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発明の名称 根菜収穫機の切断装置構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−37629
公開日 平成9年(1997)2月10日
出願番号 特願平7−196856
出願日 平成7年(1995)8月1日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 千葉 博之 / 東 宏信 / 末鶴 正明 / 杉岡 将人
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 圃場から引き抜かれた根菜の茎葉部を挟持しての吊下げ姿勢で搬送する搬送装置(1)と、この搬送装置(1)で送られてくる根菜の茎葉部を切断する茎葉切断装置(8)とを備えてある根菜収穫機の切断装置構造であって、前記茎葉切断装置(8)を、左右一対の回転刃(8d),(8e)を回転軸方向で部分的に重複する状態に対向配置して構成するとともに、これら回転刃(8d),(8e)のうちの一方の回転刃(8e)を、弾性変形可能な樹脂材で成るギヤ状のスターホイルに形成してある根菜収穫機の切断装置構造。
【請求項2】 圃場から引き抜かれた根菜の茎葉部を挟持しての吊下げ姿勢で搬送する搬送装置(1)と、この搬送装置(1)で送られてくる根菜の茎葉部を切断する茎葉切断装置(8)とを備えてある根菜収穫機の切断装置構造であって、前記茎葉切断装置(8)を、左右一対の回転刃(8d),(8e)を回転軸方向で部分的に重複する状態に対向配置して構成するとともに、これら回転刃(8d),(8e)のうちの一方の回転刃(8e)の回転軸(25)を、弾性曲がり変形可能に構成してある根菜収穫機の切断装置構造。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として人参、大根などの根菜類を引き抜いて葉切りまで行うように構成した収穫機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記根菜収穫機としては、特開平7‐147826号において、圃場に植えられた人参、大根などの根菜類の茎葉部を挟持して機体後方で斜め上方に引き抜いて左右のベルト対で成る搬送装置で吊下げ搬送し、左右のローラコンベヤに根菜の頭部が接触する状態に位置決め搬送してから茎葉部を切断するようにした根菜収穫機が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の根菜収穫機における茎葉切断装置は、上記公報の図6に示されたように、一対の回転刃を上下に重複する状態で対向配置して構成されており、左右の回転刃を互いに逆方向に回転させ、茎葉を引き込むようにして切断する。しかしながら、何らかの原因によって木片や石等の異物が搬送されてくると、挟まって茎葉切断装置がロックしてしまい、回転刃が欠けるとか、その回転軸が曲がる等の不具合の出るおそれがあった。本発明の目的は、茎葉の良好な切断機能は維持しながら上記不都合の解消された茎葉切断装置を提供する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕上記目的達成のための第1発明は、圃場から引き抜かれた根菜の茎葉部を挟持しての吊下げ姿勢で搬送する搬送装置と、この搬送装置で送られてくる根菜の茎葉部を切断する茎葉切断装置とを備えてある根菜収穫機の切断装置構造において、茎葉切断装置を、左右一対の回転刃を回転軸方向で部分的に重複する状態に対向配置して構成するとともに、これら回転刃のうちの一方の回転刃を、弾性変形可能な樹脂材で成るギヤ状のスターホイルに形成してあることを特徴とする。
【0005】又、第2発明は、圃場から引き抜かれた根菜の茎葉部を挟持しての吊下げ姿勢で搬送する搬送装置と、この搬送装置で送られてくる根菜の茎葉部を切断する茎葉切断装置とを備えてある根菜収穫機の切断装置構造において、茎葉切断装置を、左右一対の回転刃を回転軸方向で部分的に重複する状態に対向配置して構成するとともに、これら回転刃のうちの一方の回転刃の回転軸を、弾性曲がり変形可能に構成してあることを特徴とする。
【0006】〔作用〕請求項1の構成によると、ニンジン等の根菜が搬送されてくると、スターホイル外周のギヤ部分で茎葉が挟まれて強制送りされるから、それによって引き込まれた茎葉を回転刃で確実に切断できるようになる。従って、樹脂製故に多少の変形が生じたとして良好な切断機能を発揮できるのである。そして、異物が搬送されてきた場合でも、スターホイル外周のギヤ部分で挟まれるが、樹脂製のために異物に押されてスターホイルが逃げ変形して異物をやり過ごすことができ、噛み込んでロックすることが回避されるのである。
【0007】請求項2の構成によれば、ニンジン等の根菜が搬送されてくると、従来通り、一対の回転刃によって良好に茎葉が切断される。異物が搬送されてきた場合には、一方に回転軸が曲がり変形してその回転刃が逃げ変位し、異物をやり過ごせるのであり、やはり噛み込んでロックすることを回避できる。そして、回転軸は弾性で曲がり変形するものであるから、異物通過後には元の真っ直ぐな状態に自動復帰でき、再び良好な茎葉の切断作用を発揮できるのである。
【0008】〔効果〕その結果、請求項1又は2のいずれに記載された茎葉切断装置でも、一対の回転刃によって切断するという基本構造を踏襲しながら、良好な茎葉切断作用は維持しながらも異物の噛み込みロックを回避でき、途中で欠けた回転刃の交換の必要がなくより能率良く収穫作業が行える根菜収穫機を提供できた。
【0009】請求項1に記載のものでは、一方の回転刃の交換のみの変更で、又、請求項2に記載のものでは、一方の回転軸のみの変更で従来機種に組み込み可能となる利点がある。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施例を、根菜の一例である人参の収穫機の場合について図面に基づいて説明する。図1、図2に示すように、収穫部Bと回収部9とを、第1支持フレーム20を介して走行機体7に配備して人参収穫機を構成してある。この人参収穫機は、圃場に植えた人参の茎葉部を挟持して機体後方で斜め上方に引き抜いて吊り下げ搬送するために、左右一対の駆動回動自在な挟持搬送ベルトV等から成る収穫用搬送装置1を、クローラ式走行装置2を備えた機体7の左側方に設けてある。挟持搬送ベルトVの始端部の前方には、地面と人参の茎葉部との間に入り込んで、機体進行に伴って根菜の茎葉部を引起し可能な後上り傾斜面3aを備えた左右一対の分草具3と、土中に突入した状態で機体進行に伴って人参横側方の土を押切る左右一対のソイラ4とが配設されている。
【0011】分草具3は、第2支持フレーム21を介して第1支持フレーム20の先端部に取付けてあり、その分草具3の先端部から、雑草等の夾雑物を掬い取る掬い棒22を、後上り傾斜面3aに沿って延出してある。ソイラ4は、人参の下端部近傍まで深く土中に突入するように長めに形成し、かつ、土中に深く突入した状態での土の押切りに耐えられるよう厚肉に形成してあり、鉛直姿勢にして分草具3の後方でその上端部を第2支持フレーム21にボルトで連結してある。
【0012】第2支持フレーム21は、挟持搬送ベルトVの始端部の側方に配置してあり、又、第1支持フレーム20に対する取付け端部とソイラ4に対する取付け端部との間の部位を、挟持搬送ベルトVの始端部よりも上方側に位置させ、夾雑物を第2支持フレーム21の横側外方に逃がすための夾雑物排出空間Sを形成してある。従って、始端部周りに入り込む夾雑物を第2支持フレーム21の横側外方に逃がすことができるから、機体7の走行に伴ってソイラ4の基端部周りで夾雑物の塊に土が押し上げられることに起因するベルト始端部への土や小石等の噛み込みを防止できるようになっている。
【0013】収穫部Bの前端部の左右には引起し装置16が装備されているとともに、未刈側の引起こし装置16の係止爪18の根元部分には、葉茎部を切断可能なカッター刃19を取付けてあり、余分な葉茎や雑草等のもつれを引起こし時に切断できるようにしてある。
【0014】図3に示すように、収穫用搬送装置1においては、フレーム1cにバネ1dで突出付勢した状態で摺動自在に取付けたホルダー1eに対してガイドローラ1bを支承してあり、このガイドローラ1bを対向させることで、左右の挟持搬送ベルトVを接近方向に押圧付勢するように構成してある。その押圧付勢力は、人参を地面から引抜くべく搬送始端側では強く、かつ、搬送終端側では弱く茎葉部を挟持するように構成してある。
【0015】図2に示すように、収穫用搬送装置1からの人参の茎葉部を切断する茎葉切断装置8を収穫用搬送装置1の後方に設けてあり、茎葉切断装置8は、位置揃え搬送機構8aと切断用搬送機構8bと振止め用搬送機構8cと一対の回転刃8d,8eとから構成されている。位置揃え搬送機構8aは、収穫用搬送装置1で吊り下げられた人参の上端に作用する駆動自在なものであり、切断用搬送機構8bは、位置揃え搬送機構8aからの茎葉部をその挟持位置より上方の一定位置で挟持する状態で受取る左右一対の駆動自在な挟持搬送ベルト等から構成される。振止め用搬送機構8cは、切断用搬送機構8bにより吊り下げられた人参に作用する左右一対の駆動自在な挟持搬送ベルト等から構成されている。
【0016】図4、図5に示すように、一対の回転刃8d,8eのうち、機体進行方向右側の回転刃8dは金属製の切断刃に構成され、左側の回転刃8eは弾性変形可能な樹脂材で成るギヤ状のスターホイルで成る受刃に構成されている。そして、切断刃8dと受刃8eとを回転軸方向で部分的に重複する状態に対向配置され、互いに逆方向に駆動回転させることにより、搬送されてくる根菜を引き寄せながら切断するのである。そして、図6(イ)、(ロ)に示すように、石、木片等の異物が来ても切断刃8dと受刃8eとで噛み込まれるのであるが、樹脂製の受刃8eが変形してその異物をやり過ごすことができ、従来のように噛み込みロックするとか刃が欠けたりすることが回避される。
【0017】要するに、茎葉切断装置8は、振れ止め用搬送機構8cで姿勢が一定にされた人参に対して茎葉部を根元で切り口が揃った状態で切断するのである。又、図4に示すように、振止め用搬送機構8cの挟持搬送ベルトの表面側に厚いクッション体8caを付設し、根菜類の太さが大幅に変化しても対応できるようにしてある。
【0018】図2、図3に示すように、位置揃え搬送機構8aは、前後のスプロケット8s,8uに亘って巻回された左右の回動チェーン8aa(無端回動帯に相当)に付設されたホルダー8ab、このホルダー8abに対して出退移動自在な支持ブラケット8ae、この支持ブラケット8aeを突出付勢させる巻きバネ8ad、及び支持ブラケット8aeに支軸Xで回動自在に支承されたローラ8acから構成されている。従って、ローラ8acの支軸X回りでの回動によって、茎葉部の長手方向へのすり上がり移動が許容されており、収穫用搬送装置1による引き上げに伴って人参本体の頂部がローラ8acに接当するまで上昇するように構成してある。
【0019】図7、図8に示すように、1個の支持ブラケット8aeには4個の短小ローラ8acが支承されるとともに、位置揃え搬送機構8aの作動によってローラ8ac外周に対してスクレーパ作用する土落し部材5を、回動チェーン8aaの戻り経路部分の始端側位置に配備してある。土落し部材5は硬質ゴムやウレタン等の弾性材で構成され、茎葉切断装置8の支持フレーム13に固定された支持部材14にボルト止めされており、人参搬送方向視においてローラ8acの下方から横外側方に亘る範囲にスクレーパ作用が付与されるよう、土落し部材5の上部をローラ8acの外径に沿う円弧状に切欠いた形状に形成してある。つまり、回動チェーン8aaに対する位置揃え搬送機構8で誘導案内される人参の茎葉部に位置するローラ外周部分Rs、及び人参本体の頂部に位置するローラ外周部分Rhの双方に対して土落し部材5にスクレーパ作用が付与される状態に、土落し部材5の形状が設定されているのである。
【0020】図1,図2に示すように、茎葉切断装置8からの根菜類を回収する回収部9を収穫用搬送装置1の後方で葉切り搬送装置8の下方に設けてある。回収部9は、所定値よりも小径の人参を下方のコンテナー9aに落下させ、所定値よりも大径の人参を後方のコンテナー9bに供給する選別コンベア9c、及び、茎葉切断装置8から落下する人参を選別コンベア9cに導くシュート9dを設けて構成されている。
【0021】又、回収部9の左側方には、前後軸心Y回りでの折り畳み揺動によって機体横端に沿う起立姿勢で収納可能なコンテナ台15が配備され、そのコンテナ台15に空のコンテナー9bが搭載されている。空コンテナー9bと後方のコンテナー9bは同一のものであり、人参が満載されると、その満載コンテナー9bを後述するコンテナー収容部12に移送し、コンテナ台15の空コンテナー9bを供給するのである。
【0022】茎葉切断装置8からの切断茎葉部を機体外側方に放出する駆動自在な搬送チェーン10aと挟持レール10b等から成る茎葉部搬送装置10を、茎葉切断装置8から収穫用搬送装置1とは反対側の機体横他側方で機体前部に亘って斜めに切断茎葉部を搬送する状態で配置してあるとともに、回収部9の右側となる機体側方端に搭乗運転部6と原動部11を設け、回収部9と搭乗運転部6の間で茎葉部搬送装置10の後方にコンテナー収容部12を設けてある。
【0023】つまり、上述の配置構成で全体の機体重量バランスを良好にし、搭乗運転部6からの回収部9やコンテナー収容部12の管理を配置的に容易に実行できるように構成し、茎葉部搬送装置10を斜め配置で搭乗運転部6から回収部9の管理及び運転に邪魔にならないように構成し、収穫用搬送装置1とは反対側の機体前部で機体外側方に切断茎葉部を放出して、次回の収穫走行時に先に放出した茎葉部がクローラ走行装置2で踏まれることがないように構成してある。
【0024】収穫部Bや、回収部9における選別コンベヤ9cは、昇降シリンダ17によってフレーム20上の支点P周りにフレームと一体に揺動昇降可能に構成してある。なお、選別コンベヤ9c後端とコンテナ9bとは若干相対前後移動するが、収穫部Bと選別コンベヤ9cとの相対位置が変わらないため、全体として良好に収穫作動が行われるようになる。
【0025】〔別実施形態〕図9(イ),(ロ)に示すように、茎葉切断装置8を、左右一対の金属製回転刃8d,8eを回転軸方向で部分的に重複する状態に対向配置して構成するとともに、これら回転刃8d,8eのうちの機体進行方向左側の回転刃8eの回転軸25を、弾性曲がり変形可能に構成してあるものでも良い。すなわち、動力が入力される基端軸部25aと、回転刃8eを上端に取付けた先端軸部25bとを、巻きバネ26を介して連結して回転軸25が構成されている。各軸部25a,25bには、巻きバネ26装着用の螺子部が形成されており巻きバネ26を回せば装着できるようにしてある。
【0026】この構造によれば、石、木片等の異物が来ると、巻きバネ26のうちのいずれの軸部25a,25bにも巻きついていない部分が、回転刃8dの反対側に折れ曲がり変形することで異物をやり過ごすのであり、茎葉の切断時には曲がり変形しない程度に巻きバネ26の硬さを設定してある。
【0027】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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