米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 農業 -> 株式会社クボタ

発明の名称 田植機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−28134
公開日 平成9年(1997)2月4日
出願番号 特願平7−183684
出願日 平成7年(1995)7月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 宮西 吉秀
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 整地フロート(11)の上下揺動変位量を検出するフロートセンサ(19)からの検出情報に基づいて、走行機体(1)に対する苗植付装置(5)の昇降を自動制御する自動昇降制御手段(22A)と、接地体(28)の接地レベルの変動により、前記整地フロート(11)にて形成された溝跡深さを検出する溝跡深さ検出手段(A)からの検出情報に基づいて、前記フロートセンサ(19)の感知感度を自動調節する自動感度調節手段(22C)とを備えた田植機であって、前記整地フロート(11)底面の後部側に、前記整地フロート(11)の圧接により押し分けた泥土を、その圧接力に応じて前記整地フロート(11)における左右中央側に寄せ集める状態となる前後方向の溝部(26)を形成するとともに、前記整地フロート(11)の後部に、前記接地体(28)が前記溝部(26)の泥土表面に接地する状態となる切欠部(27)を形成し、前記溝跡深さ検出手段(A)が前記溝部(26)における溝跡深さを検出するように構成してある田植機。
【請求項2】 前記整地フロート(11)の上下揺動支点付近に前記接地体(28)が位置するように前記切欠部(27)を形成してある請求項1記載の田植機。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、整地フロートの上下揺動変位量を検出するフロートセンサからの検出情報に基づいて、走行機体に対する苗植付装置の昇降を自動制御する自動昇降制御手段と、接地体の接地レベルの変動により、前記整地フロートにて形成された溝跡深さを検出する溝跡深さ検出手段からの検出情報に基づいて、前記フロートセンサの感知感度を自動調節する自動感度調節手段とを備えた田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような田植機において、整地フロートは、その後部に備えられた揺動支点周りに上下揺動自在となるように苗植付装置に装備されている。整地フロートの前部は、バネによって圃場泥面からの浮き上がりが抑制される状態に下降付勢されている。フロートセンサは、苗植え付け作業時における圃場の起伏に起因した整地フロートの前部に対する接地圧の変動に伴う整地フロートの上下揺動変位量を検出するように構成されている。自動昇降制御手段は、フロートセンサからの検出情報に基づいて、整地フロートが予め設定された基準姿勢に復帰するように、走行機体に対する苗植付装置の昇降を自動制御するように構成されている。つまり、自動昇降制御手段を備えたことによって、その制御作動により、苗植付装置を圃場の起伏にかかわらず予め設定された苗植え付け深さが得られる所定の対地高さに維持できるようにしているのである。しかしながら、整地フロートに対する接地圧の変動は圃場の泥土硬さの変化によっても生じることから、予め設定された苗植え付け深さが得られる所定の対地高さに苗植付装置を精度良く維持するためには圃場の泥土硬さを考慮する必要がある。そこで、上記のような田植機においては自動感度調節手段を備えているのである。自動感度調節手段は、整地フロートにて形成された溝跡深さを検出する溝跡深さ検出手段からの検出情報に基づいて、走行に伴って変化する圃場の泥土硬さを判別するとともに、圃場の泥土硬さが変化するごとに、その泥土硬さに応じたフロートセンサの感度目標値を自動選定し、その選定した感度目標値にフロートセンサの感知感度を自動調節するように構成されている。例えば、溝跡深さ検出手段により検出された溝跡深さが深い場合には、その地点の圃場泥土が柔らかい泥土であると判別するとともに、その柔らかさに応じた整地フロートによる弱い圧接力が得られる敏感側の感度値をフロートセンサの感度目標値として選定し、フロートセンサの感知感度を選定された敏感側の感度目標値に調節するようになることから、その地点での泥土硬さに適応した整地作用を整地フロートにより施しながら、柔らかい泥土の起伏を、フロートセンサにより鈍感になり過ぎない程度の適切な感知感度で検出することができるのである。また、溝跡深さ検出手段により検出された溝跡深さが浅い場合には、その地点の圃場泥土が硬い泥土であると判別するとともに、その硬さに応じた整地フロートによる強い圧接力が得られる鈍感側の感度値をフロートセンサの感度目標値として選定し、フロートセンサの感知感度を選定された鈍感側の感度目標値に調節するようになることから、その地点での泥土硬さに適応した整地作用を整地フロートにより施しながら、硬い泥土の起伏を、フロートセンサにより敏感になり過ぎない程度の適切な感知感度で検出することができるのである。つまり、自動感度調節手段の制御作動により、フロートセンサの感知感度を圃場の泥土硬さに適応した感知感度に調節できるようにすることによって、圃場の泥土硬さを考慮した高い精度で苗植付装置を予め設定された苗植え付け深さが得られる所定の対地高さに維持できるようにしているのである。
【0003】従来、溝跡深さ検出手段は、例えば、特開平7‐107824号公報などで開示されているように、整地フロートの泥面通過後に形成された溝跡底面に接地追従して溝跡底面レベルの変化を上下揺動変位量に変換する第一接地体、圃場の泥土表面に接地追従して泥土表面レベルの変化を上下揺動変位量に変換する第二接地体、および、それら接地体の相対揺動変位量を整地フロートにより形成された溝跡深さとして検出する回転式のポテンショメータによって構成されていた。また、第一接地体は、整地フロートの泥面通過後に形成された溝跡底面に接地追従するものであることから、整地フロートの後端よりも後方に露出する状態に配設されるようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術のように溝跡深さ検出手段を構成すると、溝跡底面レベル検出用と泥土表面レベル検出用の二種類の接地体を装備するとともに、ポテンショメータがそれら接地体の相対揺動変位量を検出する状態にポテンショメータとそれら接地体とを連係する必要が生じることから、それら接地体の支持構造やポテンショメータに対する連係構造が複雑化するようになっていた。しかも、溝跡底面レベル検出用の第一接地体は整地フロートの後端よりも後方に露出する状態に配設されていることから、田植機としての全長が長くなって操縦性の面において不利になるとともに、畦などの他物に第一接地体を接触させて溝跡深さ検出手段を破損させる虞が生じ易くなっていた。
【0005】本発明のうち、請求項1記載の発明の目的は、溝跡深さ検出手段の構成の簡素化を図りながら、操縦性の向上を図るとともに接地体と他物との接触による溝跡深さ検出手段の破損を防止できるようにすることにある。
【0006】請求項2記載の発明の目的は、上記請求項1記載の発明の目的に加えて、より適切な地点の溝跡深さ(泥土硬さ)を溝跡深さ検出手段により検出できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、整地フロートの上下揺動変位量を検出するフロートセンサからの検出情報に基づいて、走行機体に対する苗植付装置の昇降を自動制御する自動昇降制御手段と、接地体の接地レベルの変動により、前記整地フロートにて形成された溝跡深さを検出する溝跡深さ検出手段からの検出情報に基づいて、前記フロートセンサの感知感度を自動調節する自動感度調節手段とを備えた田植機において、前記整地フロート底面の後部側に、前記整地フロートの圧接により押し分けた泥土を、その圧接力に応じて前記整地フロートにおける左右中央側に寄せ集める状態となる前後方向の溝部を形成するとともに、前記整地フロートの後部に、前記接地体が前記溝部の泥土表面に接地する状態となる切欠部を形成し、前記溝跡深さ検出手段が前記溝部における溝跡深さを検出するように構成した。
【0008】上記請求項1記載の発明によると、整地フロートの底面における偏平形状に形成された前部側の圧接により押し分けられた泥土は、整地フロートの底面における後部側に形成された溝部によって、整地フロートにおける左右中央側となる前記溝部に整地フロートの圧接力に応じて寄せ集められるようになる。ここで、例えば、圃場に起伏または泥土硬さの変化がないとすると、圃場に対する整地フロートの圧接力が一定となり、整地フロートの左右中央側には一定量の泥土が寄せ集められるようになることから、溝部に寄せ集められた泥土の表面レベルは一定レベルに維持されるようになる。圃場に起伏の変化のみが生じたとすると、直ちに、その起伏の変化に起因した整地フロートの前部に対する接地圧の変動に伴う整地フロートの上下揺動変位量をフロートセンサが検出するとともに、そのフロートセンサからの検出情報に基づいて、自動昇降制御手段が、予め設定された基準姿勢に整地フロートが復帰するように走行機体に対する苗植付装置の昇降を制御し、圃場の起伏にかかわらず苗植付装置を所定の対地高さに維持するようになることから、圃場に対する整地フロートの圧接力に殆ど変化はなく、整地フロートの左右中央側には略一定量の泥土が寄せ集められるようになる。つまり、溝部に寄せ集められた泥土の表面レベルは、圃場の起伏にかかわらず略一定レベルに維持されるようになる。圃場に泥土硬さの変化のみが生じたとすると、直ちに、その泥土硬さの変化に起因した整地フロート前部の沈下量の変動に伴う整地フロートの上下揺動変位量をフロートセンサが検出するとともに、そのフロートセンサからの検出情報に基づいて、自動昇降制御手段が、予め設定された基準姿勢に整地フロートが復帰するように走行機体に対する苗植付装置の昇降を制御するようになることから、圃場に対する整地フロートの圧接力に変化が生じるとともに整地フロートの左右中央側に寄せ集められる泥土量が変動するようになる。つまり、溝部に寄せ集められた泥土の表面レベルは泥土硬さの変化に伴って変動するようになる。一方、接地体は、寄せ集められた溝部の泥土表面に対して整地フロートの後部に形成された切欠部から接地するようになる。以上のことから、溝跡深さ検出手段に接地体を一つだけ装備することによって、整地フロート底面の溝部における泥土表面レベルを検出することができるとともに、接地体を整地フロートの後端よりも後方に配設した場合に生じる、田植機の全長が長くなって操縦性の面において不利になる、および、畦などの他物に接地体を接触させて溝跡深さ検出手段を破損させるなどの不都合を回避できるようになる。
【0009】従って、溝跡深さ検出手段に接地体を一つだけ装備する構成としながらも、この接地体によって、自動感度調節手段により圃場の泥土硬さを判別させるための整地フロート底面における溝部の溝跡深さを検出することができるので、溝跡深さ検出手段としての構成の簡素化を図ることができ、また、接地体を、整地フロートの後部に形成された切欠部から整地フロート底面における溝部の泥土表面に接地させるようにしていることによって、田植機としての操縦性の向上を図ることができるとともに、溝跡深さ検出手段の破損の虞を防止することができるのである。
【0010】請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明に加えて、前記整地フロートの上下揺動支点付近に前記接地体が位置するように前記切欠部を形成した。
【0011】上記請求項2記載の発明によると、本来、整地フロートの上下揺動支点は、苗植付装置に装備した植付機構の植付爪による苗植え付け箇所と、機体前後方向で略一致する位置に設定されていることから、整地フロートの後部に形成された切欠部から整地フロート底面における溝部の泥土表面に接地する接地体は、植付爪による苗植え付け箇所と機体前後方向で略一致するようになる。つまり、溝跡深さ検出手段により、植付爪による苗植え付け箇所付近の溝跡深さを検出することができ、それによって、自動感度調節手段により、その検出した溝跡深さから苗植え付け箇所付近の泥土硬さを判別させることができるとともに、フロートセンサの感知感度を、その時点での苗植え付け箇所付近の泥土硬さに適応した感知感度に調節できるようになる。
【0012】従って、溝跡深さ検出手段が、より適切な地点となる植付爪による苗植え付け箇所付近の溝跡深さを検出し、自動感度調節手段が、その時点での苗植え付け箇所付近の泥土硬さに適応した感知感度にフロートセンサの感知感度を調節するようになるので、より一層高い精度で予め設定された苗植え付け深さが得られる所定の対地高さに苗植付装置を維持することができるのである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】図1には、乗用型田植機の全体側面が示されており、この田植機は、乗用型の走行機体1と、走行機体1の後部に平行四連リンク機構2を介して油圧式のリフトシリンダ3の作動により昇降自在に、かつ、電動式のローリングモータ4の作動により前後軸芯周りでローリング自在に連結された六条植え用の苗植付装置5によって構成されている。
【0015】図1および図2に示すように、苗植付装置5は、走行機体1側からの動力が伝達されるフィードケース6、フィードケース6から左右に向けて延設された支持フレーム7、支持フレーム7から後方に向けて三列に延設されたフレーム兼用の植付伝動ケース8、各植付伝動ケース8の後部に軸支された左右一対の植付機構9、植付伝動ケース8に対して一定のストロークで往復横移動する苗載台10、および、植付機構9の植付爪9Aによる苗植え付け箇所に対して整地作用を施す三つの整地フロート11、などによって構成されている。整地フロート11は、樹脂材からなりブロー成形によって中空形成されている。
【0016】図1〜図5に示すように、各植付伝動ケース8の前部には、左右の植付伝動ケース8に渡る状態に横架されたフロート支点パイプ12が、その軸芯P1周りに回動自在となるように枢支連結されている。フロート支点パイプ12には、フロート支点パイプ12と軸芯P1周りに一体回動する一対ずつ三組(計六本)の揺動アーム13が後方に向けて並列に延設されている。各揺動アーム13の揺動端には、支軸14を介して整地フロート11が支軸14の軸芯P2周りに上下揺動自在となるように連結されている。フロート支点パイプ12には、走行機体1に向けて延設された操作レバー15が一体回動自在に連結固定されいる。支持フレーム7には、操作レバー15との係合により操作レバー15を任意の位置で係止保持する係止板16が支持板17を介して連結固定されている。つまり、操作レバー15を、フロート支点パイプ12の軸芯P1周りに操作して係止板16との係合により任意の位置で係止保持することによって、植付機構9に対する整地フロート11の相対高さを調節できるようになっており、圃場の泥土硬さなどに応じて苗植え付け深さの設定を変更できるようになっている。
【0017】図3および図4に示すように、整地フロート11のうち、苗植付装置5の中央に位置するセンタフロート11Aの前部上方箇所には、苗植え付け作業時における圃場の起伏に起因したセンタフロート11Aの前部に対する接地圧の変動に伴うセンタフロート11Aの上下揺動変位量を、リンク機構18を介して検出するフロートセンサ19が備えられている。フロートセンサ19は、回転式のポテンショメータによって構成されるとともに、支持板17に上下揺動自在となるように枢支された上下一対のリンク20の端部に枢支されたブラケット21に支持されている。上下一対のリンク20のうち上側に位置するリンク20は、他端部が操作レバー15より延設されたピン15aと係合されており、操作レバー15の操作により植付機構9に対する整地フロート11の相対高さを調節するのに伴って、植付機構9に対するフロートセンサ19の相対高さも同様に調節され、整地フロート11とフロートセンサ19との間隔が所定距離に維持されるようになっている。
【0018】図6に示すように、フロートセンサ19は、検出したセンタフロート11Aの上下揺動変位量を電圧レベルに変換し、その電圧レベルを検出情報として制御装置22へ出力するようになっている。制御装置22は、フロートセンサ19からの検出情報に基づいて、予め設定されたセンタフロート11Aの基準姿勢を示すフロートセンサ19の基準電圧レベル(制御目標値)と、フロートセンサ19から出力された電圧レベルとが合致するように、リフトシリンダ3に対する作動油の流動状態を制御する電磁制御弁23の作動を制御して苗植付装置5を昇降させるようになっている。
【0019】例えば、センタフロート11Aが予め設定された基準姿勢を示す状態となる基準電圧レベルを得るためのセンサ本体19aに対する操作軸19bの基準位置が図3および図6におけるa位置である場合に、センタフロート11Aの上下揺動により回動操作された操作軸19bの実操作位置が図3および図6におけるb位置であるとすると、制御装置22は、その地点の泥面が隆起していると判断するとともに、電磁制御弁23の作動を制御して、センサ本体19aに対する操作軸19bの基準位置と実操作位置とが合致(基準電圧レベルと出力電圧レベルとが合致)するように苗植付装置5を上昇させることによって、センタフロート11Aを含めた各整地フロート11を基準姿勢に復帰させるのである。また、センタフロート11Aの上下揺動により回動操作された操作軸19bの実操作位置が図3および図6におけるc位置であるとすると、制御装置22は、その地点の泥面が沈降していると判断するとともに、電磁制御弁23の作動を制御して、センサ本体19aに対する操作軸19bの基準位置と実操作位置とが合致(基準電圧レベルと出力電圧レベルとが合致)するように苗植付装置5を下降させることによって、センタフロート11Aを含めた各整地フロート11を基準姿勢に復帰させるのである。
【0020】つまり、制御装置22には、フロートセンサ19からの検出情報に基づいて、各整地フロート11が基準姿勢に復帰するように走行機体1に対する苗植付装置5の昇降を自動的に制御する自動昇降制御手段22Aが制御プログラムとして備えられており、この自動昇降制御手段22Aの制御作動によって、苗植え付け作業時における苗植付装置5の対地高さを設定対地高さに維持した状態で、苗植付装置5を圃場の起伏に沿わせて昇降させることができ、これによって、操作レバー15により予め設定された苗植え付け深さでの苗の植え付けを精度良く安定して行えるようになっている。
【0021】図6に示すように、走行機体1の操縦部には、回転式のポテンショメータなどによって構成された手動操作式の設定器24が備えられており、この設定器24は、人為的に判断した圃場の泥土硬さに応じた操作位置へのダイヤル設定操作を行うことによって、センタフロート11Aの基準姿勢を示すフロートセンサ19の基準電圧レベル(制御目標値)を圃場の泥土硬さに応じた電圧レベルに変更できるようになっている。この設定器24により変更されたフロートセンサ19の基準電圧レベルは制御装置22に直ちに入力され、制御装置22は、変更後のフロートセンサ19の基準電圧レベルとフロートセンサ19からの出力電圧レベルとが合致するように電磁制御弁23の作動を制御して苗植付装置5を昇降させるようになっている。
【0022】例えば、人為的に圃場の泥土が硬いと判断した場合には、その泥土硬さに応じた「硬」側の操作位置に設定器24を設定する。すると、その操作位置に応じた基準電圧レベル(制御目標値)を得るためのセンサ本体19aに対する操作軸19bの基準位置が図3および図6におけるb位置方向に変更されるようになり、その変更に伴って、制御装置22は、電磁制御弁23の作動を制御して、センサ本体19aに対する操作軸19bの変更後の基準位置と実操作位置とが合致(変更後の基準電圧レベルと出力電圧レベルとが合致)するように苗植付装置5を下降させるのである。この制御作動によって、センタフロート11Aの基準姿勢が変更後の基準電圧レベルに応じた前上がり姿勢に変更されるようになり、その基準姿勢の変更によって、機体前後方向におけるセンタフロート11Aの圃場泥面に対する接地長さが変更後の基準電圧レベルに応じて短くなるとともに、センタフロート11Aを地面側に付勢する圧縮バネ25が変更後の基準電圧レベルに応じた比較的に強い圧縮状態(圃場に対するセンタフロート11Aの圧接力が変更後の基準電圧レベルに応じて比較的大きくなる状態)になり、フロートセンサ19の感知感度が設定器24の操作位置に応じた鈍感側の感知感度に変更されるのである。
【0023】また、人為的に圃場の泥土が柔らかいと判断した場合には、その泥土硬さに応じた「軟」側の操作位置に設定器24を設定する。すると、その操作位置に応じた基準電圧レベル(制御目標値)を得るためのセンサ本体19aに対する操作軸19bの基準位置が図3および図6におけるc位置方向に変更されるようになり、その変更に伴って、制御装置22は、電磁制御弁23の作動を制御して、センサ本体19aに対する操作軸19bの変更後の基準位置と実操作位置とが合致(変更後の基準電圧レベルと出力電圧レベルとが合致)するように苗植付装置5を上昇させるのである。この制御作動によって、センタフロート11Aの基準姿勢が変更後の基準電圧レベルに応じた前下がり姿勢に変更されるようになり、その基準姿勢の変更によって、機体前後方向におけるセンタフロート11Aの圃場泥面に対する接地長さが変更後の基準電圧レベルに応じて長くなるとともに、センタフロート11Aを地面側に付勢する圧縮バネ25が変更後の基準電圧レベルに応じた比較的に弱い圧縮状態(圃場に対するセンタフロート11Aの圧接力が変更後の基準電圧レベルに応じて比較的小さくなる状態)になり、フロートセンサ19の感知感度が設定器24の操作位置に応じた敏感側の感知感度に変更されるのである。
【0024】つまり、設定器24は、人為的に判断した圃場の泥土硬さに応じたフロートセンサ19の基準電圧レベルを感度目標値として手動設定するためのものである。また、制御装置22には、設定器24により手動設定された感度目標値にフロートセンサ19の感知感度を自動的に調節する手動感度調節手段22Bが制御プログラムとして備えられている。
【0025】図5および図7に示すように、整地フロート11のうち、苗植付装置5の左右に位置するサイドフロート11Bにおける後部側底面の左右中央には、後方側ほど幅狭になる状態で前後方向に延びる溝部26が形成されており、偏平形状に形成されたサイドフロート11Bにおける前部側底面の圧接により押し分けた泥土を、その圧接力に応じてサイドフロート11Bの左右中央側となる前記溝部26に寄せ集めるようになっている。ここで、例えば、圃場に起伏または泥土硬さの変化がない場合には、圃場に対する各整地フロート11の圧接力が一定となり、サイドフロート11Bの左右中央側には一定量の泥土が寄せ集められるようになることから、溝部26に寄せ集められた泥土の表面レベルは一定レベルに維持されるようになっている。圃場に起伏の変化が生じた場合には、直ちに、その起伏の変化に起因した各整地フロート11の前部に対する接地圧の変動に伴うセンタフロート11Aの上下揺動変位量をフロートセンサ19が検出するとともに、そのフロートセンサ19からの検出情報に基づいて、自動昇降制御手段22Aが、設定器24によって予め設定された基準姿勢に各整地フロート11が復帰するように走行機体1に対する苗植付装置5の昇降を制御し、圃場の起伏にかかわらず苗植付装置5を所定の対地高さに維持するようになることから、圃場に対する各整地フロート11の圧接力に殆ど変化はなく、サイドフロート11Bの左右中央側には略一定量の泥土が寄せ集められるようになる。つまり、溝部26に寄せ集められた泥土の表面レベルは、圃場の起伏にかかわらず略一定レベルに維持されるようになっている。圃場に泥土硬さの変化が生じたとすると、直ちに、その泥土硬さの変化に起因した各整地フロート11前部の沈下量の変動に伴うセンタフロート11Aの上下揺動変位量をフロートセンサ19が検出するとともに、そのフロートセンサ19からの検出情報に基づいて、自動昇降制御手段22Aが、設定器24によって予め設定された基準姿勢に各整地フロート11が復帰するように走行機体1に対する苗植付装置5の昇降を制御するようになることから、圃場に対する整地フロート11の圧接力に変化が生じるとともにサイドフロート11Bの左右中央側に寄せ集められる泥土量が圧接力に応じて変動するようになる。つまり、溝部26に寄せ集められた泥土の表面レベルは圃場の泥土硬さの変化に伴って変動するようになっている。ちなみに、圃場の泥土硬さが硬い側に変化すると、自動昇降制御手段22Aの制御作動により苗植付装置5が上昇するとともに圃場に対する整地フロート11の圧接力が小さくなり、溝部26に寄せ集められる泥土量が減少するようになることから、泥土の表面レベルは低い側に変動するのである。また、圃場の泥土硬さが柔らかい側に変化すると、自動昇降制御手段22Aの制御作動により苗植付装置5が下降するとともに圃場に対する整地フロート11の圧接力が大きくなり、溝部26に寄せ集められる泥土量が増加するようになることから、泥土の表面レベルは高い側に変動するのである。
【0026】また、各サイドフロート11Bには、サイドフロート11Bによって形成される溝跡のうち、溝部26における溝跡深さを検出する溝跡深さ検出手段Aが装備されている。溝跡深さ検出手段Aは、各サイドフロート11Bにおける上下揺動支点(軸芯P2)の前方部位に形成された切欠部27から溝部26に寄せ集められた泥土の表面に接地して、溝部26における泥土表面レベルの変化を上下揺動変位量に変換する接地体28と、接地体28の上下揺動変位量を溝部26における溝跡深さとして検出する回転式のポテンショメータ29とによって構成されている。接地体28は、その接地部28aが切欠部27より後方の溝部26内に位置して各サイドフロート11Bの上下揺動支点下方の泥土表面に接地するとともに、その検出アーム部28bが切欠部27からサイドフロート11Bの上部外方へ露出する状態に、溝部26の上部に横架された支軸30によって上下揺動自在に枢支されている。ポテンショメータ29は、各サイドフロート11Bの前部側に固定支持されており、その操作アーム30aが接地体28の検出アーム部28bに操作ロッド31を介して連動連結されている。つまり、溝跡深さ検出手段Aは、溝部26における泥土表面レベルの変化を溝部26における溝跡深さとして検出するようになっている。尚、各サイドフロート11Bには、接地体28の検出アーム部28bの揺動を許容しながら切欠部27を閉塞するゴム体32と、溝跡深さ検出手段Aの上部を覆うカバー体33が装備されており、ポテンショメータ29および操作ロッド31に対する泥土の付着が防止されている。
【0027】図6に示すように、各溝跡深さ検出手段Aのポテンショメータ29は、各サイドフロート11Bの溝部26における溝跡深さを電圧レベルに変換して制御装置22へ出力するようになっている。一方、制御装置22は、各溝跡深さ検出手段Aからの検出情報としての電圧レベルを逐次読み込んで、それらの平均値とその平均値の移動平均とを逐次算出するとともに、最新の移動平均に基づいて走行に伴って変化する圃場の泥土硬さを判別し、泥土硬さが変化するごとにその泥土硬さに応じたフロートセンサ19の感度目標値(基準電圧レベル)を自動選定するとともに、フロートセンサ19の感知感度をその自動選定した感度目標値に自動調節するようになっている。
【0028】例えば、溝跡深さ検出手段Aによって検出されたサイドフロート11Bの溝部26における溝跡深さが浅い(溝部26における泥土表面レベルが高い)場合には、制御装置22は、その地点の圃場泥土が柔らかい泥土であると判別するとともに、その柔らかさに応じた整地フロート11による弱い圧接力が得られる敏感側の感度値をフロートセンサ19の感度目標値として自動選定し、フロートセンサ19の感知感度を自動選定された敏感側の感度目標値に自動調節するようになっている。これによって、その地点での泥土硬さに適応した整地作用を整地フロート11によって施しながら、柔らかい泥土の起伏を、フロートセンサ19によって鈍感になり過ぎない程度の適切な感知感度で検出できるのである。また、溝跡深さ検出手段Aによって検出されたサイドフロート11Bの溝部26における溝跡深さが深い(溝部26における泥土表面レベルが低い)場合には、制御装置22は、その地点の圃場泥土が硬い泥土であると判別するとともに、その硬さに応じた整地フロート11による強い圧接力が得られる鈍感側の感度値をフロートセンサ19の感度目標値として自動選定し、フロートセンサ19の感知感度を自動選定された鈍感側の感度目標値に自動調節するようになっている。これによって、その地点での泥土硬さに適応した整地作用を整地フロート11によって施しながら、硬い泥土の起伏を、フロートセンサ19によって敏感になり過ぎない程度の適切な感知感度で検出できるのである。
【0029】つまり、制御装置22には、溝跡深さ検出手段Aからの検出情報に基づいて泥土硬さを判別し、その泥土硬さに応じたフロートセンサ19の感度目標値を自動選定してフロートセンサ19の感知感度を自動選定した感度目標値に自動調節する自動感度調節手段22Cが制御プログラムとして備えられており、この自動感度調節手段22Cの制御作動により、より高い精度で苗植付装置5を予め設定された苗植え付け深さが得られる所定の対地高さに維持できるようになっている。ちなみに、走行機体1の操縦部には、図6に示すような手動操作式の切換スイッチ34が備えられており、制御装置22は、この切換スイッチ34を「手動」位置に設定すると手動感度調節手段22Bによる制御作動を実行し、切換スイッチ34を「自動」位置に設定すると自動感度調節手段22Cによる制御作動を実行するようになっている。
【0030】従って、以上のように、整地フロート11のうちのサイドフロート11Bの底面における後部側に、サイドフロート11Bの圧接により押し分けた泥土を、その圧接力に応じてサイドフロート11Bにおける左右中央側に寄せ集める状態となる前後方向の溝部26を形成するとともに、サイドフロート11Bの後部に、溝跡深さ検出手段Aの接地体28が溝部26の泥土表面に接地する状態となる切欠部27を形成し、溝跡深さ検出手段Aが溝部26における溝跡深さを検出するように構成することによって、溝跡深さ検出手段Aに接地体28を一つだけ装備する構成でありながらも、この溝跡深さ検出手段Aによって、自動感度調節手段22Cにより圃場の泥土硬さを判別させるためのサイドフロート11Bにおける溝部26の溝跡深さ(泥土表面レベル)を検出できるようになることから、溝跡深さ検出手段Aとしての構成の簡素化を図ることができるのである。また、接地体28を、サイドフロート11Bの後部に形成された切欠部27から溝部26の泥土表面に接地させるようにしていることによって、接地体28を整地フロート11の後端よりも後方に配設した場合に生じる、田植機の全長が長くなって操縦性の面において不利になる、および、畦などの他物に接地体28を接触させて溝跡深さ検出手段Aを破損させるなどの不都合を回避できるのである。更に、植付爪9Aによる苗植え付け箇所付近となるサイドフロート11Bの上下揺動支点P2付近に接地体28を接地させるように構成していることから、溝跡深さ検出手段Aによって、より適切な地点(植付爪9Aによる苗植え付け箇所付近)の溝跡深さを検出させることができるとともに、自動感度調節手段22Cによって、その時点での苗植え付け箇所付近の泥土硬さに適応した感知感度にフロートセンサ19の感知感度を自動調節させることができるので、より一層高い精度で予め設定された苗植え付け深さが得られる所定の対地高さに苗植付装置5を維持できるのである。
【0031】〔別実施形態〕以下、本発明における別の実施形態を列記する。
■ 田植機としては、例えば、四条植え、五条植え、六条植え、あるいは、八条植えなどのいずれの形態のものであってもよい。
■ 図8に示すように、接地体28をサイドフロート11Bの上下揺動支点となる支軸14に枢支するとともに、ポテンショメータ29をフロート支点パイプ12の軸芯上に配設することによって溝跡深さ検出手段Aを構成するようにしてもよい。また、溝跡深さ検出手段Aの接地体28を、各サイドフロート11Bにおける上下揺動支点(軸芯P2)の後方部位に形成した切欠部27からサイドフロート11Bにおける溝部26に寄せ集められた泥土の表面に接地させるように構成してもよい。
■ 図9および図10に示すように、サイドフロート11Bの溝部26を、その前部側ほど幅広になるとともに溝深さが浅くなる状態に形成して、サイドフロート11Bの圧接により押し分けた泥土をサイドフロート11Bの左右中央側に寄せ集め易くなるようにしてもよい。また、図11に示すように、サイドフロート11Bの溝部26を、その上部側ほど幅狭になる状態に形成してもよい。更に、サイドフロート11Bの溝部26を、その上部側ほど幅狭になる状態に、かつ、上部側ほど幅狭にする傾斜面がサイドフロート11Bの後部側ほど起立する状態となるように形成してもよい。
■ センタフロート11Aに、溝部26および切欠部27を形成するとともに、溝跡深さ検出手段Aを装備するようにしてもよい。これによって、溝跡深さ検出手段Aの構成を更に簡素化することができる。
【0032】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013