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発明の名称 コンバイン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−28162
公開日 平成9年(1997)2月4日
出願番号 特願平7−186847
出願日 平成7年(1995)7月24日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 牧園 晴充 / 香本 信美
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 左右一対のクローラ走行装置(1)を支持フレーム(3)により所定の左右間隔で支持し、前記支持フレーム(3)に機体フレーム(5)を左右方向にスライド操作自在に支持して、前記機体フレーム(5)に脱穀装置(15)と穀粒回収部(16)とを左右に並べて配置すると共に、前記機体フレーム(5)の前部に刈取部(14)を、前記機体フレーム(5)に対し左右方向にスライド操作自在に支持してあるコンバイン。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圃場の穀稈を刈り取って脱穀し穀粒を回収していくコンバインの全体の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】前述のようなコンバインにおいては、左右一対のクローラ走行装置により機体を支持して、機体の前部に刈取部を備え、脱穀装置と穀粒回収部(穀粒を大量に貯留するグレンタンクや、穀粒を一時貯留する袋詰め用のホッパー)とを左右に並べて配置したものが多くある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】コンバインにおいて刈取作業中は、脱穀装置からの穀粒が穀粒回収部に送り込まれて貯留されるので、機体の左右一方側に配置される穀粒回収部の重量は重いものとなっている。これに対して、刈取作業の終了時には穀粒回収部の穀粒を全て排出してしまうので(トラック等に移すか、又は穀粒を全て袋に詰める)、刈取作業の終了後において、機体の左右一方側に配置される穀粒回収部の重量は軽いものとなっている。これにより、刈取作業中での機体の左右のバランスと、刈取作業の終了後の路上走行時での機体の左右のバランスとが大きく異なることになるので、このような機体の左右のバランスの変化に関係なく、刈取作業及び路上の両方において機体を安定して走行させるには、左右のクローラ走行装置の左右間隔(トレッド)を充分に大きなものに設定する必要がある。
【0004】しかしながら、前述のように左右のクローラ走行装置の左右間隔を大きなものに設定すると、狭い農道等での走行が困難になる。又、刈取部の左右幅の範囲からクローラ走行装置が大きく外側に出ることになり、クローラ走行装置の踏み代が大きくなって、刈取部で刈り取られなかった穀稈をクローラ走行装置が踏み倒してしまう現象が多く発生するようになる。本発明はコンバインにおいて、左右のクローラ走行装置の左右間隔を特に大きなものに設定しなくても、刈取作業及び路上の両方において機体を安定して走行させることができるようにすることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔I〕請求項1の特徴によると、刈取作業中は脱穀装置からの穀粒が穀粒回収部に送り込まれて貯留され、機体フレームの左右一方側に配置される穀粒回収部の重量は重いものとなっているので、この場合にはクローラ走行装置の支持フレームに対して、機体フレームを穀粒回収部とは反対側にスライド操作すればよい。従って、重量の重い状態となっている穀粒回収部が、左右のクローラ走行装置の左右中央位置に接近することになるのであり、穀粒回収部以外の刈取部や脱穀装置は、前述の左右中央位置から穀粒回収部とは反対側に離れることになる。これにより、穀粒回収部の重量が重い状態となっていても、機体全体としての重心を左右のクローラ走行装置の左右中央位置付近に位置させることができる。
【0006】逆に、刈取作業の終了時に穀粒回収部の穀粒を全て排出すると、機体フレームの左右一方側に配置される穀粒回収部の重量は軽いものとなるので、この場合はクローラ走行装置の支持フレームに対して、機体フレームを穀粒回収部側にスライド操作すればよい。従って、重量の軽い状態となっている穀粒回収部が、左右のクローラ走行装置の左右中央位置から離れることになるのであり、穀粒回収部以外の刈取部や脱穀装置は、前述の左右中央位置に接近することになる。これにより、穀粒回収部の重量が軽い状態となっていても、機体全体としての重心を左右のクローラ走行装置の左右中央位置付近に位置させることができる。
【0007】〔II〕コンバインにおいては、機体に対して刈取部を左右方向にスライド操作自在に支持しているものがある。これによって、湿田での刈取作業時には刈取部を未刈り側にスライド操作し、未刈り側の穀稈からクローラ走行装置が離れるようにして、クローラ走行装置によって横に押し出される泥が未刈り側の穀稈に被らないようにする。逆に、圃場の中央を突っ切るようにして行う中割りの刈取作業時には、左右のクローラ走行装置の左右中央位置に刈取部の左右中央が位置するように刈取部をスライド操作して、左右のクローラ走行装置により左右の未刈り側の穀稈が踏まれないようにする。
【0008】この場合、請求項1の特徴によれば機体フレームに対して刈取部が左右方向にスライド操作自在に支持されているのに加えて、クローラ走行装置の支持フレームに対して機体フレームが左右方向にスライド操作自在に支持されているので、クローラ走行装置に対する刈取部のスライドストロークが充分に大きなものとなる。従って、クローラ走行装置に対して刈取部を左右方向にスライド操作することによって行う前述のような各操作が、さらに適切に行えるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】図3及び図4に示すように、左右一対のクローラ走行装置1がトラックフレーム2に支持されて、左右のトラックフレーム2に亘りアーチ状の支持フレーム3が前後一対架設連結されており、前後の支持フレーム3の各々の上部に、角筒状の支持パイプ4が左右方向に沿って固定されている。
【0010】各種の角パイプを溶接して構成された機体フレーム5において、左右方向に沿った一対のフレーム5aが支持パイプ4にスライド自在に挿入されて、支持フレーム3に対し機体フレーム5が左右方向にスライド自在に支持されている。支持パイプ4に固定されたブラケット4aと、機体フレーム5に固定されたブラケット5bとに亘って、前後一対の複動型の油圧シリンダ6が接続されている。
【0011】図3及び図4に示すように機体フレーム5の前部のフレーム5cに、ブラケット5dを介してミッションケース7が固定され、左右のクローラ走行装置1の間にミッションケース7が配置されており、機体フレーム5の前部右側に固定されたエンジン8の出力プーリー8aと、ミッションケース7の入力プーリー7aとに亘って伝動ベルト9が巻回されている。
【0012】トラックフレーム2の前端にクローラ走行装置1の駆動スプロケット10が支持されており、駆動スプロケット10の駆動軸10aと、ミッションケース7の下部から左右に突出した出力軸7bとが、スプライン部を備えた円筒軸11を介して連動連結されている。ミッションケース7に固定された円筒状のカバー12に対して、トラックフレーム2に固定されたカバー13が左右方向にスライド自在に外嵌されており、カバー12,13により出力軸7b、駆動軸10a及び円筒軸11が覆われている。
【0013】支持フレーム3に支持された機体フレーム5において、図3及び図1に示すようにフレーム5cに支持ブラケット17が固定され、支持ブラケット17の横軸芯P1周りに、支持フレーム18が上下揺動操作及び左右方向にスライド操作自在に支持されている。左右方向に向くネジ軸22が支持フレーム18のネジ部に挿入され、ネジ軸22を回転駆動する電動モータMが備えられており、電動モータMによってネジ軸22を回転駆動することにより、支持フレーム18が左右方向にスライド操作される(図2参照)。支持フレーム18に引き起こし装置23やバリカン型の刈取装置24が支持されて、支持フレーム18に刈取部14が備えられている。
【0014】図1及び図2に示すように、機体フレーム5の左側に脱穀装置15、機体フレーム5の右側にグレンタンク16(穀粒回収部に相当)、機体フレーム5の前部右側に操縦部19が配置されており、機体フレーム5の後部に排ワラの細断装置及び結束装置を備えた排ワラ処理装置20が連結されている。
【0015】以上の構成により、油圧シリンダ6を伸縮操作することによって、支持フレーム3及びクローラ走行装置1に対し、機体フレーム5が左右方向に沿ってスライド操作されるのであり、機体フレーム5と一緒に刈取部14、脱穀装置15、グレンタンク16、操縦部19、エンジン8、ミッションケース7及び排ワラ処理装置20が左右方向にスライド操作される。この場合、クローラ走行装置1に対するミッションケース7のスライド動作が、図3に示すカバー12,13及び円筒軸11によって吸収される。電動モータMにより支持ブラケット17に対して支持フレーム18を左右方向にスライド操作することにより、機体フレーム5に対して刈取部14が図2の二点鎖線に示すように左右方向にスライド操作される。
【0016】〔発明の実施の別形態〕図3及び図4における油圧シリンダ6に代えて、ネジ軸(図示せず)を機体フレーム5と支持パイプ4に亘って接続し、このネジ軸をハンドル(図示せず)により手動で回転操作することにより、機体フレーム5をスライド操作するように構成してもよい。
【0017】
【発明の効果】請求項1の特徴のように、機体フレーム(刈取部、脱穀装置及び穀粒回収部)を、クローラ走行装置に対して左右方向にスライド操作自在に支持することにより、穀粒回収部の重量の変化に関係なく、機体全体の重心を左右のクローラ走行装置の左右中央位置付近に位置させることができるようになった。これにより、左右のクローラ走行装置の左右間隔を特に大きなものに設定しなくても、刈取作業及び路上の両方において機体を安定して走行させることができるようになるので、左右のクローラ走行装置の左右間隔を大きなものに設定することにより狭い農道等での走行が困難になる状態や、クローラ走行装置の踏み代が大きくなる状態を未然に防止することができる。
【0018】そして、機体フレームに対して刈取部を左右方向にスライド操作自在に支持することにより、湿田での刈取作業時に泥が未刈り側の穀稈に被らないようにする操作や、中割りの刈取作業時に左右のクローラ走行装置によって左右の未刈り側の穀稈が踏まれないようにする操作が適切に行えるようになって、コンバインの刈取性能を向上させることができる。
【0019】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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