良するために、従来は、老化防止剤として、乳化剤、α化澱粉、モチ種澱粉などの添加剤が使用されてきた。しかしながら、かかる方法によっても充分な老化防止効果が得られないと共に、洋菓子類の風味を損ねる結果となるばかりか、消費者の健康上からも好ましい手段とは云えない。また、かかる方法により製造された洋菓子類を冷凍保存後に解凍した場合には、歯切れが悪く、しかも口の中で団子状になり易く口溶けが悪いという欠点があった。更には、上記の欠点を改良することを目的として、糖類、油脂類等の副原料の添加の検討もなされているが、未だ充分満足のゆく結果は得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、冷蔵保存後、あるいは冷凍保存後、解凍しても、しっとりとした良好な食感が保持される洋菓子類を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、上記欠点を解決せんと鋭意研究を行った結果、特定量のモチ性小麦粉を含む穀類を使用すれば、上記欠点が解消されることを見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、モチ性小麦粉を1〜30重量%含有する洋菓子類用穀粉を提供するものである。また、本発明は、かかる洋菓子類用穀粉を用いて製造した洋菓子類を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、洋菓子類とは、いわゆるケーキ屋において通常製造、販売されている、小麦粉等の澱粉をベースとする生地を、主として卵白、ベーキングパウダーを使用して膨化させて製造したものを指称する。卵白の気泡力を利用したものとしてはスポンジケーキ、カステラ、バターケーキ等が、またベーキングパウダーにより膨化させたものとしてはホットケーキ、ムース類等が挙げられる。
【0009】本発明において、モチ性小麦粉とはアミロース含量10%以下のものを指称する。モチ性小麦の一つとしては、本発明者の2人により作出された特開平6−125669号公報に記載のアミロース含量0のモチコムギが挙げられる。このモチコムギは上記公報に記載の方法に従って、X−A1遺伝子とX−B1遺伝子の発現を欠きX−D1遺伝子の発現能力を維持する6倍体とX−D1遺伝子の発現のみを欠いた6倍体を交配して雑種第一代個体を得、これを自家受精させて雑種第二代個体とし、この中から上記3種の遺伝子の発現を欠いたものを選ぶことによって作出される。また、上記遺伝子のうちのA1及びB1の発現を欠いた6倍体と二粒系コムギゲノム構成AABB個体を交配する方法によっても作出される。
【0010】これらのモチコムギはアミロース含量0の小麦であるが、更にこれを、常法に従って、ウルチ性小麦と交配後、選抜することにより、アミロース含量が10%以下のモチ性小麦を得ることができる。モチ性小麦の作出方法としては、上記の方法に限定されることなく、放射線照射、化学的変異原処理などによって得られたもの、あるいは、それを育種の母本として用いて育成された小麦の内、小麦中のアミロース含量が10%以下であるものの何れでもよい。
【0011】本発明の洋菓子類用穀粉はその1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%がモチ性小麦粉であり、その他の穀粉としては、強力粉、中力粉、薄力粉等のウルチ性小麦粉、ライ麦粉、澱粉類等が使用される。
【0012】本発明の洋菓子類用穀粉は、モチ性小麦粉及び他の穀粉を別々に製造(製粉)し混合してもよいし、モチ性小麦及び他の穀粒を混合した後製粉してもよい。
【0013】本発明の洋菓子類は、洋菓子類用穀粉に、卵白、油脂、ベーキングパウダー等の化学膨張剤、及び必要に応じて、食塩、糖類、油脂類、乳製品、酒等の洋菓子類の製造に使用される副原料を配合し、混合、混練して生地をつくり、これを膨化、焼成することにより製造される。本発明の洋菓子類の製造に際しては、洋菓子類の製造において通常採用されている製造方法、製造装置、凍結方法、凍結装置のいずれもが採用できる。また上記した副原料の他に洋菓子類の製造において使用されている、例えば乾燥果実、香辛料、ビタミン、ミネラル等の添加物を必要に応じて添加することができる。
【0014】
【発明の効果】本発明の洋菓子類用穀粉を使用して製造した洋菓子類は、老化の進行が極めて緩やかであり、また非常に保水性が高いため、冷蔵保存後喫食したときに硬くならず、しっとりした製造直後に近い良好な食感を有し、また冷凍保存後冷蔵庫内や室温で解凍した後も、あるいは、場合によっては、電子レンジ等で加熱解凍した後でもぱさついたり、硬くなったりしないでしっとりとした良好な食感を長く保持することができるという特徴を有する。
【0015】
【実施例】次に実施例を挙げて説明する。
【0016】実施例1下記配合の原料を使用して、下記製造工程にしたがってスポンジケーキを製造した。尚モチ性小麦粉と他の穀粉との配合割合は表1に示すとおりである。
【0017】
配合: 他の穀粉 Xg モチ性小麦粉(特開平6-125669号公報の例2 によって得たもの) (100−X)g 砂糖 100g 全卵 100g 水 40g【0018】スポンジケーキ製造工程:(1)ミキシング 全卵をほぐしてから、30℃の湯煎に浸け砂糖を加える。高速(295回/分)、中速(190回/分)を繰り返し、泡立て、種を均一にする。30℃のお湯を徐々に加える。ふるった小麦粉を加え、シャモジで混合する。
(2)焼成 320gの生地を型に入れ、190℃で30分間焼成する。
【0019】
【表1】

【0020】上記により製造されたスポンジケーキの風味及び食感を下記の表2に示した評価基準に従って10名のパネラーにより評価し、その平均値を求めた。また、製造されたスポンジケーキを室温下に放冷した後、4℃に保った冷蔵庫で24時間冷蔵保存した後のスポンジケーキの風味及び食感を同様に評価した。更に、製造されたスポンジケーキを−40℃に保った急速冷凍庫で20分間凍結して冷凍スポンジケーキを製造し、これを−18℃の冷凍庫で10日間保存後、得られた冷凍スポンジケーキをそのまま電子レンジで加熱解凍した。加熱解凍後のスポンジケーキの風味及び食感を同様に評価した。その結果は表3に示すとおりである。
【0021】
【表2】

【0022】
【表3】

【0023】上記表3の結果から、モチ性小麦粉を配合使用した本発明のスポンジケーキは、コーンスターチやモチ米粉、タピオカ澱粉を配合使用して製造したスポンジケーキや通常の小麦粉を配合使用して製造したスポンジケーキに比べて製品の体積が大きく、スポンジケーキ特有の風味を損なうことなく優れた食感を示すこと、また、冷蔵保存した場合や、冷凍保存後電子レンジで加熱解凍した場合に優れた風味及び食感を保持した製品になることが分かる。
【0024】実施例2下記配合の原料を使用して、下記製造工程にしたがってバターケーキを製造した。尚モチ性小麦粉と他の穀粉との配合割合は表1に示すとおりである。
【0025】
配合: 他の穀粉 Xg モチ性小麦粉(実施例1と同じ) (100−X)g マーガリン 90g 食塩 0.5g 砂糖 90g 全卵 90g 牛乳 5g ブランデー 3g ラム酒 2g ベーキングパウダー 1.5g【0026】バターケーキ製造工程:(1)ミキシング マーガリンに食塩を加え、低速(98回/分)で1分30秒、次いで高速(295回/分)で1分間ミキシングしクリーム状にする。更に砂糖を加え高速で5分間ミキシングする。全卵を5〜6回に分けて徐々に加え、低速で7分間、次いで高速で4分間ミキシングする。ブランデー、ラム酒を加える。小麦粉とベーキングパウダーを加え、低速で2分間ミキシングする。
(2)焼成 350gの生地をパウンドケースに入れ、25分間(温度180℃)焼成する。
【0027】上記により製造されたバターケーキの風味及び食感を下記の表2に示した評価基準に従って10名のパネラーにより評価した。また、製造されたバターケーキを室温下に放冷した後、4℃に保った冷蔵庫で24時間冷蔵保存した後のバターケーキの風味及び食感を同様に評価した。更に、製造されたバターケーキを−40℃に保った急速冷凍庫で20分間凍結して冷凍バターケーキを製造し、これを−18℃の冷凍庫で10日間保存後、得られた冷凍バターケーキを冷蔵庫内(4℃)で解凍した。解凍後のバターケーキの風味及び食感を同様に評価した。その結果は表4に示すとおりである。
【0028】
【表4】

【0029】上記表4の結果から、モチ性小麦粉を配合使用した本発明のバターケーキは、コーンスターチやモチ米粉、タピオカ澱粉を配合使用して製造したバターケーキや通常の小麦粉を配合使用して製造したバターケーキに比べて、バターケーキ特有の風味を損なうことなく優れた食感を示すこと、また、冷蔵保存した場合や、冷凍保存後冷蔵庫内で解凍した場合に優れた風味及び食感を保持した製品になることが分かる。
【0030】実施例3下記配合の原料を使用して、下記製造工程にしたがってホットケーキを製造した。尚モチ性小麦粉と他の穀粉との配合割合は表1に示すとおりである。
【0031】
配合: 他の穀粉 Xg モチ性小麦粉(実施例1と同じ) (1000−X)g 砂糖 350g バター 50g 全卵 700g 牛乳 60g ベーキングパウダー 30g【0032】ホットケーキ製造工程:(1)ミキシング 上記の配合のうち、砂糖と全卵を混合し、次いで牛乳及び溶かしたバターを混合する。この混合物に小麦粉とベーキングパウダーを合わせて篩でふるったものを混合して生地を製造した。
(2)焼成 180℃に熱した鉄板に油を敷き、上記の生地を流して片面1分10秒間焼いた後、裏返して反対側を45秒間焼いた。
【0033】上記により製造されたホットケーキの風味及び食感を表2に示した評価基準に従って10名のパネラーにより評価した。また、製造されたホットケーキを室温下に放冷した後、4℃に保った冷蔵庫で24時間冷蔵保存した後のホットケーキの風味及び食感を同様に評価した。更に、製造されたホットケーキを−40℃に保った急速冷凍庫で20分間凍結して冷凍ホットケーキを製造し、これを−18℃の冷凍庫で10日間保存後、得られた冷凍ホットケーキをそのまま電子レンジで加熱解凍した。加熱解凍後のホットケーキの風味及び食感を同様に評価した。その結果は表5に示すとおりである。
【0034】
【表5】

【0035】上記表5の結果から、モチ性小麦粉を配合使用した本発明のホットケーキは、コーンスターチやモチ米粉、タピオカ澱粉を配合使用して製造したホットケーキや通常の小麦粉を配合使用して製造したホットケーキに比べて、ホットケーキ特有の風味を損なうことなく優れた食感を示すこと、また、冷蔵保存した場合や、冷凍保存後電子レンジで加熱解凍した場合に優れた風味及び食感を保持した製品になることが分かる。


 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2010