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発明の名称 コンバイン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−28164
公開日 平成9年(1997)2月4日
出願番号 特願平7−186848
出願日 平成7年(1995)7月24日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 牧園 晴充 / 香本 信美
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 左右一対のクローラ走行装置(1)を支持フレーム(3)により所定の左右間隔で支持して、前記支持フレーム(3)に機体フレーム(5)を左右方向にスライド自在に支持し、前記支持フレーム(3)に対し前記機体フレーム(5)を左右方向にスライド操作するアクチュエータ(6)を備えて、前記機体フレーム(5)の前部に刈取部(14)を支持し、前記機体フレーム(5)に脱穀装置(15)と穀粒回収部(16)とを左右に並べて配置すると共に、水平面に対する前記機体フレーム(5)の左右方向の傾斜角度を検出する傾斜センサー(22)を備え、前記傾斜センサー(22)の検出値に基づいて前記機体フレーム(5)の傾斜側とは反対側に前記機体フレーム(5)がスライド操作されるように、前記アクチュエータ(6)を作動操作する制御手段(24)を備えてあるコンバイン。
【請求項2】 左右一対のクローラ走行装置(1)を支持フレーム(3)により所定の左右間隔で支持して、前記支持フレーム(3)に機体フレーム(5)を左右方向にスライド自在に支持し、前記支持フレーム(3)に対し前記機体フレーム(5)を左右方向にスライド操作するアクチュエータ(6)を備えて、前記機体フレーム(6)の前部に刈取部(14)を支持し、前記機体フレーム(5)に脱穀装置(15)と穀粒回収部(16)とを左右に並べて配置すると共に、前記穀粒回収部(16)の重量を検出する重量センサー(25)を備え、前記重量センサー(25)の検出値に基づいて前記穀粒回収部(16)の重量が減少側に変化すると前記穀粒回収部(16)側に前記機体フレーム(5)がスライド操作されるように、前記穀粒回収部(16)の重量が増大側に変化すると前記穀粒回収部(16)の反対側に前記機体フレーム(5)がスライド操作されるように、前記アクチュエータ(6)を作動操作する制御手段(24)を備えてあるコンバイン。
【請求項3】 左右一対のクローラ走行装置(1)を支持フレーム(3)により所定の左右間隔で支持して、前記支持フレーム(3)に機体フレーム(5)を左右方向にスライド自在に支持し、前記支持フレーム(3)に対し前記機体フレーム(5)を左右方向にスライド操作するアクチュエータ(6)を備えて、前記機体フレーム(5)の前部に刈取部(14)を支持し、前記機体フレーム(5)に脱穀装置(15)と穀粒回収部(16)とを左右に並べて配置すると共に、前記穀粒回収部(16)に貯留されている穀粒の量を検出する穀粒量センサー(26)を備え、前記穀粒量センサー(26)の検出値に基づいて前記穀粒の量が減少側に変化すると前記穀粒回収部(16)側に前記機体フレーム(5)がスライド操作されるように、前記穀粒の量が増大側に変化すると前記穀粒回収部(16)の反対側に前記機体フレーム(5)がスライド操作されるように、前記アクチュエータ(6)を作動操作する制御手段(24)を備えてあるコンバイン。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圃場の穀稈を刈り取って脱穀し穀粒を回収していくコンバインの全体の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】前述のようなコンバインにおいては、左右一対のクローラ走行装置により機体を支持して、機体の前部に刈取部を備え、脱穀装置と穀粒回収部(穀粒を大量に貯留するグレンタンクや、穀粒を一時貯留する袋詰め用のホッパー)とを左右に並べて配置したものが多くある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】コンバインにおいて刈取作業中は、脱穀装置からの穀粒が穀粒回収部に送り込まれて貯留されるので、機体の左右一方側に配置される穀粒回収部の重量は重いものとなっている。これに対して、刈取作業の終了時には穀粒回収部の穀粒を全て排出してしまうので(トラック等に移すか、又は穀粒を全て袋に詰める)、刈取作業の終了後において、機体の左右一方側に配置される穀粒回収部の重量は軽いものとなっている。これにより、刈取作業中での機体の左右のバランスと、刈取作業の終了後の路上走行時での機体の左右のバランスとが大きく異なることになるので、このような機体の左右のバランスの変化に関係なく、刈取作業及び路上の両方において機体を安定して走行させるには、左右のクローラ走行装置の左右間隔(トレッド)を充分に大きなものに設定する必要がある。
【0004】しかしながら、前述のように左右のクローラ走行装置の左右間隔を大きなものに設定すると、狭い農道等での走行が困難になる。又、刈取部の左右幅の範囲からクローラ走行装置が大きく外側に出ることになり、クローラ走行装置の踏み代が大きくなって、刈取部で刈り取られなかった穀稈をクローラ走行装置が踏み倒してしまう現象が多く発生するようになる。本発明はコンバインにおいて、左右のクローラ走行装置の左右間隔を特に大きなものに設定しなくても、刈取作業及び路上の両方において機体を安定して走行させることができるようにすることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】刈取作業中は脱穀装置からの穀粒が穀粒回収部に送り込まれて貯留され、機体フレームの左右一方側に配置される穀粒回収部の重量は重いものとなっているので、機体フレームは全体的に穀粒回収部側に傾斜しようとする。この場合、請求項1又は2又は3の特徴によると、傾斜センサーにより機体フレームの傾斜角度が検出されて(重量センサーにより穀粒回収部の重量が検出されて)(穀粒量センサーにより穀粒回収部に貯留されている穀粒の量が検出されて)、制御手段及びアクチュエータにより、機体フレームがクローラ走行装置の支持フレームに対して穀粒回収部とは反対側に自動的にスライド操作される。
【0006】これによって、重量の重い状態となっている穀粒回収部が、左右のクローラ走行装置の左右中央位置に接近することになるのであり、穀粒回収部以外の刈取部や脱穀装置は、前述の左右中央位置から穀粒回収部とは反対側に離れることになる。従って、穀粒回収部の重量が重い状態となっていても、機体全体としての重心は左右のクローラ走行装置の左右中央位置付近に自動的に位置させられる。
【0007】逆に、刈取作業の終了時に穀粒回収部の穀粒を全て排出すると、機体フレームの左右一方側に配置される穀粒回収部の重量は軽いものとなるので、機体フレームは全体的に穀粒回収部とは反対側に傾斜しようとする。この場合、傾斜センサーにより機体フレームの傾斜角度が検出されて(重量センサーにより穀粒回収部の重量が検出されて)(穀粒量センサーにより穀粒回収部に貯留されている穀粒の量が検出されて)、制御手段及びアクチュエータにより、機体フレームがクローラ走行装置の支持フレームに対して穀粒回収部側に自動的にスライド操作される。
【0008】これによって、重量の軽い状態となっている穀粒回収部が、左右のクローラ走行装置の左右中央位置から離れることになるのであり、穀粒回収部以外の刈取部や脱穀装置は、前述の左右中央位置に接近することになる。従って、穀粒回収部の重量が軽い状態となっていても、機体全体としての重心は左右のクローラ走行装置の左右中央位置付近に自動的に位置させられる。
【0009】
【発明の実施の形態】図3及び図4に示すように、左右一対のクローラ走行装置1がトラックフレーム2に支持されて、左右のトラックフレーム2に亘りアーチ状の支持フレーム3が前後一対架設連結されており、前後の支持フレーム3の各々の上部に、角筒状の支持パイプ4が左右方向に沿って固定されている。
【0010】各種の角パイプを溶接して構成された機体フレーム5において、左右方向に沿った一対のフレーム5aが支持パイプ4にスライド自在に挿入されて、支持フレーム3に対し機体フレーム5が左右方向にスライド自在に支持されている。支持パイプ4に固定されたブラケット4aと、機体フレーム5に固定されたブラケット5bとに亘って、前後一対の複動型の油圧シリンダ6(アクチュエータに相当)が接続されている。
【0011】図5に示すように、油圧シリンダ6に作動油の給排操作を行う制御弁23が備えられ、制御弁23を操作する制御装置24(制御手段に相当)が備えられている。図4及び図5に示すように、水平面に対する機体フレーム5の左右の傾斜角度を検出する重錐式の傾斜センサー22が、後側の支持パイプ4に備えられており、傾斜センサー22の検出値が制御装置24に入力されている。
【0012】図3及び図4に示すように機体フレーム5の前部のフレーム5cに、ブラケット5dを介してミッションケース7が固定され、左右のクローラ走行装置1の間にミッションケース7が配置されており、機体フレーム5の前部右側に固定されたエンジン8の出力プーリー8aと、ミッションケース7の入力プーリー7aとに亘って伝動ベルト9が巻回されている。
【0013】トラックフレーム2の前端にクローラ走行装置1の駆動スプロケット10が支持されており、駆動スプロケット10の駆動軸10aと、ミッションケース7の下部から左右に突出した出力軸7bとが、スプライン部を備えた円筒軸11を介して連動連結されている。ミッションケース7に固定された円筒状のカバー12に対して、トラックフレーム2に固定されたカバー13が左右方向にスライド自在に外嵌されており、カバー12,13により出力軸7b、駆動軸10a及び円筒軸11が覆われている。
【0014】支持フレーム3に支持された機体フレーム5において、図3及び図1に示すようにフレーム5cに支持ブラケット17が固定され、支持ブラケット17の横軸芯P1周りに支持フレーム18が上下揺動操作自在に連結されており、支持フレーム18に刈取部14が備えられている。図1及び図2に示すように、機体フレーム5の左側に脱穀装置15、機体フレーム5の右側にグレンタンク16(穀粒回収部に相当)、機体フレーム5の前部右側に操縦部19が配置されており、機体フレーム5の後部に排ワラの細断装置及び結束装置を備えた排ワラ処理装置20が連結されている。
【0015】以上の構成によって、機体フレーム5がグレンタンク16側に傾斜しようとすると、傾斜センサー22の検出値に基づいて制御装置24により制御弁23が操作されて、油圧シリンダ6により機体フレーム5が支持フレーム3に対してグレンタンク16とは反対側に自動的にスライド操作される。これにより、機体フレーム5と一緒に刈取部14、脱穀装置15、グレンタンク16、操縦部19、エンジン8、ミッションケース7及び排ワラ処理装置20がスライド操作される。この場合、クローラ走行装置1に対するミッションケース7のスライド動作が、図3に示すカバー12,13及び円筒軸11によって吸収される。
【0016】逆に、機体フレーム5がグレンタンク16とは反対側に傾斜しようとすると、傾斜センサー22の検出値に基づいて制御装置24により制御弁23が操作されて、油圧シリンダ6により機体フレーム5が支持フレーム3に対してグレンタンク16側に自動的にスライド操作される。以上のようにして、傾斜センサー22の検出値に基づき、機体フレーム5が常に水平に維持される。
【0017】〔発明の実施の別形態〕図4及び図5に示す傾斜センサー22に代えて、図6に示すようにグレンタンク16の重量を検出する重量センサー25をグレンタンク16の底部に備え、重量センサー25の検出値からグレンタンク16の空時の重量を差し引くことによって、グレンタンク16に貯留されている穀粒の重量を検出するように構成してもよい。又、穀粒の有無を検出する接触センサー26(穀粒量センサーに相当)を、グレンタンク16の内壁に上下方向に沿って複数個配置して、下からどの接触センサー26までが穀粒を検出しているかにより、グレンタンク16に貯留されている穀粒の量を検出するように構成してもよい。
【0018】これにより、前述のようにして検出された穀粒の重量又は量に基づき、穀粒の重量又は量が増大側に変化すると、制御装置24により制御弁23が操作され、油圧シリンダ6により機体フレーム5が支持フレーム3に対してグレンタンク16とは反対側に自動的にスライド操作される。逆に穀粒の重量又は量が減少側に変化すると、制御装置24により制御弁23が操作され、油圧シリンダ6により機体フレーム5が支持フレーム3に対してグレンタンク16側に自動的にスライド操作される。
【0019】図3及び図4における油圧シリンダ6に代えて、ネジ軸(図示せず)を機体フレーム5と支持パイプ4に亘って接続し、このネジ軸をモータ(図示せず)(アクチュエータに相当)により回転操作することによって、機体フレーム5をスライド操作するように構成してもよい。
【0020】
【発明の効果】請求項1又は2又は3の特徴のように、機体フレーム(刈取部、脱穀装置及び穀粒回収部)を、クローラ走行装置に対して左右方向に自動的にスライド操作することにより、穀粒回収部の重量の変化に関係なく、機体全体の重心を左右のクローラ走行装置の左右中央位置付近に位置させることができるようになった。これにより、左右のクローラ走行装置の左右間隔を特に大きなものに設定しなくても、刈取作業及び路上の両方において機体を安定して走行させることができるようになるので、左右のクローラ走行装置の左右間隔を大きなものに設定することにより狭い農道等での走行が困難になる状態や、クローラ走行装置の踏み代が大きくなる状態を未然に防止することができる。この場合、機体フレームの傾斜角度や穀粒回収部の重量、穀粒回収部に貯留されている穀粒の量に基づき、機体フレームが自動的にスライド操作されるので、操作性の良いものとなる。
【0021】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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