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発明の名称 クロルピクリンの安定化方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−110618
公開日 平成9年(1997)4月28日
出願番号 特願平7−271418
出願日 平成7年(1995)10月19日
代理人
発明者 清浦 忠光
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 クロルピクリンを含有する殺菌、殺虫剤成分をゼオライトに吸蔵させることを特徴とするクロルピクリンの安定化方法。
【請求項2】 使用するゼオライトのイオン交換可能なカチオンが鉄、銅、鉛および錫を実質的に含有しないものである請求項1記載の方法。
【請求項3】 使用するゼオライトがX型、Y型、A型、シャバサイト、グメリナイト、フォージャサイト、エリオナイト、オフレタイト、レビナイト、マザイト、モルデナイト、フェリエライト、ヒューロンダイト、スチルバイト、およびクリノプチルライトよりなる群から選ばれた一種または一種以上の組み合わせである請求項1または2記載の方法。
【請求項4】 使用するゼオライトが、天然産ゼオライトである請求項1または2記載の方法。
【請求項5】 使用するゼオライトが、天然産のモルデナイト、クリノプチルライト、またはモルデナイトとクリノプチルライトの混合物である請求項1または2記載の方法。
【請求項6】 クロルピクリンを含有する殺菌、殺虫剤成分のゼオライトへの吸蔵量が、3〜30wt%である請求項1または2記載の方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクロルピクリンまたはクロルピクリン含有製剤の安定化方法に関する。より詳細には常温で揮発しやすく、有毒性で、腐食性のあるクロルピクリンまたはクロルピクリン含有製剤を安定化し、その取扱いを安全且つ容易にする方法に関するものである。
【0002】クロルピクリンまたはクロルピクリン含有製剤は農薬、特に、殺菌、殺虫剤として、土壌に散布、またはくん蒸剤、農薬として広く使用される有用な化合物である。
【0003】
【従来の技術】従来、有毒で揮発性があり有機化合物との反応性もあるクロルピクリンまたはクロルピクリン含有製剤の安全な取り扱い方法としては、シクロデキストリン等の澱粉類にクロルピクリン製剤を含浸させる方法、含浸物を更にポリビニールアルコールなどの薄膜で包む方法等の提案がある。而してこれらの提案はシクロデキストリンとクロルピクリンとが長期の保存期間の間に一部反応したり分解生成物を生じる難点があり、また、ポリビニールアルコール薄膜を劣化分解し漏出する等の問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】クロルピクリンまたはクロルピクリン含有製剤は、ガスを吸入すると中毒症状を起し、涙、咳、鼻汁が出、重症の場合は、呼吸困難を引き起こし、肺水腫となり、死亡することもある。また、原液が皮膚に触れると水泡が出来、目に入ると強い刺激作用をしめす。本発明の目的とするところは上記した従来法の如き問題点の無い、シクロデキストリン製剤の安定化方法より安全容易に取り扱う方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者はクロルピクリンまたはクロルピクリン含有製剤の安定化方法、安全な取扱い方法につき種々研究した結果、クロルピクリンまたはクロルピクリンを含有する製剤をゼオライトに吸蔵させればクロルピクリンまたはクロルピクリン含有製剤を安定化でき、安全に取扱い得ることを見いだし本発明を完成するにいたった。すなわち、本発明は、クロルピクリンを含有する殺菌、殺虫剤成分をゼオライトに吸蔵させることを特徴とするクロルピクリンの安定化方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】クロルピクリンはCCl3NO2で表される化合物であり、皮膚および粘膜を刺激し、強い催涙作用があるとともに、のど、呼吸器を冒し、吐き気、咳、呼吸困難を生ぜしめる。その製造方法には種々の方法が知られているが通常サラシ粉の懸濁液にピクリン酸を加えて蒸留する方法、水とアルカリの存在下でピクリン酸に塩素を作用させる方法(下式)等で製造される。
【0007】
62(OH)(NO23+11Cl2+5H2O →3CCl3NO2+13HCl+3CO2クロルピクリン含有製剤としては種々なものがあるが特にクロルピクリンと臭化メチル薫蒸剤との組み合わせが多用される。
【0008】本発明の方法で使用するゼオライトは結晶性のアルミノシリケートであり、X型、Y型、A型、シャバサイト、グメリナイト、フォージャサイト、エリオナイト、オフレタイト、レビナイト、マザイト、モルデナイト、フェリエライト、ヒューロンダイト、スチルバイト、およびクリノプチルライト等が多用される。
【0009】上記ゼオライトは合成ゼオライト、天然ゼオライトのいずれでも使用できるが安価な天然産ゼオライトを使用するのが本発明の目的には有利である。これらのゼオライトの内で特に天然産のモルデナイト、クリノプチルライトまたはこれらの混合物が多用される。使用するゼオライトの形状は紛末状、顆粒状、または塊を破砕し任意の大きさにしたものを使用する。
【0010】ゼオライトは交換可能なカチオンが通常ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属型で得られるが、アルカリ金属型または水素イオン型のものが本発明の方法で多用される。交換可能なカチオンが鉄、銅、鉛、または錫であるゼオライトにクロルピクリンを吸蔵させ長期間保存すると、クロルピクリンが微量であるが分解する傾向があるため好ましくない。鉄、銅、鉛、および錫の量は1wt%以下のものが多用され、より好ましくは0.5%以下のものが使用される。
【0011】ゼオライトから上記した好ましくないカチオンを除去すればクロルピクリンを吸蔵する安定化剤として使用するのに適したゼオライトが得られる。これらの好ましくないカチオンを除去するには、例えば塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、塩化アンモニウム、または塩化マグネシウム等の塩類の水溶液中にゼオライトを投入し室温〜100℃でイオン交換しゼオライトを濾別、水洗、乾燥後500〜700℃で焼成する方法による。イオン交換に使用する上記塩類水溶液の濃度は0.1〜2規定の範囲が多用される。
【0012】使用するゼオライトの種類がモルデナイトまたはクリノプチルライトの場合には上記した好ましくないカチオンを除去する方法として、イオン交換に使用する塩類によるイオン交換の他に塩酸、硫酸、または硝酸などの鉱酸水溶液中にゼオライトを投入し室温〜80℃で数時間〜1日間処理する方法も採用することができる。鉱酸水溶液の濃度は0.2〜2規定の範囲が多用される。鉱酸処理後のゼオライトも同様に濾別、水洗、乾燥後焼成してから使用に供する。これらの上記した好ましくないカチオンを含有していないモルデナイトの場合にはイオン交換処理は必要無い場合が多いがクロルピクリンを吸蔵させるに先立ち500〜700℃に焼成することが好ましい。
【0013】クロルピクリンまたはクロルピクリン含有製剤をゼオライト細孔に吸蔵させるには、(1)クロルピクリンまたはクロルピクリン含有製剤中にゼオライトを投入し含浸後乾燥させる方法、(2)ゼオライトにクロルピクリンまたはクロルピクリン含有製剤を噴霧し吸収させる方法、(3)クロルピクリンまたはクロルピクリン含有製剤を石油ベンジン、二硫化炭素、C1〜C4の低級アルコール、エーテル等に溶解させたものを上記(1)、(2)の方法でゼオライトに吸蔵させる方法、(4)クロルピクリンまたはクロルピクリン含有製剤を加熱気化させその蒸気をそのまま、または窒素等の不活性ガスに同伴させてゼオライトに吸蔵させる方法等が多用される。吸蔵処理温度は0〜100℃の範囲が多用されるが通常は10〜30℃の室温近傍が特に多用される。
【0014】ゼオライトへのクロルピクリンまたはクロルピクリン製剤の吸蔵量はゼオライト重量の3〜30wt%が多用され特に5〜20wt%の範囲が好ましい。通常、上記した(1)〜(4)の方法で処理するクロルピクリンまたはクロルピクリン製剤のゼオライトへの吸蔵量は上記の範囲となる。クロルピクリンまたはクロルピクリン製剤の吸蔵量が上記した範囲以下であれば単位重量当たりの有効成分の量が少ないために効率的でないし、上記した範囲以上であればゼオライトの外部にクロルピクリンまたはクロルピクリン製剤が付着したりするので好ましくない。
【0015】本発明の方法でゼオライトの細孔に吸蔵し安定化したクロルピクリンまたはクロルピクリン含有製剤は殺虫、殺菌剤としてそのまま土壌に散布できる。ゼオライトは飼料添加剤または土壌改良剤として使用されているため土壌に散布しても土壌に悪影響を及ぼさないことも本発明の優れた特徴である。ゼオライト細孔に吸蔵されたクロルピクリンまたはクロルピクリン含有製剤は散布された土壌中で小量ずつ徐々に放出され殺菌、殺虫作用を営む。
【0016】穀物用薫蒸剤、乾燥果実、新鮮果実、種子等の薫蒸、および土壌薫蒸剤として使用する際はクロルピクリンまたはクロルピクリン含有製剤を吸蔵したゼオライトを50〜500℃に加熱または加熱しながら送風器で空気を送りながら薫蒸処理する。処理に要するクロルピクリンまたはクロルピクリン含有製剤の所用量は例えば、米穀倉庫の場合で例示すれば30m3あたり吸蔵薬剤量として400〜700gの範囲が多用され60〜90時間倉庫を密閉し薫蒸を実施する。これらの薫蒸処理は同時に殺鼠剤としての効果も持つために倉庫内に貯蔵した米穀の殺菌、殺虫と同時に殺鼠処理も実施可能となる。薫蒸処理に使用した後のゼオライトは更にクロルピクリンまたはクロルピクリン製剤の吸蔵材として再使用できるし、廃棄する際にも土壌改良材として土中に廃棄しても何等問題を生じることもない、等の特徴も有する。
【0017】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1天然産モルデナイト塊を破砕したものをふるい分け粒径3〜6mmの部分をクロルーピクリンの吸蔵材に使用した。このモルデナイト1kgを2規定硫酸4リットル中に投入し室温で20時間緩やかに震とうした。モルデナイトを濾別、脱イオン水で洗浄、風乾後120℃乾燥、空気雰囲気下550℃で4時間焼成した。得られたモルデナイトの交換可能なカチオンは水素イオンであり、微量のナトリウム、カリウム、カルシュウム、を含み鉄、銅、鉛および錫は何れも0.3%以下であった。
【0018】クロルピクリンを60℃に加熱し乾燥窒素ガスを同伴ガスとし上記モルデナイト細孔にガス状のクロルピクリンを吸蔵させた。吸蔵処理の際のモルデナイトの温度は45℃とし、クロルピクリンの吸蔵量は12.5wt%であった。クロルピクリンの吸蔵処理後、モルデナイトの温度を45℃に保つて乾燥窒素のみを送気しモルデナイト外表面に付着しているクロルピクリンを除去した。外表面付着物を除去した最終製品のクロルピクリン吸蔵量は10.2wt%であった。得られたゼオライト吸蔵安定化クロルピクリンは室温下でクロルピクリンのもつ特異な臭気を示さず皮膚および粘膜に対する刺激性も殆どなく、催涙作用も認められず安全に取扱い可能であった。
【0019】実施例2モルデナイト60%、クリノプチルライト40%を含有する天然産ゼオライトの塊を破砕し4〜8mmの粒径にしたものを使用した。上記ゼオライト1kgを2規定の塩酸水溶液5リットル中に投入し室温か25時間緩やかに震とうした。ゼオライトを濾別後、脱イオン水で洗浄乾燥後550℃に焼成しクロルピクリン製剤の吸蔵剤に使用した。
【0020】クロルピクリン20%、臭化メチル10%を石油ベンジンに溶解させた溶液に上記ゼオライトを投入し室温で3時間緩やかに震とうしてクロルピクリン製剤をゼオライトに吸蔵させた。ゼオライトを濾別後石油ベンジンで洗浄、40℃で乾燥空気を送気し外表面に付着しているクロルピクリン製剤と溶剤を除去した。クロルピクリン製剤のゼオライト細孔への吸蔵量は11.5%であった。得られたゼオライト吸蔵安定化クロルピクリン製剤は室温下でクロルピクリンの特異な臭気もなく、安全に取扱い可能であった。
【0021】
【発明の効果】本発明の方法により、皮膚および粘膜を刺激し、呼吸器を冒し、催涙作用のあるクロルピクリンおよびクロルピクリン製剤を室温下に安全に取り扱うことができる。また取扱い方法が困難であったクロルピクリンおよびクロルピクリン製剤の運送、物流を安全簡易に実施できる。




 

 


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